ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
壇上の最前列にいた生徒の中のほんの一部は煙が舞う小さな隙間で武装解除の呪文を放ったハウルの顔が狂気を感じさせる程の笑顔をしていたことに気づいてしまった。だが煙が晴れると満足気な表情をし、少し離れたところで腰を落としているハウルと驚いた顔で立ち尽くしているスネイプの姿をみたため自分の気のせいだと考えた。
間も無く強者の決闘と言うべき激戦にホグワーツを揺らすような大歓声があがり、大きな拍手が鳴り止むことは無かった。
「さすがですスネイプ教諭。やはり最後の武装解除では力の差があらわれていましたね。」
立ち上がったハウルはスネイプに声をかける。
「さっ、さようか、怪我は無いな。我輩も柄に無く熱くなってしまった。」
スネイプは驚いたような顔のまま答え、少し固まっていた。
「スネイプ教諭?模擬戦は終わったので先に進むべきかと...。」
ハウルが固まったスネイプを現実に戻し、壇上を修復呪文で治した後壇上を降りた。
「惜しかったね、ハウル」
ダフネが降りてきたハウルに声をかける。
「あぁさすがは教諭だ。力の差が現れてしまった。」
「確かにそうだけど、凄いなハウル!やはり継承者なだけはある!」
ドラコは相変わらずだったが、俺が壇上に降り次第生徒達から揉みくちゃにされる。その騒ぎのお陰でハウル、スネイプに異常なほど懐き、一番騒ぎそうなキースが誰よりも大人しかったことに気づく者は一人も無かった。
「マルフォイ。ポッターの相手をしてやれ。」
壇上からスネイプの声がし、ハウルから離れ、壇上に上がろうとする。
「待てドラコ。蛇をだしてみろ。面白いものが見れるかもしれん」
ハウルの声にドラコはニヤッとする。ハリーは蛇が苦手だと思ったのだろう。うまくいけば俺の視線を剃らせる。
ハリーとドラコは向かい合い、杖を構え、三つ数えた。
「<サーペンソーティア> ヘビ、いでよ」
ドラコは長く黒いヘビを召喚した。この呪文を図書館の本に載っていることに気づき、ずっと練習していたことをハウルは知っていた。
<あ?なんだここは?>
召喚されたヘビはここがどこだかわかっていない様子だった。
黒蛇はハリーの元でなく別の生徒を狙い攻撃体制に入った。
<手を出すな。去れ!>
ハリーは黒蛇を抑えようとするが、周りから見ればハリーがけしかけているように見える。当然騒がしくなった。
<バカな奴だ。継承者がパーセルマウスだから俺が疑われていたんだよ。>
俺は蛇語でハリーに悪態をついた。ドラコは驚いた様子で何もできず、呆然としていた。ハリーが庇った生徒は怒り、決闘クラブが行われた教室から出て行った。これで俺はもう目立たなくなるだろう。想像以上に上手くいったな。
***
校長室
「校長!奴は危険です!」
校長室に入るとすぐに大声を出した。
「お主程の男が我を見失う程の出来事はなんじゃ?」
ダンブルドアの言葉にスネイプは冷静になる。
「奴です。校長が我輩に力量を測れと命じていたグレンストです。」
ダンブルドアは去年のトロールの事やハウルの記憶からは消したがみぞの鏡の事からヴォルデモートと同等、またそれ以上の異常性を感じていたのだ。また魔法の力量も底が分からないため教師の中から選びすぐりに強い教師を集め、ハウルの力量を確かめるために決闘クラブの付き添いを頼んでいたのだ。スネイプが申し出たのは意外だったが、マクゴナガルに次いでの実力者の彼に任せることにしたのだ。
「ハウルがどうかしたのかの?」
ダンブルドアはスネイプの目をジッと見つめる。
「はい。我輩は模擬戦としてグレンストを指名し、本気で来てくれと言われたので本気で相手をしました。」
スネイプは語り出した。
「して、どうじゃ?」
「悪霊の炎は我輩の目では去年と比べ圧倒的に質と安定性が遥かに増しているように見えました。柔軟な発想、素早い判断、今すぐ闇祓いにしてもおかしくはない実力でした。」
「それだけかの?彼はそのくらいの実力なら許容範囲じゃ」
「いえ、校長、最後に我輩とグレンストは武装解除の呪文を撃ち合いました。初めは少しずつ押されていましたするとヤツは突然武装解除を解きました。あらかじめ煙を舞わせ、周りの目を封じて手を抜き、ワザと負けたのです。おそらく、我輩の武装解除の呪文だけでは敗れていたでしょう。正直、底が見えません。」
「......これは想像以上じゃの。セブルス、ハウルをよく見ておくのじゃぞ。」
あのままやりあえばハウルが勝っていました。ですが油断や気をとられていないスネイプやもう一度戦うと何度やってもハウルに勝ちます。