ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
「<ステューファイ> 麻痺せよ」
自我と魔法を扱える人形にダフネは失神呪文をかけるが黄色い光を醸し出すだけだった。
「違うな。ステュー《ピ》ファイだ。<ステューピファイ> 麻痺せよ。」
ハウルは後ろからダフネの手を上から掴んで呪文を唱え、人形に黄色い閃光をぶつけ吹っ飛ばす。
「あなた...この呪文を覚えたのはいつ?」
後ろ上をむいて尋ねる。
「確か四才だ。まぁ環境が環境だからな。」
自信を無くすダフネを慰める。
「相手を麻痺させるイメージをするんだ。そしてハキハキと呪文を唱える、それがコツだ。そろそろ戻ろうかもう遅い。」
ハウルが時計を見ると学校に決められた外出時間を一時間過ぎている。
ここは必要の部屋。ホグワーツでは教師でさえ知らない秘密の部屋。ある動作をある場所で行えば現れる。部屋の中に入るとその人に必要な物と環境が現れる。この2人でいえば修行できる環境だ。ダフネに俺の夢を話したら修行をつけて欲しいと頼まれたので以前から目星をつけていた部屋に連れて来たのだ。管理人のフィルチどころか誰も部屋の存在に気づかない。それにハウルにはあの地図がある。見回りに気づかれずに談話室に戻るなど容易かった。ルームメイトには話をつけてあるので何も心配はなかった。
「貴方は今夜禁じられた森へ向かうんでしょう?私も着いきたいの。ダメ?」
地図の会話から今夜ヴォルデモートがユニコーンの血を得るために禁じられた森に現れるような会話をしていた。それだけなら干渉するつもりはないが、今夜丁度ドラコ達が罰則として森に訪れる。ハグリッドも付き添うが期待はしていない。友人達に危険が迫っている。完全なヴォルデモートだったらハウルは勝てるわけがないし、遠慮無くドラコ達を見捨てる。だがクィレルに寄生し、不完全で弱っているのなら大丈夫だろう。それはハウルであれば...なのだがダフネは別だ。許可は出来ない。
「ダメだ。危険過ぎる。それにヤバくなったらドラコ達には悪いが遠慮無く見捨てる。ドラコ達の命より俺の野望の方が遥かに大事だ。だがダフネは別だ。お前は俺と共に新たな世界を作ってもらう。お前をまだ危険な道に引き込めない。」
優等生のベールを脱ぎ、冷酷な顔をする。
「分かったわ。私は早く貴方に並べるように努力するわ。これからも私に稽古をつけてね。」
ダフネは俺を抱きしめる。彼女だけは命をかけて守る...。ハウルはそう決意した。
***
23時 禁じられた森
「よーし、それじゃよーく聞いてくれ。なんせ、俺たちが今夜やろうとしていることは危険なんだ。みんな軽はずみなことはしちゃいかん。しばらくは俺についてきてくれ。」
ハグリッドがドラコ達を森に連れていくと、地面に光っているものがある。
「あそこを見ろ。地面に光った物が見えるか?銀色の物が見えるか?ユニコーンの血だ。何者かにひどく傷つけられたユニコーンがこの森の中にいる。今週になって二回目だ。水曜日に最初の死骸を見つけた。みんなかわいそうなやつを見つけだすんだ。助からないなら、苦しまないようにしてやらねばならん。」
その犯人がかつての<闇の帝王>ヴォルデモートだとは知る由もなかった。