ハリー・ポッターと導く者   作:匿名希望 2

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第三章 秘密の部屋
狂気的崇拝


 

 

「キース。最後はお前の杖だ。俺の杖はオリバンダーの店で買ったからそこでいいか?」

 

ダイアゴン横丁に子供の三人組がいた。真ん中の少年は長く背中まで伸ばした金髪の絶世の美男子と呼ぶに相応しい容姿をしていた。その隣には少年と同じ長い金髪で絶世とまではいかないがとても可愛らしい顔をしている。少年の左にいるキースと呼ばれた少年は金髪の少年の弟のようだ。父親譲りの銀の髪、だが癖のないところは兄と同じだった。

 

「はい!兄様が選ばれたところなら間違うわけがございません。姉様は何の種類の杖を持っているのですか?」

 

兄を慕う弟は兄の許嫁に尋ねる。

 

「私の杖はユニコーンのたてがみに楓の木よ。お兄さんみたいに規格外な杖を買えるといいわね。」

 

義理の弟をまるで息子をあやすような口調で接する。

 

「はい!私も兄上のような魔法使いになりたいです。」

 

兄と違い無邪気に答える。

 

「キース。俺はまだ二年生だぞ...あと五年は学生をしなくてはならない。あと敬語はいらん、弟だろ?」

 

少年の高い身長と大人びた顔と口調で必ず年上に見られてしまうのだが、彼はまだ12才なのだ。

 

「嫌です。私は兄様に認めてもらうまでこの口調をやめる気はありません!それに常に父上と母上が屋敷にいるのなら兄上にも私も学校など必要ありません。」

 

心から兄を慕う弟は聞き入れない。この兄弟は父親の影響で物心がつく前から血の汗を滲ませるような努力をしてきた。兄は圧倒的な才能をみせ、容姿も人格も完璧。それに対して弟は天才で容姿もそこそこ整っているレベルにすぎなかったため兄と比べるとどうしても見劣りしてしまう。そのせいで両親が兄と自分の接し方の異なることに気づいた頃から兄に嫉妬し続けていた。自分が半日かけて暗記した魔法薬の本も兄にかかれば一度目を通しただけで記憶した。呪文を両親から教わっても「お前の兄は一度で出来たんだが...」という何気無い言葉に兄との絶対的な壁を感じていた。両親は兄の技量に魅了され、自分はぞんざいに扱われる。常識で考えれば弟は優秀な兄に嫉妬と憎しみを覚えるはずだが、この兄は違った。一通り極めた己の才能に奢ることなく弟を鍛えはじめた。出張の多い父が兄に自分の指導を命じたからだ。始めは嫌がったが父の言葉は絶対なので渋々教えをこうこととなる。兄は物を教える才能もあったため、間も無くこれまでの自分とは思えぬまで成長し技量や吸収の速度が目覚しく伸びた。だがまだまだ兄と比べると到底及ばなかった。両親にも兄までは優秀で無いもの自分を褒めて欲しかった。兄まではいかないがけど、僕はここまで頑張ったんだ!と、でも言えなかった。目の前で苦労せず金賞をとった兄と死ぬ気で努力したのに佳作しか取れない自分を比べるのは目に見えて惨めだった。兄の輝きの前では弟を照らせない、たがこの兄の輝きは弟を照らした。家族で唯一兄だけが弟の気持ちを理解し自分の練習時間を削ってまで弟に尽くしたのだ。すると次第に兄を抜いた分野が現れ始めた。やっと、やっと佳作の自分が金賞の兄を一部とはいえ超えることが出来た。だが弟は両親から褒められる事より兄に褒められる方が嬉しくなってしまった。自己主張の苦手な弟は兄に着いて行きすぎたのだ。だが兄は完璧だった。兄の言う通りに生きれば全てが上手くいく。弟は七歳の頃にはもう兄を心から崇拝し、兄のためなら死んでもいい、そう考えるほど兄に心酔していた。兄は自分が優秀であることを望んだため弟は努力に努力を重ね続け今に至る。

 

彼の狂気とも言える兄の崇拝は誰もが兄離れが出来ていない弟と認識した。唯一兄は弟の狂気を自分のために利用するつもりだった。弟も兄の役にたてるのならどんな事でもやるつもりだったためむしろ兄に利用されることを誇りに思っていた。

 

 

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