東方不老伝 〜呪いを解く物語〜   作:ゼノマル

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四話です


父の形見、それは刀

「お~い!蛍、早くしねぇと訓練に遅れちまうぞ!」

 

「うい~、もうちょっと待ってくれ千景ぇ」

 

 

朝は本当に苦手だ。何時もやる気は出ないが朝は何もかもが面倒臭くなる。

結局、身体を休める為の休日は永琳と輝夜によって潰されたし。

趣味の散歩すら出来なかった。

 

まぁ、今更何を言っても無断だしいつまでも千景を待たせる訳にもいかないので俺は急いで外に出た。

 

 

「行ってきま~す」

 

「行ってらっしゃ~い」

 

 

ちなみに俺は小さい頃から永琳と住んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういや、今日は何か大事な話があるとか言ってたよな~」

 

「へ?そうなの?」

 

「蛍....お前、話聞いとけよ」

 

 

興味無いと全く頭に入ってこないんだよなぁ~。まぁ、なんとか時間には間に合いそうだな

俺は取り敢えず、憎たらしいクソ教官の話を聞く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、今からお前達にはそれぞれ自分にあった武器を選んでもらう。これからはそれを扱いなれる為の訓練だ!良いな?」

 

 

予想外、それは実戦に向けての訓練だった。

いやだって、俺11歳だよ?永琳も身体鍛える為にって言ってたし....

そんな事を考えていると、様々な武器が運ばれてくる。

 

 

拳銃から刀に、ナックルやメリケンサックまで....え?メリケンサックとか誰が選ぶの?

 

 

「蛍はどれにするんだ?」

 

「ん?そうだなぁ....そうい千景は何にするんだよ」

 

「俺?えぇっとなぁ~、ナックルかな?格闘の方が得意だし」

 

 

 

選ぶ人いた....

 

と、そんな話をしていると武器を選ぶ順番がやってきた。

 

 

「そこのガキ2人、次はお前らだ。先に蛍、お前だ」

 

そう言い、教官は俺に指を指す。軽く返事を返し、前に出る。

さて、どの武器を選ぼうか....と、考える間もなく無意識に一本の刀を握っていた。

何故だろう?良く分からないがこの少し古めの打刀が気になってしまった。

 

 

「その刀が気になるのか?蛍」

 

 

いきなり教官が話しかけてくる

 

 

「え?あぁ~....はい。まぁ気になります」

 

「そうか....」

 

 

そう言うと教官は少し笑う。

 

 

「実はな、それはお前の父、荒無あらなが愛用していた刀なのさ。アイツは刀が大好きでな、その刀もこの都市一番の武器職人に頼んで作ってもらったものだそうだ」

 

 

これ....親父のだったのか

 

 

「何で出来てるのかは知らないがとにかく頑丈でな、荒無はいつもそれを持って先陣きってお前ら家族を護る為に戦ってたよ」

 

 

教官の話を聞いてからもう一度視線を刀に戻す。何故だろうか....この刀、俺の手にピッタリと合うような持ちやすさだ

 

 

「本当はその刀は荒無の形見として、俺達が大事に保管していたが、いくら古いと言ってもその刀はまだまだ使える。それで、今回は荒無の跡継ぎであるお前がいるから此処に並べておいたんだ。違う奴が取らないように、入れたのはお前が選ぶ寸前だったがな」

 

 

教官の言う通り、少し古いが刀身の部分は綺麗に光を反射している。

 

 

「お前がその刀を使いたいのなら良いだろう。勿論、他の武器に変えても良い、接近戦が不得意なら足手まといになるだけだ。さぁ、お前が決めろ。蛍」

 

 

ここまで喋っといて何を言ってるんだか....もう決めているさ、得意不得意関係なく....俺はこの刀を使いたい。

 

 

 

「教官、この刀を俺に下さい」

 

 

「父親の形見なのだから、お前が持つ方がアイツも喜ぶだろうさ」

 

 

 

 

そうして、俺の武器は刀に決まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、武器の種類ごとに教えてくれる先生が変わるらしいので呼ばれるまで自由時間となった。

 

俺は受け取った刀とにらめっこをしていた。

 

 

「よっ、蛍」

 

 

声がする方を見ると、ナックルを持った千景が立っていた。

 

やっぱりナックルなんだ....

 

 

「よう、千景」

 

「何してんだ?刀をずっと見つめて」

 

「いや、特に何もないけど」

 

「ふーん」

 

 

そう言うと、千景は俺の横に座って刀を凝視する。

 

 

「なぁ、その刀にさぁ名前とか付けねぇの?」

 

「はい?名前?別に付ける気はないけど」

 

「えぇ!?何でだよ!付けようぜ!」

 

 

何故か刀に名前を付けることを強く主張してくる千景、そこまで名前を付けたいのだろうか?別にいらないんだけどな....

 

 

「じゃあさ!俺が付けていい?」

 

「え?おう、どうぞ」

 

「やったァ!」

 

 

何故か凄い押しの強さに思わず頷いてしまった。まぁいっか、コイツのネーミングセンスはそこまで悪くねーしな

というか、もう考えてるらしく、ブツブツと独り言を呟いている。

 

 

「おっしゃ!決まった!」

 

 

そして決まったようだ。早いな、おい。

 

 

「やっぱり刀と言ったら斬る!だろ?それで何でも斬れるぞ!って伝わってくるような名前にしたんだ!」

 

 

やけに自信満々に胸を張るので、否定は出来なさそうだ。

 

 

「名付けて!天斬あまぎり!名前の意味は、天でも斬れるぞ!って意味だ!」

 

 

良かった。悪くない名前だ。寧ろカッコイイと思うほどに、だが....めちゃくちゃプレッシャーがあるな。いつか天を斬らないといけない気がしてきた。

しかし、千景のこんな笑顔をみたら何も言えないな。

 

 

「じゃあ、この刀は今日から天斬だな」

 

「おう!」

 

 

 

結局、名前はそれで決まったのであった。




刀、刀はいいものです
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