ハリー・ポッターと導く者   作:匿名希望 2

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ハウル・グリンデルバルドの記憶 6

 

 

 

 

何が起こったんだ?僕の上にいるのは誰だ?

 

 

ハウルの思考は確実に止まった。脳が180°回転したような錯覚をし、健康なはずなのに身体が突然だる重くなった。ハウルは死喰い人の二人が大笑いしているのにハウルの耳には微塵も聞こえてこなかった。二人の様子を見て幼きハウルの遥か奥底から何かが溢れてきた。少しずつ闇のオーラが湧きあがってきた。二人はハウルの異変に気づかない。

 

ハウルの頭の中に自分だが自分でない恐ろしい声が響いてきた。やがてハウルの目の前に現れた。心の奥底にいる闇だった。

 

<コロセ>

 

「君は誰だ⁉︎」

 

<ダレデモイイダロ?アイツラガニクイダロ?オレガチカラヲカシテヤル。>

 

「僕は復讐なんて望まない!」

 

<ナニイッテンダオマエ?アイリストティンクスヲヤッタノハアイツラダロ?>

 

「だとしても父上はそれを望まない。憎しみは憎しみしか生まないっていつも父上はそう言ってるんだ!だから僕で連鎖を断ち切る!」

 

<チゲェヨ。ニクシミハタチキフモンジャネェ。ジシンニニクシミヲモツデアロウモノヲミナゴロシニスレバスムハナシダ。」

 

「ダメだ!人殺しはどんな理由であってもそれだけはしちゃいけない!」

 

<ドンナリユウデモ?ハハッ!カンチガイスルナヨ。アイリスヲヤッタノハアイツラデハナイ、オマエダハウル...。>

 

「僕が?僕は何もしてない!」

 

<チガウナ。オマエガツヨケレバダレモキズツカズニスンダ...。オレガマチガッタコトデモイッタカ?>

 

「違っ!...わない。」

 

<ソウダロ?オレニミヲユダネロ。オレガヤッテヤル。サァ、オレヲウケイレロ!>

 

「君は!君は誰なんだ⁉︎」

 

<オレカ?『俺はハウルだ。』

 

 

 

ハウルは突然立ち上がった。すると手には弾かれたはずの杖が収まっていた。ハウルは杖をカインズに向け唱えた。この呪文は知っていた。絶対に使ってはならぬ、知ってはならぬと父親に強く言い聞かせられたのに有り余る好奇心と向上心を抑えきれず屋敷の本棚で探し求めたのだ。すると古く強力な闇の呪文が載っていた書物の最後のページに擲り書きのような感じで載っていた。その呪文の下に持ち主らしきゲラート・グレンストという名前が記されていた。

 

「<アバダ・ケダブラ> 息絶えよ。」

 

突然立ち上がったハウルにカインズは気付くと同時に息を引き取った。カインズはアイリス同様人形のように力なく倒れた。バリソスはカインズが死ぬだと事に驚き、目を見開いた事により隙を作ってしまった。杖を振りかぶると武装解除され杖を弾かれた。

 

「おいおいおい!待てよ待てよ。俺ぁ丸腰だぜ?落ち着けって!」

 

バリソスはハウルをなだめるように両の手の平をハウルに向けるがハウルは冷たく残酷な顔をしていた。

 

「俺が止めてくれって頼んだのをお前達は聞いてくれたか?お前達は人を殺す覚悟があったからこそ死喰い人に入ったのだろう。ならば俺が慈悲をかける義理も恩もないな。」

 

抑揚なく冷たく言い放つと杖の先端から巨大な炎のヒュドラが現れた。バリソスを威圧するように吼えたヒュドラはバリソスを呑み込むように焼き尽くした。焼き苦しむバリソスに全く手を緩めずやがてバリソスはただの黒い塊となった。ハウルは悪霊の炎を止めアイリスの元へ歩いた。ハウルの周りは炎が木々に燃え移り火は次第に広がっていく。ハウルは巨大な炎などに目もくれずアイリスをお姫様抱っこするとティンクスの方を向いた。ティンクスはハウルがやった事だと信じられず目を見開いていたがすぐに現実に戻った。

 

「奥様にお伝えせねば!」

 

ティンクスは唯一無事な左腕をパチンと鳴らし、姿現しで消えた。ハウルはピクリとも表情を変えず、アイリスを抱えたまま屋敷へ向かってゆっくりと歩いて行った。そして炎は二人を避けるように燃え盛っていった。

 

 

屋敷の結界の近くまで来ると火事を不審に思ったしもべ妖精達がハウルとアイリスの元へ駆け寄ってきた。ハウルはアイリスを近くにいたしもべ妖精に預けると気を失い倒れた。

 

 

 

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