ハリー・ポッターと導く者   作:匿名希望 2

17 / 156
魔法薬学

魔法薬学の授業は地下牢で行われた。地下のため寒く、ガラス瓶にアルコール漬けにされた動物達を見て生徒達は気味悪がったがゼアノスの家に似ていたためハウルはどことなく懐かしかった。魔法薬学の講師セブルス・スネイプはこれまでの授業同様出席を取っていたが、俺の名前を呼び止まる。

 

「我輩はお前の両親を知っておる。父親のみが焦点を浴びているが父親の叔父と母親もかなりの大物だ。かつて我輩が尊敬した魔法薬学の権威ゼアノス・グレンスト。そして我輩の後輩の首席だったマリア・レイブンクロー。」

 

ゼアノスとレイブンクローの名前を聞き、スリザリン生もグリフィンドールの生徒も騒ぎ始める。

 

スネイプは意地悪しく笑う。

 

「我輩は騒がしくしていいと許可した覚えはないがな。グリフィンドールを五点減点。」

 

それが狙いだったな。

 

「先生。スリザリンの生徒も騒がくありませんでしたか?」

 

不満を感じたグリフィンドール生の女の子が口を出す。

 

「我輩には聞こえなかったがな。先ほど同様許可した覚えはない。グリフィンドールの傲慢な態度に五点減点。」

 

あかるさまな贔屓にグリフィンドールの生徒は不満そうな顔をしているが口に出さない。抗議すればする程減点される事を理解したようだ。

 

「グレンスト、お前が優秀である事を祈っている。」

 

先ほどと同じねっとりした笑みを浮かべる。まだ何か企んでいるな

 

出席を続けハリーの名前で止まる

 

「あぁ、さよう。ハリー・ポッター。われらが新しいスターだね」

 

スネイプの猫なで声にドラコや取り巻き二人がクスクス笑う。

 

出席を取り終えると語り出す。

 

「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と厳密な芸術を学ぶ。杖を振り回すようなバカげだことはやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力...。諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは、名声を瓶ずづめにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である。...ただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君が優秀であればの話だが...」

 

「ポッター!」

 

スネイプは演説を終えハリーを突然指名する。

 

「アスフォデルの球根とニカヨモギを煎じたものを加えると何になるかな?」

 

ハーマイオニー手を挙げるが普通は分からないだろう。

 

「わかりません」

 

ハリーは答えられない。

 

「チッチッチ。有名なだけではどうにもならんらしい。ならばスターのポッターと並び最近話題の天才君はどうかな?グレンスト。」

 

俺はハリーをコケにした事にイラつくが俺が手を抜く理由は無い。

 

「教科書には生ける屍の水薬と呼ばれる強力な眠り薬と書かれている。だが加熱の段階が難しいため失敗が多い。」

 

教科書だけで無く屋敷の本で得た知識も付け加える。

 

「同じ話題の人物でもここまでの格差があるらしい。スリザリンに十点。」

 

スネイプの皮肉にスリザリン生が笑い出す。

 

「ならばもう一つ聞こう。ペゾアール石を見つけてこいと言われたらどこを探すかね?」

 

「わかりません。」

 

「クラスに来る前に教科書を開こうと「フッ」

 

我慢の限界だった俺が鼻を鳴らし妨害した。スネイプに逆らってはいけないと感じていたからかスリザリン生もグリフィンドール生も大人しくなる。

 

「何か我輩に言いたい事でもあるのかな?グレンスト。」

 

スネイプはニヤニヤしているが、目だけは笑っていない。

 

「申し訳ありません。出過ぎた真似かと思いましたが、初めての授業なのですしポッターが答えられないのが当然かと思いまして...」

 

悪びれる様子も無い俺を見て、グリフィンドール生は俺を面白いそうに見る。またスリザリン生はやめるように目で訴えるが俺は無視をする。

 

「確かに出過ぎた真似だ。我輩の貴重な授業時間を奪ったのだ。当然答えは分かっておるのだろうな。」

 

スネイプは薄ら笑いをやめ、俺を睨みつける。

 

「教科書にはヤギの胃の中に存在し、あらゆる毒を無効化すると書かれている。だが成長した大人のヤギは胃酸が強く解毒の効果が僅かに弱まるため、大人と子供の中間のヤギから採取するのが望ましい。」

 

スネイプは眉を潜め、唇を噛み締めていた。

 

「ならばマルフリート薬に水魔のD型の血液を混ぜると何色に変化する?」

 

専門知識が必要だし、引っ掛けでもあるな。

 

「おおよそ北半球と南半球水魔は血液の色が異なるため、北半球は薄い青色に、また南半球は紫色になるが三十分かけてどちらも透明に変化する。出来た液体は建物を丈夫にするため、レンガとレンガの間に塗るのが一般的。」

 

スネイプは驚いた顔をするが冷たく言い放つ。

 

「グレンストの無礼な態度に十点減点。」

 

スリザリン生は少し顔色を悪くし、グリフィンドール生の一部がほんの少しすっとした顔をする。

 

「だが、魔法薬に詳しい者でも間違う事のある問題を答えたグレンストは称賛すべきだろう。スリザリンに十一点追加。」

 

スネイプの言葉にスリザリンだけで無く、一部のグリフィンドール生も拍手をする。

 

「スネイプ教諭。先ほどの身の程知らず、かつ無礼な振る舞い。申し訳ありませんでした。」

 

俺は椅子から立ち上がり、グレンスト家で叩き込まれたお辞儀で頭を下げる。スネイプは無視して黒板に授業内容を書き始めるが、先ほどのねっとりした笑みで無く、ほんの少し清々しい顔をしていた事に気づいた生徒は誰ひとりいなかった。

 

 




この事件をきっかけにスネイプに逆らったとして、レイブンクローやハッフルパフの寮生から一目置かれるようになりますが、少数のグリフィンドール生の反スリザリン過激派はハウルが知識をひけらかしているだけだとして反発されます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。