また、更新遅くなるかもです。
レーセーサイド
ゲーム開始時間目前に俺、ギャスパー、黒歌、夕麻はドーム会場の入場ゲートに続く通路で待機していた。
他の一緒に来た連中は観客席にいる。
原作ならライザーやサーゼクスさんのイベントがあったが、その二人は部長の試合会場にいるっぽい。
「さて、いつも通りに行こうと言いたい所だが、ギャスパー、視線沢山あると思うが気絶すんなよ」
「無理です」
「そこは嘘でも『はい』だろうが」
全くもってしまらない。
「はあ、頼むから気絶すんな。運ぶのがめんどい」
「……えっと、ダンボールありなら……」
「分かった。もうそれでいいよ」
そう言うとギャスパーは嬉しそうにダンボールを被った。
ダンボール常備してることに驚かなくなった自分がいる。慣れって恐いね。
『さあ、いよいよ世紀の一戦が始まります!東口からサイラオーグ・バアルチームから厳選された5名の入場!』
「「「わああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
歓声がこっちまできやがる。え?これ今から俺達も浴びるの?鼓膜破れちゃうよ?
『西口からレーセー・ヒョードーチームの入場!!』
「「「「「わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」
さっきのと倍位あるんですけど!?
俺だけではなく黒歌と夕麻もこの歓声に少し戸惑っている。
「何をしているんですか?先輩!行きますよ!」
なんでこの状況でビビりのギャスパーが頼もしいかな?
ダンボールか?そのダンボールですか?何?新手の神器?
何それ欲し……くはないな。
むしろ、ビビりが頼もしいとムカつく。
「ギャスパー、向こう着いたらそのダンボール没収にゃ」
「えっ!?」
俺と同じように感じたのか黒歌の理不尽なパワハラがギャスパーを襲う。
そんなやり取りをしてる内に俺と黒歌と夕麻の緊張はほぐれたので嫌がるギャスパーを両側からホールドして俺達の陣地の浮き島に到着した。
『ごきげんよう!今夜の実況は私、元七十二柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送りします!そして、ゲームを仕切るの審判はリュディガー・ローゼンクロイツ!』
実況付きとはマジでプロ使用か。
てか、リュディガーさんといえば人間からの転生悪魔の最上級悪魔でランキング第七位の大先輩じゃないっすか。
『そして、特別ゲスト!解説には堕天使総督のアザゼル様にお越し頂きました』
居ないと思ったらそんな所にいたんかい!
てか、マジであの教諭何もアドバイスしてなくね?
『さらに、特別ゲストがもうお一方、レーティングゲームのランキング第一位!ディハウザー・ベリアルさんです!!』
「「「「「「「「わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」」」」
てめえらは声を毎回デカくしねえと気が済まねえのか!
特別ゲストからの一言を貰い、ルール説明に入る。
『まずはフェニックスの涙についてですが、テロリスト集団「禍の団」の連続テロにより、需要と価格が跳ね上がり、用意するだけでも至難の状況です。しかーーーーしっ!フェニックス家の御厚意とバアル、ヒョードー、両陣営の支持されるたくさんの皆様の声が届きまして各チームに1つずつ支給されることになりました!』
それはありがたいが、俺達はサイラオーグさんを二回倒さなければならないってことだ。
あっちも俺を二回倒さなければならないと考えているだろうな。
『今回のゲームは試合形式で行われます!短期決戦であり、観客の皆様が盛り上がるように設定された特殊ルールで行われます!若手同士のゲームでありながら様式はプロ仕様!それではレーセー選手、専用の設置台のほうへお進みください。』
おいおい名指しでご指名ですかいな。
俺は言われた通りに部屋の隅にある台のところへ行く。
すると設置台からは立体映像のルーレットが映し出される。
『そのルーレットが今回の特殊ルールの要!今回のレーティングゲームはレーセー選手の為に重鎮達が考えられた『ROULETTE-TO-ONE』です!』
俺の為に重鎮が考えたというだけで嫌な予感しかしない。
『では、肝心のROULETTE-TO-ONEをご説明いたします!使用されるルーレットには1~5までの数があり、1が6つ、2が4つ、3が3つ、4が2つ、5が1つとなっております!その出た数がサイラオーグチームから試合に出る人数となります!』
サイラオーグチームと今言ったよな?じゃあ、俺達は?
『そして、レーセーチームの試合に出られる人数は1名となります!これはレーセーチームの圧倒的不利ではありますが、重鎮達のこれ位のハンデが丁度いいという期待をひしひしと感じます!』
期待じゃねえよ。これただの嫌がらせだよ。
『しかし、レーセーチームにもささやかですが有利な点があります。サイラオーグチームは出れる選手がいない場合を除き、試合に連続で同じ選手を出すことは出来ませんが、レーセーチームは出すことが出来ます!』
ささやかというか、こっち3人なんだから続投出来なきゃ誰が出るか丸分かりでしょ。
『それでは、レーセー選手、ルーレットを回して下さい!』
俺は思いっきりルーレットを回す。
1対1になる試合が出る確率は37.5%
俺は夕麻を連れて試合を行えるが、見せるゲームなのでリーダーが序盤から出ちまったら不況を買う。
マジでこれクソルールだな。
反則覚悟なら確率弄れるがゲームでそこまでやる必要は無いか。
『おおっと!流石はレーセー選手、最低値の1を出しました!第1試合は1対1での勝負となります!作戦タイムは3分。出場選手を選出してください。なお、ポーンのプロモーションはフィールドの到着後、昇格可能となります』
いつの間にかルーレットは止まり、1が出ている。
そして作戦タイムに入ると特殊な結界で両陣営を覆った。
「……これは外に音や視覚などの情報が漏れないようにする結界にゃ」
上級悪魔でビショップの黒歌が結界の能力を識別した。
「んじゃ、作戦会議と行きますか。俺行く訳にいかねえしどっち行く?じゃんけんで負けた方でいっか」
「ちょっ!?じゃんけんで決めるんですか!?」
「じゃーんけーん」
「待っ」
「「ほい」」
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『制限時間の3分になりました。出場する選手は魔方陣の上へ進んでください。両チームの選手が魔方陣に着きましたら中央のフィールドへ転移します。転移終了と同時に試合開始となります。現在張られている結界は試合が開始すると解除されます』
じゃんけんで負けた方はもう魔方陣の上にいる。
あちらさんも魔方陣の上についたのか魔方陣が光る。
「普通さー、あのタイミングで負けるって言ったらさー……」
『おおっと!第1試合の出場選手が中央のフィールドに登場です!そして両陣営から選ばれたのはなんと上級悪魔である黒歌選手です!レーセー選手の右腕の登場です!』
「……お前だよなギャスパー。空気読めよ」
「そ、そんな理不尽ですよー」
あのタイミングで勝つとかもしかしたらこいつはメンタルがおもっくそ強いのかもしれん。
そう思い、ギャスパーを見てると睨まれてるのと勘違いしたのか、
「ひいぃぃぃぃ!?」
「試合全部終わるまでにダンボール使用したら、これからずっとお前の近くにあるダンボール自然発火するという恐怖体験を味わせるぞ」
「ひっ!?」
ダンボールに逃げようとしたので先手を打っておいた。
「主様、黒歌さんの試合始まっちゃいますよ。あ、主様の右腕は黒歌さんに譲りますが右手は私ですよ!」
夕麻が余計なことを付け加えていたがスルーして中央のフィールドに目を移す。
『対するバアル眷族も右腕の登場です!クイーンのクイーシャ・アバドン選手です!』
「ウィザードタイプのぶつかり合いだから見た目派手になりそうだなー」
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黒歌サイド
普通、いきなりじゃんけんすることになったらグーかパーなのにあそこでチョキを出すとはギャー助も中々腕を上げたにゃ。
「てっきりハーフヴァンパイアの方が出てくると思ったのですが、あなたが来ましたか」
アバドンがそう漏らす。
「まあ、よろしくにゃ」
試合が始まってるが最初は相手方の出方を見る。
最初から全力を出したら大人げないにゃ。
アバドンは羽を広げ上空へ飛んだ。
私は飛ばずに地に足着けて、構える。
そこからは魔力の撃ち合い始まる。
アバドンは氷や風、炎に水と様々なバリエーションの魔術を使ってくるが、私は気を練りこんだ魔力の塊で反らしたり、相殺していく。
フィールドの形がどんどん変わっていき、私が立つ所から2、3m程先はまともな地形をしていない。
「これって次の試合どうするのかにゃ?場所を変えるのか、それとも修復するのかどっちだと思うにゃ?」
ふと疑問に思ったのでアバドンに話を振ったのだが、スルーされ魔術の雨霰が降り続ける。
……もう飽きてきたにゃ。
今まで防御メインでやってきたが攻勢に変える。
大量の魔力を弾幕のように撃つ。
「くっ」
アバドンは撃ち落とせず、回避する回数を増やしていく。
「ほらほら弾幕薄いよ何やってるにゃ!」
アバドンを急かしながらこちらの弾を増やして行くと、アバドンもとうとう耐え切れなくなり『ホール』を出現させた。
『ホール』とはアバドン家の特色であり、空間に異界へ続く穴を開け、全てを吸い込むというもの。
『ホール』でグラシャボス戦で圧倒している映像を見たにゃ。
「私の『ホール』はいくつも出現させることが出来ます!」
アバドンは今までの試合で使用していなかった数の『ホール』で私の弾幕を吸い込んで行く。
「ならこっちも数を増やすだけにゃ!」
私が更なる弾幕を展開を展開しようとしたら、アバドン『ホール』が私を囲い込むように出現していた。
「そして、吸い込んだ攻撃を放つこともできるのです。では、先程の弾幕を纏めてお返しましょう」
無数の穴から、厚すぎる弾幕というかレーザーが私目掛けて放たれる。
「……これは……避けきれないにゃ
『ホール』使ってもにゃ。『空蝉』」
私とアバドンの立ち位置が変わる。
「私には必要無いからお返しなんてしなくていいにゃ」
『サイラオーグ選手の『女王』リタイヤです』
「狩りは獲物を仕留めた時が一番危ない。ハンター×ハンター3巻でも読んで出直してきにゃ」