ソードアート・オンライン 《Violet Knight》 作:黒炉
最近気がついた。
自分、書き溜めすると投稿するの忘れる……どうすりゃいいんだorz(予約投kゲフンゲフン)
「テメェ……シグルド……!?」
「また会ったな、インプ」
12人のプレイヤーを従えたシルフ――――シグルドは、唇を釣り上げてそう言った。
シグルドは、まだ姉さんやユウナを含めた約300人の元SAOプレイヤーが、須郷伸之の陰謀によってALOに幽閉されていた頃、自分の領主であるサクヤをサラマンダー達に売ろうとしたことがある。
幸い、キリトさんとレコン(&俺)の活躍によって計画は失敗に終わり、シグルドはシルフ領地を追放され、中立域を彷徨う
いや、はずだったではない。奴は今も、絶賛レネゲイド中なのだ
「この混成パーティー……なかなか人望があるじゃねえか」
「一応、ギルド《ギルティスターズ》という名前がある」
「興味ねえ」
少し誇らしげに語るシグルドを一蹴する。
いくらSAO時代のデータを引き継いでいる俺やシリカがいても、無傷は厳しそうだ。
これからクエストの挑もうというのに、これだけの質量の敵と戦うのははっきり言ってまずいし嫌だ。
だから、
「要求はなんだ。条件次第じゃ、アイテムなり金なりくれてやってもいいぜ」
ここは事を穏便に済ませようとする。
単純に金だけなら、ちょっとヨツンヘイムで暴れればすぐに貯まるので、ムカつくだけでくれてやること自体は大した問題にはならない。
「ちょ……ヴァイオ!?」
「ヴァイオさん、何言ってるんですか!?」
向こうでユウナとシリカが猛反対しているが気にしない。
というか、大勢のハイランカーに囲まれているのに元気だなおい。
「金は当然貰う。だが……」
文末を濁して、シグルドは右手をスッと上げた。
直後だった。
ボンッ‼という爆音とともに衝撃が俺の体を襲った。
「……!?」
「こっちは多勢だ。なぶり殺して奪えばいい」
おそらくは《透過》持ちによる火炎系の魔法。
HP自体はそれほど削られていないが、斧を持ったノームが二人、追撃してくる。
「チッ……! ユウナ、シリカ、レイン、お前らは
即座に背中の翅を展開し、身体が地面を転がる前に体勢を立て直す。
大剣《フィジカルブレイカー》を握り直すと、手前のノームに向かって投げつける。
「ハッハァッ‼ その程度、避けるまでもないぜゴブッ!?」
斧で回転しながら飛んでくる剣を弾き飛ばそうとしたその男は、予想以上の重さを持つそれの軌道を上手く変えきれず、モロに頭部に食らっていた。
完全に頭が消し飛ぶという、女の子の悲鳴は回避不可な絵面が生まれる。
「んな……!?」
「よそ見をしている暇はないぞ」
仲間の惨状を目の当たりにして体が硬直したもう一人の顔面に右ストレートを叩きこむ。
破壊不能オブジェクトである巨木に衝突して落ちていた《フィジカルブレイカー》を回収しに走る。
が、
「「「ラー・クーデル・ヴァ・シーリ・リロー・リモーベ!!」」」
直後、爆音が炸裂。
「うおおおおおおおおおおおおお!?」
なんとかギリで柄をつかんで巨木の陰に飛び込んだ俺は、爆発の威力に思わず叫んだ。
詠唱にかかった時間はかなり短かったのに、威力はとんでもない。おそらく、3人の詠唱のタイミングをずらすことで、爆発の威力を爆発の威力で後押ししている……そんな感じだろう(詳しい理論は、はぁーサッパリサッパリ)。
「(つーか、まだ向こうは11人いんだよな。多分ユウナ達だけじゃ、シグルドのもとまでたどり着けねえ)」
注文しておいて酷い言い草である。
しかし、彼女たちの戦力は
弓使いであるレインは、武器の特性上乱戦には向かない。
彼女の場合は、敵の攻撃が届かない、もっと後方にいてこそ真価を発揮するのだ。
「「「ラー・クーデル・ヴァ・シーリ・リロー・リモーベ!!」」」
2度目の爆発が周囲を包む。
爆音が本当にすごいが、気にしている余裕はない。
詠唱直後にすぐに魔法を撃ち返してくることは出来ない。なら、今こそが攻めどき!
「……ッ!!」
巨木の陰から飛び出し、空中でこちらに掌を向けている3人のサラマンダーを発見。
飛びあがり、反撃を試みる。
「「「ラー・クーデル・ヴァ・シーリ……」」」
3度目の詠唱が始まり、次々とスペルが彼らの口から放たれていく。
このままでは、敵の攻撃をこっちが直撃してそのままゲームオーバーだ。
だが……
「シー・ブリンガー・リヒト・デ・フィル!」
素早く呪文を詠唱する。
これは、今まで敵が使ってきたような高度な魔法ではない。
もっと下位のランクの魔法だ。
その効果とは、
「うわッ!?」
「み、見えない……!?」
「うわうわ真っ暗暗闇怖いようわーん!!」
『半径10メートル以内にいる被パーティーメンバーの視界を5秒間奪う』魔法。
慌てる彼らの目のあった部分には、黒い何かがまとわりついている。
数秒でアレ自体は消えてしまうが、逆にいえば戦闘中、特に乱戦中の数秒は命取りだ。
それは、かつてSAOを生きた者なら誰でも知っていること。
「くたばれよ!!」
敵がどこにいて、味方がどこにいるのか、上下左右すらも分からなくなったサラマンダー達を一刀両断する。残り8人!
リメインライトとなったのを視界の端で捉えると、今度は急降下。
ユウナ達は5人の敵に囲まれ、シグルドは左右に一人ずつ仲間を従えて、高みの見物をしていた。
「お前ら、そのまま任せられるか!?」
叫ぶ。
短剣を使うユウナとシリカは小さな体を駆使してフェイント混じりの攻撃、ピナが全員をブレス系の攻撃でサポート。レインも(おそらくクイックチェンジのアビリティで)武器を弓から片手剣に持ちかえて応戦していた。
ピナを数えれば4対5。決して勝てない勝負じゃない。少なくとも、戦闘経験はシリカがダントツだし、ユウナは俺とよく組み手をやってるから動きは一番いい。レインも相当戦えている。
さらに言えば、シリカとユウナは
「多分いけます!」
「こっちは大丈夫!」
「任せてください!」
剣と拳と(希望を交えて汗と血)が飛び散る乱闘の中、彼女たちはそう答えた。
ならば、当初の予定を変更して、ボスは俺が討ち取る!
「《藍色の騎士》を討ち取れれば、一気に有名になれる!」
「金だってアイテムだって、いくらでも手に入る!」
「うるせえどけえええええ!!」
インプとウンディーネが振りまわしてくる二本の剣を叩き折ると、ウンディーネの首に回し蹴りを決め、そのまま回転してインプを一刀両断する。同種族でも容赦なんてしない。
つーか、その二つ名まだ流行ってんのかよ!? 中二臭いからやめてくれ!!
「ちっ……やられてたまるか!」
次々と仲間が撃破されていくのを見て、シグルドが尻尾をまいて逃げようとする。
そうはいくかとこちらも最大速度で追いかける。
「待てコラ野郎!! 売られたケンカは100倍返し!!」
「その台詞を聞いて待つ奴なんていないと考えたことはないのか!?」
キリよく80話で終われるか!?
次回もよろしくお願いします!