ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
学年度末パーティのために集まった生徒たちの間で賢者の石騒動は噂となっていたが、スリザリンが寮対抗杯のトップだったためテンションはそこまで高く無かった。
「また1年が過ぎた!一同、ご馳走にかぶりつく前に老いぼれの戯言をお聞き願おう。...一年が過ぎ、君達の頭も以前に比べて何かが詰まっていればいいのじゃが...新学年を迎える前に君達の頭が綺麗さっぱり空っぽになる夏休みがやってくる。その前にここで寮対抗の表彰を行うとしよう。点数は次の通りじゃ。
4位グリフィンドール、312点。3位ハッフルパフ、352点。
2位レイブンクロー、426点。
そして一位スリザリン、672点」
ダンブルドアの言葉にスリザリンのテーブルから嵐のような歓声と笑い声が響く。少し俺も暴れ過ぎたな。
「ドラコ。騒ぎ過ぎだ。」
テーブルをゴブレットで叩いているドラコを抑える。
「よしよし、スリザリン。よくやった。しかし、つい最近の出来事も勘定に入れなくてはなるまいて。」
ダンブルドアの声に少しスリザリン生の笑い声が止む。
「駆け込みの点数をいくつか与える。えーと、そうそう……まず最初はロナルド・ウィーズリー君。
この何年間かホグワーツで見る事の出来なかったような最高のチェス・ゲーム見せてくれた事を称え、グリフィンドールに100点を与える。」
先ほどのスリザリン生にかわりグリフィンドールの生徒が歓声をあげる。百点?俺が一年かけてとった点数とほぼ半分だと?
ハウル本人はあまり意識してないが彼は完璧主義者なのだ。彼にとって勝負とは勝つのが当たり前だからだ。そんな彼でなくても一年の苦労を理不尽な出来事に無下にされることに苛立ちを覚えるだろう。
「次にハーマイオニー・グレンジャー嬢。火に囲まれながら冷静な論理を用いて対処した事を称え、グリフィンドールに100点を与える」
ハーマイオニーは腕に顔をうずめている。グリフィンドールの生徒歓喜する。グリフィンドールでなくても分かる。この流れは...
「三番目はハリー・ポッター君。その完璧な精神力と並外れた勇気を称えグリフィンドールに150点を与える。」
グリフィンドールの生徒がはち切れんばかりの歓声をあげる。スリザリンの点数まであと十点!そんな声が聞こえる。いやもう居ない。まさか俺の減点か?
「勇気にもいろいろある。敵に立ち向かっていくのにも大いなる勇気がいる。しかし味方の友人に向かっていくのも同じくらい勇気が必要じゃ。そこでわしはネビル・ロングボトム君に10点を与えたい」
グリフィンドールだけでなくハッフルパフやレイブンクローの生徒たちも歓声をあげる。スリザリンの点数と並んだのだ。他の三寮から嫌われているので当然といえば当然だった。ダンブルドアのレートをぶち壊す贔屓にスリザリンの生徒たちは苛立ち、暴動を起こす寸前まできていた。だが彼らは起こせなかった。ある生徒が自分達を遥かに超えるほど怒り、大人しいスリザリン生にしか気づかない程度の殺気を漏らしているのに当人は自分を抑えているからだ。
「よしよし、グリフィンドール。ワシは一言もこれで終いといったつもりはないがの。最後にハウル・グレンスト君。」
ブチギレていた少年の名が呼ばれ、うつむいていたスリザリンの生徒の顔が一斉に上がる。
「友の敵を防ぐためワシをも悩ませる多くのトラップを仕掛け、友のために力を振るった。じゃが本当は友ではなく自分のためじゃった。理由はどうあれワシまでも妨害するとは少々よろしくはない。功績からワシの妨害を差し引いてスリザリンに十点を与える。」
スリザリンの生徒が一斉に立ち上がり歓声をあげる。並んだグリフィンドールを追い抜き、再びトップに踊り出たのだ。ハウルは揉みくちゃにされたがその八割は女子だった。中にはどさくさに紛れてハウルをベタベタ触るハッフルパフの生徒(スリザリンの隣がハッフルパフ)もいたがダフネの殺気ですぐに鎮静化した。そのせいかダンブルドアの際どいフレーズに誰も触れられる事が無かった。
「よって今年の寮対抗杯の優勝はスリザリンとする!今学年最後の食事じゃ皆よく食べてくれ!」
こうしてハウルのホグワーツでの最初の一年の終わりを迎えた。ハウルの未来にとって今年は始まりですら無かった。
点数はハウルがチート級に稼いだのでハリー達の追加をえげつなくしましたが、ハウルが負ける事をイメージしたくなかったので盛り返させました。