ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
「そうだ。そのままヨモギの種とマンドレイクの根をすり潰し、鍋に強火で三分半だ。」
小さなランプが一つ置かれた薄暗い部屋に蛇や水魔たちの剥製が並べられ、棚には瓶詰めされた薬品が並べてある。僕とゼアノスじい様は真剣に魔法薬を調合しているため、大鍋が煮たるコトコトとした音のみ耳を通り抜ける。その後薬は完成した。
「ハウル。お前は中々筋がいい。ガリムの元でも魔法薬を調合した経験でもあるのか?」
髪の毛一本もはえていないツルツルの頭にギョロギョロした目が特徴の男、ゼアノス・グレンストは甥の子供であるハウルを見る。ハウルは父から叔父上に魔法薬の手ほどきをして貰えと言われ、祖父?の元で世話になっていた。ゼアノスは「真実薬」の開発や「水魔の血液の利用法」を発見し、魔法薬学界に多大なる貢献をし、魔法薬学の第一人者と呼ばれている。自身の祖父を尊敬しており、元々は純潔主義で有名なグレンスト家であったが、ガリムの父が当主の時代から純潔主義でなくなった。今のグレンスト家では数少ない純潔主義者であるが過激な思想はあまり無い。
「それにしても大きくなったな。前にあった時より男前になった。」
孫あるあるのネタをゼアノスは使う。
「フフフっありがとうございます。」
ゼアノスは年齢に合わず礼儀正しい孫?を見ているとマリアの出産に立ち会った時の事を思い出す。
***
六年前
病院の中で元気な赤ん坊の鳴き声が響く。
「はははっ産まれたぞ。マリア、元気な男の子だ。」
今、父親になりたてのガリムは優しく優しく産まれたばかりと子を抱きしめる。
「ガリム。私にも抱きしめさせて。」
出産を終えて疲弊仕切って起きながらも、優しく我が子を抱きしめる。自然と産まれたての赤ん坊の周りにいた人々から笑みが零れる。
「まぁかわいい‼ この子の名前、ハウルでいいかしら?一目見て思い浮かんだの。」
マリアは夫であるガリムに尋ねる。
「あぁ、いい名前だ。お前の名前はハウル・グレンスト。平凡でもいいから、立派な大人になってくれよ。」
そんな幸せを噛み締めている時も束の間。
「うっ⁉ 」
出産を終えたばかりのマリアの体調が突然大量の失血をし、気を失う。医師もガリム達も慌て出す。
「先生っ‼ マリアの様子が‼‼」
ガリムが慌てながら医師の顔を見る。だが、医師達はいち早く治療の魔法を使うべきなのだが、誰もが唖然として動けない。
「先生っ‼ 早く治療をして「ガリム...マリアを見ろ。」
叔父であるゼアノスに諭され、マリアを見る。するとマリアの流れた血がマリアの体内に戻り、本人は気持ち良さそうにスヤスヤ寝ているではないか...。マリアの側にいたハウルだけが楽しそうにきゃっきゃっきゃっきゃっと、ご機嫌な様子だ。
「こっ、これは⁉ 」
ガリムは自分が一瞬目を逸らした隙にマリアの異変が全て治っていた。
「ハウルじゃ、ハウルが急変したマリアに触れて超回復呪文を使用した。」
超回復呪文、それは超高難度の魔法で医療関係に携わる人でさえも使いこなせる人物もそう多くはない。それなのに産まれたばかりのハウルが無意識に母親のピンチに本能で気づき、治療したのだ。
「まさか...。」
ガリムの頭の中であり得ない仮説が立てられる。魔法の才能を親から引き継いだ子供は幼い頃に自然と魔力が芽生え、制御が出来ずに宙へ浮いたり、手も触れずに物を壊したり、といった事が必ずある。だがその症状が現れるのは平均7歳ぐらいだ。産まれたばかりの赤ん坊が魔力をもったまま産まれるなど聞いた事がない。それだけでなくハウルは産まれながらに魔力を持ち、制御をし、なおかつ超高難度魔法を教わらずに杖無しで行ったのだ。魔法使いは魔力を持つ杖によって呪文などを強化して貰う。杖を使わなくても発動出来なくは無い。だが精度は著しく落ちる。さらに教わっていない魔法を自然に使った。あり得ないがそれ以外に説明出来ない。ガリムが自身の脳をフル稼働していた時、ゼアノスが初めてハウルを抱きかかえる。
「おぉ‼ この子は偉大なる魔法使いであった我が祖父の才能を存分に引き継いでいる。いや、むしろ圧倒している。ハウル・グレンスト、お前は史上最高の偉大な魔法使いになれる器を持っているやもしれん。」
当のハウルはゼアノスの言葉を理解できず、きゃっきゃっきゃっきゃっし、手を伸ばしゼアノスの顔に触れようとして手を伸ばしていた。
魔力に目覚める平均年齢は適当です。それと参考にしたいので差し支えなければ評価や感想をお願いします。