ハリー・ポッターと導く者   作:匿名希望 2

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人格者の裏の顔

「ドラコ・マルフォイだったよな。ドラコって呼んでいいか?」

 

俺のフレンドリーな態度に驚く

 

「君とは仲良く出来ないと思ってたんだが...。」

 

つい本音を漏らしてしまう。

 

「確かにさっきは嫌味を言ってたから突っかかったが、人間は誰にでも良い所と悪い所がある。ドラコの悪い所は見下すことだが、これだけでドラコのすべてを知ってる訳じゃない。それにルームメイトなら仲良くしたいだろ?」

 

「フフッ、あの美少女二人が君の事を気に入っている理由を理解できた気がするよ。僕もハウルと呼ばせてもらうよ。」

 

ドラコは手を差し出し、俺と握手を交わす。

 

「話は変わるが一ついいか?蛇は大丈夫か?」

 

ルームメイトが蛇が苦手だったら、生活しずらいからな。

 

「あぁ蛇は大好きだ。もしリストに蛇が載ってたら、フクロウなんか置いていくよ。」

 

ドラコは足元の灰色のおとなしいワシミミズクをみる。

 

「そうか...安心したよ。《アリア。出て来てくれ。》」

 

俺が蛇語でアリアを呼び出す。アリアは袖から顔を出し、お辞儀をする。マルフォイは驚いている。

 

「君ってパーセルマウスなんだね‼ もしかしてスリザリンの血を引いてる⁉ 」

 

ドラコは俺の両肩を掴んで興奮気味に問いただす。確かに蛇語を扱うのはスリザリンの一族か闇の魔法使いだという偏見があるが、必ずしもそうではない。

 

「グレンスト家は元々ドイツの家柄だし、母上はレイブンクローの末裔だから多分違うな。」

 

「レイブンクロー‼?? 」

 

マルフォイは本日二度目の大声を出す。

 

「あぁ、母さんの名前はマリア・レイブンクローだ。稀にグレンスト家では蛇語を生まれつき扱える子供が産まれるらしい。」

 

「よくレイブンクローに行かなかったね。」

 

組み分けは血筋によって決められる事がよくある。

 

「あぁ、初めはそうだったんだが、どこの寮の適性があるから選んでくれって言われたから、俺が一番成長する寮を希望したら、スリザリンに選ばれた。」

 

「そうだったのか、君の組み分けは一番時間かかってたもんな。ちなみになんていう蛇なんだ?僕は蛇に詳しいと自負してるがそんな蛇は見たことない。」

 

幻獣だもんな。

 

「絶対内緒で頼むぞ。ヒュドラだ。」

 

「あぁ、それか...ヒュドラ‼??」

 

まぁバジリスクと並ぶ蛇の幻獣だもんな。切り落として無いから首増えないもんな。

 

「ヒュドラってあのヒュドラ⁉触ってもいいかい?」

 

ドラコが目をキラキラさせながらアリアに手を伸ばす。

 

「少し待ってくれ。」

 

《大丈夫か?》

 

《悪い人じゃなさそうだし、構わないわ》

 

「大丈夫みたいだぞ。猛毒だから牙には絶対触れるなよ。」

 

恐る恐る手を触れるが、直ぐに慣れたのか撫で始める。

 

「でもリストに載ってなかったぞ。」

 

アリアを撫でながら聞く。

 

「あぁ、俺は軽い疾患があってな。脳の記憶を司る海馬が異常に発達してて、そのお陰で俺の記憶力は良すぎるんだ。脳に情報が行き過ぎて、パンクするんだ。海馬を抑えるための薬に新鮮な蛇の鱗が必要なんだ。学校に蛇はいないし、アリアの鱗の毒が丁度よくてな。それに俺の体調によって調合方法も変わってくるから、俺自身が調合する条件で特別に許可してもらった。学校は知ってるが、もし生徒にヒュドラってバレたら面倒な事になる。」

 

「そうなのか...アリアの事は心配しなくていい。絶対内緒にするよ。」

 

ドラコはアリアを気に入ったのか真剣な眼差しで誓う。その後アリアの事を詳しく教えてくれと頼まれ、しばらく出会った経緯や万が一のために持ってきた解毒薬の置き場所を決めたりなどのアリアの話を続けた。

 

「話は変わるが、ドラコは純血主義か?」

 

マルフォイ家はグレンスト家に次ぐ由緒ある家柄だが、純血主義として有名だ。

 

「もちろん、魔法界からマグル出身は一人残らず追放すべきだと考えるよ。君はどうだい?」

 

ひとくくりに純血主義と言ってもかなり差がある。魔法界とマグルは付き合うべきで無いという穏健派からマグルを殺戮し純血や反純血のみで世界を支配すべきだと考える過激派もいる。

 

「俺は魔法界からマグル出身者は奨励すべきだと考える。マグル出身者の中には優秀な奴も多くいる。」

 

ドラコの顔色が変わる。

 

「じゃあ君はなんかい?マグルと仲良くお手てを繋ぐべきだと考えてるのかい?」

 

ドラコが怒りの声をあげる。

 

「いや、そうではない。魔女狩りの歴史や環境破壊の観点からみると、マグルとは関わらせない方がいい。だが、現実問題戦争が始まると負けるのは俺たちだぞ。」

 

「あんな魔法を使えない劣等種なんかに僕達が負ける?どうかしてるよ。」

 

「確かに一対一の勝負なら魔法使いは負ける訳はない。だが戦力はどうだ?そもそも魔法使いの人口はマグルの十分の一だし、魔法使いの中にはマグル擁護派も少なくはないし、魔法は使い過ぎると脳に深刻なダメージが残る。それに比べてマグルは魔法と比べて効率は遥かに劣るが、作った分だけ武器はある。短期戦ならまだしも長期戦なら負けるのは必然だ。」

 

ドラコが何も言い返せなくなる。

 

「つまり俺の意見は魔法界とマグルとはできる限り関わせるべきでない。だが魔力のあるマグルはできる限り率いれ味方にすべきだ。よりよい魔法界の未来のために...。」

 

ドラコは大きく目を見開き、口を開く。

 

「君の意見は僕だけじゃ到底考えつけないものだった。僕はマグル出身者は追放すべきでないと思えてきたけど、新たにマグルを魔法界に率いれる事にはまだ反対だ。でも君とならよりよい魔法界を作ってゆけるかもしれない。改めて僕と友人になって欲しい。」

 

先ほどの建前上のとは違う握手を求める。俺はすぐにその手を握り返す。

 

「フフッもう友達だろう?」

 

フフッ、予定通りだ。ドラコのような親の教えのみで形成された価値観は問題点を提議し、解決策を与えれば簡単に崩れる。あとは時間をかけて崩していけばいい。

 

...ルームメイトとは仲良くしたいからな。

 

ハウルの表面上の微笑みと言葉に騙され、人格者の裏の顔をドラコは気づくことができなかった。

 

 

長年揺るがなかった価値観を軽く崩す才能。これはまだ彼の圧倒的なカリスマ性の片鱗に過ぎなかった。

 

 




これからスリザリンの特色の根強い差別意識を変えていくかどうかはまだ決めていません。ハウルの気まぐれによります。
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