かける、海鳥   作:魔獣先輩

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プチ失踪してました。書いたデータ吹っ飛んでやる気なくしてた…なくさない?




第23話

 

 

 

それから数日後の事。

どの海域に出撃をしようかと決めあぐねて居た所、まさかの大本営から出撃の指令が届いた。現状…全鎮守府の中でトップの戦力が揃う僕の鎮守府に、霧の海域への調査を行って欲しいとの事。

 

艦娘を悪戯に轟沈させる訳にはいかなくなった為、調査を行い無事に帰還する見込みのある僕へと依頼をした訳だ。

 

調べた所、前回の攻略した海域から然程遠くもなく、例え戦闘を行なったとしても十分に行って帰って来れる程度の距離だった為、これを承諾。作戦は2日後の決行との事だった。

 

「…ふむ、丁度良かった。調査程度なら僕の艦隊だけでも出来るだろうし…肩慣らしにも最適じゃないかな。」

 

それに、大本営に恩を売っておくのも悪くは無いだろう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「………作戦は以上。やる事はあくまで調査だけど、状況によっては戦闘も、そのまま敵主力艦隊を撃破しても構わない。…決行は2日後だから、各自ゆっくり休んでくれ。」

 

僕の言葉を合図に、皆が散開していく。

前回とフォーメーションは変わらない。加賀と川内が霧の外の警戒、残りは中で威力偵察といった形だ。

 

衛星からの情報で分かっているのは、まだ出来たばかりの霧だという事、それに伴ってか…霧の範囲が前回と比べて大幅に狭い事の2つである。出来るだけ早い段階で出撃したいのだが、此方にも準備は必要なので、どうしても2日後が最短になる…

 

「うむむ……儘ならないなぁ…、……ん?」

 

色々と思案している最中、後ろから指先でつつかれる感触に振り返る。

 

「あの、司令官さん…少し宜しいでしょうか…?」

 

自分の胸元へ手を添えつつ、何処か嬉しげに僕を見つめる鳥海。

嗚呼、なんと愛らしい…エフンエフン、…一体そこまで嬉しげなのは何故だろうか?

 

「どうかした…?何か嬉しい事でもあったのかな?」

 

「はい!恐らく…この作戦後に、ケッコン可能になるかと。」

 

「…………。」

 

そうか、もうそんな時期なのか。元々この鳥海の練度は高い状態だった…とは言え、ここまで早いとは。

…これは、予定よりも早く僕の"調査"を終える必要がありそうだ。

 

「そうか…思ったより早かったね…。…って事は、鳥海を好きにしても良いって事かな?」

 

「えっ!?ええ、まあ…、そう、ですが…少しストレート過ぎませんか、司令官さん…」

 

僕のセクハラじみた発言に若干照れを見せつつも、至って平静を装い僕に非難の目を向ける。

…すまない、鳥海。信用していない訳じゃない。君が何をしようとしているか…それだけは突き止めさせて欲しい。

 

「ごめんごめん、でも…僕にも少し心の準備をさせて欲しい。すぐには決められないけど、しっかりと答えは出すからさ。」

 

「ふふ、分かりました。お返事、待ってますから。」

 

彼女はにこりと微笑み、作戦室を後にする。

…誰か話してくれそうな奴、居ないものか…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

翌日。

 

 

「…失礼します。司令官さん、大本営から何やら重要書類が届いています。こんな事は初めてじゃないですか?」

 

早朝、鳥海が密閉された茶封筒を届けてくれた。確かに、電子機器を通じての指令はあれど、こういった形での連絡は今まで一度たりとも無かった。

 

「…本当だ。…僕何かやらかしたっけ?」

 

「功績はあれど、責を問われる様な事はしていないと思いますよ?」

 

していない、筈だ。多分。

艦娘に対するセクハラで密告とかされてなければ、の話だけど。

 

「うん、ありがとう。…どれどれ?…………ふむ。」

 

早速中を開いて見てみる事に。

 

…幸い僕を断罪する様な事は書かれてはいなかった。長ったらしい文章だったが、要約すると"これからの事で話があるから大本営まで来い"との事だった。

 

「へえ、珍しい。大本営まで来てくれ、だってさ。一週間後か…迎えは寄越してくれるみたいだ。」

 

「ふむ。では、護衛も兼ねて私も同行させて下さい。」

 

「…いや、鳥海はお留守番だ。有事の時に僕も鳥海も居ないのでは困る。…なに、心配は要らないよ。迎えに来てくれるのは君の同期の時雨みたいだし、その日の内には帰って来れる。」

 

……と、そう告げた瞬間、鳥海の雰囲気ががらりと変わり。

 

「…一体、何を。」

 

底冷えする様な声色で、そう呟いたのが耳へと届いた。

 

「!?…ふ、不可抗力だ不可抗力!僕が時雨を指名した訳じゃない!」

 

余りの豹変ぶりとヤンデレ気質の言葉に完全にビビってしまった僕は、まるで妻に浮気がバレた夫の様に狼狽してしまう。…が。

 

「ぁ…、えっ、し、司令官さんの事ではありません!…ごめんなさい、怖がらせてしまいましたね…」

 

どうやら僕へ向けての言葉では無かった様だった。…となると、誰に対しての言葉だったのか…そっちの方が余程怖いんだけど。

 

「い、いや、大丈夫。時雨とは何もないから安心してくれ、な?」

 

「むぅ…なら良いのですが。」

 

僕の必死の弁解の甲斐あり、頰をむくれさせるだけで済ませてくれた。かわいい。

 

「とにかく、メインは今回の作戦だ。明日に控えてるし、鳥海もゆっくり休んでくれ。執務は僕一人でも出来るからね。」

 

「…では、少し手伝ったら私も休みます。それでも構いませんよね?」

 

「はは、どうせ断っても無駄だろうし…なら、少しだけ手伝ってくれ。」

 

「はいっ!」

 

お互い見合わせては微笑み、仕事へと取り掛かる。

明日は小規模とは言え霧の海域への出撃だ。適当に切り上げて、僕も休むとしよう。

 

 

 

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