ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
「いい?アステリア。貴方はしっかりやるのよ。」
降りた汽車の前でダフネが今年新入生で妹でもあるアステリアに言い聞かせていた。
「わかってる。お姉ちゃんは心配しすぎなんだよ。」
姉譲りの可愛さを持っているアステリアは言い返す。
「そう言ってやるなアステリア。ダフネはお前のことを気にかけているだけだ。俺もお前のことが心配だよ。」
アステリアの身長に体を屈め頭を撫でる。
「も〜いいな〜お姉ちゃん。こんなイケメンな婚約者欲しい。」
アステリアは姉と違って積極的なようだ。
「アステリア?」
やばい冷酷姫になりかけている。
「残念だな。俺はダフネのものだし、ダフネは俺のものでもあるからな他を当たるんだな。」
俺は精一杯断る。
「も〜!ハウルったら〜」
俺は冷酷姫を引っ込めることに成功した。
「どこかにイケメン落ちてないかな〜!」
アステリアは周囲をキョロキョロさせる。ぼっ、僕はイケメンじゃないのか...ドラコはつぶやいたのをハウルは確かに聞こえた。妹のためだからという理由で知り合いのイケメンを思い浮かべた。セドリックは年上だし、気になってる人がいるって言ってたな。ノットとは合わなそうだ。キースは可愛いから違うってさっき言ってたし...。ドラコでいいか。パンジーには悪いけど...。
***
「グリーンダラス・アステリア!」
アステリアの名前が呼ばれ、ステージにあがり、椅子に座る。
「大丈夫かしら?あの子...。」
目線が一定しないアステリアを見てダフネは心配している。
「いや、アステリアのことだからイケメン探してるんじゃないのか?」
ハウルが模範解答をすると組み分け帽子が叫んだ。
「スリザリン!」
アステリアはスリザリン生の歓声を受けてスリザリンの椅子に座った。
***
ホグワーツ北塔
小さな丸いテーブルがたくさんあり、窓はすべてカーテンで閉めきられ暗い部屋だった。
「ようこそ。この現世<うつしよ>でとうとう皆様にお目にかかれてうれしゅうございますわ。」
大きなメガネに完全に見開いた目をしたひょろひょろの女性が現れた。占い学教師シビル・トレローニーだった。非常に胡散臭く占い師みたく演説している。ハウルは占い学に興味が無いため、真剣に聞いているフリをしていた。
「そこのあなた!」
トレローニーが俺を指差している。聞いてないのがバレたか?
「父親に将来を決められていないかしら?...例えば...闇祓いとか」
目を極限まで開き、ドヤ顔で尋ねる。なんだこいつは⁉
「いえ、父上は好きに生きろと言ってくれました。」
普通にそう言われてるからな。俺の親と俺の優秀さを知っておけば誰でも想像できる内容だ。つまらんな。まぁ授業だからそこそこやるか...
「そうかしら?あたくしには頭を悩ませている父親が見えますこと...」
トレローニーは指を細かく動かしながらダフネを指差した。
「そこのあなた!恋人と力の差にやるせなさを感じてないかしら?。」
これが占いか?ロックハートの授業に継ぐクソ加減だな。
「どっ、どうして⁉ 」
ダフネは口に手をあてて驚いている。お前は騙されやすいタイプだったのか?
「あたくしの予見でそう見えたからですわ。それでは今からティーカップにお茶の葉を入れて飲み干して貰います。最後に残ったお茶の葉を見て貰います。」
***
授業は当たり障りなく進み、無事終了し俺たちは談話室に帰ろうとした。
「そこのあなた!カップの片付けを手伝ってくれないかしら?」
トレローニーは俺指差している。
「先に行っててくれ。」
およそ十分後、俺とトレローニーはカップを片付け終わった。
「あたくしは貴方を大変買っているのですよ。あなたには天分が見えましたの...。」
こいつ...絶対適当だな。俺は占いなんて全く信じてないし、興味も無い。なんでも優秀な俺なら当たり障り無いとでも考えてるのだろう。ゴマでも擦っておくか...
「それは嬉しいですね。先程の先生の占いも当たっているかもしれません...以前、父上に魔法省の役員になりたいと申し上げると何とも言えない顔をしてました。」
魔法省の役員ごときに俺がなるわけないがな。
「あたくしは予見しただけに過ぎませんこと...」
素っ気なく言うが目を極限まで開き、ねっとり笑っている。
「それでは私も談話室に戻り...」
すると突然トレローニーが獣のような低い唸り声を出し始めた。
<いわれなき罪で鎖に繋がれた囚人は今もなお霧の中で彷徨い続けている。手を差し伸べし者は囚人から見返りに心から歓喜するであろう>