ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
「炎のゴブレット」はキラキラと青く輝いていた。突然赤く輝き、火花が散り、焦げた羊皮紙が一枚、ヒラヒラ落ちて来る。ダンブルドアがそれを掴み書いてある名前を読み上げる。
「ボーバートン代表 セレナ・マッカートニー。」
短い金髪にスラリとした身体つきの女の子が立ち上がる。女子校のボーバートンらしいの黄色い歓声があがる。
「ダームストラング代表 ガリム・グレンスト。」
ダームストラング、ホグワーツの女子達だけでなく、ボーバートンの生徒からも歓声があがる圧倒的な人気だ。美しい銀髮を靡かせる。一つ一つの足音がホグワーツの床を響かせ、高貴な人物であると、誰もを実感させた。
「ホグワーツ代表 マリア・レイブンクロー。」
例年通りの寮の対抗意識はマリアの前では皆無だった。盛大な拍手をされ、皆に祝福されながら、前へ進む。
「以上で代表選手の発表を終了する。優勝者には永遠の名誉と賞金一千ガリオンを与える。代表選手各々が全力を尽くし、またこの魔法対抗試合を無事終える事が出来る事を祈っておる。」
***
7日後
「あ〜もうっ‼ なんなのよ。ドラゴンを討伐なんて素人に出来るわけがないでしょう。」
マリアはホグワーツの図書館で苛立っていた。理由は二日前に遡る。
***
二日前
クディッチ試合場
<あぁっと、ボーバートン代表セレナ・マッカートニーがケルベロスに頭を打ちつけられ気を失った〜‼ 大変惜しかったですが、残念です。よって第二の試練に失敗。優勝は現時点で同点の我がホグワーツ代表のマリアか⁉ それともダームストラング代表のガリムか⁉どちらが優勝しても不思議ではありません‼‼ 決勝戦は七日後に行われます。この試練に打ち勝った2人には次なる試練のヒントが与えられます。>
ホグワーツ出身の実況であるためか、少しマリアに贔屓をしているが許容範囲であろう。今回の試練はケルベロスの懐柔だった。マリアは犬が自分に従う魔法薬を作り、音楽を聞かせ大人しくなったケルベロスに餌に混ぜて食べさせクリア。一方ガリムは力で押さえつけ服従させた。セレナはガリムと同じ手段を用いたが、ケルベロスを抑えきれず失敗。
試合後、次の課題のヒントを与えられたが、マリアは軽く謎を解きドラゴンの討伐であることを突き止めた。ドラゴンは硬い皮膚に覆われており、呪文はほとんどが通らないのだ。マリアの知識ではドラゴンに有効な魔法は鎧に覆われていない目を痛めつける魔法の結膜炎の呪いぐらいだ。そのためドラゴンに有効な手段を探すために図書館の本を読み漁っていたのだ。ふと考えごとをしていると、後ろから声が聞こえた。
「そうか、ドラゴンだったのか...盲点だったな。」
よく響く低音の声が後ろから聞こえる。
「あ〜ガリムだったの?もしかして私、貴方の手助けしちゃったのかしら?」
どこかで聞いた声だと思い、声の主を見て納得する。自分と同じ代表選手のガリムだった。
「あぁ、助かった。見たところドラゴンに有効な魔法を探していたのか?」
「そうそう。結膜炎の呪いぐらいしか思い浮かばなくてね。でも私は呪いは得意じゃなくて...。だから他の手段がないか調べに来てたの。」
ガリムが少し考え、マリアの方をみる。
「確かにドラゴンは硬い皮膚で覆われているから、魔法はほとんど通らない。だが内部はどうだ?響かせる音響の呪文や皮膚の薄い目や爪の間に攻撃魔法を使うのはどうだ?」
「その手があったわね‼ 助かったわ‼ 」
マリアは自分に無い柔軟な発想をガリムから教わり、並べていた本を閉じ、片付け始める。
「フフッ、気にするな。俺も助かった。今日は課題を調べるためにここに訪れたんだが、まさかマリアが教えてくれるとは思わなかった。」
***
五日後、マリアは課題のドラゴンを抑えきれず、杖を落とした隙に炎を吹かれ死を覚悟した時、先にドラゴンの討伐に成功していたガリムがドラゴンの炎を打ち消す強力な消火の魔法を使いマリアを庇った。マリアの妨害をしたとしてガリムは優勝を棄権を宣言した。だがマリアも同時に棄権を宣言したため、困りかねた運営部が先にドラゴンを倒したとしてガリムを優勝者とした。史上最も後味の悪い魔法対抗試合は無事終了した。この騒動をきっかけに2人の愛の絆が芽生え始めた。