かける、海鳥   作:魔獣先輩

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他の小説に比べて1話1話が短いから、割と早く更新出来てますね。
1話が長くて更新速度遅めなのと、短くて早めなのはどっちが良いんですかね…



第4話

執務室へと戻ると、早速書類の束と向き合う。大変面倒な作業だが、此処でサボると後が更に面倒になるのは目に見えている。

 

「よし、じゃあ時間を決めて取り掛かろうか。あと1時間だけ頑張ったら休憩にして、それから点検といこう。」

 

「分かりました。惰性で進めても良いことありませんしね、こういうのは。」

 

鳥海の言葉を皮切りに執務室は静寂に包まれ、ペンを走らせる音が響く。

…………。先程の鳥海の話に出て来た、学校の卒業者。250余名と言っていたが、多過ぎないだろうか。殆ど同時期に、250名もの艦娘が所属した事になる。通常、250もの艦娘が同時期にドロップ及び建造される事はゲーム内でも有り得ない事象だ。

というより、この人間と変わりのない生命体が、ドロップする事などあるのだろうか。

建造ともなると、現代科学では最早クローンの域である。

 

…となると、深海棲艦の出現と同時期…若しくは少し前からぽつぽつと艦娘は存在していて、上層部はその収集に当たっていたという事になる。

更に、学校なる施設がある事から、収集した艦娘は軍事知識がまるでない状態だったと考えられる。

 

憶測の域を出ないが、艦娘として生まれた際の軍事知識の有無については鳥海に聞けば分かるだろう。

建造、ドロップ時の知識の有無は…まあ、いずれ分かる…と思う。

 

何故、提督である僕にはその情報が降りてこないのだろうか。今の話だけでも、そこまで秘匿するものでも無いと思うが。

 

……ああもう、モヤモヤする。

そんな僕の気配を察してか、鳥海が心配そうな表情を此方へ向ける。

 

「あの、司令官さん。もうそろそろ1時間ですし、休憩にしませんか?何だか表情が芳しくないご様子でしたので…。」

 

鋭い子だ。鳥海の言う通り、少しで1時間が経過する所だったので休憩を挟む事にした。

 

 

 

「何か心配事でも?私に話せる事であれば、話してみて下さい。」

 

鳥海が、僕の目前へとお茶を置きながら尋ねる。頼むからその格好で前屈みになるのは止めてもらえないだろうか。目線に困るし、僕も前屈みにならざるを得なくなってしまうじゃないか。

…しかし、丁度いい。気になった事を聞いておこう。

 

「鳥海、君が鳥海として生まれた時…こういう戦争や、軍に関する知識はあったのかな。」

 

「鳥海としての艦船の記憶はありました。が、それ以外は殆ど知りませんでした。加えてその頃と今の艤装の操作は違いますから…」

 

そうか…乗組員がいた頃と今とではその辺りも変化するのか。

 

「なので、それらを学ぶ為に学校へ入ったんです。"それらを学ぶ施設が近々作られる"って誘われて。怪しい人だったので了承するのに時間は掛かりましたが…。」

 

決まりだ。やはり艦娘の出現に際して学校を作った様だ。それも、今の口振りだと他の艦娘も軍事知識が無い状態で生まれたと見える。後は……

 

「その事に関して、僕ら提督には口止めというか…情報を漏らさない様に、と釘を刺されたりとかはしなかった?」

 

「しました。なので、今話した事は内密にお願いします。」

 

………んん?したのか。いや、それにしては淡々と漏らしていた様な気がするが、どういう事なのだろうか。

 

「えっと…口止めされていたのは、どうして?僕らに言えない様な事じゃないと思うんだけど…。」

 

僕がここまで話すと、鳥海は人差し指を立てつつ彼女の唇に宛てがう。

 

「それも、私に誓いを立ててくれるまでは話せない内容です。ですが、ケッコンカッコカリに相当するシステムを開発中の様ですし、私の熟練度的にもそう遠い未来ではないでしょう。ですから、それまでは。」

 

………。気になる、余計に気になるぞ。ケッコンカッコカリによって、何かしらのロックが解除されて話せる様になる…とかなのだろうか。

 

だが、これ以上詮索するのは止めておこう。彼女も今は話せないというだけで、話さない、とは言っていないのだから。

 

 

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