ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
一年生の闇の魔法によってトロールが焼き尽くされ灰が舞う凄惨な光景を目の当たりにし、経験豊かな先生達でさえも言葉に出来なかった。
「ハウルや...なぜトロールを殺したのかね?しかもよりによって悪霊の炎、失敗すればお主は死んでおった。」
先生達に道を譲られやってきたダンブルドアがハウルに尋ねる。
「トロールの知能は低いが力は強い。また皮膚は厚く、魔法は通りづらい。悪霊の炎を使用したのは俺の扱える呪文で最高の呪文だったから。俺は友人の命を守るためならどんな咎でも背負う。その覚悟があったからこそ殺した。」
普段の礼儀を重んじる模範生の影は無く先生達は彼の異常性を感じとった。
「悪霊の炎は強力な闇の魔法。一歩間違えたらハリー達も焼き殺してしまう可能性も無くは無いはずじゃ。いささか軽率ではなかったかの?」
悪霊の炎は未熟な者が使用すると使用者をも焼き殺す危険があるほど難しい魔法だ。
「お言葉だが校長。俺は2人をしゃがませハーマイオニーに防火呪文を使うように指示した。それにトロールとの距離は充分だった。俺の判断は間違って無かったと思うが?」
先生達は俺の完璧な対応に目を見開きお互いの顔を見合わせる。
「その状況ならお主の判断は正しい。お主は優秀だが、心に多くの闇が存在しておる...。少し老いぼれの昔話を聞いてくれんかの?」
「.........」
「かつてホグワーツにトム・リドルという生徒がおった...。そのものは類稀な魔法の才能と人柄から皆に慕われておった。だがトムは闇の魔法に取り付かれ、のちにヴォルデモート卿と呼ばれるようになった...。」
ハリーが大きく反応するが、気にせずダンブルドアがヴォルデモートの昔話を続ける。
「ワシはお主にかつてのトムの姿の面影を感じた。トムと同じ闇をじゃ。己の闇をひた隠し、優等生を演じる。じゃがトムとお主の闇は似ても似つかぬものじゃ。トムの闇は愛する母を見捨てた父親への憎しみ。お主の闇は友を失う恐怖からじゃ。闇に堕ちる理由が違う。ワシはトムの闇を抑えることが出来なかった。いや、出来ていないと言うべきか...。お主はまだまだ若い。闇を恐れてはいかん、闇を克服するのじゃ。」
俺を除いた生徒が下をうつむく。自分達のせいでハウルを闇に堕としてしまったことを理解したのだ
「校長、頼みがある。こいつらに忘却呪文を使う許可をくれ。」
俺はハリー達を指差す。
「ハウル‼ どうい「分かった。その代わりワシの頼みも聞いてもらうとしよう。」
俺はハリーに杖を向ける。
「悪いなハリー。<オブリビエイト> 忘れよ」
ハリーは呪文を受けて記憶を失い、間も無く気絶した。
***
三分後
「四人は私が医務室に運んでおきましょう。」
「すまんのミネルバ。」
ハウルはハリー達に忘却呪文をかけた後に一人ずつ失神呪文を放ち、気絶させた。
「ワシについて来てもらおうかの、セブルスもじゃ。」
ダンブルドアに連れられて、昔使われていた教室のような印象を受ける部屋に入る。
「まずはじゃ、ハリー達の記憶をどこまで忘れさせたかの?」
先ほどの顔とは違いいつものニコニコした表情に戻る。
「俺が悪霊の炎を使ってトロールを殺した所からだ。四人が目覚めたらあんたが魔法で助けたことにしておいてくれ。」
「それは構わんよ。今度はワシの願いを聞いてもらおうかの。この鏡に何が写っておるかの?」
ダンブルドアは何かを包んでいた大きな黒い布を引っ張る。天井まで届くような巨大な鏡だ。見事な金の装飾がされている。
ハウルは鏡に写った光景を目の当たりにし、何も言えなくなる。
「どうじゃ?」
ダンブルドアがハウルの顔色を伺う。
「すまないがこれだけは...」
言いたくない。絶対にこの想いは
「<レジリメンス>」
スネイプが後ろから開心術をかける。俺は鏡に気をとられ、閉心術が遅れる。俺は消したい過去を思い出させる。無力な自分をかばい切り裂かれたどれい妖精。目の前で四肢の自由を奪われ、人形と化した生まれて始めての友達。
「っく‼ ハァハァ、スゥネイプゥ‼‼ 」
隠し通したかった想いを土足で踏みにじられ、憎しみという憎しみの表情を浮かべた少年は冷静沈着の名に相応しいスネイプを圧倒させるほどの剣幕と秘密だった。
「何が見えたセブルス?」
二人のただならぬ様子を見たダンブルドアが事情を聞く。
「校長...。これだけは...」
少年の悲しみを知ったスネイプは心の底から同情した。自分と同じなのだ。過去に自分と同じ悲しみを背負っている。十にも満たない年齢から。スネイプは何も言えなかった。
「もうやめてくれ...。俺はどうしたら良いんだ...。俺が悪いんだ弱いから、力が無いから...。」
ハウルはひざまずき手足を地面につけ葛藤する。ダンブルドアとスネイプにはどんな声もかけられなかった。
「やめてよ。ティンクスを傷つけないでくれ...傷つけるたいのなら僕にしてくれ...。父上の憎しみは僕にぶつければいいだろ?ティンクスも僕を庇わないでくれ。」
頭を手で力強く抑える。
「アイリスもどうして僕なんかを...。君が傷つくぐらいなら僕は命なんて全然惜しくなかったよ。」
(ハウルお坊っちゃま!貴方さえこの世にいなければ私は死ぬ事が無かった。貴方が強ければ、貴方様が弱いせいでティンクスめが‼ )
瞳のすべてが真っ黒に染まったしもべ妖精の負の亡霊がハウルを責める。
「ごめんさない。ティンクス!僕が僕が強ければ...」
ハウルは涙を浮かべ、自分を責め続けていた。
(ティンクスのいう通りよ。貴方なんか友達じゃないし、庇う価値なんかなかったわ。貴方さえいなければ私は幸せだったのに...。私は自分の未来を貴方に潰されたわ)
ティンクス同様黒い虚の瞳の少女の亡霊が現れる。
「お願いだ。僕を許してくれ...弱い僕を...償うから。いつか君たちが笑って過ごせるような世界を作るから...僕を許してくれ...。」
ハウルが頭の中の亡霊と精神を破壊され、あの日のように絶望にうちひしがれる。
(お前は今更許してもらおうなんておめでたいやつだな。俺の闇から逃れるなんて許さない。気に食わねぇ奴は殺せばいい。簡単じゃねぇか)
あの頃の若いハウルが現れる。
「うわァァァァァァ‼‼」
ハウルは部屋の埃を撒き散らすほどの圧倒的な黒いオーラを出す。
「過去は振り返ってはならん。勇気をだして乗り越えるのだ!闇をも背負っていきるのだ‼ 」
ダンブルドアがハウルを抱きしめる。
「僕は...僕は許されちゃいけない。この世界にいちゃいけないんだ人間なんだ‼」
顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくる。
「ハウル生きるんじゃ。人は自分が何のために生まれてきたかを探すべきなんじゃ、この世に存在しちゃいけない人間なんてこの世に存在しないんじゃ!」
「...僕は生きててもいいの?」
「勿論じゃ。」
「でもアイリス...君はどうして笑ってくれないんだ。」
ハウルから次第に体の力と闇が消えていく。
「すまんかったの...ここでの事を聞いておいて忘れてくれなんて無責任かもしれんが、君はまだ若い。その闇と向き合うにはあまりにも若過ぎる。<オブリビエイト> 」
ハウルはダンブルドアにもたれかかり、深い深い眠りについた。
シリアスな雰囲気ですが、語彙力と文章力が無いせいで上手く伝わらないことが悔しい。