俺のボーダーとしての青春はまちがっている。【俺ガイル編】   作:ばけねこ

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【外伝:届かぬ思い】

葉山隼人の場合:

 

総武高から今の高校に転校してきてだいぶ経つ俺は以前とは違い母方の姓を名乗っている

 

「おーい隼人おはよ」

 

「ああ、おはよう」

 

こっちでも俺は友人が出来た以前と違うのは俺は過度の期待をされていない事だ。普通の友人関係と言うものを初めて知ったのかも知れない

スポーツが得意だからと言って必ず勝たねばならないプレッシャーもなければ負けて失望される心配もない

 

以前の俺であればどんな手を使ってでも勝とうとしただろう勝って当たり前負けるなんて葉山隼人ではないと言われない為に・・・

 

「おはよう隼人君」

 

「おはよう」

 

「ねえねえ隼人君って彼女いないの」

 

「いないよ。残念ながらね」

 

「え~意外、隼人君モテそうなのに」

 

「モテそうとモテるのは違うんだよ」

 

俺は苦笑いのまま答える。周りの女子は俺に好意を示してくれる人も多いが決して以前のようなアイドル扱いはではない

一方的な憧れやステータスに寄ってくる輩と違い普通に接してくれる

 

「だったらさ好きな人とかいないの」

 

「好きな人か・・・いたよ・・・」

 

「あっ過去形 ねぇねぇもしかしたら失恋?」

 

「失恋か・・・そうかしれないな。ははは」

 

俺に都合の悪い事でもズバズバと切り込んでくる。これが普通の友人関係なんだろう取り繕う必要もなく自分の弱い部分をさらけ出しても問題にもならない

いったい以前の俺はなんだったんだろうな。人として歪な性格と仮面の様な笑顔を張り付けたままの姿・・・あの人の様に

 

「おいおい古傷をえぐってやるな隼人がかわいそうだろ」

 

「ごめ~ん」

 

「ははは、いいんだよ。もう吹っ切れたしね」

 

今俺は久しぶりに人間らしい生活を送っているのかもしれない。小学で雪乃ちゃんを救えなかったあの日以来・・・

勝ち続ける必要もなく期待に応え続ける必要もない。一人の人間を贔屓する事も許されずみんなの葉山隼人でいる必要もない

 

これが肩の荷が下りたと言うのだろう早くこの事を知っていればあんな事はしなかっただろう・・・

いや・・・無理だな以前の俺だったら決してあの地位を手放さなかっただろうから

 

もし今の俺と彼女が出会っていたら違う結果になっていたのかなと思うことがある

いや、きっと彼女は俺には興味ももたないのかもしれないな

 

遠い地にいる彼女は今何をしているんだろうと空を見上げるだけしかできない俺がいる

 

 

 

平塚静の場合:

 

わたしは以前一人の生徒を救えなかったことがある

その生徒とは雪ノ下陽乃・・・彼女の闇を祓う事もできず後悔する毎日だった

 

あの時強引にでも彼女を導いていたら、あの時わたしが介入をしなかったら・・・

わたしが目を離さなかったら・・・

 

そんな後悔の中一人の女生徒が総武へ入学してきた。雪ノ下雪乃・・・雪ノ下陽乃の妹がわたしの前に現れた

彼女も姉とは異なる闇を抱えていた。今度こそわたしは失敗しないように彼女と接触をした

 

彼女は自分の正義と言うものに固執してしまっていた正義など人それぞれだと言うのに

わたしは彼女の人間的成長を促す為に奉仕部と言う場所を作り彼女を囲うことにした

 

ここで・・・わたしの手の届く場所で様々な経験をさせれば彼女を救えるのだはないかと考えたからだ

 

彼女が二年に上がった頃、もう一人の人物がわたしの目に留まった

比企谷八幡・・・彼は独特の雰囲気を纏い他者を決して自分の領域に踏み込ませなかった

 

彼もまた違った意味での問題児でありわたしは彼も救う必要があるのではないかと考えた

また彼の存在は雪ノ下雪乃にいい意味での刺激になりそうでこの二人ならばお互いを高め合う事が出来る可能性がある

 

さっそくわたしは彼に接触し強引に奉仕部へ入れようとしたが失敗

教師の権限を利用して彼を懐柔しようとしても失敗した

 

彼はボーダーであり教師であるわたしでは手がだせない存在だったからだ

わたしもボーダーになればと手を尽くしたが公務員の壁は厚く断念した

 

彼女の変化に気が付いたのは文化祭での事だ

わたしは彼女が人に助けを求める必要性を経験させる為、文化祭実行委員へ参加させようとしたのだが、またしても彼に阻まれた

 

彼女達の言い分は的を得ておりまた3人が協力するさまを見て、また生徒会長の覚悟を促した所は微笑ましい光景であった

他に人がいなければきっと抱きしめて褒めてやってたであろう、しかしその場のわたしは苦笑いをするしか出来なかった

 

別の機会に彼女一人では手に負えない問題を経験させる為に生徒会長選挙の件を依頼したのだが

彼があっさりと解決をしてしまったまさかあのような手があったとは思いもしなかった

 

もうわたしに出来る事は見守る事しかないのかもしれない

今後彼女等が困難に戸惑っていたのならわたしは全力で助力をするだろう

 

だがその心配もいらないのかもしれない。きっと彼女は彼が導いてくれるだろうから・・・

 

 

 

木虎藍の場合:

 

自分で言うのもなんだがボーダー内ではエリートとして振る舞っている

トリオン量が少ない私がボーダーで実績を残す事は並大抵の事ではなかった

 

だからこそ私は自分に誇りを持っている例え年上だったとしても私は負ける気はなかった

 

そんな私の前にあいつは現れた

 

眼が異質な男・・・最初に感じた正直な感想だ

あいつは私が何を言ってものらりくらりと躱し子供扱いされた

 

ムキになった私はあいつに挑戦状を付きつけコテンパンにのしてやろうとした

結果は私の惨敗・・・正面から戦おうとしないあいつに私は何も出来なかった

 

あいつに勝ちたいと思うようになったのはいつの頃からか

あいつの強さの秘密を探る為何かと近づいて様子を見るようになった

 

ふざけた言動や立ち振る舞い、時には自ら泥をかぶる真似も躊躇なく行う

私には出来ない真似だ・・・これがあいつの強さなの?

 

気が付くと私はあいつを目で追ってしまい話しかけるといつも嫌味を言ってしまう

本来は先輩なのに呼び捨てにしてみてもなんのリアクションも起こさない

 

あいつは他の人間とは違う私の言葉を無視しているようで本質は理解してくれている

不思議な奴だ優しいのか冷たいのかもわからない

 

あの時言ってしまった言葉

「あたしより強くって見てくれも悪くなくって年上で包容力があって経済力もあってあたしを気遣ってくれて・・・」

 

そう私の理想はあくまであいつじゃない烏丸さんのような人だ

でもなんであいつが気になるんだろう・・・

 

いや、あいつなんて下僕で十分だ。そうだそうだきっと私はあいつを下僕として気にいってるんだ

今日も私は比企谷を相手にストレスを発散しよう。エリートとして振る舞うのは意外と疲れるんだから・・・

 

 

 

那須玲の場合:

 

私には気になっている男の子がいる比企谷八幡君

彼と初めて会ったのはとある公園

 

その日は体調もよく久しぶりに散歩に出かけた

 

「いい天気」

 

普段家ではベッドで生活をするほど体が弱かった私、ボーダーに入りトリオン体の研究のおかげでかなり体調がいい

たまになら普通に出歩けるられる様になるまで回復したので上機嫌

 

散歩の途中日差しがきつくなり公園のベンチで休憩していたのだがいつの間にか気を失ってしまっていた

気が付くと私の見守るように彼が立っていた・・・

 

「お、気が付いたか」

 

「あ、あなたは・・・」

 

「ああ俺怪しすぎだな・・・頼む通報しないで!」

 

「クスッ、おかしな人」

 

「俺は比企谷八幡でしゅ・・・お、お前と同じボーダー隊員だ。お前の事は本部で見かけた事あったからな」

 

「比企谷君かあなたもボーダー隊員だったのね。私は那須玲です」

 

「同じボーダー隊員が倒れているようだったから様子を見てたんだが

 外傷もないし倒れてるのか昼寝してるだけか判断つかなかった」

 

「わ、わたしがこんな所で昼寝なんかするわけないでしょ」

 

私は思わず叫んでしまった

 

「いやいや世の中広いからなそんな奴が居たっておかしくはない」

 

その日は彼に送られて家に帰った

お礼にお茶でも出すべきかとも思ったが初対面の男の人を家にいれるなんて私に出来るわけなくお礼を言って帰ってもらった

 

おかしな価値観を持った彼、言動といい立ち振る舞いといい今まで会ったことのないタイプだった

本部でも時々見かけるようになった彼の周りには何人かの女の子も混じっている

 

中には彼を呼び捨てにしている女の子もいるその一人が木虎ちゃんだ

木虎ちゃんは年下なのに平気で彼を呼び捨てにしてキツイ言葉を投げかけている

 

それでも彼は受け入れているようで変わった様子はない

なんか彼と木虎ちゃんの関係は他の人と比べて近いように感じてしまった

 

その後彼とは色々と交流があり私の部隊のメンバーとも打ち解けてしまっている

特に驚いたのがあの小夜子が普通に彼と会話できている事だ

 

彼女が普通に男の人と話をするのを初めてみた。彼はなにか特別な物を持っているのかもしれない

でも私との会話では特別な事もなく普通の知り合いとして接しているのがなんか悔しい

 

ある日私は勇気を振り絞って彼を呼び捨てにしてみた

でも彼は何の反応もなく受け答えを続ける。私の勇気返してよ!

 

それ以来私は彼を呼び捨てにしている。私だって彼との関係は普通の知り合いじゃないんだから

 

でも・・いつか気づいてくれるかな私が男の人を呼び捨てにするのはあなただけだって事に・・・

 

 

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