★設定
☆男主人公
糖尿寸前。只今、療養中……
☆食載のエミヤ
料理がまともにできる男鯖ってコイツくらいじゃね?
元カノの話は厳禁。
☆黒髭(股間炎上中)
拙者の装備でござるか?ガンスでござるよ。それと、リリィ氏もうやめてぇ!!拙者の股間のライフはゼロでござるぅ!
☆セイバー・リリィ(約束された股間への剣Lv5)
だ、大丈夫です!今度こそは……!カリバァーーー…あァ!?(もう、やめたげてよぉ!)
☆すまないさん
え、何?彼女?(「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き…(ry」
「…出来た。おあがりよ!」
「くぅぅッ!料理もうまくて、さらっと他人のセリフもパクっちゃうエミヤ氏!」
「そこに、痺れるッ!憧れるッ!」
もうすでに、ロマンとエミヤは黒髭の毒に侵されてしまい…後で冷静になったらさぞ後悔するだろう。兎に角、出来たのは極上の蟹鍋・エミヤスペシャル。流石、無駄に固有結界まで使っただけあり、グツグツと煮詰まりながらも香る芳醇な香りはサーヴァントであっても擬似的な肉体を持つエミヤや黒髭の食欲さえ刺激する。
「それじゃあ、食べようか……」
「待った。」
「む?エミヤ氏?」
さて、食べようと提案したロマン…だが、エミヤが止めた。
「折角の鍋だ……もう1人くらい呼ぼうではないか。」
「え~……本気でごさるかぁ~?まあ、別に良いでけど。拙者、心は7つの海のように広いし~…」
料理人として…自らの腕を振るった至高の一品は1人でも多くの人に食べて貰いたいということか。ならば、納得……
「では、アルトリアを……」
「「アルトリア駄目絶対。」」
否、大喰らいの元カノにご馳走する気満々だった。すぐに、却下する黒髭とロマン。
「エミヤ氏、いくら好きだった元カノとはいえアルトリアシリーズはあかんですぞ!?アイツら燃費悪いし、無駄に食うし!」
「そうだよ!僕達の食べる分が何分の一になるか!?」
「美味しく食べてくれるなら俺……じゃなくて、私も本望。」
この弓兵、だんだんオリジナルに戻ってきてやがる……とにかく、どのアルトリアシリーズもろくな奴がいない。食い意地の青に悪食の黒……果ては貴方の股間に一筋の光なんて奴までいる始末。全員、黒髭と相性が悪い…
「じゃあ、せめて他の人にしよう?セイバーでもさぁ。」
「む……」
じゃあ、せめてもと他のセイバーにとロマン。で、候補を考えてまると……
……お鍋は悪い文明
……無口な軍師
……ローマの赤セイバー(DEBU)
……おき太(吐血)
……なんだ女か((笑))
「誰だ、セイバーが最良のクラスなんて言った奴。」
黒髭がぼやくのも無理は無かった。アルトリアシリーズを抜いても、ろくな奴がいない。アルテラに関しては最終的に『お鍋は良い文明』とか言って、全員を血祭りにしたあと強奪していく様が見えるので勘づかれるのも危険だ。ましてや、DEBUはあの舌が危険過ぎるし残る奴等も問題ばかり……
「じゃあ、アーチャークラス……ロビンフッドとかは…」
「却下。」
「あ!そういえば、ジークフリート氏のアドも交換しておりましたぞ、拙者!これなら、問題はありますまい!」
「まあ、それなら構わないが……」
結局、無難なジークフリートに落ち着いた。今回はハブられなかったね!というわけで、黒髭がサーヴァント特有の脳内通信を行ってジークフリートに連絡。
「もしもし、ジーク氏?ああ、拙者でござる。」
【黒髭!?すまない……今、手が離せな……】
【……好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き嫌い好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き】
ーーブツンッ!!
「…」
……何、今の?
黒髭は最後に聴こえた女性ボイスに身震いして硬直した。
「どうしたの…?ジークフリートは……」
「え?ああ……すまないさんか。良い奴だったよ。」
「「?」」
後で墓をたててあげよう。多分、もう生きてない気がするからもう関わらないほうが無難。決して、女性に好かれてばかりが幸せ愉快とは限らないと心に刻みながら、次の候補は誰にするかを考える。
「さて、後は付き合いよさそうな人は誰ですかねぇ~……」
「アタランテはどうだ?彼女ならそれほど……」
「いや、彼女は海産物より林檎のイメージが……」
「あ、拙者知ってる!マスターが金の林檎食ってる時、あの娘、すんごい形相してるもんね!あのマスターなら頼めばくれそうな気がするのに……素直じゃないのよねぇ~。」
「武人気質な女性とはそういうものだ。」
「およ?流石、騎士王の元カレは言うことが重いですな?デュフフ!」
「ヤメロ。」
さて、アーチャークラス…比較的にまともかもしれない。AUO?知らんな。アタランテなら割りと普通な部類だから大丈夫なはず…。他は…ダビデにステラーッ!とかオリオン。うん、アタランテちゃん一本で。
「では、今度は私が……」
今度はエミヤが謎サーヴァント脳内通信……
【む、エミヤか?】
すぐに出てくれるあたり、本当に良い娘である。
「ああ、アタランテ。良かったら、鍋でも……」
【すまない、エミヤ。折角の誘いだが……】
【ダーリン、この浮気者~!また女の子にチョッカイだして!】
【いや、誤解だって!?ジークフリートをヤンデレから助けただけだから!】
【……察して欲しい。】
「……承知した。」
エミヤは真面目なサーヴァントほど振り回されやすいのだなと、心が痛む。アタランテははっちゃける場もこの先無いだろうから心労は溜まる一方だろう。
「あれ?アタランテは……?」
「ん?良い奴だったよ。」
「「?」」
報われない弓兵同士、いつか酒を一杯と思ったエミヤ。それはさておき、いい加減に追加のメンバーを決めなくては……
「さて、セイバーもアーチャーも駄目ならランサーか………武蔵か、もしくは、スカサハ……」
「エミヤ氏、BBAは駄目でござ………」
【ゲイボルグ・オルタネイティブ!!】
ードスッ!!!!
「ひっ!?」
危ない……なんかこう因果率とか逆転した起動で黒髭スレスレに紅い呪槍が突きたった。思わず、嫌な汗をかかずにはいられず腰を抜かしてしまう。
「お、おお………口は災いの元。くわばら、くわばら………」
「流石、影の国の女王。地獄耳級の直感だね。」
ロマンは感心しているが、黒髭にとっては洒落にならない。せめて、鬱憤は弟子がどうにかしてくれることを願おう。
さてさて………
「どうしたものか?」
「「う~ん。」 」
残る4騎士はまずバーサーカーは論外。キャスターはまともな奴がいない…ライダーはまあ探せば良心的なブーティカやメドゥーサがいるが…変なオマケがついてきそうで怖い。というより、黒髭がいる時点で逃げるだろう。アサシン……ハサンorマタ・ハリ。
「「「Yes!O☆P☆P☆A☆I!」」」
ハサン先生、オパーイに敗れたり。で………
「誰かアド持ってるの?」
「「…」」
「持ってないの!?」
この始末。流石、アサシン…そう易々と個人情報を(ましてや、黒髭なんかに)流したりはしない。女スパイというだけある素晴らしいおっぱ………ミステリアスな女性だ。
「駄目じゃん!?どのクラスも駄目じゃん!?」
「お、落ち着いて黒髭氏!まだ希望はある!」
「しかし!はやくしなければ、こーゆー時に変な邪魔が入ってくるのだぞ!」
その通りである。エミヤが焦るのは決して、愉快な枠のサーヴァントは黒髭だけではないからだ。だって、ここは仮にもFGOの舞台、カルデア…マスターが召喚(ガチャ)をしまくって日々…は大袈裟だが一月あれば新顔が2~3人くらいは増える。確かに、真面目なサーヴァントがでてこないわけではない…ただカルデアでは完全に運任せ召喚なため、御愁傷様な時だってありえる。
そう……厨房の出入口の影に……
(…ど、どうしよう!?沖田さんは大変なものを見てしまいました!?)
残念枠の彼女…桜セイバーこと沖田の姿。いや、確かに優秀な鯖だが全力を出すと吐血することに定評がある。そして、本能寺イベでは手持ちとしてもフレンド枠としても酷使され過労死で消えそうになったとか噂も…
で、今は種火集めからの帰り道。いつものように、ジャックと出撃して宝具をぶっぱなしまくり…いつものように、吐血してフラフラになりながら帰ってきた。そろそろ、日付が変わるのでまた暫く休めるだろうと愛刀を杖がわりにゼェゼェと言いながら帰路についていれば……ふと、仄かな香りに誘われて厨房へ。すると、この奇妙な面々が居座っているのだから顔は一気に引き締まる。
(さて……エミヤさんとドクターはまあ良いとして。問題はあの黒髭がいるということ…きっと、何か良からぬ事を企んでいるのでは?)
…存在だけで信用されないとは、悲しいものである。
(それにしても、この胃袋を刺激する香りは……)
そして、沖田は気がついてしまった。彼等が何を取り囲んでいるか……
(あれは…!蟹!?しかも、鍋!?)
煌めく紅い甲殻に美しい出汁の中に浮くそれを…。沖田だって知っている…彼女の生前にもコイツは至高のご馳走だった。新撰組であった時はお目にかかることもまずない代物だったがそれが目の前に……
(一体、何を……じゅるっ…黒髭はするつもり……じゅるるっ…)
沖田さん…貴女は確かアルトリアシリーズではないはず。されど、口から欲望の汁が溢れてくる…。そうだ、相手はあの黒髭だ!オケアノスでは悪役だったし、ロリコンだし、髭だし、変態だし、トラブルメーカーだし…とにかく、ここで斬っちゃえば最終的に皆のためになるよネ!
(…そうだ!これは、大義の元!!決して、ただの人斬りではなく世のため人のため、マスターのため!!いざ、斬り捨て御免ッ!)
結局は欲望に負けただけだが、一瞬で厨房に躍り出た沖田は自身の必殺技の要領で素早く男3人に太刀を入れる…!
「げふっ!?」
「ほげっ!?」
「がっ!?…クソッ遅かったか……ガク…」
「また詰まらんものを斬ってしまった………まあ、峰打ちだけど。」
速さならサーヴァント内で随一を争うだろう彼女にエミヤや黒髭…ましてや、人間のロマンまでかわせるはずも無かった。白眼を剥いて卒倒する彼等を尻目に沖田は鍋を見る……
「さて……どうしよう…」
これから、どうしたものか。斬った(峰打ち)はしたは良いけど、この状況はパッと見で誤解(真実)を持たれるだろう。誰かくる前になんとかしないと……
「おーい、ここら辺に師匠の槍が……って、沖田じゃねえか。なにしてんだこんな所で。」
「うわあァアアアアァァアアアア!?!?!?」
…その時、ふらりと現れたのは我等が槍ニキであるクー・フーリン。思いがけぬ来訪者に反射的に沖田のとった行動は速かった。
「死ねぇい!!」
「…は?グェッ!?」
問答いわせず、一突き。勿論、慌てた故に峰打ちではない……つまり…
「…ハッ!?ランサーが死んだ!?この人でなし!」
どの口が言う。こうして口封じされた彼はカルデアの冷蔵庫に押し込まれた。よし、これで暫くはバレない…
(うわぁ…どんどん、収拾つかない事態になってる気がする…)
「ま、是非も無いよネ!」
(うん、そうだ…きっとそうだ…!)
とうとう、身内まで斬ってしまった沖田。ランサーはギャグだと死ぬものだから仕方ない…カニ●ァンだってそうだったじゃないか!無理矢理、自分を納得させた彼女は辺りをキョロキョロと見回すと…
(一口……一口だけなら…)
味見用の小皿を手にとって汁をオタマでもった。ほんのちょっぴりだけなら、バレない。流石、沖田さんやり口が汚い…。そして、口に含むと……
「ウンまああァーーーーーーい!!!!!」
沖田、サーヴァントになってはじめての最高の味を知る。
「ナニコレ!?ンまぁいなァァァァ!?」
そりゃあ、サーヴァントが作ったチョコが勝手に歩き出すくらい凄いんだから、元々料理人のエミヤが作る至高の材料を使った料理からもう昇天しそうなくらいおいしくても、キャラ崩壊するくらいおいしくても不思議ではない。
「これは一体…!?そうか!きっと、マスターがいつも頑張っている沖田さんのために用意してくれた概念礼装に違いない!そうだ、きっとそうだ!!何か病弱のスキルも緩和されてる気がするし…」
…チョコの概念礼装があるなら、鍋の概念礼装があっても良いじゃないという理論。そうなると、全ての食べ物が概念礼装になる気がするがそれこそ喜ぶのはアルトリアシリーズくらいだろう。エミヤは白眼だろうが……
「では、ありがたくこれは頂くとして……」
さてさて、随分と都合の良い解釈をしたあと鍋を持ってその場を後にしようとする沖田。しかし……
「おい、人斬り…何処へ行くつもりじゃ?」
「!」
…目の前に宿敵が立ち塞がる。
<つづく>
感想おまちしてるでござる。
次回予告。ワシじゃよ、ワシワシ。