ダンジョンとは無縁でありたい   作:雑食

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2ヶ月ぶりの投稿です。
久しぶりなのでリハビリ程度な文字数です。

拙作ですがお付き合いしてくれるかた宜しく。


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 異世界に来てからの何度目かの目覚め。視界に入るのは澄み切った青い空ではなく、木造の天井。

 どうやら無事に生きているようだ。毒で体が蝕まれていたはずなのだが、清々しいほど体の調子は良くなっていた。異世界定番の魔法かなんかで治ったのだろう。知らないけど。

 

 しかし、一体ここはどこなのだろうか。

 体を起こし、辺りを見渡し見るが、ベッド以外何もない。殺風景という言葉がピッタリな部屋だった。

 あまりにも少ない情報に現状の把握さえできないでいると、ゆっくりと部屋の扉が開いた。

 

 突然の乱入者に身を固めると、扉の先から出てきたのは銀色の髪をした綺麗な女性だった。

 

「良かったぁ〜 無事に目覚めて」

 

「おかげさまで……それで貴女は?」

 

「私は、ここ『豊饒の女主人』という酒場で店員をしているシル・フローヴァです。大変だったんですよ? 路地で倒れている貴方と彼女をここまで運ぶのは」

 

 リューが無事でいることに、ほっと胸を撫で下ろす。

 俺が気絶した後、襲撃してきた男を退けたのか、あるいわ殺してしまったのか……

 

「……それでリューは?」

 

「リューは下で働いてますよ?」

 

 ……ん?

 展開がまったく読めない。

 

「あの〜…俺が倒れてから何日たってます?」

 

「3日ですね。……リューから事情は色々と聞いてます。リューの内情も伺いました。彼女のファミリアが壊滅したことも、壊滅に追い詰めたファミリアに報復したことも、罪のない人を殺めしまったことも彼女の口から聞きました。その上で私たちは彼女を受け入れ、ここで働いてもらってます」

 

 ……うん、さっぱりわからん。

 まずファミリアってなんぞや。壊滅した?

 リューって親に捨てられた可哀想な子っていう設定じゃなかったけ?

 あっ、俺の中の設定か。

 

「……それで貴方はどうしますか?」

 

「……え?」

 

「帰るとこないんですよね? リューから聞きましたよ?」

 

「……いや、そうですけど……」

 

「ここで働きます? ちょうと男手も欲しかったところなんですよ」

 

 

 何も知らない異世界に投げ出され、途方に暮れていた俺にとって願っても無い話なのだが、

 こんなにうまく話が進んでいいのだろうか……

 うまい話には裏があるってのが世の中の常だ。

 

「いいんですかね?」

 

 しかし、俺には彼女の提案に縋るしかないのである。

 

「貴方しだいですね。ミア母さんーーーあ、此処の店長なんですけどね?『そこら辺でくたばってもらっても目覚めが悪い』だそうですよ? あと、ちゃんと働くなら受け入れるって言ってましたね♪」

 

「じゃあ、お言葉に甘えてお願いします」

 

 すぐさま俺はベットの上で正座し、シルに顔を下げた。

 男のプライドなんてドブに捨ててしまえ。

 

「頭を上げてください。私じゃなくてミア母さんにお願いしますね。私としても従業員が増えて嬉しいですから♪」

 

 そう言ってシルは扉から出て行く。

 親切な人だーーそう思って彼女が出て行く姿を眺めていると、一瞬彼女の姿がブレた気がした。

 

 瞼をこすり、再度彼女の姿を拝もうとしたとき、すでに彼女は部屋を出たあとだった。

 

「……気のせい?」

 

 毒にやられたせいか、まだ体が本調子ではないのかもしれない。

 そう思うには十分だったが、どこか納得していない自分がいた。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 今日、変わった色をした男を見つけた。

 男の魂は誰よりも歪だった。人の魂には色が付いている。

 それは今まで見てきた魂が証明している。

 情熱的な赤色、穏やかな青色……多種多様の色の魂が存在する。

 

 しかしーーー。

 

 男の魂は何も見えなかった。

 確かに魂は存在する。だが、何も見えない。色が分からない。

 見ようとすると靄が掛かったように見えなくなってしまう。

 

 こんなことは初めてだった。

 

 ……ぁあ、気になる……。

 

 見ることができない魂をもつ男。

 まだ誰の物にもなっていない穢れない魂。

 

 ーーーそれなら手に入れてしまえばいい。

 

 他の神に見つかる前に私が手に入れてしまえばいい……ふふっ。

 

 

 「あぁ……、彼が私の元に来るのが楽しみ」

 

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