ハリー・ポッターと導く者   作:匿名希望 2

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ニワトコの杖

 

 

 

 

 

 

二ヶ月後

 

 

 

<ヌメルンガード最上階>

 

 

 

俺とヴォルデモートはある老人に会いにきた。

 

「かつて史上最強の闇の魔法使いと呼ばれた者が今では見るに堪えんなな。ゲラート・グリンデルバルド...。」

 

ハウルはヴォルデモートと共にドイツにある大監獄のヌメルンガードの最上階に来ていた。ハウルがグリンデルバルドに話しかけると、瘦せ細り、弱っているものの、眼だけは鋭く攻撃的な印象を覚えた。

 

「ここに客人が来るのは久しぶりだな。」

 

グリンデルバルドは俺とヴォルデモートが現れたのに全く動じず、ニヤッと笑った。

 

「ニワトコの杖はどこにある?」

 

ヴォルデモートはグリンデルバルドにそう言うと、グリンデルバルドはケタケタ笑った。

 

「<死の秘宝>か?ただの御伽話だろ?」

 

 

 

 

***

 

 

 

<死の秘宝>

 

 

 

 

昔々あるところに、夕暮れ時の曲がりくねった道を旅する三人の兄弟がいた。

 

やがて兄弟は、とても深く、泳いで渡るには危険な川にたどり着いた。兄弟達は魔法に長けていたので、杖の一振りで川の上に橋を架けることができた。その橋を渡ろうとしたところ、途中でマントに身を包んだ人影が道を遮っているのに気づいた。それは「死」だった。

 

「死」は怒っていた。普通の旅人は川で溺れ死ぬのに、彼らは魔法で自分を欺いたからだ。しかし「死」は狡猾だった。「死」は兄弟達の魔法を讃えるフリをし、自分から見事逃れたら褒美を与えようと言った。

 

長男は好戦的だったので、「この世にあるどんな杖よりも強い杖」を望んだ。「死」は彼に川岸のニワトコの木から作った「杖」を与えた。

 

次男は傲慢なため、「死」に更に屈辱を与えたいと思った。そこで彼は「死」から「死者を呼び戻す力」を望んだ。「死」は川辺の石を拾って彼に与え、「この石には死者を蘇らせる力がある」と言った。

 

三男は謙虚で三人の中で一番賢かったので、「死」を信用していなかった。そこで彼は、「自分達が<死>から逃れられる物」を望んだ。「死」は渋々自分の持ち物の中からマントを彼に与えた。

 

「死」は兄弟が旅を続けられるよう道を譲った。兄弟は自分達が体験した不思議な冒険について語りながら、「死」からの贈り物に感嘆していた。やがて兄弟は、それぞれの目的地に行くため、別々の道を進んでいった。

 

長男は1週間ほど旅を続け、ある村にたどり着いた。そこでかつて争った魔法使いを探し出し、決闘をした。世界最強の杖<ニワトコの杖>を持つ長男は見事勝利し、相手の死体を床に残したまま宿へ向かった。そこで彼は自分がいかにしてこの強力な杖を「死」から手に入れたかを語った。その夜、彼が眠っているところに別の魔法使いが忍び寄り、長男の喉をかき切り、ニワトコの杖を盗んだ。こうして「死」は長男を自分のものにした。

 

次男は自宅に戻った。そこで<蘇り石>を掌の中で3回転がすと、彼がかつて結婚したいと望んだ女性が目の前に現れた。しかし彼女は冷たく悲しそうで、次男との間にはベールがあるかのようだった。彼女はこの世界に戻ってきたものの、そこは今や彼女の住むべき場所ではなかったので、彼女は毎日苦しんだ。そして次男は狂おしいほどの切望によって正気を失い、彼女と本当の意味で一緒になるために自殺した。こうして「死」は次男を自分のものにした。

 

しかし「死」は、透明マントを使った三男だけは見つけることができなかった。三男が透明マントから姿を現し、マントを息子に与えたのは、彼が高齢になってからだった。そして三男は「死」を古くからの友人として迎え、喜んで「死」と共にあの世へと旅立っていった。

 

 

 

***

 

 

 

<死の秘宝の補足>

 

 

「吟遊詩人ビードルの物語」に載っている御伽噺の1つで、魔法界で最も有名な御伽噺であり、魔法界出身者で知らない者は殆どいないとされる。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

「違うな。グレゴロビッチはニワトコの杖をお前に盗まれたと漏らした。」

 

グリンデルバルドは舌打ちをして、不機嫌そうに俺を睨むと少しずつ、目から鋭さがなくなってきた。

 

「...お前。お前の両親か祖父母は俺と何処かで会ったか?」

 

目を見開き、俺に尋ねた。

 

「そういや、自己紹介してなかったな。俺はハウル・グリンデルバルド...。グレンスト家の現当主だ。」

 

父上は俺が殺したから、正当な継承者は俺かキースになる。年齢も魔法の力も器も俺の方が上だから、嘘では無いだろう。

 

「クックック...。俺の血筋を引くものか?茶でも出すのが一般的だが、あいにく住み心地が悪くてな...。」

 

ケタケタ笑いながら、グリンデルバルドは冗談を言うが、俺とヴォルデモートの冷めた顔を見て笑いを抑える。

 

「杖か?見た通り、俺はもう持っちゃいねぇし、在りかもしらねぇ。」

 

グリンデルバルドの態度にヴォルデモートはイラッときたのか、口を開く。

 

「嘘をつくな。貴様は知っているはずだ。さぁ言え。」

 

ヴォルデモートは殺気を出すが、グリンデルバルドには効果が無いようだ。

 

「なぁヴォルデモート。少しこいつと話をさせろ。尋問及び拷問はその後だ。」

 

ヴォルデモートの言葉を無視し、グリンデルバルドは提案をする。

 

「...五分だ。それ以上は待たん。」

 

ヴォルデモートは歯を噛み締めながら、階段を降りて行った。

 

「...それでなんの用だ?」

 

俺が面倒くさそうにグリンデルバルドを見るとケタケタ笑っている。俺は呆れて、階段を降りてヴォルデモートを呼び戻そうと後ろを向くと、今までとは違う真剣で低い声が聞こえてきた。

 

「お前は俺と同じタイプだ。お前はヴォルデモートの下で何を企んでいる?理由も無しに誰かの下につくようなタマじゃねぇだろ?」

 

俺の心を見透かすように、ジッと見つめる。

 

「仮にそうだとしても、お前に教える義理でもあるのか?」

 

俺の答えにグリンデルバルドは今までとは比べものにならないほど、口角をあげ、ニヤッと笑ってヤニだらけの歯をみせる。

 

「クックック、ハァッハァッハァッハァッハッ‼︎ やっぱり俺とお前は似ている。ヴォルデモートがあの杖を手にしたのなら、必ずお前の目的の障害となるのは目に見えてる。手ぐらい打ってあるのだろう?少なからず俺なら打っている。」

 

グリンデルバルドは口元は緩んでいるが、目を尖らせたまま俺を見つめる。そんな時に階段の方からヴォルデモートの足音が聞こえてくる。

 

「まぁいい。俺はここで死ぬだろうが、お前は上手くやれ。」

 

グリンデルバルドは囁くように俺に言うと、先程のようにニヤニヤ笑い始めた。

 

 

 

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