長らくお待たせしまってすいません!
アイデア思い浮かばず、2ヶ月以上経ってしまいました(泣)
第20話 ~3日目バトルパート 後編~
大魔闘演舞3日目バトルパート 最終戦!!
いよいよ開始です!!
それでは、どうぞ!!
〔ウェンディ VS シェリア VS ユウキ side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)
マトー君の手を振り下ろす瞬間、最終第4試合が開始された。
ユウキ
「っ!?」
開始と同時にシェリアがユウキに攻撃を仕掛けてきた。最初は驚くが、どうやら先にユウキを倒すつもりだろうと分かり直ぐに冷静を取り戻す。
シェリア
「【天神の北風《ボレアス》】!!」
彼女の右手に黒い風を集中させ、ユウキにぶつける。
ユウキ
「シェリアは滅神魔導士なんだ!…けど、甘いよ!」
ユウキは空高く跳び紫風を操作し宙を舞うかのように鮮やかにかわす。そして、自分が纏う紫風をシェリアに向ける。
ユウキ
「じゃあ、こっちもいくよ!【あやしい風】!!」
シェリア
「っ!!(速いっ!)」
空中からユウキは紫風を繰り出してきた。回避から攻撃への切り替えの速さにシェリアは反応が一瞬遅れてしまう。シェリアは回避できないと判断し、黒風で相殺しようとするが……
ウェンディ
「【天竜の翼撃】!!」
シェリア
「え…うわ!?」
ユウキ
「おっと!」
横からウェンディが2人に攻撃を仕掛ける。彼女は既に自ら補助魔法を施していた。シェリアは、突然のことで目を見開くがギリギリかわし、ユウキは紫風再び空中へと回避した。
ウェンディ
「私をいることを忘れないでください!【天竜の息吹】!!」
シェリア
「ウェンディ何か怒ってない!?【天神の舞】!!」
ウェンディ機嫌悪いのか今度はレーザーような咆哮をシェリアに放つ。シェリアは動揺しながらも自身の周りに竜巻で覆い、【天竜の息吹】をガードして凌ぐ。一方、ユウキは2つの紫風の大玉を作り出しそれぞれ2人へ放つ。
ユウキ
「【魔天弾】!!」
放たれた【魔天弾】はそれぞれ2人に襲いかかる。ウェンディとシェリアは後へ跳び回避するが、地面に着地した瞬間【魔天弾】が爆音と共に暴発する。
ウェンディ
「きぁああああ!!」
シェリア
「うあああああ!!」
暴発した紫の暴風は闘技場に一気広がり、ウェンディとシェリアはもろに喰らい吹き飛ばされた。
暴風が止むとユウキは空中からゆっくりと降りて、彼女達の方へ見てみる。ウェンディとシェリアは1度態勢を立て直そうとしていた。
ユウキ
「ボクの魔天弾はどう?凄い威力だったでしょ!」
2人楽しげに満点の笑顔を見せるユウキ。対してウェンディとシェリアは笑えるような状況ではなかった。さっきの技の威力は洒落にならないほど強烈だった。その為、ウェンディもシェリアも多少ダメージを受けてしまったのだ。
ユウキ
「もしかしたら…ボク達がこの試合に立っているのは、必然だったかもしれないね…」
ウェンディ
「ひ、必然……?」
シェリア
「………?」
ユウキが細剣を納め唐突に口した言葉に、ウェンディは思わず首を傾げ、シェリアも理解できてない顔をしていた。そんな困惑する2人を見てるユウキは、微笑みで口を開く。
ユウキ
「ボク達のマスター、ユウコさんが言ってたんだ。『この世に偶然は無い、有るのは必然のみ』って…。例え偶然やたまたま起こった事、些細なキッカケでも運命的な事柄の1つらしいよ」
最初はボクも分からなかったけどね、と困り顔を見せるユウキ。その言葉の意味や意図は見えないが、何か重みのある言葉だと感じる2人。
ユウキ
「でも、今ほんの少しだけ分かった気がするんだ。だって……」
ユウキ
・・・・・・・・
「同じ魔法を持つ者同士が揃ってこの場に立っているから…」
ウェンディ・シェリア
「「えっ!?」」
ユウキ
「ウェンディが天空の滅竜魔法でしょ…で、シェリアが天空の滅神魔法……そして、ボクは…」
そこで言葉を切ると、ユウキは大きく息を吸い込み口を含む。ウェンディとシェリアは“まさか……!?”と彼女が何をしてくるか察知するがもう手遅れだった。
そして、ユウキは口内に貯めた魔力を2人に向けて一気に解き放つ。
ユウキ
「天空の滅悪魔法だよ!!【天魔の激昂】!!!!」
彼女が放った巨大な紫の暴風が地面を削りながら、ウェンディとシェリアを襲いかかる。
シェリア
「(この威力、まずい!?)ウェンディ!手を貸して!!」
ウェンディ
「え…!?分かりました!」
ウェンディはシェリアの言葉の意味を察して、2人は急いでそれを防ごうと魔力を高める。
ウェンディ
「【天竜の咆哮】!!」
シェリア
「【天神の怒号】!!」
ウェンディは咆哮を、シェリアは怒号を放ちユウキの激昂と立ち向かう。3人のブレスが闘技場の中心に衝突した。激しい風が闘技場に吹き荒れる中、何と激昂は咆哮と怒号を少々押していたのだ。
本来、滅悪魔法と滅竜魔法と滅神魔法との上下関係て言えば、【滅竜<滅悪<滅神】であるのだ。だから“怒号”の方が威力は上なのだ。しかし、今”激昂“が押しているということは、”激昂“の威力は“怒号”と“咆哮”よりも同等あるいはそれ以上あるとなるのだ。
ぶつかる3つの暴風は凄まじい爆風を引き起こし、闘技場全体に土煙を巻き上げ、観客達の視界を奪う。
〔フェアリーテイル side〕
ーフェアリーテイルA 選手待機席ー
チャパティ
『な、何と言うことでしょう……3人の少女の魔法が激突し、凄まじい土煙と風が闘技場一帯に広がる!果たして、シェリアたん達は一体どうなってしまったんでしょうか!!シェリアた~ん!!ウェンディた~ん!!ユウキた~ん!!無事でいてえぇぇーー!!』
ラハール
『たんっ!?』
ヤジマ
『少し落ち着かんかね……お主キャラ崩壊しとるぞ』
土煙が闘技場を包まれ目視できない状況で、3人の少女を心配し猛然と泣き叫ぶ実況者チャパティ。ラハールは彼のテンションに頭に着いてこれず硬直状態になっており、ヤジマさんはドン引きしながらもツッコミを入れる。
ナツ
「グリモアのシンパチロウとカナデ以外にもいたのかよ!!あの魔法使う奴!」
ルーシィ
「ナツ…ザンクロウね…」
シェリアの滅神魔法を見てナツは目を見開きながら驚くが、自分と戦った炎の滅神魔導士の名前を間違えるナツにルーシィは突っ込む。
エルザ
「まさか、シェリアもユウキも失われた魔法《ロストマジック》の使い手とは……厄介どころではないな」
グレイ
「………滅悪、魔法…?!」
エルザはシェリアとユウキの予想外な魔法を見て、少し動揺する表情が出ていた。
一方、グレイはユウキの魔法に冷や汗を流し身体が震えるほど釘付けになっていた。それと同時に、自分の忌まわしき過去を思い出してしまったか、無意識に両手を強く握りしめていた。
ーフェアリーテイルB 選手待機席ー
ジュビア
「なんか…凄いことになりましたね」
ラクサス
「神殺しに悪魔殺しの魔法か……」
ミラ
「しかもウェンディと同じ天空魔法みたいだね」
ガジル
「ギヒッ。天空の竜と神と悪魔…こりゃおもしれえ展開じゃねえか」
〔ツバサクロニクル side〕
ーツバサクロニクル 選手待機席ー
シャオラン
「ユウキ、とても楽しそうに戦ってますね」
ソウダ
「そりゃあ、竜、神、悪魔の天空魔導士のが一緒の試合だからなぁ。正直羨ましいぜ」
黒モコナ
「お前は初日で試合したじゃないか」
ソウダ
「あんなの試合すらなんなかったじゃねえか!俺は、ラクサスと戦いてえんだよ!!」
オワリ
「んなのオレだって、大会出たかったぜ!」
ニダイ
「それはユウコさんが決めたことじゃから仕方ないことじゃよ、オワリ」
オワリ
「でも出てーんだよ!!」
ソウダ
「オメエが出たら暴れて会場が崩壊するだろうが!」
オワリ
「んなことしねぇよ!…………タブン」
ソウダ
「さっきの間は一体なんだ!?そして口笛吹きながら目線を反らすな!!」
ギャーギャーと騒ぐ数人をスルーするシャオラン達はユウキの試合を見るが、未だに闘技場は巻き上げられた土煙のせいで見えなかった。
白モコナ
「ユウキ大丈夫かな」
クズリュウ
「心配ねえだろ。あの程度の爆風何ともねえよ」
白モコナ
「そうだった、モコナテヘペロ♪」
クズリュウ
「……アザト」
白モコナ
「ふええぇぇぇぇ~~~~んん!!ユウコ~、クズリュウがいじめるうぅぅ~~~!!」
ユウコ
「よしよし(白)モコナ。クズリュウは馬鹿だから仕方ないからね~♪」
クズリュウ
「オイッ!!(怒)」
マル&モロ
「「(白)モコナよしよ~し♪」」
ユウコ達に泣きつく白モコナ。ユウコは白モコナを撫でながら馬鹿にするような笑みでクズリュウを見てそう言った。馬鹿にするユウコに思わず怒鳴りあげるクズリュウだった。
ソニア
「これが天空のスレイヤー系魔導士同士の戦い、これが運命的なライバルというなんですね!」
シャオラン
「少し違うと思いますけど…」
ハチマン
「つか、アイツら……ライバルなのか…?」
ハルノ
「さあね~。でも、後々面白くなりそうね♪」
〔ウェンディ VS シェリア VS ユウキ side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
衝突時に生じたあの爆風ではただでは済まないだろうと会場の誰もがそう思った。
土煙が止みと観客達は皆唖然になった。彼らが目にしたのは、ボロボロに倒れているウェンディとシェリア、そして無傷で平然と立っているユウキだった。彼女は、紫風を盾にして爆風を凌いだようだ。
ユウキ
「いや~結界張っといて良かったよ。やっぱ、スレイヤー系魔導士の大技は強力だね」フゥ
ウェンディ
「……うぅ(なんて、威力……)」
シェリア
「…ハア…ハア…(ウェンディの咆哮と私の怒号を合わせても、押されるなんて…)」
危ない危ない。とユウキは冷や汗を腕で擦り、軽く一息をつく。対してウェンディは何とか立ち上がるが肩で息をし、シェリアは自己回復を施していた。さっきの爆風を諸に受けてしまったようだ。
ユウキ
「……ねぇ、2人とも本気出さないとボクを倒すことすらできないよ。ボクは結構容赦ないほうだから」
ユウキは再び細剣を引き抜き、紫風を纏わせ真剣かつ微笑む表情をしながら構える。
ウェンディとシェリアは、彼女を警戒するが…
ユウキ
「ねぇ、ドコ見てるの?」
シェリア
「っ!?」
その刹那、ユウキはシェリアの隣、しかも数センチの距離にまで移動していた。『いつの間に!?』と驚愕するシェリアは、直ぐ様応戦するが……
ユウキ
「遅いよ!」
ドコッ!!とユウキの風を纏った細剣がシェリアの腹部を食い込むように叩き込まれた。
シェリア
「ガハッ!!」
打撃による圧迫で唾液を吐き出されるシェリア、ユウキは吹き飛ばす。
ユウキ
「【天魔剣j…】………っ?!」
ウェンディ
「【天竜の鈎爪】!!」
背後から気配を察知し振り向くと、ウェンディが竜の風をオーバーヘッドキックを至近距離でぶつけてきた。
避けれないとユウキは咄嗟に武装色で細剣を纏い、ウェンディの蹴りを受け止める。ウェンディは今だ!と頬を膨らまそうとするが……
ユウキ
「咆哮で追撃………そして、背後からシェリアが北風《ボレアス》で応戦か」
ウェンディ
「【てんry……えっ?」
ユウキがそう小さく呟いた言葉にウェンディは口を含みながら目を見開いた。ユウキは咆哮を放つ前に受け止めている足を払いのけ、空へ高く跳び上がった。その時既にシェリアが【天神の北風《ボレアス》】を放ってしまった。
シェリア
「ウェンディ!避けて!!」
ウェンディ
「きぁああああ!!」
シェリアが叫ぶがもう遅かった。黒風がウェンディに直撃し、彼女の身体が宙に舞い地面に叩きつけられる。シェリアは急いでウェンディのところへ向かった。
〔ユウキ side〕
シェリア
「ごめんウェンディ!大丈夫!?」
ウェンディ
「けほっけほっ!う……うん、大、丈夫…」
シェリアはボロボロになっているウェンディの身体に若草色の光を纏った両手をあてる。
ユウキ
「びっくりしたよ。まさか、2人で手を組んでいたなんてね」
いつの間にだったから本当驚いた。
見聞色使ったら、まさか2人が連携していたからね。もし使わなかったら、最後の黒風に喰らうとこだったよ。
ボクは顔が表に出てないが、内心では少し焦っていた。
そう思うと、ウェンディはシェリアに回復してもらうも息切れしながら、口を開く。
ウェンディ
「あなたの、激昂や魔力を…見たとき……正直……勝てないと…思いました。チームの為に…負ける、わけには…いき、ませんから」ハァハァ
シェリア
「私は、ウェンディが私と同じ魔法が使えると聞いて興味が湧いて戦いたいと思った。けど、まさかユウキさんも同じ魔法使えるなんて予想外だった。その上、全力なしでも恐ろしく強い。とても勝てる相手じゃない。
でも、私もギルドの為、あの人の為に、“愛”の為に負けるわけにはいかない!でも勝つには1人じゃ無理。だから……」
ユウキ
「ボクを共通の敵として、互いに手を組んだ…。なるほど、1VS2か」
利害の一致?で同盟を組んだ2人を見て、ボクはふ~んと笑みな表情しながら納得した。
ウェンディ
「だから……」
シェリア
「私達が……」
ウェンディ・シェリア
「「あなたを倒す(します)!!」」
ウェンディとシェリアは、覚悟を決めたように真剣な目でボクを見る。2人から強い意志を感じる。
ウェンディの“純粋”に仲間やチームを強く思いやる心に…。
シェリアのギルドや愛する人達を思う“愛”…か。
相手は真剣になっているのに、何でかボクは思わず頬が緩む。試合が面白くなってきたよ。ちょっと失礼だったかな。
その面白さにボクの“心”の力が湧き上がってくる。
ユウキ
「OK!そうこなくっちゃ!」
ボクは楽しい・面白いと気持ちを抱きながら、2人と対峙し次のラウンドへ突入するのだった。
〔ツバサクロニクル side〕
ーツバサクロニクル 選手待機席ー
ユウキ VS ウェンディ&シェリアの試合は、凄まじい戦いが続いていた。
ユウキが繰り出す滅悪魔法や剣術を滅竜滅神の天空魔法による連携で必死に凌ぎに凌ぐウェンディとシェリア。互いを回復を施しつつも何とか連携を崩さずに攻撃を入れながらも戦っている。
一方ユウキは手を抜いているとはいえ、彼女等の連携を崩そうと紫風を巧みに操作と自分の剣術で次々と攻めいる。しかし、ウェンディの滅竜魔法とシェリアの滅神魔法で受け流され、ダメージを最小限に押さえられていた。彼女達の攻撃も来るが【見聞色】で防御回避し、隙があれば逃さずに攻め続けていた。
チャパティ
『これは面白い展開だー!なんと!蛇姫の鱗のシェリアたん選手と妖精の尻尾Aのウェンディたん選手がユウキたん選手を倒そうと互いに手を組み、激しい攻防が繰り広げてます!!ヤジマさん、この戦況をどう思いますか?』
ヤジマ
『彼女達は相手の力量を見てユウキ選手を勝てない強敵だとそう判断したじゃろう…。そして、己の出来る限りのことを考えたことだねぇ』
ラハール
『年代記の翼の魔導士の実力は、はかり知れませんからね』
実況アナウンスが流れる中、会場からは応援や興奮、絶叫の声が高まり最高潮へと迎えた。待機席から見ている魔導士達も同様だ。
白モコナ
「ユウキー!がんばれー!!」ピョンピョン
白モコナは跳びはねながらユウキを応援する。クズリュウの頭の上で……。
クズリュウ
「………オイ…応援するなら俺の頭から降りろ!(怒)」
怒る表情は出ていないが額に怒りの筋が浮き出てる。クズリュウは白モコナに怒りの籠った低い声で言うが、あっさりと無視されるのだった。
ウェンディ
『?!しまっ……』
ユウキ
『!!』
その時、闘技場では3人(正確には、1VS2)の激しい攻防でウェンディは一瞬身体がよろめいてしまう。
黒モコナ
「そこだ!叩き込めえ!!」
その瞬間を見逃さないユウキは【天魔剣術・リニアー】でウェンディへ突き出す。しかし、途中でシェリアが黒風を纏う回転蹴りで止めようと2人の間に攻め入る。だが、ユウキと2人の距離がほぼゼロのところで、ユウキは自身の身体をくるりと回り【リニアー】から【あやしい風】に切り換え、【リニアー】の突進の勢いを利用して2人を凪ぎ払った。
オワリ
「おっしゃー!そこで覇気で激昂だー!!」
ソウダ
「アホか!んなことしたら相手選手死ぬぞ!?」
チャンスだと物騒極まりない発言をするオワリに突っ込むソウダ。
ソニア
「…?…あら?」
シャオラン
「ソニア、どうかしましたか?」
ソニア
「いえ…周りの空気が少し薄くなっている感じがしまして……」
シャオラン
「空気が…?」
ハチマン
「確かに、というより明らかに薄くなってるな。あぁ、あれが原因か…」
呆れ気味でため息をつき、ハチマンはある方向に指をさす。
ソニア
「えっ?……なるへそ!そういうことでありますね!」
シャオラン
「ある意味……不思議な光景ですね…。それとソニア、少し言葉が違いますよ」
シャオランとソニアは、指さす方へ見ると『ああ』と苦笑しながら思わず納得し、
今、シャオラン達が目にしているのは……
ギュルルルルルッッ!!!!ゴクゴク
ユウキ・シェリア・ウェンディ3人が一定の距離を取り、思いきり空気を吸っている光景だった。
正確には、空気を食べて自身の魔力を高めているのだ。外からみれば、3人揃って空気を食べている姿は何ともシュールなものだ。会場の誰もがそう思ったのだろう。
〔ウェンディ VS シェリア VS ユウキ side〕
ー闘技場(ドムス・フラウ)ー
ユウキ達が空気を取り込む数分前……
ユウキがほぼゼロ距離での【あやしい風】でウェンディとシェリアを凪ぎ払い、吹き飛ばす。倒れた2人は再び立ち上がるが、すでに体力の限界寸前なのか立っているだけでやっとの様子だった。対して、ユウキは多少は息が上がってるが、全く疲れるすら見えなかった。
ウェンディ
「はぁ…はぁ…強すぎる…」
シェリア
「2人がかりでも…ほとんど攻撃が当たらないなんて…ただでさえ…魔法防ぐのも手一杯なのに…」
苦しそうな表情でユウキを見るウェンディとシェリアは、彼女が想像以上に強いと改めて認識した。
そんな2人を見て、ユウキは楽しそうな表情で話しかける。
ユウキ
「そう簡単にはやられないよ。チームで優勝の為に頑張らないとね」
ウェンディ
「それは私も同じです!皆の為に負けるわけにはいきません!(通用するかどうか分からないけど…)」
シェリア
「こう見えても私は負けず嫌いなところあるから、負けるわけいかないじゃない!(体力的に次の一撃で最後になる。こうなったら…)」
ウェンディ・シェリア
「「(最大の魔法でぶつける!!)」」
ウェンディとシェリアは、身体を少し反らしてスゥ~っと息を吸い始めた。すると、闘技場周辺に気流が発生し彼女達へと集まっている。
ユウキ
「ここで大気を取り込むんだ。じゃあボクも!いっただっきま~す!」
ユウキも口を開けて空気を吸い込んで身体に取り込む。
会場周辺の気圧が下がり空気が薄くなっていき、若干寒くなる。
チャパティ
『まもなく試合終了の時間が迫ってきました!戦況はというと、なんともいう光景ですが…(汗)。辺りの空気が薄くなって少し寒くなってきました。これは……』
ラハール
『気圧が下がると、同時に気温も下がっているのです』
ヤジマ
『スレイヤー系魔導士は、自分と同じ属性のものを身体に取り込んで自分の魔力に変えるからねぇ。彼女達の場合は、天空……要は空気じゃのう』
ヤジマさんの解説を聞いて、チャパティは『なるほど』と納得する。
実況している間に、闘技場にいるウェンディ・シェリア・ユウキは空気を食するのを終え、互いの魔力が今まで以上に高まる。彼女達の周りには、竜、黒、紫の風が吹き荒れる。
会場にいる魔導士達は、この攻撃が最後だろうとすぐにわかった。
そして、先に仕掛けたのはシェリアだった。
シェリア
「【滅神奥義 天ノ叢雲《アマノムラクモ》】!!」
黒い羽が何層にも重なっている様な形をした風を起こし、ユウキに放った。凄い速度で一直線に襲いかかる黒風にユウキはかわそうと横へ行くが、その先に壁のようなものにぶつかる。ユウキは驚いて周りをよく見ると、暴風が囲まれていた。
ユウキ
「風の結界!?」
ユウキは驚愕で目を開いていた。いつの間にか風の結界に閉じ込められていたのである。彼女は【見聞色】を使ってないので気づかなかったのだ。
ハッ!と何かに気づいたユウキは、まさかとその結界の風吹く方に顔を振り向くと、そこにいたのは攻撃態勢に入っているウェンディだった。
ウェンディ
「【滅竜奥義 照破・天空穿《しょうは・てんくうせん》】!!」
ウェンディは両手を振りかざし閃光の如き風の波動を繰り出す。ユウキはどうにか回避しようとするが、左右後は暴風の結界に囲まれてる上に別の方向からシェリアの黒風も迫ってきている。黒風はおそらく暴風壁を貫いてくるだろう。しかも、目の前には風の波動。もはや、回避不可能となってしまった。
ユウキ
「アハハ……こりゃやばい…(汗)」
退路を絶たれてしまったユウキは冷や汗流しながら困った顔をする。そして、襲いかかる風の波動と黒風が彼女にぶつかり、激しい爆音と共に大爆発を引き起こした。
チャパティ
『ウェンディ選手とシェリア選手の奥義が炸裂ー!!ユウキ選手回避できずに2つの大技を喰らってしまった!流石の彼女でも、これは耐えられずにダウンしてしまうのか!?』
今度はたん付け無しでしっかり実況するチャパティ。隣にいるラハールもヤジマさんも、流石にひと溜まりもないだろうと思っていた。会場にいる観客や魔導士達も同様だろう。
ウェンディ
「はぁ…はぁ…もう……身体が…動けま、せん…」
シェリア
「げほっ…げほっ……ウェンディ……だ…大丈夫…?」
ウェンディ
「はい…何とか…」
ウェンディとシェリアは、さっきの奥義で魔力が尽き体力の限界が来ていた。かなり息が上がってもう脚が震えて動けないでいるが、倒れまいと持ちこたえている。
ウェンディ
「あの人……どう、なったの…でしょうか?」
シェリア
「奥義を…2つ…まともに…受けた、から…倒れているんじゃないの?」
ユウキ
「勝手に決められちゃ困るんだけど……2人とも」
ウェンディ・シェリア
「「!!!?」」
巻き上がる土煙の中から声が聞こえた。ウェンディとシェリアは目を見開いて声がした方へ目を向ける。
しだいに土煙が晴れると、多少ボロボロになっているユウキが不機嫌で頬を膨らませた顔をして立っていた。
ユウキ
「イタタタ………今のはかなりヤバかった…。滅竜奥義と滅神奥義の連携なんて受けたの今までで初めてだよ。おかげでボクの服ボロボロ……」
お気に入りだったのに……と残念そうに自分の服を見るユウキであった。そんな彼女を見てウェンディとシェリアは、信じられないような顔で絶句していた。
風の結界で逃げ場をなくし、相当の破壊力のある2つの大技をまともに受けたはず…。なのに、ユウキはダメージを負ったにも関わらず、まるで余裕だと主張するかのように平然としていたからだ。
そんな中、銅鑼の音が会場全体に鳴り響いた。
それは試合終了の合図だった。
チャパティ
『おっと!ここで試合終了ーー!!第4試合の三つ巴の対決は3人ともこの場に立っている為、結果この試合は引き分け!!よって、三者のチームにそれぞれ5ポイント獲得されます!!』
実況の声と共に闘技場から歓声が巻き起こる。
ユウキ
「あ~あ、反撃しようと思ったのに終わっちゃったよ…。空気取り込み損じゃん……もうちょっと続けたかったなぁ……」
ユウキは肩を落とし少々不満げな表情をしていた。
ウェンディ
「はぁ…はぁ…」
シェリア
「何とか……引き分けに…なった…」
ウェンディとシェリアは試合が終わったと、全身の力が抜けて地面に寝転んだ。2人は互いの目が合うと思わず笑っていた。まるで仲の良い姉妹のように。
“引き分け”という結果は、彼女達にとって強敵であるツバサの魔導士を相手に最後まで闘い抜いて掴み取った“証”である。
すると、ユウキが2人へ歩いて近づく。そしてウェンディとシェリアの前に立ち止まると、ユウキはにっこりした顔で2人に彼女の両手を差し伸べる。
ユウキ
「ウェンディ!シェリア!とても良い試合だったよ!引き分けに終わっちゃったけど、次闘う時は負けないから!!」
ウェンディ
「私も次は負けません!」
シェリア
「今度は1VS1で絶対に勝って見せます!」
差し伸べた手を取り、試合後すっかり仲良しになった3人。微笑ましい光景である。
チャパティ
『これで全てのバトルパートが終了し、これで大魔闘演舞3日目の種目が全て終了致しました!!結果は以下のようになります!!』
大きな魔水晶映像《ラクリマビジョン》に表示された。
ー3日目バトルパート 試合結果ー
第1試合 ⭕ ミリアーナ VS セムス ❌
第2試合 ❌ イヴ VS ルーファス ⭕
第3試合 ❌ アレクセイ VS ラクサス ⭕
第4試合 ▲ ウェンディ VS シェリア ▲
VS ユウキ ▲
ー3日目 結果ー
1位【年代記の翼】 42ポイント
2位【妖精の尻尾A】 37ポイント
3位【剣咬の虎】 34ポイント
4位【蛇姫の鱗】 31ポイント
4位【人魚の踵】 31ポイント
5位【妖精の尻尾B】 30ポイント
6位【青い天馬】 19ポイント
7位【四つ首の子犬】 14ポイント
____________________
失格【大鴉の尻尾】 24ポイント ❌
チャパティ
『以上により大魔闘演舞3日目はこれにて終了します!!』
こうして、大魔闘演舞3日目が幕を閉じた。
技 紹介
【魔天弾】
天空の滅悪魔法の紫風を高度に圧縮させた
大弾を形成し、相手へ放つ。地面に着地する
とその着地点から暴風が広がり、相手をふき
とばす。
【天竜の息吹】
天空の滅竜魔法のひとつ。
口からレーザーのように鋭い突風を放つ技
である。咆哮より威力は劣るが、貫通力が高
く、普通の鉄板や壁なら余裕に貫く。(ガジル
の鉄は貫けないが亀裂は出来る)
大魔闘演舞3日目ようやく終わった~~!!
なかなか物語るのが大変です……。
更新するペースを落としますが、なるべく早く更新する努力します!
次回
第21話 ~水難~