くさへびポケモンとなって幻想入り   作:Des

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こんにちわ、Desデス。

遅くなり申し訳ありません。
理由の1割は家庭の事情、1割は仕事の関係、残りの8割はポケモンのアニメ鑑賞にハマっていました。反省はしていますが、後悔はしてません。

残りは後書きで。

今回ではオリジナル設定をポロックに組み込んでいます。駄目な方はバックです。

前回のあらすじ

幻想郷2日目の夜を慧音の家で妹紅たちと一緒に過ごしたクサナギ。
その時にクサナギの夢を話し、妹紅たちも協力の姿勢をみせる。

では、本編へどうぞ。



第8話 幻想郷での初めてのポロックづくり

 幻想郷3日目の朝を迎えたボクは顔を洗うために庭に出た。え?一緒に寝ていた妹紅ちゃんはどうしたか?もちろん、ぐっすりとお眠りだったのでそのままにしている。無理に起こす必要ないもの。

 しかし、まさか一晩中抱きかかえたままだとは思わなかった。少し息苦しいし、何か女の子特有の匂いもするし、眠くなるかでは精神的な戦いだった。

 そんなこんなで妹紅ちゃんを起こさないようにして抜け出し、今はおいしい水で顔を洗い、体をツルを使って隅々まで拭いている。これで身だしなみは大丈夫なのだ。ポケモンの体って種類によっては便利である。

 

「おはようナギ。まだ朝日も昇って間もないのに早いな。」

 

 ピカアァァ

 

「・・おはよう、先生。」

 

 先生が着替えを終えてこちらに向かって来たので、人型になって先生に挨拶をした。

 

「先生こそ。・・・もしかして起こした?」

 

「いや、早めに今度の授業の準備をして今日もナギに付き合おうと思ってな。それに、このくらい早い時間に起きるのも珍しくもない。」

 

 よかった。ボクのせいで先生の仕事に支障がでたら申し訳ない。今日もボクに付き合ってくれるのはありがたい。

 それに先生も言ったが、今は午前5時過ぎである。朝日が昇り始めたが、まだ人里は静かなままだ。しかし、早く仕事をする所の家からは物音が聞こえてくる。おそらくここの季節は幽香のヒマワリ畑とこの日の出の時間からして夏なのだろう。

 ボクはこの何気ない朝の静かさの中にある物音が好きだったりする。

 

「妹紅も早く起きれば、今頃ナギの体を拭けたかもしれないのにな。」

 

「・・・・。」

 

「微妙は顔をするな。」

 

 先生は微笑している。けど、それは男として恥ずかしい思いとポケモンとして嬉しい思いが混じってボクは何とも言えない気持ちになっている。純粋にポケモンとのスキンシップとしてなら大歓迎なんだけど、妹紅ちゃんくらい好意を出されると微妙なのだ。ポケモン心も複雑である。

 

「まったく・・・。それで今日の予定はどうする?」

 

「うーん・・・・・。残り少ないきのみを使ってのポフィンかポロック作り、人里周辺の実地調査、最後に可能なら阿求という人に挨拶だけでもと。」

 

「なるほど、阿求の時は私と妹紅がついて行くといいだろう。実地調査はどうしてするんだ?」

 

「その時はよろしくお願いする。調査はきのみの補充についてだけど、詳しくは妹紅ちゃんが起きてからでいい?」

 

「そうだな、そうしないと拗ねてしまうな。」クスクス

 

 苦笑している先生に同意である。

 

「クサナギィ~、慧音ぇ~、起きてるのぉ~?」

 

 噂をしたら何とやらだ。妹紅ちゃんが寝起きと思われる声で僕たちを探している。

 

「私は朝食の準備をしてくる。妹紅の相手を頼む。」

 

「分かった。こっちも妹紅ちゃんと一緒に手伝いに来る。」

 

 そういってボクと先生はお互いにするべきことを行う為に動いた。

 

 

―朝食後―――

 

 

「ご馳走様、慧音。」

 

「はい、お粗末でした。」

 

「おしかった。」

「チャモ♪」

 

 ボクたちは何事もなく朝食を食べ終わり、後片付けの後に部屋に集まって今後の活動について話し合うことになった。朝食はさっぱりとした筍づくしの献立だった。

 

「で、ナギは今朝話した通りに今日を過ごすのか?」

 

「うん。」

 

「じゃあ、ポケモンのお菓子作りって言っていたわね。」

「チャモ~(お菓子~)!」

 

「うん、残った木の実を消費しないといけないから。」

 

 ゲームの中では木の実は一度取るとバックにそのまま残っていくがそこはリアル。木の実も普通の野菜や果物同様に賞味期限がある。いくらポケモン世界の超科学のバックでも木の実を永久保存など出来ない。ちなみにバックはモンスターボールの技術を活かして物をたくさん収納できるのようになっている。そうしないとアニメでの持ち物の多さが説明できないので、これには納得した。

 

「木の実か、こっちでいうミカンとかリンゴのようなモノでいいのか?」

 

「ポケモンの世界の木の実はちょっと違う。」

 

「どう違うの?」

「チャモ?」

 

 幽香には説明したけど、ここでも木の実についての説明をすることにしよう。

 

「じゃあ、時間もあるからここでポケモン世界の木の実について説明するよ。」ゴソゴソ

 

 実物があると説明しやすいので、バックからオレンのみ、モモンのみ、リンゴを取り出した。

 

「ポケモン世界のきのみは2種類に分けられて、リンゴのように普通の果実なのが1つ。、もう1つがこのオレン、モモンのみのようにポケモンの健康状態に深く係わるものがある。このオレンのみのようなきのみはポケモンの世界にしかないと思う。」

 

「確かに、このオレンだったか?そのような実は幻想郷ではないな。」

 

「そうね。蜜柑に似ているけど皮の感触も違うし、匂いも言葉にできない不思議なのね。」

「チャモ(食べていい)?」

 

 3者別々の反応でおもしろい。先生はボクの話を聞いて、妹紅ちゃんは実際に触ってみて、チャモウは食べたそうにしている。初めて見るきのみにポケモンとしての本能が反応しているのかな?

 

「食べていいよ。」

 

「チャモ~(やった~)。」

「チャモウ、半分にしようね。」

 

「じゃあ、私はこの桃のような実を。」

 

 妹紅ちゃんはチャモウとオレンのみを半分にして、先生は残ったモモンのみを食べた。オレンのみが意外に固く、半分にするのに苦戦する2人は面白かった。

 

「おお、桃みたいに柔らかくて甘いな。」

 

「う~ん、美味しいけど、何て言えばいいのかしら?色んな味がして言葉にしにくいわ。」

「アチャ~(おいし~)!」

 

 おっと、オレンのみが美味しいってことはチャモウは甘い味のきのみは苦手なのかな?

 チャモウ以外の2人は食べかけを交換している。感想は先に食べた方の感想と同じだった。

 

「ほとんどのポケモンは好みの味のきのみが大好物。もちろん今食べれたように、人間にも食べられるきのみもある。」

 

「好みの味?チャモウにもあるの?」

 

「うん、ボクの予想が当たっているなら甘い味が苦手だと思う。」

 

「・・・そういえば、チャモウが甘いものを自分から食べているところを見たことがないな。」

 

 お?これは当たりっぽい。

 

「好みの木の実だと何か違うの?」

 

「好みの味がするきのみを食べた方が毛並も良くなって、健康状態も良いよ。」

 

 これは本当だ。ボクも性格が冷静ですっぱい系の味のきのみが好きで、その系統のきのみを続けていたら調子が良かったのは経験済みだ。

 

「あ・・・・えっと・・・・きのみを食べさせた方がよく育つの?」

 

「・・・まあ、食べさせた方がいいのは確かだけど、それが正しいってことじゃないから。」

 

「そ、そうなの。」

 

 妹紅ちゃんが少し不安がっている。これはもしかして・・・・。ちょっと気にかけていよう。

 

「木の実にはどれくらいの種類はある?」

 

 正確な数はメモを見ないと分からないけど、確か・・・。

 

「え~と、60ぐらい?」

 

「少ないのか、多いのか分からないわね。」

 

 でもこれはゲームで説明されているきのみの数であり、あの世界全てのきのみの数ではない。その証拠にゲームとアニメに出ていなかったきのみがあって、商品に出来るように協力したこともある。

 

「じゃあ、これからお菓子作りを始めるけど、台所使っていい?全部のきのみを説明するときりがないから、その度に説明する。」

 

「ああ、そのかわり私も見学、もとい体験してもいいか?」

 

「わ、わたしも!」

「チャモ!」

 

 やっぱり他の世界のお菓子って気になるものなんだな。

 

 チリン、チリン♪

 

「ん?誰か来たのか?」

 

 玄関の方から高い鈴の音が聞こえた。これがこの世界のインターホンのようだ、昔っぽい。

 

「すまないが、お客の相手をしているのから先に行っていてくれ。」

 

「分かった、案内は私がするわ。」

 

 先生は来客の相手をする為に玄関に向かった。ボクは妹紅ちゃんとチャモウに台所に案内されることになった。

 

 

―台所―――

 

 

 台所できのみのお菓子を作る為の準備が進行されている中、参加者を説明しようと思う。

 まずはボク、先生、妹紅ちゃんにチャモウ、そして幽香。合計5名が集まっている。なんで?

 

「何であんたがいるのよ?」

 

「いいじゃない、私もナギが作ってくれたお菓子を、ま・た、食べたいもの。」

 

「2人ともこんな所で喧嘩はしないでくれよ。」

 

 どうやら先ほどの呼鈴の相手は幽香だったようだ。タイミングを見計らったように登場だ。

 ボクを含めて全員がエプロンと三角巾をつけている。色は先生は青のミジュマルのワンポイント、妹紅ちゃんは赤のポカブのワンポイントのボクが用意したエプロンを、、幽香は赤のチェックつきの緑の自前で、ボクは緑でもちろん自前のツタージャ付のエプロン。チャモウは足元でポロックを楽しみにしている。

 

「どうせナギに渡した花から私たちの様子を盗み見してんでしょ?」ヒソヒソ

「いいじゃない、そっちは一晩も一緒だったんだから。」ヒソヒソ

 

 2人顔を近づかせて話し合っている。仲良くなったのは良いことだけど、込み上げてくる不安感。

 

「今度は私に味方しなさいよ。」ヒソヒソ

「分かってるわよ。そういう協定だからね。」ヒソヒソ

 

 うん、深く突っ込まないようにしよう。わが身は大切にしたい。

 

「それでナギ、こちらが用意するモノは何もないのか?」

 

「うん、道具はこのポロックキットと包丁ぐらいだから。」

 

 バックから出している2つのポロックキットを指さしながら、きのみを準備する。なぜポロックキットが2つかというと、それはリメイク版のルビサファをプレイしたからだ。ルビサファは思いれがあるシリーズの1つだから、2つとも購入してプレイ済みなのだ。

 

「そんなに大きくないのね。」

 

「何か可愛くもあるわ。」

 

「河童が好きそうだな。」

 

「チャモ~(すご~い)!」

 

 ゲームでは当たり前にあったポロックキットだけど、これも誇っていいポケモン世界の科学力だよね。水洗いもOKで簡単に組み立て出来るようにも出来ている。

 

「では実際に、このきのみたちを使ってポロックを作りたいと思います。使用するきのみは右から、オレン、モモン、クラボ、ナナシ、ヒメリのみの5つを使ってもらう。1つだけ食べて味を確かめていいからね。」

 

 人間が食べても問題なく美味しいきのみから選んだ。各30個ぐらいある。ほかのきのみは地面やプランターに植える用にとっておくことにした。

 キットは2つなので2チームに分かれることになり、ボクと幽香、先生と妹紅ちゃんになった。分かれる際に妹紅ちゃんは悔しそうに幽香を見ていた。一方の幽香は勝ち誇った顔をしていた。

 

「手順は簡単でブレンドするきのみを選んで細かく刻んでキットに入れる。最後は回す回数を設定してボタンを押せば終了。」

 

「説明を聞く限り、簡単に聞こえるわね。」

 

 まあ、実際にゲームではとても簡単に作れたけど、これは現実なのだ。

 

「でも、きのみの配分や回す回数で味が変わってくるから意外と思った味を出せないことが多いね。きのみにも微妙に味の差があるし、皮を入れるか入れないかでも結構味に変化がある。」

 

「奥が深そうだな。」

 

「ええ、少し面白くはあるわね。」

 

「そうやって最初は上手くできないけど、試行錯誤の末にポケモンに合ったポロックを作れるようになるよ。何事もチャレンジ。」

 

「・・・よしっ、頑張ってみるわ!」グッ

「チャモ~(がんばれ~)!」

 

 両手を握って気合を入れる妹紅ちゃんとそれを応援するチャモウ。普段のやり取りでも息が合っているところが見られる。

 ボクはチャモウに合うポロックを考えて作ってみよう。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 ではクサナギ達のポロック作成の様子を少し覗いてみよう。

 

 ナギは幽香と一緒にお手本として妹紅と慧音に見せるようにしていた。きのみの味についての説明をして皮をむいてからきのみを小さく刻む工程を幽香に教えている。

 だは、ナギと幽香の距離が若干近いようなの気がする。ていうか、実際に近いのだ、もうね、顔の隣に顔があるくらいの密接具合である。羨ましいぞ幽香。

 

「幽香はこのきのみでいいの?」

 

「ええ、このヒメリをメインにして少しオレンを足すくらいでいいわ。出来上がりの味が楽しみだわ。」

 

 傍か見たら仲の良い姉弟に見えないこともない。しかし、それを面白くない顔で見ている人物が1人。

 

「・・・・・。」

 

「妹紅、あっちを睨んでいないで木の実分量を決めよう、な?」

 

 そう、妹紅だ。

 

「分かってるわよ・・・。」

 

 口では分かっているといっているが意識がナギと幽香に向いている。

 

「チャモチャモ~(ねえちゃん、はやく~)!」

 

「!そうね、御免なさいチャモウ。チャモウはどの木の実が良いと思う?」

 

 チャモウが好みの木の実を選び、それをメインとして他にどの木の実を混ぜるかを妹紅はチャモウと一緒に考えている。その様子に慧音は安心した様子で見ていた。

 正式にとは言わないけど、妹紅もれっきとしたトレーナーなのだ。パートナーの言葉で意識を戻すのはいいコンビの証なのかもしれない。

 

「チャモウはこのクラボの実が好物みたいだな。」

 

「チャモチャモ~♪」

 

「どれどれ・・・・っからっ!でも、何か刺激的で癖になりそうな味ね、人でも辛いもの好きなら食べれるわ。」

 

「チャモウの分と私たちの分とで分けて作ってみようか。」

 

「そうね、一緒に食べた方が良いのもね。」

 

 妹紅と慧音は人たちが食べることが出来るポロック作りに取り掛かった。メインは妹紅の希望としてチャモウと同じクラボのみだ。パートナーの好きなきのみの味を知っておきたいそうだ。

 

 ナギと妹紅の組がきのみを小さく刻み、ポロックキットに投入していく。

 ここで補足しておくと、このポロックポロックキットはリメイク版のルビサファのキットと同じである。しかし、前のバージョンほど大きくなく小型型してある。出来上がるポロックはきのみのでき、味のかたよりですごいポロックとなる。

 

「回転はどのくらいでいいのかしら?」

 

「しっかりと混ぜてポロック全部に味が付くように回すのは多めで、カウントが20で止めてみて。」

 

「分かったわ。」

 

 幽香と妹紅がキットに表示される回転数を見ている中、ナギは2組が作ったポロックの配合をメモに書いていた。

 

「なぜきのみの配合を記録している?」

 

「参考に出来ればと。」

 

「私たちは初心者だぞ、参考になるのか?」

 

「自分のパートナーを思うのに初心者も経験者もない。思う気持ちでそのポケモンに合うポロックが出来ることもある。」

 

「なるほど、勉強家なんだな。」

 

 ナギと慧音が話しをしている内にポロックが出来上がったようだ。

 

「出来たわ。」

「こっちもよ、今は慧音と私が食べる分を作っているわ。」

 

 幽香と妹紅が小皿に移したポロックを持って笑顔を浮かべている。

 

「おお、鮮やかな色だな。」

 

「うん、見た目も美味しそうだよ。」

 

「アチャ~(わ~い)!」

 

 チャモウはもう待ちきれないという感じで足元をうろついている。

 

「もうちょっと待ってねチャモウ、いま回しているポロックが出来ればすぐに実食にするから。」

 

 そんなチャモウの様子に3者が笑っていた。そんなナギは密かにもう1つのキットでポロックを作っていた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 ポロック作りも一段落したので、出来たポロックを持ってボクたちは縁側に並んで座っていた。せっかくの天気というので縁側に移動したのだ。

 

「さあ、早速食べてみよう。」

 

 各々の皿には2組が作ったポロックが均等に盛られている。妹紅ちゃんたちのポロックはオレンジがかった赤色で、幽香のは赤紫色になっている。チャモウの皿には赤紫のポロックが盛られている。

 ゲームでポロックの色は虹色を含めて赤、黄、ピンク、緑、青の計6つだけど、実際のポロックには様々な色がある。基本は虹以外の5つが基本色だけど、きのみによっては見た目以外の色も混じったポロックが出来ることもある。

 

「じゃあ、まずはチャモウから食べてみて。」

 

「チャモッ!」

 

 妹紅ちゃんの合図でチャモウは、妹紅ちゃんと先生の3人で作ったポロックをついばんだ。

 

「・・・・・。」ドキドキ

「・・・・。」

 

 先生は冷静に見ているけど、妹紅ちゃんは見ているこっちも分かるくらいに緊張している。心臓の音が聞こえてきそう。

 

「・・・・チャモー(おしいいよー)!」

 

「これはナギに通訳を頼むこともないわね。」

 

 幽香の言うとおりだ。チャモウは笑顔でポロックをついばみ続いている。

 

「・・・・グズっ。」

 

「何も泣くこともないだろう、妹紅。」

 

「な、泣いてないわよ!」

 

 いや必死に言い訳しても遅いよ妹紅ちゃん。しっかりと鼻をすする音もしたし、涙目にもなっている。でも気持ちは分からなくはない。おそらく妹紅ちゃんは初めてポケモンの食べ物を作ったはずだ。その初めてをパートナーが喜んでいるのだ。嬉しくないはずがない。

 

「じゃ、皆で作ったポロックも食べよう。」

 

「ええ、そうね。」

 

 ボクたちは自分たちで作ったポロックを食べ始めた。

 

「幽香達のは少しある渋みがいい味している。」

 

「そうね、甘めの味の後にくる渋さがいい感じね。」

 

 おお、高評価だ、これは嬉しい。

 

「ナギが食べさせてくれたポフィンの味が忘れなくてね。私なりに再現したつもりよ。」

 

「良いせんいっている。他のきのみでよく再現出来てる。」

 

「あら、ナギにそう言ってもらえると嬉しいわ。」

 

 片手を頬に当てて、少しうっとりした顔をしている。その笑顔で大抵の男は堕ちるね、絶対。

 

「今度は私たちが作ったポロックの感想を言ってみくれ。」

 

「そうよ、いつまでイチャイチャするのよ!」

 

 別にイチャついているつもりはないんだけどな。

 

「あら、ごめんなさい。そうね、あなた達が作った方は少し辛いけど美味しかったわ。」

 

「そうだね。全体的にクラボの辛さが目立つけど、それをヒメリに含まれる渋さと苦みがいいアクセントをしてる。ヒメリの甘さで辛さそこまでないしね。」

 

「おっしっ!」グッ!

 

「よかった。」

 

 これはピリッとくる辛さではなく、ほんのりとくる辛さと言えばいいのかな?中々独特で癖になる味だ。

 手応えありと妹紅ちゃんは拳を握って先生と一緒に喜んでいる。

 

「チャモチャモ!」

 

「ん?私たちの作ったポロックを食べたいの?」

 

「チャモッ!」

 

「じゃあ、はいどうぞ。」

 

 どうやらチャモウは妹紅ちゃんたちが作ったポロックが気になるようで、妹紅ちゃんが1つをチャモウにあげていた。

 

「どうだ?」

 

「・・・チャモ、チャモチャモ(おいしいけど、あんまり辛さが足りない)。」

 

「辛さが足りないって。チャモウに作った方が良いって言ってる。これはちゃんとチャモウの事を考えてよく作れているよ。」

 

「そ、そうかしら。」

 

 妹紅ちゃんは褒めらたのが嬉しいのか、頬に手を置いて顔をそらしていた。おそらく見えない顔は赤くなっているのだろう。

 

「・・・チャモウ、試しにボクが作ったポロックも食べてみる?」

 

 ここら辺でボクが妹紅ちゃんに感じていた感じを確信する為に、ボクが密かに作ったチャモウ専用ポロックを勧めてみた。

 

「チャモ―!!」

 

 食い意地があるチャモウは喜んで食べ始めた。それを妹紅ちゃんは気になっている。

 

「アチャー(うまいよー)!」

 

「っ!?」

 

 チャモウが笑顔で声を上げると妹紅ちゃんは少し悲しい顔をしていた。どうやら、感じていた妹紅ちゃんの感情は多くのポケモントレーナーが初期に感じるアレのようだ。おそらく「私よりポケモンをよくしっているナギの方が上手く作れる」と思っているはずだ。そうボクは確信した。でも、それをなくしてあげるのも先輩の務めである。

 

「正直に言っていいから、ボクと妹紅ちゃんのどっちのポロックが美味しかった?」

 

「チャモ・・・・」

 

「・・・・・」ドキドキ

 

 合コンかお見合いが初めての反応かと思うくらい、真剣な顔をして俯き、正座している妹紅ちゃん。心臓の音が皆に聞こえていそうだ。

 

「チャモー(ねえちゃんのほうー)!」

 

「え?」

 

 妹紅ちゃんの方を向いて返事をするチャモ。その返事を訳しなくても誰もが妹紅ちゃんのポロックが上手い事を理解したはずだ。妹紅ちゃんは意外という顔をしている。

 

「どうしてそう思ったんだ?」

 

「チャモチャモ、アチャ―(ナギも美味しかったけど、ねえちゃんの方がいつもの感じがする)!」

 

「いつもの感じがする?」

 

 どういう事なんだ?

 

「ぐっ・・・・。」

 

「何しているのよ幽香?」

 

 幽香の方を見てみるとボクが作ったポロックをかじった幽香が涙目になっていた。それも当然だ。それはチャモウ、ていうか炎ポケモン用にきのみを追加したポロックだ。おそらく妹紅ちゃんたちが作ったポロックの数倍辛いだろう。

 涙目に幽香には注意していないボクが悪いので、モモンのみを渡しておく。感謝の言葉もでない幽香は涙目でそれを受け取った。・・・・なんだろう、幽香みたいなお姉さんが涙目になっているのを見ると、なんか、こう、変な感情が湧いてくる。

 

「なるほど。」

 

 納得した声を出した先生を見てみると、妹紅ちゃんがチャモウに作ったポロックを食べて笑っていた。

 

「どういうことなの先生?」

 

「そうだな。おそらくナギが用意したのは一般的な炎タイプのポケモンが好きなポロックだな?」

 

「うん、そう。ノワキっていうきのみを少し混ぜてある。本当に火炎を吐きそうになるくらい辛いの。」

 

「それは幽香を見れば分かる。でもな、チャモウは小さい頃から妹紅があるものを食べさせていたから好みが少しずれているんだ。ほら、食べてみれば分かる。」

 

 そう言って先生は半分食べたポロックをボクに差し出してきた。ボクはそれを受取、口に運んでみると。

 

「これは・・・ホンノリと感じる筍の味?」

 

「そう、筍だ。チャモウはこの味が人間でいうお袋の味なんだ。」

 

「・・・・。」テレテレ

 

 妹紅ちゃんが照れている。目が泳いでいる、分かり易い。

 でも、これで納得だ。妹紅ちゃんがポロックに何かを入れていたのを横で見たのでこの賭けに出たんだけど、正解だったみたいで安心した。人間も甘いモノ好きでも、何故か酸っぱいモノも好きな人もいる。ポケモンも同じなのだ。5つの味覚が基本みたいなのは間違いないけど、あれはゲームで現実では人間と何も変わらない。

 しかし、このチャモウ用ポロックは本当にすごい。筍と言っても後味はしつこくもなく、本当に隠し味でお袋の味を体現できている。どれほど長い間、一緒にいたんだろう。

 

「えへへへ・・・・。」

「チャモチャモ♪」

 

 見てて微笑ましい。こっちから何も言わなくてもいいかな。

 それからボクたちは幽香が復活するのを待って、せっかくだし外で昼食を食べる為に食事道をボクたちは歩いている。ボクはポケモンの姿で幽香にお詫びとして抱っこされています。上機嫌でなにより。

 

「タジャ~、タジャタジャ(う~ん、人里では厳しいかな)?」

 

「何がかしら?」

 

 おっと、口にしていたようで幽香に心配されたようだ。あと妹紅ちゃんは後ろで睨んでいるていうか、不機嫌顔である。

 

「今度は私の番なのに・・・」

「いいだろ、幽香はちょっと不憫なことがあったんだ。」

 

 先生がフォローに回っている。一応、妹紅ちゃんはチャモウを抱きかかえているから少し機嫌は良くなっている。

 

「タジャタジャ(ちょっときのみ関係で確かめたいことが)。」

 

「そう、植物関係なら私が協力できるから相談するのよ?」

 

 力になってくれるようでこちらは非常に助かる。

 

「どうですか~?守矢神社の神様であらせられる、神奈子様と諏訪子様を信仰してみませんかー!」

 

 広場に近づいて行くと女性?の大きな声が聞こえる。神って、一般的に怪しさ抜群だけどポケモンにもいるからな、神って言われるポケモン。だから、気になって声の出所を探してみた。

 

「いまなら何とお得でありがた~い、神様のお話付ですよ~!おまけのおまけで現人神である私の話も付いてきま~す!」

 

 なんと嘘くさい宣伝文句なんだとうか。これ、元の世界、あ、人間の頃の世界のことですよ?元の世界じゃ絶対見向きもされないヤツだ。

 

「う~ん。いまいち食付きが悪いですね。ここは勧誘スタイルを変えていくべきでしょうか?」

 

 いやいや、やるならその神様の御神体みたいなものでも持ってきたら?もしかしたら後光が差すかもしれないし。

 

「やっているな早苗、ご苦労様だな。」

「本当にご苦労様ね。」

「チャモ。」

 

「あ、慧音さんに妹紅さん、あとチャモウさんですか、こんにちわ。」

 

 どうやら知り合いだったようだ。

 

「あれ?珍しい組み合わせですね、幽香さんもご一緒ですか?」

 

「ええ、この子に用があってね。」

 

「その子?ああ、抱いているそのどう、ぶつ、みたいな・・・。」

 

 幽香とも知り合いだったようだ。髪が同じ系統の色だから気が合ってるのいかな?

 

「ジー・・・・」(ガン見)

 

「・・・・・」(汗)

 

 な、なんでかボクのことを穴が開くほど見ている。ボクとは初対面なはずだから失礼な事はしていないし、変な行動もしていない。心当たりがない。

 改めて目の前の女の人を見ると、女子高生っていっても通じる見た目で青緑色の長髪でカエルと蛇の変わった髪飾りをしている。神様を信仰っているだけあって巫女?服を着ている。脇丸出しでスカート状の袴、見る人によっては目の毒じゃないかな?

 

「すいません、幽香さん。その動物はなんという名前ですか?」

 

「クサナギって言うのよ。」

 

「それはニックネームじゃないですか?」

 

「ニックネーム?」

 

「あだ名みたいなモノです。種族名とかです。」

 

「種族って『ツタージャ』のことかしら。」

 

「ツタージャ・・・もしかして、もしかするとポケモンという動物なのでは?」

 

 あれ?なんだろう、言葉に迫るモノがある。正直、逃げ出したい。

 

「そうよ、なに貴女ナギのこと知っているの?」

 

あの、幽香さん、そんな簡単に相手を刺激しそうな返事は・・・。

 

「ポケモン・・・・本物のポケモン・・・・・」ボソボソ

 

「ちょ、ちょっとどうしたの早苗?ちょっと怖いわよ?」

「チャモ?」

 

 妹紅ちゃんとチャモが心配しているけど、こっちを心配してくれないかな。何か悪い予感が止まらない。

 

「っ!?」バシッ!

 

「え?」

「タジャッ!?」

 

「本物のポケモンだーーーー!!」

 

 い、いつの間にボクはこの女性にいうには若い娘に抱きかかえられたんだ!?幽香でさえ茫然としてるよ!?あと、胸は大変に大きいですね!?先生といい勝負じゃないかな?

 

「やっぱり、ポケモンはいたんですね!妖怪や神様もいるんです、だからポケモンだっていたっていいじゃないですか!」

 

「え?なに?」

「チャモ?」

 

 妹紅ちゃんとチャモウは混乱しえいる。いや2人だけでなく、先生も困惑気味である。

 それにしても、ポケモンを知っていた?これはどういう事なんだ?

 

「さすが幻想郷です!まさかゲームの存在さえ現実になっているとは!これはまさに神様のお導きですね!」

 

 いま、ゲームっていったな。もしかしてこの娘は、ボクの元の世界から来た人間?いや、それはない。それならこの娘ぐらいの年で神様なんて信じていないだろうし。

 

「もしかして野生のポケモンですか?それなら是非、私のパートナーになりませんか?後悔はさせません、あのマンガの主人公はボールに入れてませんでしたし、ボールがなくても大丈夫です!」

 

 マンガ?そこはアニメじゃないのかな?サートシくんじゃないの?

 

「あー、すまない早苗。出来れば落ち着いてくれ、そしてそのポケモンは誰のモノでもないぞ。」

 

「はっ!?」

 

 先生の言葉に早苗と言われる女の子は正気に戻った感じだ。

 

「す、すみません。あまりの嬉しさにテンションをブチ破りました。」

 

「と、とりあえずお昼を一緒にどう?ナギの事、何か知っているみたいだしね。」

「・・・そうね。説明をお願いするわ。」

 

「はい!ぜひに!」

 

 幽香がとても怖い。ボクを取り上げられたからって、そこまで殺気みたいなオーラを出さなくても。ほら、道行く人が怯えているよ。

 早苗さんとボクたちは一緒に食事道を目指して歩き出した。

 

「タジャタジャ・・・・(どうなることやら)」

 

 この出会いはボクの幻想郷暮らしを大きく左右しようなモノであることをボクは早苗さんの腕の中で確信した。




閲覧お疲れ様でした。

では早速、遅れた理由について話します。
前書きで書きましたがほとんどがポケモンアニメの鑑賞です。それもXYZ編だけでなく、過去のシリーズで気になるものを頑張って見ていました。ポロック作成など。
でもそれは、ネタ探しの為です。もう8話ですが、正直言うとネタがありませんでした。
よって、どうしたらいいかをポケモンアニメを見ながら模索していました。しかし、そのかいもあってある境地?にたどり着きました。

それは、もうこれは野生のポケモンを出すしかない!しかし、どうする?いや、まてよ、いるじゃないか。ポケモンの世界に何でもござれの万能なお方が。しかし、どう絡ませるか。
そして、ポケモン映画を見て吹っ切れました。もうかなりぶっ飛んだ設定でもポケモン世界ならありうるからやってやる!

そういうことでまだ閲覧者も少ない中でアンケートを実施します。活動報告に詳細は書いていますので、よければご協力ください。簡単にいえば、出てきてほしいポケモンです。

ということで今回はポロック回となりました。アニメでの描写を参考にしています。あと味はきのみを説明を大きく受けています。あれはゲームの話なので、実際には5つの味以外にも味はあると思うので、5つの味をベースにして色々書き足しています。
面白かったら幸いです。

今回で初出演の早苗のテンションの高さはポケモン好きなら誰でも分かる気持ちと思っています。実際に目の前にポケモンがいたら、私は発狂しますね!(集中線)

あと、挿絵はまだですがこの話での妹紅、慧音、幽香のエプロン姿はいつか描きたいです。

感想、誤字、脱字はいつでも受付中です。

では、また次回あいましょう!
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※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。