弓狼です。
第19話 ~3日目バトルパート 前編~
なかなか話の流れが……
それでは!どうぞ!!
〔ツバサクロニクル side〕
ーツバサクロニクル 選手待機席ー
ソニア
「ただいま戻りました」
シャオラン
「おかえりなさい」
ユウキ
「お疲れ様~」
ソニア
「あら?ユウコさんやハチマンさん、ランタロウ達がいませんけど」
ユウコ達がいないと気づいたソニアは、キョロキョロと辺りを見渡して、すぐにワタヌキがそれを答えた。
ワタヌキ
「ユウコさんは逃走中。ハチマンはユウコさんを捕まえに。ランタロウ、キリマル、シンベエは…医務室にいます」
ソニア
「そうですか…」
クズリュウ
「ソニア、魔龍嵐牙《マフーガ》は流石にやり過ぎだろ」
ソニア
「勝つ為です!」
クズリュウ
「……そっか」
ソニアの単純なセリフにクズリュウは少々呆れていた。
〔unknown side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
競技パート伏魔殿《パンデモニウム》&MPFが無事に終え、3日目バトルパートに突入した。
第1試合
人魚の鱗 ミリアーナ
VS
四つ首の子犬 セムス
勝者 ミリアーナ
第2試合
青い天馬 イヴ・ティルム
VS
剣咬の虎 ルーファス・ロア
勝者 ルーファス
3日目バトルパートの試合は順調?に進んでいた。
第1試合では、ミリアーナとセムスとの対戦。最初はセムスの身体を回転させた体当たりで、ミリアーナは手も足も出なかった。だが、彼女は【ネ拘束チューブ】でセムスの身体を縛り付け、魔法無力化にしたのだ。そのまま行動不能としてミリアーナの勝利となった。
第2試合、イヴとルーファスとの対戦。開始早々、イヴが雪魔法で攻撃するがルーファスには全然当たる様子もなかった。
ルーファスの記憶の造形魔法は他人の記憶すら造形可能らしく、イヴの記憶から入浴中のイチヤを具現化させ彼を童謡させるのだった。気持ち悪かった。
そして、ルーファスは【記憶造形《メモリーメイク》・燃ユル大地ノ業】を発動し、イヴが油断しているその隙をついた。地面から大量の炎が吹き出し、イヴに大ダメージを与え、ルーファスの勝利と終わった。
まるで一貫性のない造形魔法を目の当たりにするグレイとリオンは、同じ造形魔導士としての闘志を燃やしていた。
チャパティ
『さあ続いて第3試合!妖精の尻尾B ラクサス・ドレアー!!VS 大鴉の尻尾 アレクセイ!!』
そして、第3試合の組み合わせが発表された。
〔ツバサクロニクル side〕
ーツバサクロニクル 選手待機席ー
クズリュウ
「また親子ギルド対決かよ……」
シャオラン
「はい」
ソウダ
「あの鴉共、また卑怯なことするかもな」
ユウキ
「うん。でも、妖精の尻尾の人達もそれに備えてレイブンを監視してるよ。ほら!」
ユウキの指差す方へ見ると、妖精の尻尾の女狙撃手 ビスカが狙撃銃のターゲットスコープでマスターイワンを……雷神衆とリサーナが大鴉の尻尾の他のメンバーを見張っている。
アレクセイが何をしでかすか分からない、見逃す訳にはいかないと警戒しているのだ。
ワタヌキ
「1日目のルーシィさんの試合の時もあったからね、無理もないよ」
オワリ
「ハチマンが止めたけどな」
ユウコ
「私の依頼だったけどね」
シャオラン
「Σうわっ?!ユウコさん、いつ戻っていたのですか!?」
ユウコ
「あら、失礼ね。クズリュウが『また親子ギルド対決か……』と呟いてた時からいたわよ」
クズリュウ
「最初からじゃねえか」
ユウキ
「全然気がつかなかった……(汗)」
〔unknown side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
マトー君
「それでは両者…前へ!!」
ラクサスとアレクセイが闘技場の前に立つ。両者の中間位置にいるマトー君は、2人からの威圧に臆することなく上げた右手を下へ降り下ろす。
マトー君
「それでは第3試合!開始!!」
ドオォォンと試合開始の銅鑼が会場に鳴り響く。だが、両者とも何も仕掛けず対峙している。開始早々いきなり交戦になるのは、ほとんどない。
互いの威圧《プレッシャー》に観客達は息を呑む。
ラクサス
「親父のとこのギルドか……つうか、お前何者__っ!?」
その瞬間、アレクセイの拳がラクサスの顔面に突き刺さる。予想外な展開に妖精の尻尾のメンバーらは目を見開いく。
殴り飛ばされたラクサスは、舌打ちをしながら態勢を整えようと立ち上がる。
ラクサス
「ッ!?」
しかし、アレクセイは既に彼の目の前に近づき攻撃態勢になっている状態で待ち構えていた。
そこからアレクセイの闇魔法と肉弾戦による猛烈な攻撃ラッシュがラクサスを襲う。ラクサスに反撃の隙もなくを与えることなく、確実にダメージを与え続けていた。
チャパティ
『これはアレクセイ、怒涛の連続攻撃!!ラクサス手も足もでない!!』
アレクセイの一方的な試合になっていた。
〔フェアリーテイル side〕
ーフェアリーテイルA 選手待機席ー
ナツ
「嘘だろ……!?」
ルーシィ
「まさか、あのラクサスが!?」
ウェンディ
「ど…どうなってるんですか………?」
エルザ
「分からん……」
グレイ
「あの仮面野郎…何者なんだ!?」
ーフェアリーテイルB 選手待機席ー
ミラ
「そんな……」
ガジル
「オイ…冗談だろ……」
ジュビア
「…信じられません……」
アレクセイに蹂躙されるラクサスの光景を見て、ABチームは信じられないと唖然としていた。
ーフェアリーテイル 応援席ー
マカオ
「オイオイどうなってやがんだ一体!?」
ワカバ
「あのラクサスがやられまくりじゃねえか!」
応援席側のマカロフ含めたメンバー達も驚愕に染まっていた。まさか、あのラクサスが猛然一方にやられているなんて想像すらしなかったからだ。
ウォーレン
『おい、ビスカ!雷神衆&リサーナ!そっちはどうなんだ?!』
ビスカ
『ダメ!イワンは全く動く様子がないわ!』
ビッグスロー
『こっちも同じだぜ!』
リサーナ
『レイブンの人達も何もしてないよ!』
ウォーレンの通信を通じて妨害阻止組のメンバー達に大鴉の連中の様子を確認するが、マスターイワンもレイブンの他の奴等も何もしてないと返されるだけだった。
マカロフ
「まさか、こんな奴を用意してたとは……」
マカロフもやられたと悔やむ表情が表れる。
その時、試合ではアレクセイの攻撃が止まらず、ついにラクサスは倒れてしまった。
〔ラクサス VS アレクセイ side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
ラクサスが猛然一方にやられ、バタリと倒れる自分の光景を不快な表情で見ていた。
ラクサス
「…何の真似だこりゃ?」
アレクセイ
「これは幻影魔法の一種だ。周りからは我々の実体は見えず、幻の方だけ見えるというものだ。良くできているだろ?誰一人気付かない」
ラクサス
「幻影魔法ねぇ……。その幻影とやらでお前が勝って何になるんだ?」
アレクセイ
「我々の目的は勝利ではない。交渉次第ではお前を勝たせてやることも可能だ」
ラクサス
「幻なんか関係ねぇ…現実のお前を倒して終わりだ」
いい加減イライラしてきたラクサスが肩に羽織っていた上着を地面に落として構えをとりながらアレクセイに告げる。
クロヘビ
「それは無理」
ナルプディング
「現実は厳しいでサー」
フレア
「ククッ」
オーブラ
「……………」
アレクセイの後ろからレイヴンテイルのメンバー達が姿を現す。勿論、周りからは見えてはいない。そしてアレクセイが仮面を外す。
イワン
「俺の強さは知ってんだろ、バカ息子ォ」
ラクサス
「そんなこったろうと思ったぜ、クソ親父」
イワン
「マカロフは死んでも口を割らん…だがお前は違う。教えてもらおうか、“ルーメン・イストワール”の在りかを」
ラクサス
「(ルーメン…イストワール?)……何の話だ?」
イワン
「とぼけるな。マカロフはお前に教えているはずだ」
ラクサス
「知らねぇし、知ってても教えねぇよ」
イワン
「おいおい…この状況で勝ちを譲るって言ってんだぜ?断るなら幻で負けるだけじゃすまねえぞ?」
ラクサス
「めんどくせぇことしやがって…ジジイが見切りをつけたのもよく分かる……まとめてかかってこいよ。マスターの敵は俺の敵だからよ」
イワン
「どうやら教えてやる必要があるみたいだな…対フェアリーテイル特化型ギルド、レイヴンテイルの真の力を……」
〔フェアリーテイル side〕
ーフェアリーテイル 応援席ー
幻影空間の中でラクサスと大鴉の尻尾全員と対峙してる時、試合では幻影で造り出されたアレクセイが優勢な戦況だった。
幻影ラクサスが幻影アレクセイに反撃するが、ほとんど効いておらず、またアレクセイの一方的な攻撃を受けてしまう。
幻影ラクサスは身体がボロボロで肩で息をしている。
ハッピー
「マズイよ!このままじゃラクサスがやられちゃうよ!」
パンサー・リリー
「まさかあんな伏兵を隠していたとは…」
マカロフ
「ぬぅ……」
妖精の尻尾のメンバー達は、ラクサスがピンチだと、ただ焦るばかりだった。まさか試合で戦っているのが幻だとは誰も(とある数人除く)気づかない。
???
「あのぉ~すみません…」
そんな時に誰かがマカロフに話し掛けてきた。マカロフは声が聞こえる方へ振り向くが、そこには誰もいなかった。
マカロフ
「?誰かワシに話し掛けたか?」
マカオ
「いや、してないけど…」
ワカバ
「俺も…」
ウォーレン
「俺も違う…」
ハッピー
「オイラもしてないよ」
シャルル
「私もよ」
パンサー・リリー
「右に同じく」
誰もマカロフに話し掛けてないことに『ん?』と首を傾げる妖精一同。
???
「あの、話し掛けたの俺なんだけど……」
また声がして、妖精達は声が聞こえた方へ振り向くと、さっきまで誰も居なかった所に目が腐っている男性が立っていた。
妖精の尻尾 全員
「「「「「ギャアアアァァァァァ!!!!」」」」」
まるでオバケを見たかのようにマカロフ、メイビス含んだ妖精応援組は思わず絶叫と驚愕の声が上がった。
〔ハチマン side〕
逃げたユウコをどこへ行ったか聞こうとマスターマカロフに話し掛けたが、何故か俺を見た妖精等は涙目になって叫び上がる。まぁ、さっきまで【ステルス】で姿や気配を消してたから俺にも多少非はあるが…
ハチマン
「何もいきなり叫ぶことないでしょう…マスターマカロフ…」
マカロフ
「ってお主は確かハチマンじゃったか?」
ハチマン
「はい、そうですが…」
マスターマカロフは俺だと気づいたようだ。
ハッピー
「ビックリした!いきなり目の前にゾンビが出てきたかと思った」
オイ、そこの青猫……いくら俺の目がアレでもゾンビはないだろ、ゾンビは…目以外は腐ってないから…。
パンサー・リリー
「し、心臓に悪すぎる…」
だからそんなオバケとかゾンビを見ているような目はやめろよ。俺のガラスのハートに傷付いちゃうだろ…。もうすでにヒビ入ってるが…。
ハチマン
「……オイ、そこの猫2匹失礼すぎるだろ。さっきからずっとここで話し掛けたはずだが……誰も気づかないから」
ハルノ
「それは、ハチマンの隠密が異常だからだよ」
ハルノ…その言い方だと俺の存在感が無さすぎると聞こえるんだが……
ハルノ
「うん、そうだよ♪」
ハチマン
「ナチュラルに心読むんじゃねえよ…」
ハルノは楽しげな顔で即答した。オイオイ、少しは否定して欲しいもんだ。おまけに♪とかあざといだろ~が。
妖精の尻尾 全員
『全然気づかなかった……(汗)』
ねぇもう泣いていい?泣いていいよな?ヤベェ、目から汗が滲んできた……。
メイビス
「ゾンビじゃなくて良かったです。私オバケとかゾンビとか怖くて……(涙目)」ガクガクブルブル
妖精の尻尾 全員
『Σ自分も幽霊なのに!?』エエー
妖精達の思いが一つになった。心の中で突っ込むのに…。初代さんよ…自分もオバケなのにオバケが怖いって……
話を戻そうと、マカロフは軽く咳き込んで俺に話しかける。
マカロフ
「…で、お主は何の用で来たのじゃ?」
ハチマン
「ああそうだった。実は次元の魔女を探しているが、マスターマカロフは知りませんか?」
マカロフ
「いや、ワシは知らぬ。第一ユウコ様の考えることすら分からん…」
ハチマン
「そうですか…」
さすがに知らないか。まぁそうだよなぁ。ユウコは魔王猫以上に心情とか思考とか行動すら読めない。ハルノは猫なのに分厚い仮面を被ってるだけだから多少は読めるが、次元の魔女の場合は純粋に何考えてるのか分からん。だから何度も胃が痛く成る程だ。ワタヌキは良くもつなぁ。……仕方ない、一度戻るか。
俺は、ハァとため息してからハルノを連れて戻ろうとした。
レビィ
「?!皆、ラクサスが!!」
青いセミロングの女子が慌てた様子で口にした。俺は闘技場に目線を向けると、ラクサスが一方的にアレクセイにぶちのめされていた。見た目はな。そして、妖精の尻尾の応援組を見てみると、マスターマカロフ含めた妖精達が必死に応援する。
しかし、今目の前で戦ってるのって幻影だろ?分かりやすいぐらいに、うん。
あれが幻であると気づいてるのは俺とハルノ、ユウコぐらいか……シャオラン達は多少違和感を感じてるようだな。つか魔女、いつの間にか戻っていやがった!?探してた俺は一体何やってたんだ?と心の中で落胆した。
そして、向こうにいるユウコと目が合ってしかもドヤァと顔しやがった。そのドヤ顔、今すぐ殴りたい。
そして、本物のラクサスは、マスターイワン&レイブン全メンバーと交戦中だな。この試合はもう終わるだろう…
ハルノ
「ねぇハチマン。この試合どっちが勝つと思う?」
ハルノは、既に分かってるような顔しながら俺に問いかけてきた。ハルノ…勝敗がわかってる上でわざとそう言ってるな。
ハチマン
「ハァ…こんな偽物の試合に勝敗なんてどうでもいい……本物だったらラクサスの方だな」
ラクサス
『俺の家族は妖精の尻尾だ……家族の敵は俺が潰す!!』
イワン
『ぐあぁぁぁあああッッッ!!!!』
すると、ラクサスがイワンを幻影ごと雷を纏った拳で殴り飛ばさした。イワンは壁に激突して気絶する。ラクサスの周りに倒れているレイブンの奴等もすでに戦闘不能。なんか俺のセリフとタイミング良く決着をつけたな。
ハチマン
「ほ~らな。さっさとアイツ等の所へ戻るぞ、ハルノ。後はユウコを殴り飛ばすだけだ!」
ハルノ
「それはムリだよハチマン」ハ~イ ♪
会場が騒がしくなる中、妖精の尻尾の応援連中は何か言っているようだが、無視して俺とハルノはこの場から離れた。ただ妖精の初代に見られてることに気づかずに……
あとハルノ……♪あざとい……
〔フェアリーテイル 応援組 side〕
幻は解けて観客達が見たのは立っているラクサスと倒れ伏すレイヴンのメンバー5人。
マカロフ
「イワン!!」
マカオ
「他のやつらまで!?」
マカロフ
「まさか………」
ウォーレンの通信でリサーナ達に確認すると、見張っていた大鴉の尻尾のメンバー達がいなくなっていたと知らされた。
フリード
「俺達が見張っていたのは思念体だったのか…」
ビスカ
「やられたわ……」
見張っていた雷神衆やビスカ達は、まんまと敵の策略に嵌められたことに悔しげな表情になっていた。
マトー君
『!?ギ、ギルドマスターカボ!アレクセイの正体はマスターイワンカボ!!』
チャパティ
『先程まで戦っていたラクサスとアレクセイは幻だったのか!?』
ヤジマ
『そスて見えない所で5人がかりの攻撃……マスターの大会参戦……どー見ても反則じゃのぉ』
チャパティ
『何はともあれ勝者、妖精の尻尾B ラクサス!!』
大鴉の尻尾のメンバー5人を1人で全滅させたラクサスを見た観客達は彼に盛大な称賛を送った。妖精の尻尾のメンバーも大歓声をあげる。
〔ツバサクロニクル side〕
ーツバサクロニクル 選手待機席ー
シャオラン
「……やっぱり反則してきましたね」
ソウダ
「まっそれでも勝てなかったのはザマァだがな」
シャオランはレイブンの行いを見て相当不機嫌になっていた。それに対してソウダは何故かご機嫌で笑っていた。
ユウキ
「なんか嬉しそうだね、ソウダ」
ソウダ
「そりゃあアイツ等5人を蹴散らすぐらいねえと俺の楽しみと期待感が減っちまうからな。ラクサスはそうじゃねえと面白くもない」
ソニア
「闘志燃ゆる熱血ですね!」
ソウダ
「いえ闘志はあるけど熱血じゃありません」
闘技場では、イワンがラクサスに何か話していた。
後にイワンと他のメンバーも連行される中、オーブラの使い魔のようなものが脱出していくのにユウコとメイビスだけが気付いていた。
〔unknown side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
チャパティ
『協議の結果、大鴉の尻尾レイブンテイルは失格となりました。大鴉の尻尾の大会出場権を3年間剥奪します』
ヤジマ
『当然じゃ』
第3試合で、マスターの大会参加とメンバー全員がかりの攻撃という反則を行った大鴉の尻尾に下された処罰を聞いた観客席はザワザワとどよめく。
それだけだと良かったのだが、どよめく理由は次のアナウンスにもあった。
チャパティ
『そして次の第4試合ですが………この試合は少し特別ルールを採用させてもらうことになっています。ですが、取り合えず選手の発表としましょう!!』
チャパティ
『第4試合!妖精の尻尾A ウェンディ・マーベル!!VS 蛇姫の鱗 シェリア!!』
チャパティ
『……そして、特別ルールを発動!VS 年代記の翼 コンノ・ユウキ!!バトルパート第4試合は3つのギルドの三つ巴対戦となります!!』
オォォ~!!、と会場に観客の声が上がる。
選ばれた本人達は、驚きと興味津々などの反応を見せていた。
〔フェアリーテイル side〕
ーフェアリーテイルA 選手待機席ー
ウェンディ
「私がですか!?しかも相手が2人ですし!」
ルーシィ
「1人はどんな魔法を使うか分からない……。もう1人は、隠密《ヒドゥン》の時に出場してた娘だし」
ルーシィは、シェリアとユウキを観察するが、シェリアがどんな魔導士なのか知らない上に、ユウキは未だに実力が未知数であるから、お手上げだった。
グレイ
「ウェンディ、ユウキには気をつけろ。アイツは素早い上に攻撃を的確に突けてくる風魔法の細剣使いだ。剣に風を纏って攻撃してくる厄介な奴だ」
エルザ
「どちらも油断出来ん相手と言うわけか……」
ナツ
「面白そうじゃねえか!頑張れウェンディ!」
ウェンディ
「はい!チームの為に頑張ります!!」
そう強い思いを抱きながらウェンディは、闘技場へ向かった。
〔ラミアスケイル side〕
ーラミアスケイル 選手待機席ー
リオン
「シェリア、お前の力を見せつけてやれ!グレイ…お前の驚く顔を見てみたいもんだ!」
そう言って、リオンは何故かグレイではなく一目惚れしたジュビアを思い浮かべていた。
ユウカ
「オイ、お前違うのを想像してるぞ…(汗)」
ジュラ
「思う存分ぶつけて行きなさい。それとツバサの魔導士には用心するように」
シェリア
「はい!!」
相手が強敵であることにシェリアは、気を引き締めて闘技場へ降り立った。
〔ツバサクロニクル side〕
ーツバサクロニクル 選手待機席ー
クズリュウ
「こりゃおもしれえ組み合わせがでたな」
シャオラン
「それに三つ巴対戦とは、ユウキが喜びますね」
ユウキは戦闘狂ですから…とシャオランは微笑の表情を浮かべる。
オワリ
「・・・?つーか、ユウキはどこいった?」
オワリの言葉にシャオラン達も視線を向けると、そこにユウキがいないことに気づく。すると、さっきまでユウキの傍にいたソニアがすぐに答えた。
ソニア
「あっユウキさんなら対戦発表されたら、目を輝かせながら風の如くに行きました!」
ソウダ
「Σ速っ!?」
オワリ
「まぁアイツ戦闘狂だからな」アハハ
クズリュウ
「…お前もだろ。ユウキは加減ニガテだが大丈夫なのか?」
シャオラン
「少し心配になってきました。…あまりやり過ぎないことを願いたいです」
シャオランとクズリュウは、ユウキなら勝利を勝ち取ることを信じるが、それと同時に戦闘狂である上に加減知らずな為、少々心配しているのだった。
〔unknown side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
マトー君
「それでは各選手の入場カボーー!!」
ワアァァー!!と歓声が包まれる中、闘技場の入口からユウキ、ウェンディ、シェリアが入場する。だが……
ゴツッ(石につまずく音)
シェリア
「イタァッ!!」ドテーン
ウェンディ
「だ、大丈夫dってウワァッ!!」ドテーン
ウェンディとシェリアは少し緊張しているせいか、ただドジを踏んだのか2人とも石につまづき転んだ。観客達はそんな2人の姿に笑い声が上がる。
ユウキ
「大丈夫?2人とも」
ウェンディ
「あっ…はい、よろしくお願いします!」
シェリア
「あはは……こっちもよろしくね」
チャパティ
『なんとも可愛らしい組み合わせです!これはオジさん、3人とも応援しちゃうピョ~~ン!!』
ラハール
『ピョン?!』
ヤジマ
『…アンタまたキャラ変わっとるぞ』
目をハートにして興奮しながら実況するチャパティを見て、ラハールはそのキャラ変わりにドン引きし、ヤジマさんは呆れていた。
マトー君
「それでは、第4試合開始!!」
そして試合開始の銅鑼が鳴り、最終試合が始まった。
〔ジェラール side〕
ークロッカス街道ー
その頃、ミストガンことジェラールはクロッカス街道を歩き廻っていた。
ジェラール
「(この辺りも何の異変なしか…。昨日ハチマンとハルノから聞いて、俺が感じた魔力と何か関係があると思ったのだが……)」
そう何度も思考を張り巡らすが、分からず終いだった。それにハチマンとハルノが話した内容を思い出す。
~記憶回送・大魔闘演舞2日目 夜中~
ークロッカス街 路地裏ー
俺は、ハチマンとハルノと待ち合わせをしている地点にいた。時々、俺達はハチマンとハルノと会って、互いの情報交換しているのだ。
けど、今回は珍しくハチマンから来て欲しいと言われた時は驚いたが…彼のことだから何か情報を掴んだのか…
ジェラールはそう思いながら待ち続けてた。
少しすると、地面からドス黒いオーラのようなものが現れ頭に猫耳がある人の形へと形作る。
ハチマン
「よぉ、ジェラール」
ハルノ
「やっはろ~ジェラール君♪」
ジェラール
「ああ…」
黒いオーラが弾けるように消えると、そこにハチマンと彼の頭の上に乗っているハルノの姿が現れた。
ハチマン
「早速だが、前に言っていたゼレフに近い魔力があの大会時に感じたってことだが…シャオランも今日の昼間、会場内で奇妙な魔力を感知したらしい」
ジェラール
「っ!?」
……なんだと!?俺は何も感じなかったぞ!
俺はハチマンの口にした内容に目を見開き驚愕した。
ハチマン
「だが、それがゼレフに近い魔力だとは分からなかった……。シャオラン以外は誰も気づかなかったよ、俺も含めてな。シャオランの話だとその魔力はかなり微弱ですぐ消えたと」
そうか……と肩を落とす。
ハルノ
「そして、その後兵士達が妖精とあたし達の仲間誘拐未遂事件が起こしたんだよね~」
ジェラール
「ちょっと待て、どういうことだ!?」
ハルノ
「バトルパートの第2試合中に医務室にいた妖精3人とツミキが兵士達に連れ去られそうになったの」
ハチマン
「まぁナツとカナデ、途中で合流したシャオランがそれを阻止したがな」
しかし分からない。何故大会中にそんな事をしたのか…
ハチマン
「シャオラン達がソイツらを尋問したら、『俺達は“医務室にいた女を連れてこい”と依頼された』と言われたらしい。が俺達にとっちゃ、ソイツらの言い訳にしか聞こえない」
言い訳……つまりその兵士等は嘘ついてるのか?
ハルノ
「シャオランはその時【見聞色】発動したら依頼した相手が王国の騎士隊長だって言ってた。つまり、大鴉の尻尾に濡れ衣を着せたんだよ!」
ジェラール
「国の騎士隊長だと!?」
ハチマン
「レイブンに着せたということは……拐おうとしたのは、そのギルドと一番仲の悪い妖精の尻尾の誰かになる。ツミキの場合、兵士等が妖精の尻尾の一員だと勘違いしたんだろうな」
成る程、妖精の尻尾の誰かを誘拐して、敵視してる大鴉の尻尾が犯人と仕向けることで、誘拐犯にとって都合がいいのか……。
そうジェラールはハチマンとハルノの推測に納得する。
ジェラール
「そして、兵士等が言った『医務室にいた女を連れてこい』……医務室に“いた”となると…今まで医務室にいた人物になる」
ハチマン
「拐われそうになったツミキ達は違うな。目的がアイツ等の中の誰かを拐うなら『医務室に“いる”女』と言うはずだからな」
ハルノ
「そうだね~。その“いた”人物は、昨日相当怪我していて、少しの間医務室で治療していた妖精となる」
ハチマン
「そこまで言えば、拐おうとした人物が誰だかすぐ分かる」
ジェラール
「………………」
昨日となると…大魔闘演舞の初日……
相当な怪我を負って……
ウェンディ達を除く
医務室で少しの間治療していた妖精の尻尾の魔導士……
となると………その人物は……!!
ジェラール
「…ルーシィか」
そう呟くと、ハチマンは軽くうなずき、ハルノは正解と無邪気な笑みを見せた。
大魔闘演舞の初日でかなり負傷しているのは、バトルパート初頭試合でレイブンに相当ダメージを喰らったルーシィしかいない。
ただ、何故騎士隊長は、ルーシィを拐う必要があったのか分からない。
ハチマン
「あくまでも俺の推測だが、たぶんお前が言ったゼレフに近い魔力、シャオランが感じた奇妙な魔力、そして誘拐事件には何か関係あるかもしれん…」
王国の騎士隊長がゼレフと何か繋がりがあるというのか……
それに大魔闘演舞の時期で……何を考えてるんだ?
その目的にルーシィにも関わる事なのか…?
ダメだ…余計謎が深まるばかりだ。
ハチマン
「とにかく、俺達が言えるのはこれだけだ。情報が少な過ぎる……」
ハルノ
「情報集めるの大変だからねぇ」
ハチマンは、そう言いながら少しイラついたのか頭を左手でガシガシとかく。ハルノも少々嫌気差す気分だった。
ジェラール
「いや、十分過ぎるぐらいだ。少ない情報でそこまで思考が回る上に推測を立てるなんて、俺じゃとても真似できない」
ハチマン
「俺はそんな凄くねぇよ。趣味で普段人間観察しているうちに、いつの間にかそうなっただけだ…」
ジェラール
「捻くれているな、君は……」
ハチマン
「ほっとけ。と、俺達そろそろギルドに戻るわ。何か分かったら念話する」
ハルノ
「あの騎士隊長が何を企んでるかはまだ分からないけど……。何か嫌な予感がするから念の為に警戒した方が良いわよ」
ジェラール
「わかった」
ジェラール
「ああ。あと、ウルティアとメルディもお前に会いたがってたぞ。特にメルディが…」
因みにウルティアとメルディは、ハチマンを気に入っているのだ。メルディは彼にアレに抱いている。
ハチマン
「あーわかったよ。暇あったらお前らの所へ行くよ…」
ハルノ
「じゃあね~ジェラール~♪」
ハチマンとハルノはジェラールに背を向けながら軽く手を振る。そして、再び黒いオーラに包まれて彼らはこの場から消えた。
~記憶回送・大魔闘演舞2日目 夜中 終了~
ジェラール
「(もし、本当に王国がゼレフと関わっているなら……)」
そう考えると、ハルノの言った通りかなり嫌な予感がする。このクロッカス全域を巻き込む何かが……
…………………
……………………………
…………………………………Δ……
ジェラール
「!!(い……今の魔力は…!?)」
…………
突然、俺は大魔闘演舞の会場からある魔力を感知した。
奴の魔力だ!と直ぐ様会場へ振り向き走り出す。
ウルティア
『ジェラール!!感じた!?今の魔力!!』
メルディ
『会場から感じたよ!!』
ジェラール
『ああ!!俺も感じた!!』
どうやらウルティア達も感知したらしいな。
ゼレフの魔力を…
俺は走るスピードを上げ、会場へと向かった。
ただ俺は、ゼレフの魔力に気を取られて気づかなかった。
・・・・・・・
街角から俺を覗いていた深紅のコウモリを刻む黒いフードを被った者が……
???
「ウププププププ♪」
奇妙な笑い声をしながら、何処かへ消えていった……。
三つ巴の戦いが始まった!
ジェラールとハチマン、ハルノの会話が難しい;
そして、裏で動き出す紅きコウモリの持つ者……
物語の予測不明の波乱が始まる?のか……
次回
第20話 ~3日目バトルパート 後編~