かける、海鳥   作:魔獣先輩

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BUMPのゼロは艦これにぴったりの曲だと思う…思わない?




第13話

 

 

「さて、提督。私達は今から演習に行ってきますね。」

 

面談を終え、鳥海が戻って来るなり僕に告げる。

他鎮守府との合同演習は暫く組めない為、恐らく艦隊としての連携力を高める為の演習だろう。全く、頼りになる秘書だ。

 

「あ、そうだ。鳥海、君の練度はどの位なの?」

 

なるべく自然に彼女へ問い掛ける。声色の少しの淀みも、見抜いてしまうだろう。ケッコンの条件はまだ分からないが、最高練度はまず欠かせない要素だと思うので、予め聞いておく。

彼女が最高練度に達するまでに秘密を掴めるだけ掴んでおいて、それからケッコンを考えても遅くはない筈だ。

 

「ゲームの様に数値化するなら、70と言った所でしょうか。」

 

にこりと笑いながら答える鳥海に、少し胸が痛む。

しかし、彼女が何の目的を持って「ケッコンまで自らの出身を隠す」のかが分からない以上、下手に婚約など出来ない。

もしかしたらとんでもない目的があるのかもしれないと思うと、簡単には出来ない。

 

「そう。演習頑張ってね、怪我しない様に。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

鳥海達、第一艦隊が演習の間、深海棲艦の情報を集める。

つい最近届いた報らせには、他鎮守府で初の艦娘轟沈、との記載があった。沈んだのは重巡の艦娘だった様だが、それ以降、数は少ないものの重巡の深海棲艦が出現。

それにつれて轟沈も増え、深海棲艦の勢力が増していく一方となった。

 

そして深海棲艦を撃破後捕獲、解剖し、その構成成分を解析する事で轟沈した艦娘を元に深海棲艦が生まれる事も判明した。

 

今の所エリートやフラグ級の出現は報告されていないが、艦娘を轟沈させる事で経験を積んだ深海棲艦がランクアップするかも知れない。

 

……やる事は山積みだ。轟沈させずに深海棲艦を倒すなんて、難しい所の話じゃない。1発で轟沈も有り得るのだ。

 

「頼んだよ、鳥海。鍛えてやってくれ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

演習が終わり、鳥海達が帰投する。疲れ果てた表情の5人から、相当扱かれたのだと確信し、思わず苦笑いを浮かべてしまう。

 

「済まない、提督。入渠の許可を貰えないだろうか…」

 

1番元気そうに見える長門が、僕に向き直って問い掛ける。

とは言え足取りはふらふらで、今にも躓きそうだ。僕が無言で頷くと、そのまま5人は入渠ドックへと向かっていった。…と、背後から足音が近付く。

 

「中々、根性のある子達でしたよ。」

 

長門や、加賀を前にしてその物言いか…あの2人があんなに疲れた顔をするなんて、一体何の演習をしたのだろうか。

 

「少し彼女達を鍛えてあげただけです。詳しく言うなら、私と彼女達で艦隊戦を。」

 

貴方の方はピンピンしてらっしゃいますが。

彼女の身体を眺めるが、演習で使用するペイント弾の付いた箇所は見当たらない。砲弾ならまだしも、艦載機の攻撃まで避けたのだろうか。

 

「そんなに見つめられると恥ずかしいです。でも…もう少し近くで見れば、ペイントが付いているかも知れませんよ?」

 

そう言って鳥海は僕へと歩み寄る。胸元から見える魅力的な胸部装甲に思わず視線を持って行かれるも、慌てて視線を外して咳払いをしてみせる。

 

「良いから、鳥海も入渠して来ていいよ、ほら行って。」

 

歩み寄る鳥海の背中を押し、そのまま入渠ドックの方向へと押していく。「えー」などと不満げな声を上げているが、無視無視。

 

演習……演習か。

もう暫くしたら、佐世保の所と合同演習するのもいいかも知れない。青葉も相当頭の切れる奴だと思う、幾ら鳥海でも簡単には勝てないだろう。事前に連絡でもしておこう。

 

 

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