ソードアート・オンライン 《Violet Knight》 作:黒炉
「………」
「ホントにいつまで体育座りしてるつもりなのよ」
蝶の谷を越え、シルフ=ケットシー間の領主会談の会場に着いた後も、俺はいじけたままでいた。
シリカの冷静な突っ込みもアリシャの色仕掛けも全部シカトすると決め込んだのだ。もう口聞いてやんねーもん。
「シリカちゃん、どーしヨー……」
アリシャが凄く悲しそうな声で言っているのが聞こえる。そんな声出したって俺はおとりにされた上に敵ごと焼かれたことは許さねーからなっ。
「大丈夫ですっ。こういうときは………」
「おおッ、さすがシリカちゃン!」
シリカが自信満々に言い、アリシャが跳ねる。
何をする気かは知らないが、どうやったって俺は反応しないぞ……
「ほらー、こっちですよー、ねこじゃらしですよー」
「ごろにゃー……はっ!?」
気が付けば俺は、シリカのとりだした猫じゃらし(型のおびき出しアイテム)に突撃していた。
く……やるな、奇策士シリカ!!
「い、今のはシステムに逆らえなかっただけの事……次は、絶対シカトして……」
「はい、バナナの皮」
「転ばずには居られないいいいいいいイイイイ!!」
こっちは普通のバナナの食べ残しアイテムのはずなのに、俺は何故か放られたバナナの皮を踏んずけて体を宙に舞わせていた。
……いいように弄ばれてる気がする。
「…………」
「み、見るなっ! 俺を緑色のカエル宇宙人軍曹を見るような目で見るな!!」
い、今のは俺のボケスキルが高かったからつい反応してしまっただけで、俺は本当はツッコミ担当のはずなんだ!!
「……ルー。インプが一人、護衛で付いてくるという連絡は貰っていたが、こんなのが護衛になってたのか……?」
「なってたヨー? 彼、すごいバーサーカーっぷりを見せてくれたシ」
何やら失礼を言ってくれる美人さんは、今回ケットシーが同盟を結ぶ予定のシルフの領主、サクヤだ。
顔がランダムに決められてしまうALOでは、かなり美人と言える彼女は、相当リアルラックが高いと見てとれる。
シリカ曰く、戦士としての実力ならば、彼女よりも上のプレイヤーは少なくないらしいが、圧倒的な人気で領主の座に座り続けているらしい。
「でも、本当にインプの俺が領主会談に参加しちゃっていいのか? ここまでくれば、護衛はいらないと思うんだけど」
「構わないさ。会談が終わったら、酒でも飲みながら是非話を聞かせてもらいたい。いい給料でシルフ領で傭兵として来てもらいたいくらいさ」
「あっ、サクヤちゃん抜け駆けー? シリカちゃんがパイプになるから彼はケットシーの傭兵だヨ?」
「俺が傭兵なのは前提!?」
割と真面目にボケている(?)二人にとりあえず突っ込むと、一息つく。もはや、シカト云々はどうでもよくなっていた。
あと数分で領主会談の始まる時間となる。アリシャとサクヤの計らいで一応は俺も参加できるらしいが、出る幕はないだろう。俺はどこかのギルドや領に属しているわけではないので、どことどこが同盟を結ぼうが一切影響を受けないのだ。
することもないので、適当にシリカと駄弁ろうかと思い、シリカの方へ行く。すると、シリカの耳がぴょこぴょこと動いた。
「どうした?」
「聞こえない? 何か、大勢の足音みたいなの……」
そう言う頭の上で、ピナも何かを威嚇するように鳴く。
周囲の何人かは、シリカやピナと同じように何かを警戒していた。俺も有事に備えて、レスティカルに手をかける。
何人かが抜刀したところで、赤い装束――――サラマンダーの大群が姿を現した。
「――――!!」
俺はすぐにレスティカルを抜き、目前まで迫っていた槍を持ったサラマンダーに突撃する。
アリシャから聞いていたが、ケットシーやシルフのサラマンダーに対する意識はそう良いものではなさそうだった。それなのに、明らかにサラマンダー領に属する奴らがこの場にい現れるのは不自然すぎる。つまり、領主会談――――二人の女領主を狙い、攻め込んできたと考える方が自然だ。
事実、ただの会談であったために、シルフもケットシーも大した戦力は整えていない。話し合いの場に、武力は不必要だからだ。
槍を構えたサラマンダーに、フェイントで蹴りの構えをすると、そちらに意識が向いた。
その隙にレスティカルで槍を折ると、体を一回転させ顔面に右ストレートをお見舞いする。
次に倒せそうな相手を探していると、かなり厳つい顔をした、暗い赤色の両手直剣を持った男が攻撃してきた。
気付くのが一瞬遅れたせいで、回避は間に合いそうにない。ここは、
「な――――!?」
「甘いな。この《魔剣グラム》を舐めてもらっては困る」
パリィは成功しなかった。
剣自体が、まるで一瞬だけで消滅したかのように俺のレスティカルをすり抜け、ダメージを与えてきたのだ。
HPは0にはならず、俺は反撃することを意識から締め出し、バックステップで距離を取った。
「今のは……?」
「《魔剣グラム》を知らぬか。やはり、見たところニュービーか」
そう言われては言い返せないのも事実だった。
奴の口ぶりからして、おそらくあの両手直剣――――《魔剣グラム》の特殊効果か。
パリイ無効化とは厄介だな。パリイからの
「なぜこの会談にインプがいるのかは甚だ疑問だが――――そこの二種族に加担するのと言うのら切り捨てるまでだ」
「……ぜひとも切り捨ててもらいたいね。出来るなら、の話だけど」
再びレスティカルを構え直す。
パリイ無効化は厄介だが、SAOで何度も戦ったハードタートルの《エンドライフパルサー》に比べれば厄介度は低い。
ようは、普通に体を動かして回避すればいいだけの話だ。
どうやら奴は相当の手練らしく、奴が一人で前に立っているだけで、周囲のサラマンダーは皆下がり、戦闘を見物していた。
……ここで倒せれば、いい物ドロップしてくれそうだな。
「ふぅ……次はその剣は当たらないぜ」
「面白い。魔剣グラムの斬撃を受けて、なお戦おうという物はそう多くはない」
一瞬の静寂。やはり、コイツは強い。
さっきはニュービーだのなんだの言ってくれたが、それでも気を抜かないあたり、本気だ。一戦一戦を大事にする奴だ。
こういう奴は嫌いじゃない。出会い方が違えば、友達くらいには慣れてたかもな。
「「……っ」」
俺とサラマンダーが同時に飛びだし、相手を斬ろうとする。
だが、お互いの体の感覚が数メートル程度になったところで、上方から黒い物体が飛来した。
それを見て、俺もサラマンダーもどちらも一瞬止まりかけるが、すぐに目の前の敵に向かって動き出す。
「双方、剣を引け!!」
さらに制するような、大声。いや、もはや怒声の域だ。
あまりに大きすぎるのその声に、思わず耳をふさいでしまう。
土煙りの中から出てきたのは、スプリガンだった。見た目は少年だが、実年齢は定かではない。
「サクヤ!!」
続けて、シルフの少女がやってくる。
長刀を携えた少女は、シルフ領主のサクヤの方へと飛んで行った。すこしたくましい感じもするが、サクヤやアリシャと同じく、美少女に部類されるアバターで、彼女も相当にリアルラックが高そうだ。
だが、俺の意識はもっぱらスプリガンに向いていた。タイミングを間違えば、魔剣グラムとレスティカルの両方に斬られるところへ、よく飛びこんでこれたものだ。
「指揮官に話がある!!」
その指揮官が差す人物は、おそらくはサラマンダー側――――魔剣グラムを掲げるアイツだ。
やはりアイツが指揮官だったようで、スプリガンに応えていた。
「なぜスプリガンがこんなところにいるのかは知らないが、度胸に免じて話だけは聞いてやろう」
「俺の名はキリト。インプ=スプリガン同盟の大使だ。この場を襲うからには、我々四種族との全面戦争を望むと解釈していいんだな?」
そっか、この人はキリトって言うんだ。へえ、面白い偶然もあるもんだなぁ……なわけあるか。
「キ、キリトさん……?」
俺が呼ぶと、スプリガンとなったキリトさんは振り返り、目を丸くした。
「……ヴァイオレット?」
「あ、分かるんだ」
思わず突っ込んでしまうが、今はまだ戦闘中だということを思い出し、すぐに気を引き締める。
というか、この人さっきとんでもないことを口走ってなかった?
「インプとスプリガンが同盟だと……?」
サラマンダーの指揮官が、俺に怪訝の表情を向けた。
……あ。これチャンスかも。ここで俺も便叙すれば、話に信憑性が出てくる。
ここは、キリトさんのハッタリに乗って、場をしのぐべきだ。
「そうだ。今ここで俺たちを倒しても、後でフルボッコにされると思った方がいいぞ」
はい、左右前後上下どの方向から見てもブラフです。
だが、サラマンダー達にそれを確認する手段はない為、大群に動揺が走る。
「護衛一人いないお前が、大使だというのか?」
うわちゃ、その疑問はごもっともだ。
心配になり、キリトさんを見ると………清々しくなっていた。何も考えてないんかい!?
しょうがない、ここは俺が助け船を出すか。
「ああ、そうだ。本当は俺とこの人の二人で来る予定だったんだが、途中でトラブって別々の到着になっただけだ」
一人よりは二人の方がまだ現実的なので、あくまで最初から一緒に来るつもりだったことにする。後ろのケットシーやシルフの連中の「この大嘘つき」視線は気にしない。
「――――お前たちが俺の攻撃を30秒しのぎ切れたら、大使だと信じてやろう」
「ずいぶん気前がいいね」
「気持ち悪いくらいっすよ、キリトさん」
キリトさんが背中から直剣を抜く。魔剣グラムと違い、装飾の類は一切ない鉄色の剣。
俺のレスティカルも、藍色であること以外に目立った装飾はないので、ランクの低さは見てとれる。キリトさんの言うとおり、やけに気前がいいな。
「っ」
先手は俺だ。
グラムのカウンターは剣で受け返せないので、剣撃を返されない角度からの攻撃は必須。
それを見越していたのか、サラマンダーの回避行動は速かった。
「キリトさん!!」
「おうっ!!」
そこへ、キリトさんが追撃をかける。
予想通り、速い。キリトさんもSAO時代のデータを引き継いでいるのか。シリカもそうだったことを考えると、これはもう元SAOプレイヤー共通と考えるべきだ。
「キリトさん、アイツの剣、パリイできないから気をつけて!!」
「分かった!」
敵の剣の特徴を伝えると、俺はすぐにサラマンダーの背後に回る。
片方が敵を引きつけてる間に片方が死角に入り込み攻撃する。延々それを繰り返すのが、俺とキリトさんがタッグを組んで戦う時の定石だ。
「ラアア!!」
キリトさんが一瞬身を引いた。
すかさず飛びこみ、攻撃されないように死角に潜りつつ敵を切りつける。
今度はキリトさんが飛びこむ番で、俺はバックステップで後退しようとし――――
「「!?」」
一瞬遅れた。あるいは、キリトさんが飛び込んでくるのが速かった。
……まずいな。敵が遅すぎる。
片方は敵の動きに合わせて引くのに、もう片方は自分の速度で飛びこむのだ。敵が遅ければ、その分タイミングもずれる。
キリトさんもそれを理解したようで、これはまずいなという顔をしていた。
俺とキリトさんが、同時にサラマンダーから距離を取る。
「……?」
サラマンダーが怪訝そうな顔をした。
「……キリトさん、どうする? どっちか片方だけでやった方が早そうだけど?」
「俺もそう思った。ヴァイオレット、やるか?」
「やってもいいけど、スピード重視のキリトさんの方が楽に済みそうじゃない?」
サラマンダーを挟んで会話する俺たちは、どうやら彼にはバカにしているように見えたらしい。
すこし怒ったような表情で、俺に突進してきた。
「俺をご所望……? めんどくさいから、キリトさんパス」
レスティカルをしまうと、魔剣グラムの刀身を避け、サラマンダーの鎧から少しはみ出た襟首をつかむ。
そのまま抵抗する暇も与えず、俺はサラマンダーを一本背負いの要領で投げ飛ばした。
「な――――!?」
「体術スキル
キリトさんは、いつの間にかシルフの少女の長刀を手に持っていた。あの構えは、SAOの《二刀流》――――?
サラマンダーも必死にあがこうと、魔剣グラムを何とか構えたが、最早キリトさんの独壇場だった。
「う…おおおおお!!」
16連撃《スターバースト・ストリーム》の真似ごと――――ではあるが、その威力は申し分ない。
何とか対応しようとするサラマンダーを置いていく速度で放たれる斬撃は、一瞬でサラマンダーのHPバーを黄色に変えた。
キリトさんはそこで止まらず、さらに連続攻撃を仕掛け続ける。長刀と鉄剣の両方の速度には対応できなかったサラマンダーは、ついにHPバーを空にし、リメインライトとなった。
「キリトさん、スピード上がってる……?」
アインクラッドの75層で見たときよりも明らかに速い。どんだけ強くなるんだ、あの人……?
ほぼすべてのプレイヤーがあまりの戦闘に呆けていると、最初に口を開いたのはサクヤだった。
「見事、見事!」
「すごーい! ナイスファイトだヨ!」
それにアリシャも続き、ニーナやレンタ、シリカも口笛やら拍手やらで歓声を上げている。
こりゃ、サラマンダーは最悪ムードかなーと思い、ちらりと大群の方を見るが、予想に反してサラマンダー達も歓声を上げていた。
アリシャの話じゃ悪いイメージしかなかったが、どうやら彼らも《アルヴヘイム・オンライン》を楽しむ純粋なMMOプレイヤーだったらしい。
「や、どーもどーも!」
キリトさんが歓声の輪の中央で手を振っていた。
キリトさんらしいな、と思い見ていると、いつの間にかサラマンダーとシルフの何人かが俺を取り囲んでいた。
……あれ?
「アンタも凄えな!! あのスプリガンの動きについていってたぜ!!」
「是非今度、戦闘指南してくれ!」
「フリーならサラマンダーの傭兵にぐはぁ!!」
「抜け駆けしないで! 彼はシルフが先に目を着けてるの!!」
あれその話終わってなかったの!?と心のの中で突っ込んでおく。
向こうはサクヤがサラマンダーに蘇生魔法をかけているところだった。
俺を取り囲む何人かを押しのけ、キリトさんの方へ飛んでいく。
「――――見事な腕だな。俺が見た中で、お前は最強のプレイヤーだ」
「そりゃどうも」
蘇生されたサラマンダーに言われ、キリトさんが短く答える。
「それに、お前もだ。それだけの重量の剣を持ってあの速度とは、かなり修練したのだろうな」
「えっ。あ、ども」
いきなり言われ、つい「2年やってました」と言いそうになる。
ALOはサービス開始から1年しかたってないので、それを言うと怪しまれてしまう。
「信じてもらえるかな、俺達の話」
いつの間にか俺までハッタリ仕掛けた人になっていたが、気にはとめない。
サラマンダーが目を細めると、長槍を持った別のサラマンダーが寄ってきた。
すこし警戒を強めるが、ただ話をするだけのようだった。
「ジンさん、ちょっといいか」
「カゲムネか、なんだ?」
カゲムネと呼ばれたその男は、俺たちを見ると、少しだけ微笑んだ後、ジンと呼ばれたサラマンダーに言った。
「昨日俺たちのパーティーを全滅させたの、あの二人なんだ」
………冤罪なんだけどな。
ここはあえて突っ込まないでおくが、シリカの目線は明らかに軽蔑のものだ。俺は断じてそんなことはしていないと後で訂正しておかなければならない。
ジン――――ユージーンは、不敵に笑った。
「そうか――――そういうことにしておいてやろう」
まるで、分かっているかのような口ぶり。きっと、全部分かってるんだろうな。
ユージーンは、俺とキリトさんを交互に見て言った。
「今インプやスプリガンと事を構えるつもりはないのでな。ここは引こう。だが――――お前たちとは、必ずもう一度戦うぞ」
「望むところだ」
「次は俺が斬ってやるよ」
そう言い返し、先にキリトさんが、続いて俺がユージーンと拳をぶつけた。
その後、ユージーンは身をひるがえすと、サラマンダーの大群を連れて空へと飛び立った。
うわ、どうやったらあんなに綺麗に隊列組めるんだ? とか、サラマンダーかっけぇ! とか思ったのは秘密だ。
サラマンダー達が完全に消えると、真っ先にキリトさんとともに現れた少女とシリカがこちらに飛んできた。
「……あんたって、ムチャクチャだわ」
「キリトさんもヴァイオも、どっちも!」
「よく言われるよ」
「今さらだろ?」
二人に言われ、そう返す。
よくわからないまま、笑いあう俺たちに、サクヤが咳ばらいをした後、声をかけてきた。
「すまないが……状況を説明してもらえると助かる」
☆
静けさを取り戻した会場で、シルフの少女――――リーファが事の顛末を説明してくれた。
キリトさんはシルフ領近くの中立域からスタートしたこと。
サラマンダーに追われていたリーファを、キリトさんが助けたこと。
シグルドと言うシルフのプレイヤーが裏切って、サラマンダー側についたこと。
レコンと言う、リーファのリアルでの友達がシグルドの裏切りに気付き、教えてくれたから、キリトさんとリーファがここにこれたこと。
リーファが説明を終えると、サクヤがシルフの幹部とともに深いため息を漏らした。
その後、彼女はアリシャの闇魔法《月光鏡》を用いてシグルドにシルフ領を追放する旨を伝えた。領主の椅子に堂々と座っていたら、いきなり追放と言われた時の顔は、滑稽だったなぁ。
シグルドは、
サクヤがキリトさんと俺にお礼を言った後、アリシャは俺とキリトさんに詰め寄った。
「ねェ、君たち。スプリガンとインプの同盟って、本当なノ?」
好奇心の表れなのか、しっぽをゆらゆらさせながらアリシャは聞いてきた。
それに対する俺たちの答えは―――
「いんや、まったく」
「嘘に決まってるだろ。ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーション」
「な――――……」
その場にいた全員が口を開けて呆けていた。
俺もキリトさんも、持ち札がショボイときはとりあえず突き進むタイプなんだよ。
「キミたち凄いネ。二刀流も体術モ!」
「む。アリシャ、お前はどっちとも引きいれようとしてないか? せめてスプリガンの彼はシルフによこせ。インプの彼はケットシーの連れだから許すが、彼はシルフの救援に来たんだぞ」
「む……両方ほしかったのニ」
何やら俺たちの知らないところで兵とり合戦が繰り広げられていた。
キリトさんと顔を見合わせてしまう。
すると、両種族の領主を押しのけて、リーファとシリカが飛び込んできた。
「だめです! キリト君はあたしの―――!」
「ヴァイオはあたしが――――!」
言いかけ、俺、キリトさん、サクヤ、アリシャの視線が集まると、二人とも同時に口ごもってしまった。
しどろもどろになるリーファ見ての感想は一つ。
キリトさん、阿修菜姉さん来るけどがんばれっ。
運動会の練習が想像以上に答えてて書くはずの時間に寝てるというのが最近……