かける、海鳥   作:魔獣先輩

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バイオハザード7の体験版やったけど、これVRでやらされるとか心臓こわれる!



第20話

 

 

 

「……………。」

 

 

先程鳥海から新種の深海棲艦と遭遇、一戦交えて可能なら撃破するとの連絡があった。

新種という点は気になるが、注目すべき点は別にある。霧の中心部に卵を模した船の残骸…孵化と共に霧が晴れたのを見ると、新種が霧を発生させていたのはまず間違いないだろう。

そして霧散と同時に深海棲艦の発生もストップした様だ。此方は佐世保からの情報の上、発生する瞬間を捉えていないから確証は無いが。

 

 

「現実はゲームとは違う、ね。」

 

 

以前鳥海に言われた言葉を反芻する。

確かに、これまで全く以ってゲーム通り…という試しが無い。旗艦の鳥海だって、轟沈しないなんて保証は何処にもないのだ。

 

 

「…それにしても霧が晴れて良く見える。確かに、あれは新種で間違いは無さそうかな。…傷一つ負ってないのは勘弁して欲しいけど。」

 

「彼女が心配なら、僕が助けに行こうか?」

 

 

突然の声に振り向き警戒を高める。警備システム自体は出来てはいるが、機材が出来ていなかったのが仇となった……って、助けに?

 

「…すまないけど、君は?素性の分からない奴に言われても信用は出来ないからね。」

 

「言う必要があるかい?貴方なら僕の容姿で分かるでしょう、呉の提督さん。まあ……誠に不本意ながら、派遣元は大本営とだけ伝えておくよ。」

 

確かに、この口調と容姿からして特定は簡単だ。白露型駆逐艦、時雨……そして、原作離れした大人びた風体から、オリジナルの艦娘である事も分かった。…しかし派遣元が大本営?鎮守府ではなく?

僕の思案顔にはぁ、と溜息を吐いた時雨が更に続ける。

 

「……君の疑問は分からないでもないけど、優先すべきは其処じゃないだろう?僕は君の艦隊を助けに行くと言っているんだ…最も、危なくなったらの話なんだけどね。」

 

そう言って彼女は戦闘の様子を捉えた衛星映像へと歩み寄る。つまりは僕の隣へと。

 

「それが本当なら有難いことだよ。」

 

そう毒づきながらも…僕も男ということだ、目線は隣の美少女に。

 

年の位は大学生程度だろうか、顔立ちには少し幼さが残っているが…本人のミステリアスな雰囲気と落ち着いた物腰、それと独特の口調により妙な色気へと昇華されている。

更に目を見張るべきはその胸部。黒を基調とした制服の布地を押し上げる程のそのボリュームは駆逐艦の枠に収まらず、最早重巡レベルと言っていいだろう。原作で言えば浜風や摩耶レベルの巨乳の持ち主である。

そしてスカートから伸びる程良く引き締まった健康的な美脚は太過ぎず細過ぎず、それでいて張りと柔らかさを保った実に官能的な御御足となっている。それと何か超良い匂い。

 

其処まで観察を終えてもう一度彼女の御尊顔を拝謁した。すると流石に此方の視線に気付いたのか、丁度目線だけでちらりと僕を見遣る所だった。こうなると必然的に視線を通わせる事となるのだが、彼女は全身を舐める様に観察していた僕に対し憤慨するでもなく、それどころか微笑みすら浮かべてただ一言。

 

「どうだったかな?僕の身体は。」

 

…………包み隠さず言おう。エロイ。それも尋常なレベルではなく。こんな場面でなければだが、この台詞を言われては即夜戦も吝かではない。鳥海は視覚的なエロさが主だが、この時雨は視覚的にも聴覚的にも、更に言えば嗅覚と触覚にも毒だ。触れてみたいと言う欲求を存分に刺激させる、けしからんドスケベ艦娘だという事が判明した。この間僅か数分…!

 

 

「やっぱり君も男という事だね。艦隊が頑張ってるのに僕を視姦していましたなんて、バレたら射殺爆殺待った無しだよ、君。」

 

口では僕を咎めてはいるものの表情は仕方ない、と言った風だ。

というかジロジロ見られても全く怒らないのか…大天使か何かかな?

 

「ごめん、でも自然と視線が行っちゃうから…」

 

「気にしてないから良いよ、それより…ほら、集中しなきゃ。」

 

最初こそは疑っていたが、この子は良い子そうだ(魅了)

 

「今は大丈夫そうだけど、ね。…大本営は救援として君を寄越したんだろう?1人だけ?」

 

「1人の方が気が楽だからね、これは僕の我儘…なのかな?」

 

「それって…君にアレを倒せる算段があるって事だよね。」

 

「元々あったと言うべきかな。ちょっと用入りでね、硬い装甲を抜く為の装備を持っていたのさ。それが恐らく呼ばれた理由だと思うよ?…君達を此処で失う訳にもいかないしね。」

 

あの総攻撃を受けても傷一つ負わなかった装甲を、撃ち抜く手段があるのか…この少女に。誠には信じ難いが…

 

「待って、今あるなら見せてくれない?獲物を見て行けそうだと思ったら、行って貰うようにするからさ。」

 

「優しいんだね、君は。……別に構わないよ、ほら。」

 

そう言って差し出す彼女の腕に取り付けられた、鉄塊。僕はその暴力的なまでの鉄の塊に見覚えがあった。先ず目に入るのは巨大な釘と、それを撃ち出す為の動力部。

 

「こ、これは、パイルバンカー…!行ってよし!」

 

即答だった。

 

これは撃ち出した時の反動の強さから使い手を選ぶ、非常に扱い辛い武器だ。しかしそのデメリットを差し引いて余りある、絶大な威力がこの武器にはある。

炸薬の破裂により巨大な釘を対象に撃ち込み爆砕するロマン武器。何故駆逐艦の彼女がこんな物騒な物を持っているかはさて置き、これならばあの装甲を引き剥がす事が出来るだろう。

 

「どうも。…っと、そろそろ行かないと不味いかな?鳥海が苦戦するなんて珍しいなぁ。」

 

彼女の言葉に現実へと引き戻されると、モニターには先程よりも更に消耗した鳥海達の姿が。

 

「っ…!頼んだよ、鳥海達の助けになってやってくれ!」

 

「了解、じゃあ……またね、呉の提督さん。"僕の仕事で"会わない事を祈るよ。」

 

僕に背を向け歩き出す彼女がひらりと手を振る。

……先程からの言動からも、彼女が鳥海に手傷を負わせた時雨なのだろう。最後の言葉も気になるが…今は何より、彼女達の無事を願うばかりだ。

 

 

 

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