俺のボーダーとしての青春はまちがっている。【俺ガイル編】   作:ばけねこ

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【最終章 そして新たな物語が始まる】

本部開発室長の鬼怒田さんに俺と二郎は呼び出され小言を言われたある日

 

「よし今日は日頃の感謝を込めて俺が奢るわ。何注文してもいいぞ」

 

二郎の言葉で俺達はボーダー食堂へ揃って来ているのだ

 

「二郎本当になに頼んでもいいんだよね」

 

「小町は勉強のし過ぎで糖分が不足しているのです」

 

「でもサクジー急にどうしたの今日は」

 

「由比ヶ浜さん口に出してはダメよ。ほらもうすぐイベントが・・・」

 

「あっ安心していいよヒッキーとサクジーにもあげるつもりだし」

 

周りからもクスクスと笑われるが二郎次期が悪かったな想定外の推察をされ苦笑いながらも話を始めた

 

「所で由比ヶ浜と雪ノ下は10体討伐成功したのか」

 

「サクジーあれムズいよ。全然成功する気配ないんだもん」

 

「そうねあの仕様には悪意を感じるわ」

 

「なら何体までなら成功したんだ」

 

「え?10体討伐しかやった事ないけど」

 

「やっぱりか・・・

 元々あれは個人が自分の限界を知る為に作ったんだよ。何体までなら時間内に処理できるのかを知る為のもんだ」

 

「え~サクジーがアレ作ったの」

 

「作ったって言うより仕様や時間なんかの調整をしたのは俺と八幡だ」

 

「なるほど・・・だからあんなにも鬼畜なのね」

 

「まて雪ノ下、二郎が言いたいのはそっちじゃない」

 

「倒せる数を把握してれば任務での状況判断に活用できるだろ

 敵が多すぎれば助けを早めに呼べるし一人で十分ならその場を任せてもらえる

 

 元々のコンセプトはそこなんだよ」

 

「他にも一人なら無理でもペアとかチームなら倒せるとか色々やってもらいたかったんだがな

 前衛後衛の連携練習にも使えるんだぞあれは」

 

「だが今のお前等みたいに10体討伐ばかりやってたんじゃ10体じゃあお手上げってだけだろう

 

 3体しか倒せない奴と8体倒せる奴ではアドバイスも変わるし一括りに出来ないんだが・・・

 それなのに10体討伐の方法だけ聞いてくる始末だ強くなれとしか返せないだろうが」

 

「なら二郎10体倒せた後はどうするの」

 

「次は効率化だなより短い時間でいかに被害を出さずに倒すか・・・時間なら3分以内目標で一切攻撃させずに撃破かな

 そこもクリアされると後は実戦で活躍してくださいとしか言えないな今の仕様じゃあ限界だ」

 

「て事で由比ヶ浜10体倒したいのならまず何体なら倒せるか試してみてから言ってくれ」

 

まあここまでで俺達が言いたいことは言った食堂で話をしたのは周りの隊員達にも聞かせる為だ

二郎は誤解されてしまったようだが、じゃんけんに負けた二郎が悪いのだ

 

「だってみんな10体討伐しかやってないし・・・」

 

「誰もが10体クリア出来るんなら訓練にならんだろ

 ボーダー内の実力者を想定して作ってるんだよ。ボーダーになって半年程度でクリアしようなんておこがましいわ」

 

「大体のレベルを教えておく。3体までが新人レベル、5体が中堅レベル、8体がベテランレベル、クリア出来れば実力者

 そして1分切れればトップ10レベルだな。まずは5体を確実に倒せるように目指せ」

 

「なら私が10体倒せたら実力者と証明できるのね」

 

「下のレベルをクリアしてから言うんだな」

 

「見てなさいすぐに追いついてあげる」

 

「ゆきの~ん、あたしもやるよ」

 

鬼怒田さんからの課題もこれで問題あるまい

俺達の会話を聞いていた周りの隊員達も慌ただしく模擬戦ルームへ駈け込んで行く姿が見えた

 

 

「ヒキオ嵐山さんはどんなチョコが好きだし」

 

「あ~嵐山さんね・・・知らんが広報に送れば大体届くぞ。ただし手作りは100%焼却されるからな」

 

「ヒッキー酷い」

 

「俺が燃やすわけじゃないだろ。大体こんなのは常識であってだな何が入っているか分らん物を送る方が悪い」

 

「ヒッキー女の子の気持ち解ってない」

 

「世の中にはな嫌がらせだとかする愉快犯なんてのもいるんだぞ。一個一個検査なんか出来ないだろ届けたいなら市販にしとけ」

 

「ヒキオ何とかしろし」

 

「やだよ面倒くせー」

 

 

ボーダーが危機的状況になっている

スポンサーなどの付き合いのある所へ配るチョコを女子隊員が中心となって作る事になったのだが・・・

 

予定メンバーに加古さんと由比ヶ浜が入っているのだ

 

現場を知らない上層部はこれだからいけない万が一スポンサーが入院騒ぎになったらどうするのだ

緊急連絡を受けた俺と二郎は上層部に対し試食会を行う事を提案した

 

「隊員の腕前はプロ顔負けから素人までいますのでクオリティが統一できません

 そこでご自分の目で確認してもらい10人ほど指名をしていただけないんでしょうか」

 

「勿論女子隊員もプライバシーがありますので、名前を伏せた上で番号で選んでいただきます

 ポイントを報酬として提示すれば希望者も集まりますし余った物はご家族へのお土産にでもしてはいかがでしょうか」

 

上層部は大げさだとか誰が作っても同じような物になるのではないかなんて甘い事を言っているがこれはボーダーの死活問題だ

しかし若い隊員の作ったチョコを試食出来るのは満更でもないらしく了承をしてしまったのだ

 

最終的に審査委員は城戸司令、根付メディア対策室長、唐沢営業部長に迅さんと嵐山さんを加えた5人に決まった

この五人が試食し合計点数の高い物を選ぶ事となった

 

ポイントを貰える事ともあって参加者もそれなりに集まった選抜大会。当然例の二人も含まれているわけで

俺達は見た・・・進捗を見る為に除いた調理現場で

 

由比ヶ浜は、黒チェコに化けたホワイトチョコにチョコより多い梅干しやら塩辛を入れている姿を・・・

加古さんに至ってはイクラや味噌、酢がテーブルに並べられているのを・・・

 

試食は審査員が味見をし点数を付けてから水でうがいをしてもらいバケツに吐き出す

数が多い為全てを食べた場合健康に影響があるとの配慮だ表向きは・・・

 

そして・・・

 

「・・・」

「ぐっは」

「ぶっは」

「み、水・・・」

 

ある皿のチョコを試食した時にそれは起こった無言の城戸司令を筆頭に4人がバケツへチョコを吐き出してしまった

嵐山さんだけは事前に俺達から合図を送ってあり被害には合っていない

 

「こ、これは・・・」

 

「試食会が必要だと言った意味を理解していただけたでしょうか

 スポンサーを含む重要な取引相手に敵対するわけにはいきませんので」

 

「ここまで違う物なのかね」

 

「今回はまだチョコであった為この程度で済んでいるのです

 これが創作料理ともなれば・・・考えたくありませんね」

 

「君達の言い分はわかった。なるほど確認は必要であったな」

 

より慎重になった審査員達であったが流石にあれほどの物は二つとないだろう油断をしているようだ

残念ながらもう一人いるんだが・・・

 

 

「ヒキオよくやったし」

 

三浦が俺が渡した写真を見てニヤニヤしながら言う

嵐山さんが三浦の作ったチョコを試食している写真だ審査に不正がないようにしていた監視映像の一枚である

 

「ヒッキーあたしも頑張ったんだけど選ばれなかったよ」

 

由比ヶ浜お前はお前でしっかり仕事はしたからな

ボーダー上層部へ危機意識を持たせたうえ迅さんにセクハラ被害を受けていた女性陣には噴出した瞬間の写真は好評だった

 

「由比ヶ浜は自分なりに頑張ったと思うぞ」

 

「えへへへヒッキーに褒められた」

 

 

さて日本独自の文化であるヴァレンタインデ―なる行事も無事に終わったのだが俺と二郎はなぜか模擬戦ルームに拘束されている

 

「ヒッキー逃げられちゃうよ」

 

「倒す順番を考えろ、遠い敵は一撃だけ入れておびき寄せろ」

 

「佐久間君囲まれてしまうのだけれど」

 

「手前のモールモッドを盾に使え同士討ちに持ち込むのも手だ」

 

「比企谷時間短縮できない」

 

「お前は手数が多すぎるんだ急所を的確に狙え」

 

食堂の一件がどのように伝わったのかは不明だが俺達に賄賂(チョコ)を渡せばモールモッド討伐のアドバイスが貰えるとして

女性隊員からかなりのチョコを渡された結果こうして模擬戦ルームに連れてこられてしまうのだ

 

しかし木虎よチロルチョコ1個でお前どんだけ偉そうなんだよ

雪ノ下は現在7体に挑戦しており由比ヶ浜は6体だ

 

二人は数が増えてきて限界を感じてきたようでグラスホッパーやテレポータでの機動力増強

旋空での攻撃力アップなど支援用トリガーを慣れないながらも使用している

 

しかしながら俺達のアドバイスのせいか全体的に想定より隊員達のレベルが上がってしまっている現状だが

まあ全体の実力が上がる分には問題はないだろう

 

「八幡先輩二郎先輩こんちわ」

 

「お緑川か、お前はなんとかクリアしたらしいな」

 

「ふふーん、でももう飽きたよコレ次ないの次」

 

「遊びじゃないんだがな・・・」

 

「ここだけの話だ緑川、チーム戦用の開発が進んでるぞ」

 

「本当」

 

「声がでかい」

 

「了解、なら俺も鍛えておくね」

 

モールモッド討伐はすっかり隊員達に受け入れられた

 

防衛任務に新顔が入ってきた場合はまず討伐数の確認を行っており配置などに役立っている

また、討伐方法などは先輩隊員からのアドバイスも受けやすくボーダー内でのコミュニケーションも円滑になっているそうだ

 

 

 

「うう、緊張するよ」

 

「大丈夫よ。小町さん自信を持ちなさい」

 

「小町自己採点でも問題無かったんだ大丈夫だ」

 

総武高合格発表の今日は小町と結果を見に来ている

 

「行ってくるよ。おにいちゃん」

 

「小町ちゃんファイト」

 

不安気な様子で合格者が張り出された掲示板に向かう小町

俺もなんか不安になってきた・・・

 

「シャキとしなさい貴方がそんな様子では小町さんまで不安が移るでしょ」

 

う、そうだ結果がどうであろうと俺は小町を受け止める覚悟できたんだ

10分が一時間にも感じる間俺達は小町が戻ってくるのを待っていた

 

そしてその時は来た。視線の先に小町が現れた、下を向いてとぼとぼ歩いている

 

俺達を認めた途端に走り出してきた小町

そのままのスピードで俺に体当たりをしてきた文字通り小町を受け止める事になるとは・・・

 

「あっだ~、あっだよおにいぢゃん」

 

「よし、よくやった小町」

 

「小町さんおめでとう」

 

「小町ちゃんよかったよ」

 

大泣きの小町を抱きながらほっとしている俺ガイル

雪ノ下も由比ヶ浜ももらい泣きをしており俺は携帯で二郎に連絡を入れた

 

帰り道予約していたケーキ屋で特製ケーキを受け取りボーダー食堂で細やかな合格祝いPTを開いている

 

「みなさんの応援のおかげで小町は無事合格しました。ありがとうございました」

 

オメデトーの歓声の中拍手が鳴り渡る

騒ぎを聞きつけてきた隊員達も次々と集まって小町に祝辞を述べている

 

やっぱボーダーはいいところだ俺は間違っていなかった

しかしながらなぜか全員分の請求書が俺のところに回ってきたのは解せぬ。払ったけどね

 

 

3月はB級のランク戦もあり上位になるとA級との入れ替え戦の権利が貰えるのだ

もっとも比企谷隊に挑んでくるなら秒殺してやるけどね本気になった俺と二郎は容赦はしない生活かかってるし

 

 

そして緑川に予告していたチーム戦用の新しい討伐戦のお披露目だ

今回の目玉はコレ

 

HSモールモッド:ハイスペック版モールモッドだ

バムスター並みの頑丈さに移動速度2倍、反射速度と攻撃速度は1.2倍 シールドも切り裂く鎌、索敵範囲は1.5倍

 

と現行仕様のモールモッドの強化版を投入したのである

これからは近界からの侵略も新型や強化版登場が想定されており、こちらとしても準備をしておかなければならないのだ

 

セレモニーとしてどの程度の強さかを試してもらった所、太刀川隊が討伐を失敗した

出水がシールド毎切り裂かれ、唯我が急接近してきた敵に倒され太刀川さんが3体倒すものの囲まれベイルアウトしていった

 

あんな敵がきたらやばいんじゃないかと不安気な空気の中、急遽比企谷隊の出番となった

 

留美が遠間のモールモッドから片側の足にレッドバレットを打ち込んでいく

これはバランスを崩し直線移動をさせない為である

 

小町がシールドを鎌でなく腕の部分に発生され攻撃を防ぎながら切りつける

俺と二郎は最前列の鎌にレッドバレットを打ち込み動きを遅くしてから頭を打ち抜いていく

 

移動の阻害、動きの妨害、そして確実な破壊を繰り返し10体の新型モールモッドを倒すのに要した時間は3分程度であった

 

「太刀川隊は新たな敵の出現に戸惑ってしまった結果チームプレーが取れなかったが

 比企谷隊のように落ち着いて基本に忠実に攻めれば倒せない敵ではない

 

 諸君等もチームとしての連携を重視し精進してほしい」

 

と鬼怒田さんが締めくくりセレモニーが終わった

 

「ハチ随分大人しい倒し方じゃねえか。てっきりいつもの斜め上の倒し方を期待してたんだがな」

 

「影さん勘弁して下さいよ。そんなんじゃお手本にならないじゃないですか」

 

「やっぱり隠してやがったな。一回見せてみろ」

 

「おい比企谷、俺達をダシにしやがったな。お詫びとしてレポート手伝え」

 

「太刀川さんダメじゃないですかお手本になるべき人が個人技に頼ってチームプレー忘れるなんて」

 

「二郎先輩、あれソロでも倒せるの?」

 

「緑川、やれるものならやってみろ。お前でも3体までなら出来ると思うぞ」

 

「ヒッキー後であたし達もやりたい」

 

やれやれ俺と二郎は隊員達に囲まれ質問責めだ

でもまあチームの連携向上は急務であり個人技ばかりではいけないのである

 

 

そして締めくくりの入隊式で3月のイベントは終了となる

 

三浦はシュータとして一色はスナイパーとしてボーダーへ入隊してきたのだ

海老名はオペレーターとして本格的に活動を行っておりフリーの立場で活躍している

 

「ヒキオどんなもんだし」

 

「せんぱーい見てくれましたか」

 

まあ二人とも劣化バムスターの討伐は1分を切ったタイムなので問題はないだろうが、これから根気よく強くなってくれるかが心配だ

 

そんな時に別の新人がタイムオーバーで失格となった

あいつ討伐失敗だってよダセーと陰口を叩かれているが実力主義のボーダーだ仕方あるまい

 

三雲とか言う名前だったな自分がボーダーに向いてないと自覚すればそのうちいなくなるだろう

憧れだけではボーダーにはなれない

 

しかしなんでレイガストなんか使ってるんだよ。よほど戦いになれてなければ倒せるわけないだろうに

そのメガネ小僧の事は俺の記憶からその日のうちに消えていった

 

後に俺のボーダー生活に深く関わってくるとはその時点では予想もしていなかったのだが・・・

 

 

俺ガイル編終わり

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