「はぁぁぁ。」
帰り道を歩きながら、猪飼善行はため息をついた。
「あのくそやろう、資料の整理までやらせるなんて。」
それは今日の午後イチの授業のこと。
昼食を食べた後のため、血糖値が上がり、善行は船を漕いでいた。
そしていよいよ本格的に眠りにつこうとしたその時、
「おおおおおい!!」
ぱぁぁぁん!
「痛ってぇぇ?!」
頭に教師から教科書垂直斬り下ろしをくらった。
「授業中は寝ちゃいけんぞー。」
「ーー。はいっ。」
「罰として、放課後掃除だ。」
「えーー。」
「返事は?」
「‥‥‥はい。」
そう言って教壇に戻っていく。
善行は頭の痛みに耐えながら残りの授業を受け、休み時間になると、
「いやー、バカだねお前。ああなるのは明らかだろうに。」
「頭割れるかと思ったわ。」
「木山の一撃はヤバイって噂だよ。教科書で薪割りも出来るとか何とか。」
「ありゃ本物だって。当たり所悪かったら割れてるって。」
「怖い怖い。教室でザクロが咲くのを見る羽目になんてまっぴらだっての。」
「まったく。」
善行に話しかけたのは新虎哲。善行の親友とも呼べる友人の一人だ。
そして二人が話題にしている先生は、木山舞。剛力先生で生徒にその力を恐れられる一方、教育熱心でとても生徒思いのため、信頼感も持てるいい先生である。
そして放課後、先生に言われた掃除に、資料の整理までやらされ、結局完全下校時間までずっと仕事をしていた。
この流れで今に戻る。
「やべー、遅くなったじゃん。」
腕時計を見ながら近道の路地裏を歩く。その時ふと正面に何かをとらえた。それが何なのか、確認しようとそちらへ目を向けると、
ポテトチップに乗った羊のマスコットが飛んでいた。
「‥‥‥は?‥‥‥」
意味不明過ぎて状況を上手く整理出来ない。しかし、時間が解決してくれる。ひとつひとつ状況を飲み込んでいき、やっと認識できたとき、
ガシッ
「ちょっと待てや。」
飛んでる羊の頭をわしづかみ、いわゆるアイアンクロー。
「ムム。なんだっ少年。初対面相手にいきなりアイアンクローなんてどんな教育を受けてるんだ!」
「うわっ!しゃべったこいつ。」
「こいつとはなんだねチミ。私は―――って、何ジーっと見てるの。」
善行はジーっと空飛んだ羊を見つめる。そして、
「うわぁ!なんでカバンにつめるんだこの―――」
羊をカバンにつめ、走り去っていった。
「―――むはぁ!いきなりカバンに詰め込むなんてひどいじゃないか。」
ここは善行の部屋。見つけた羊を鞄に積めて、急いで家に帰ってきたのだ。ちなみに、家には誰もいない。父親が転勤族で、家事ができない父親に母親がついて行ってるため、姉二人と暮らしている。その姉達はまだ帰ってきてない。
「なんだこいつ。」
「コラコラ。人の話を聞かないか少年。」
「人なのかこいつ。」
「私は人ではないぞ。妖精だ。」
「は?妖精?」
「そう!私は妖精だ。」
「どこら辺が?」
「どこら辺がというと?」
「どこら辺が妖精なんだ?」
「どこら辺がかー‥‥‥‥‥」
「どこら辺が?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「どこが?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「妖精じゃないじゃん。」
「違う!断じて違うぞ!私は妖精だ!れっきとした妖精だ!」
「どこら辺が?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「やっぱ違うじゃん。」
「‥‥‥そうだ!魔法を使えるぞ!」
「魔法?やってみてよ。」
「よし!やってやろうぞ!」
羊のマスコットはひづめの手を合わせてひし形を作り、こちらに向けて何やら念じ始めた。
そして、
「チョコニー!」
謎の呪文を叫んだ。
「ださい。」
「うるさい!!」
何が起きたのか回りを確認する善行。しかしどこにも変化がいつまでたっても起きない。
「‥‥‥それどんな魔法なの?」
「聞いて驚け、くっくっく。この魔法、この魔法はなぁ!!」
たっぷり振りを聞かせ言い放った。
「対象の胃にチョコレートを召喚するのだ!」
「バカみたい。」
「‥‥‥‥まあ、この魔法、これだけじゃなんの効果もないし。っていうかチョコレートなんだし味わわないと意味ないし。」
「無駄な存在だね。」
「なら、これならどうだ?」
「次は何?」
「対象の装備している服の材質を全部飴に替える魔法だ。」
「嫌がらせか。」
べしぃぃぃ!
「ぐべらぁ!!」
善行は羊に横凪ぎのハイパーチョップを喰らわせた。手が羊の身体に沈みこみ、勢いよく羊を飛ばす。そして羊は壁にめり込んだ。
「‥‥‥‥何をするんだ少年。」
「突っ込み?」
「疑問形?!勢い強いよ?!か弱い子羊に何てことするの君?!」
「妖精じゃないじゃん。」
「妖精だよ!!妖精なの!!‥‥本当に魔法も使えるから‥‥」
「まあ、百歩譲ってお前が妖精だとしてだよ、」
「おお、ようやく認めてくれた‥‥」
「お前誰だよ。」
「私?私はな。」
「お菓子の妖精、ダガッシーだ!」
「ふなっ〇ーに謝れ。」
ぎゅゅゅゅゅ!!
めいいっぱい羊を握りこむ善行。
「いだだだだだだ!!」
「船橋市に謝れ。」
「‥‥そんなこと言われても‥‥‥‥本名‥‥なんだし‥‥‥どうしようも――」
「ふなっ〇ーに謝れ。」
ぎゅゅゅゅゅゅゅゅ!!
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!ものすごく痛いよ少年!!‥‥‥あ!何か出る!!‥‥‥身体から出てはいけないものが、主に内臓が出てきそう!‥‥‥‥‥‥」
「まあ、ダガッシーって名前は諦めるとして、妖精があんなとこで何してんの?」
「‥‥‥‥‥ただの‥‥‥ただの散歩‥だよ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥いい加減‥‥手を緩めて‥‥‥くれないかな‥‥‥」
羊に言われた通り手を緩めてあげる善行。
「ふぅぅぅ。死ぬかと思った。」
「うわっ、何か手がねちゃねちゃする。」
「当然だ。私のこのふわふわは綿飴だからな。私の身体は飴でできているのだ。」
ねちゃっ。
手を動かすたびに湿っぽい嫌な音がなる。
「おいまさかカバンの中も‥‥」
嫌な予感がしてカバンの中を確認する。そして予想通り、
ねとっ
教科書やノートが超ベトベトになっていた。
善行は無言で立ち上がり、羊をつかむ。
「おい、どうした―――待て、私をどこに連れて行く気だ!」
部屋を出て、階段を下りる。そして台所に入っていく。
「おい!どうして私をコップに積める―――わーーー!ラップをするな、呼吸が苦しくなるっ!」
羊をコップに積め、ラップをする。そしてレンジの中に入れ、
「おいまさか‥‥‥‥‥‥‥‥やめてぇーーー!!やめてくれーーー!!それは残酷すぎるーー!!」
「何か言うことは。」
「ごめんなさいごめんなさい!!本当にごめんなさい!!教科書は本当に申し訳なかったです!!だから許してーーー!!」
ピッ
「あーーーー!!!熱い溶けるぅーー!!そして回るーー。」
そして始まる地獄のベビーローテーション。
ピッ
すぐに止めた善行は、こうのたまう。
「まだ許せん。」
「鬼ーー!!人殺しーー!!――いや、すみませんすみません!!本当に本当に申し訳ない!!だからもう出して――」
ピッ
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!溶かされる!!おいしくないジュースにされるーー!!」
ピッ
「よかろう。」
「本当に鬼か!楽しんでるだけじゃ―――」
ピッ
「いやァァァァァァ!!」
ピッ
ガチャん
レンジから取り出してあげる善行。
コップは微妙にホクホクしていた。
「まったく。何てことするのだ君は。」
「面白かったじゃん。」
「やっぱ楽しんでた!!この人やっぱ楽しんでたよ!!」
「そんなことよりさぁ、」
「命に関わることをそんなことって言ったよ!!この人恐ろし!!」
「妖精って結局なにしてんの?」
「スルーされた‥‥まあいい。
私達妖精は基本こことまったく同じような、もう1つの世界に住んでいるんだ。」
「もう1つの世界?」
「そうだ。この世界の裏側にあるもう1つの世界、人間からみたら妖精の世界だな。それがあって、1つの国を作っている。私はその国の中で暮らしているのだが、最近困ったことが起きてな。」
「困ったこと?」
「テロリストがどんどん現れてきたんだよ。それもこっちの世界をぶち壊そうするな。」
「ヤバイじゃん。」
「軽っ‥‥‥‥まあいい。
それより、そんなテロリスト達を止めるべく、人間世界保護協会を作ったんだ。その中の一員である私はたまにこっちへ来て見回りをしていたんだ。」
「へぇーー。」
「‥‥‥‥ねぇ、最後まで聞いてた?」
ボリボリ
善行が食べているのはうま〇棒。
「聞いてた聞いてた。7つの伝説の玉を集めるんだって?」
「ドラゴンボー〇じゃないし!!君は人の話を聞かないのか!!」
「じゃあ毎度毎度さらわれていく姫を助けに行くの?」
「マリ〇でもないし!!
テロリスト撲滅なの!!この世界救ってるの!!」
「でもたかがお菓子じゃん。そんなものに人間がやられるかっての。」
「お菓子の妖精は私だけだ。それに妖精は魔法が使えるからあぶないんだぞ。」
「魔法ショボいじゃん。」
「くそ‥‥‥私だって本当はもっと強力な魔法も使えるんだぞ。他の妖精も、種類によっちゃよほど危険なものだってあるのだ。」
「そうなのか―――」
『ただいまーー』
「お、ねえさん帰ってきた。」
「言っておくが、私が妖精だと言うのは知れ渡らない方がいいぞ。」
「何で?」
「妖精界で、人間達に基本干渉しないという取り決めがあるからな。妖精の存在が知れ渡ると我々もこちらに手出し出来なくなる。」
「つまり?」
「ばれると世界が滅ぶ。」
ガチャ
「あら、ぜんちゃん。他に誰かいないの?話し声が聞こえたけど。」
「別に。気のせいじゃないの?」
「そう?気のせいかしら。」
ガチャ
部屋に入ってきた善行の姉、猪飼雪音はさっきまで話し声が聞こえたのに、何もないことに不審がりながらも部屋を出ていった。
「‥‥‥‥ふぅ。早く言えよ。」
「仕方ないじゃないか。それよりも凄い速度だな。一瞬だが光よりも早く動いたんじゃないか?」
「光の速さで一足お先だ。」
「?」
「いや、気にしなくていい。
それで、俺に何が出来るんだ?」
「はて?どういうことで?」
「世界のピンチ何だろ。だったら手伝うよ。危なくない範囲で。」
「ああ、そう言うことか。
ならば戦っていただきましょうか。」
「さっき危なくない範囲でっていったのにいきなり最前線立たす気か。」
「大丈夫だ安心しなさい。この人間専用の魔法耐性が身につけるだけで9万アップする腕輪、天岩戸の腕輪をあげよう。」
「何てものもってんの、お前。」
「道に落ちてたのだ。」
「ドラク〇かその世界。」
「効果は本物であるぞ。」
ダガッシーから渡された腕輪は何の特徴もない、真っ黒な腕輪。
「お前ももってんの?こんなの。」
「いや、この腕輪は世界に一個しかない激レアで、人間専用だしな。」
「俺は今世界というものが恐ろしくてたまらないよ。」
「これさえあれば死なないぞ☆」
「まあ、いざとなったら逃げるからいい。」
「‥‥‥‥‥どうやらお仕事の時間だ。ついて来い!」
「って、勝手に飛んで行くなよ。」
自分で勝手にチップスターに乗り飛んで行くダガッシー。
「俺は空飛べないっての。」
走って階段をかけ降り、玄関で靴を履く。
「雪ねえ、ちょっと行ってくる。」
「ちょっとぜんちゃんどこに―――って、もう。どこに行くのか言ってから出なさいよ。」
ダガッシーの後をついて行くと、たどり着いたのは空き地。
「お前見つかったらまずいんじゃないの?そんなに堂々と街中飛ぶなよ。」
「大丈夫。お前は気づいてないかも知れないが、結界の中に入ってるんだぞ、お前。」
「あぁ。道理でさっきから人にあってないのか。」
「ここならいくら暴れても大丈夫だ。現実世界には何の影響もないのだ。」
「便利だね、結界。
それで、あれが敵か?」
「ああ。あれだ。」
彼らの正面にいるのはメラメラと燃える牛のマスコット。
「お前か。わしを結界にひきずりこんだのは。」
「妖精ってみんなマスコットみたいな姿してんの?」
「そうだな。みんなこんなだ。」
「‥‥‥‥‥‥」
「あいつ可愛くない。」
「だめだぞ。それは失礼だぞ。」
「‥‥‥‥‥‥」
「ちっちゃいオッサ〇の方がいい。」
「私は?私は可愛いのか?」
「‥‥‥‥‥‥」
「お前綿飴じゃん。」
「食べ物認識?!君は私を食べる気なのか?!」
「‥‥‥‥‥‥」
「非常時のお菓子じゃん。」
「やめてぇ!?食べてもおいしくなかよ!!」
二人で勝手に盛り上がる善行とダガッシーにミルトンはぷるぷる震えながらもう一度話しかける。
「‥‥‥‥お前ら人の話を聞かないか。」
「俺牛乳嫌いだぞ。」
「だまらっしゃい!!わしの質問に答えんか!!」
「なっなんだってぇ?」
「わしの質問に答えろ!!」
「なっなんだってぇ?」
「だから!わしの質問に答えんか!!」
「なっなんだってぇ?」
「だーかーらー、わしの質問に答えんかーーー!!!」
「先生、あいつホットミルクになりましたよ。赤ちゃん大喜びですよ。」
「‥‥‥‥話を聞いてあげなよ。」
「なんだってぇ?」
「‥‥‥‥もういいです。」
「そこの人間は話が通じん!!じゃあ羊!!お前はわしに何のようだ?」
「私はあなたを止めにきたのですよ。この世界の破滅を目論むものであろう?」
「やはりきさま、協会の者か。しかし邪魔はさせん!!この世界をぶっ壊してくれる!!ゆけっ!!我が眷属!!」
そう言い放った瞬間、悪魔のマスコット的な小動物が十体ほど地面からわき上がってきた。
「何だこいつら。」
「妖精界のペット、デビルマンだ。」
「名前負けしたモブッぷりだけど。」
「一体500円で販売され、破壊光線を吐くことが出来るんだ。」
「ワンコインで売るなよそんなあぶないの。ってか妖精界って通貨が円なのか。」
二人話している間にデビルマンは極太の破壊光線を吐き出した。
「おいおい!!大丈夫なのかこれ?」
「大丈夫だ。その腕輪をつけてるではないか。ほれっ。」
どん。
突然ダガッシーに背中を押され、よろけて出てしまった。
極太の破壊光線の前へ。
「ヤバイって何すんだよ!!」
そう言っても止まらない光線。もう目の前まで迫っていた。
――やべっ。死んだかも。――
そうして光が体を包み込もうとしたその時。
ぽすん
光が消え失せた。
「‥‥‥‥あれ?」
自分の体を見回して見ても、どこにも異常は見当たらない。
「‥‥何が起きたの?」
「何って防いだのだよ、魔法を。」
「防いだ?」
「ああ。腕輪のおかげで魔法耐性が上がってるからな。」
「あれ本当なのか‥‥‥‥。まあ、何はともあれ助かった。」
「さあ、攻撃はお任せあれ。」
「攻撃って、カス魔法しか使えんじゃん。」
「まあ見てているのだ。」
敵の方へ向き直るダガッシー。
最初にかましたのは、
「チョコニー!」
相手の胃にチョコを召喚するあれだ。
「何してんの?そんなことして――」
「まぁまぁ、見ているのだ。」
見た目ではわからないが、デビルマン達の胃にはチョコがある。
それをダガッシーは、
「チョコボン!!」
ちゅどおぉぉぉぉん!!!!!
爆砕した。
呑気な空き地が一瞬にして地獄絵図へと変貌してしまった。
「うわぁ‥‥」
「どうだ少年!すごいだろ!コンビネーションだぞ!」
「何いまの‥‥」
「今のはチョコボンと言ってな。半径一キロ以内のチョコを爆砕するんだ。
威力はメルティーキッ〇一個ぶんでだいたいグレネード十個分くらいかな。」
「恐ろしいな。てか、俺も胃にチョコ召喚されたけど、あれはいいの?消化したら大丈夫とか?」
「‥‥‥‥あ。」
「は?」
「‥‥‥大丈夫だろうて。安心せい。さっきので証明されたわ!」
「お前忘れてたよな。完璧に忘れてたよな。俺死ぬかも知れなかったのに。」
靴底でグリグリとダガッシーの頭を押し潰す。
「いだだだだ!!いいではないか!死ななかったんだし!」
「そういう問題じゃない。」
グリグリグリグリ
「ぎゃゃゃゃゃ!!!すまない!!すまなかった!!だからもうやめて!!頭潰れる!!」
ダガッシーを許したのか、グリグリをやめてあげる善行。
「はあ。敵より味方の方がよっぽど恐ろしいな。危うく死にかけたぞ。」
「それよりあいつどうすんの?爆砕されてないけど。」
「せっかくだし、君にやってもらおう。」
「え、なんで。さっきので一発じゃん。」
「どうせだし、闘いに慣れてもらおうと思ってな。さあ、これを使うのだ。」
ダガッシーから渡されたのは、刀だ。だが、刃物には肝心の刃がなかった。
「刃のない刀でどうすんの。ほぼゴミだろ。」
「それはな、振ったさきにいる相手が一番最近食べたお菓子によって、効果が変わる魔法の剣だ。」
「食べたお菓子で効果変わんの?」
「ああ、試しにやってみろ。」
言われて善行はミルトンに向き直る。
眷属を血の海に変えられて、真っ青でガクガク震えているミルトンへ、善行は振った。
すると、
ぶしゅぅぅ!!!
「ぎぃゃゃゃゃあああああ!!!!」
体中から巨大なじゃがり〇を生やした。
「うわぁ‥‥‥」
噴水のように血を吹き出しながらたおれるミルトン。
善行、絶賛二度目のドン引き。
「あのように、チップ系だと体中からじゃがりこが皮膚を突き破って出てくるのだ。」
「お菓子がとんでもない凶器になってんな。」
「ちなみにチョコだと鼻から体中の血が全部抜け、ゼリーだと体が溶け、ガムだと体中が砕ける。」
「おぞましいのしかないのな。てか、妖精の血は赤いんだな。」
「わあ。恐ろしいこと言う。」
「お前がな。」
そうして、ミルトンだったものに近づいていく。すると、
「‥‥‥‥フッフッフ‥‥まんまとやられて‥‥‥‥‥しまった‥‥‥ようだ‥‥‥」
「お前何もしてないけどな。ってかまだ生きてるけど。」
「だが、私を倒したからって‥‥‥いい気になるなよ‥‥‥私は‥‥‥いや、私達は‥‥‥ただのテロリスト何かではない‥‥‥‥‥」
「早く殺せよこいつ。」
「まぁまぁ。」
「魔王様に派遣されてきた‥‥‥この世界を滅ぼす刺客だ!‥‥‥‥‥だから、次々と刺客が‥‥‥‥現れてくるだろう‥‥‥」
「ありがちな設定だな。」
「‥‥‥‥お前達には‥‥‥魔王様は倒せない‥‥‥‥‥‥‥‥はずだ‥‥‥」
「あいまいだな。魔王って案外簡単に殺れるのか?」
「あーいまーい三センチ☆」
グリグリグリグリ
「うっさい。今ネタに走るな。」
「すみません‥‥」
「‥‥‥たぶん、魔王様はお前では勝てないはずだから‥‥‥‥絶望して諦めるんだな‥‥‥‥」
「絶望する要素がまったく見つからない。」
「絶望したーーーヾ(゜0゜*)ノ」
グリグリグリグリ
「だまれ。」
「すみません‥‥」
「‥‥‥ぐふ‥‥‥‥もう、時間ぎれだ‥‥‥」
「お前は立派だな。」
「‥‥‥‥‥さらばだ‥‥この世界の住人‥‥‥‥‥‥‥‥ああ‥‥最後に、わしをベビー用品とからかってたやつらを一掃したかったなあ‥‥‥‥ガク。」
「いじめられてたのかよ。てか、めちゃめちゃ根に持ってるし。」
ミルトンが動かなくなり、今後を話し合う二人。
「どうすんのこいつ?どう処理すんの?」
「う~ん‥‥‥‥まあ、面倒くさいからこうする。」
「あ?どうすんの?」
「あー、ちょっと下がっててね。危ないよ。」
「あー、わかった。何するか。」
ダガッシーに言われ、善行は距離をとる。そしてダガッシーはミルトンの遺体に向き直り、
「チョコニー!!チョコボン!!」
爆砕した。
「埋めて上げればよかったのに。」
「いいのだ。敵たから。」
ここは善行の部屋。ミルトンを処理したあと、部屋に戻ってきたのだ。
「しかしまあ、お前のバカみたいに殺傷力の高い魔法のおかげであっさりすんだ訳だが。」
「ああ、そうだな。」
「俺って必要ないと思うんだけどな。」
「いやいや、いてもらわないと困るよ。私は防御力が低いからな。鉄壁の君にはいてもらわないと。」
「盾に使われるのは何かしゃくだけども‥‥‥‥まあいいか、これで世界救えるなら。」
「ああそうだ。あいつの話じゃどんどん来るだろうからな。倒してりゃ、そのうち魔王にもありつけるだろう。」
「何か最初っから手持ちが全員レベルMaxのポケ〇ンだな。」
「いいじゃないか楽で。まあ、楽しくいこうではないか。」
こうして、善行とダガッシーの世界救出の日々が始まったのだ。