ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
「ハウルの事はわしの杞憂じゃった。フォークス?どうしたんじゃ」
誰も居なくなった校長室でダンブルドアが独り言をつぶやくとダンブルドアの愛鳥のフォークスが鳴き始めたのだ。
「なにかわしに伝えようとしてるのかの?それでは少しばかり覗かせて貰うとしよう。<レジリメンス>」
フォークスに開心術を使うとダンブルドアは唖然とした。フォークスの記憶が見えた。秘密の部屋でハリーがトムリドルの日記をバジリスクの牙で破壊し終わり倒れる場面だった。すると突然目の前にハウルが現れたのだ。ハリーは理解した。ハウルはハリーを助けに行ったのではない。ずっと見ていたのだ。
「まさかハウルはリドルと手を組んでおったのか...」
ダンブルドアはフォークスの記憶を見て唖然としている。するとダンブルドアは憂いの篩の記憶の入ったフラスコが大量にあるガラスケースを開けた。そして奥に手を突っ込み、中から厳重に保管されていたフラスコを取り出した。フラスコの底にごく僅かに水が入っている。ハリーはハウルの涙であると理解した。ダンブルドアはフラスコの蓋を開けようか開けまいか悩んでいる。
「...もしハウルがトムと手を組んでおったら最悪じゃ。ハウルが純血主義ならば確実にヴォルデモートの元へ向かうじゃろう。」
ダンブルドアは自分を納得させるようにつぶやいた。ダンブルドアはハウルとヴォルデモートが似ていると話していた。もしハウルがマグルを嫌っており、学生時代のヴォルデモートと同様隠していると仮定したのなら、その推測は恐らく的中するだろう。ダンブルドアは蓋を開け中に涙を入れ顔を水盤の中を覗き込んだ。
場面が変わると凄く立派な屋敷の庭に変わった。するとサラリとした金髪をした可愛らしい少年が楽しそうに走っている。後ろにはキツそうに追いかけているしもべ妖精がいる。スーツを着ていたので、ハリーはグレンスト家の屋敷であると予想した。
「ハウル坊ちゃま!走ると転びますよ!それに私めは護衛なのですから側を離れないで下さいよ!」
しもべ妖精はハウルを追いかけながら辛そうに言った。するとハウルは走りながら振り返りニッコリ笑った。
「着いてこなくていいよティンクス!僕は森の中に入るだけし、結界の外には絶対出ないよ!それに僕は来月で7歳だよ。森ぐらい平気だって!」
ハウルは再び前を向き走り出した。
「坊っちゃま!ティンクスめは貴方のお父様から言いつけられているのです!ちょっと!お待ちください!」
ティンクスは息をゼェゼェ言わせながらハウルを追いかけて行った。森の中を突き進んで行くとハウルは突然立ち止まると何かを見ている。
「坊っちゃま!やっと追いつきましたよ!」
ティンクスが走ってきてハウルの側に着く。息を整えているとハウルの目線に気づき前を向く。すると少し離れた所で女の子が花を摘んでいる。
「ねぇティンクス。今日はお客さんでも来るの?」
ハウルはティンクスに尋ねた。
「いいえ、私めは知りませんよ。可笑しいですね。親方様は必ず来客の時はしもべ妖精全員に話を通すはずですのに...。」
ティンクスが顎を手で支え考える。
「父上が言い忘れたのかな?結界はちゃんと機能しているし、女の子だからお客さんの娘じゃないの?」
ハウルが推測するがティンクスは返事をすぐに返さない。
「親方様がそんなミスをするとは思えません。万が一のために私めが探ってまいりますので木陰に隠れ...おっ、お坊ちゃま?」
ティンクスが恐る恐る隣を振り返るとそこにハウルはいなかった。
「ねぇ君!君の名前は?」
ハウルは花を摘んでいる女の子に話しかけていた。
「お坊ちゃま‼︎ 危険ですよ!常に警戒心は持っておくべきですよ!」
ティンクスがハウルの元に走ってくると、ハウルの前に立つ。
「あら?もしかして貴方は妖精さんかしら?」
女の子は膝を曲げ、ティンクスと目線を合わせるとジッと見た。
「へ?君、しもべ妖精知らないの?」
ハウルは素直に疑問を女の子にぶつけた。
「しもべ妖精?聞いたことないわ。そういえばここどこなの?私、道に迷ったみたいなの。気づいたら森の中にいたの。」
女の子は首をかしげながらハウルに尋ねた。
「ここはグレンスト家の屋敷にございます。もしかして貴方はマグルですか?」
ティンクスが女の子の質問に答える。
「まぐる?ごめんなさい。私さっきから貴方達が何を言ってるのかさっぱりわからないわ。」
女の子が申し訳なさそうに言う。
「まぁいいじゃん。僕はハウル。君の名前は?」
ハウルは女の子に自己紹介をし、握手をしようと手を差し伸べた。
「私はアイリスよ。アイリス・ウィット。」
アイリスはハウルの握手に応え、可愛らしく無邪気に笑った。