いやね、ここで主人公アラガミ化させようか迷ってて書けなかったってのがでかいんだけどね!!w
まあこれからも不定期に亀更新していくつもりでございますので、どうぞよろしくお願いします。
「今日はコンゴウ二体の討伐だ」
ブリーフィングでジュリウスが告げる。こんな簡単な任務でなぜこんな場が設定されたのか、それは
「そして今回のミッションは二チームで行動する。α班は神咲、ロミオ、ナナ。β班はジュリウス、ギルバート。そしてエミールさんに同行してもらう。なお、各班の班長はα、神咲。β、ジュリウスで行く。」
コンゴウ二体は東西に別れて行動している。これを好機と見て、各個撃破しようという作戦だ。
「質問をいいかな?ジュリウス隊長殿」
こいつはいちいち大げさな、喋り方をしなければ満足できない病なのか?と思うくらいこの人はここに来てからこの口調を崩さない。
「今回のミッション。片方が先に討伐した場合。先に討伐した方のチームはどうする?」
ただこの人言ってることは真面目なことが多く、巫山戯た発言も多いが、真面目な時は真面目な人だと思っている。
「先に討伐を完了したチームは、周囲の安全を確認後、速やかに別チームの救援にむかう。」
納得したように頷き座るエミールさん。そこでジュリウス隊長が締めくくる。
「細かい作戦は後に班長から通達。実力を出し切れば手強い相手じゃない。落ち着いていけ。」
「「「「「「了解!!」」」」」」
それから細かい確認をしてゲートからヘリに乗って出撃。ヘリの中では和気あいあいとした会話が広がっているが、私は混ざらずにいた。
「混ざらなくていいのか?」
横を見ると、ギルさんが私と同じように、端の方で座っていた。
「必要性を感じないから」
とだけ答えると、ギルさんは少し渋い顔で、
「ガキの内からそんな閉鎖的だと、いいことないぞ」
「余計なお世話」
そこで会話は途切れる。作戦ポイントに着いた。
「私たちから先に降りる。私は先に行くから」
それだけ言って私はヘリから飛び降りる。降下ポイントでもない、コンゴウの真上に飛び降りる。
「ちょ、神咲!指示は!?」
無線にロミオの声が飛び込んでくる。なんで私がここで飛び降りたのか分からないのか。
「私の邪魔にならないように引っ込んでろ!!」
それだけ言って無線を切る。コンゴウが落下音に気がついて顔を上げる――が、
「遅いんだよ・・・・・・」
神機を
「ハッ・・・!!」
そして横に回転しながらバスターソードを叩きつける。鈍い音と共にコンゴウの顔が砕ける。叫び声と共にコンゴウの周囲に爆発のような風が巻き起こる。
「チッ・・・!」
シールドを展開。無理な体勢からの不完全なガードだったからか吹っ飛ばされはしたが問題はない。体制を低くしてコンゴウに向かって突進。空気の固まりが打ち出され、こっちにむかってくるが最小限の動きで回避。腕にかすったがその程度なら問題ない。
「死にな・・・・!!」
ダッシュの勢いをつけてバスターソードを真上から振り下ろす。両断するには至らなかったが、コンゴウをダウンさせることに成功する。
「ハァッ・・・・!」
肩に担ぐようにバスターを構え、チャージ体制に入る。コンゴウは起き上がろうとするが、
「遅い・・・・!」
私がチャージを終わらせる方が速い。黒く染まった刀身を叩きつける。断末魔をあげて、コンゴウが沈む。それと同時に通信が届く。
「こちらブラッドβ。こちらもコンゴウの討伐を完了させた。ブラッドα。そっちはどうだ?」
「こちらブラッドα。こっちも問題ないわ」
「了解。周囲を警戒した後。合流しよう」
了解と短く返して通信を切る。周囲には何も見えないし、気配も感じない。これなら大丈夫だろうと重い、合流ポイントに向かう。
「うおおおおおおおおおおおぉ!!!」
どこかで聞き覚えのある叫び声と共にエミールさんが逃げてくる。
「何故だ、何故神機が動かない!!ピンチだ!!まさしくピンチだこれは!」
訳の分からない言葉を叫びながらエミールさんが吹っ飛ばされる。エミールさんを吹っ飛ばしたのは巨大な狼のようなアラガミ。見た目としてはガルムに近いが、カラーリングが白になっている。
「新手って訳ね・・・・・」
神機を構え直し、相対する。同時にアラガミが目の前から消える。
「なっ・・・!?」
直後に横からの殴りつけられ吹っ飛ぶ。素早く立ち上がり前を見る。
「舐めんなっ!!」
追撃とばかりに飛びかかってきたアラガミの一撃を後ろに跳んで避ける。着地の瞬間を狙って飛んできた尻尾をシールドを展開することで避けようとするが、
「チッ・・・・・!」
シールドが開かず吹っ飛ばされる。立ち上がろうとするが神機がいつもより重い。
「神機が十分に動かない・・・!?なんで!?」
別に整備を怠っていた訳では無い。そう言えばさっき逃げてきたエミールさんが神機が動かないとか言っていたが、世迷い言でも言い訳でもなく。単純に事実だったと言うことに驚愕する。
「コイツの仕業だって言うの・・・?」
原因は一つ。目の前のコイツ以外には考えられない。動かない神機でどう戦うか。本能が告げる。無理だと。
「巫山戯るな!こんな所で死んでたまるか!」
何かあるはずだ、何か。私の気づかない何かがある。死にたくはない。ここまで生きたんだ。死んでたまるか。記憶が蘇る。あの日。真っ暗な地の底の研究所で。真っ赤な色の液体を全身に浴びながら、その鉄臭い臭いと、錆たような味と、死体の冷たさと、血の温もりを感じて自分は生きてるんだと思ったあの日。この状況を打開する手ならあった。私が忘れていただけだった。そして更に蘇るのはそう遠くない記憶。初めて神機を手に入れ、戦ったあの日の記憶。蘇るのはたった一言。意志の力。
「舐めんじゃねえぇぇェェェェェェェェェェェェェェェ!!」
叫び声と共に神機の刀身が紅く染まる。同時に左手が黒いオーラに包まれる。
「ガアァァアァァアアァァァァァァ!!!」
人の物とは思えない叫びと共に私は跳躍する。今の私は人間じゃない。
「オアアアァァァァァァァッ!!」
アラガミの左足に神機を突き立て、アラガミの左顔面を殴りつける。アラガミの目が潰れ、腕を引き抜くと、血が飛び散る。その血を全身に浴びながら私は生を実感していた。
「アアアアァアアァァァァァァァァァ!!」
右手に持った神機でアラガミの顔面をすくい上げるように殴り飛ばす。アラガミが吹っ飛び、起き上がって犬のように身体を震わせる。それを見て、追撃を駆けようとするが身体が動かない。意識や力はアラガミになっていても、身体は人間だ。意識と力に身体がついていけていなかった。
「遅くなった!!」
ギルさんの声と同時に、目の前のアラガミに三方向から一斉に射撃を浴びせる。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
急激に遠ざかっていく意識。倒れる私を支えてくれる腕はギルさんの腕で、その感触は現実の物で、私はそれに安心して、意識を手放した。
ギルバート side
「遅くなった!!」
本当に遅くなった。このアラガミの存在に気がつかず、呑気に周囲の探索をしていた数分前の自分を呪いたい。
「っと・・・・・」
倒れてきた神咲を支え、目の前のアラガミを睨みつける。ガルムに似通った全体的に白いアラガミ。名前は知らないが、強いと言うことだけはわかる。神咲はそこら辺の神機使いよりかは遥かに強い。同期のロミオやナナが弱いと言ってるわけでは無いが、それを鑑みても神咲は強い。そんな奴がここまでボロボロにされているのを見て、目の前のアラガミが弱いと思える理由はどこにもなかった。
「来るか・・・・!?」
遺跡の上に駆け上がり、こちらを見下ろしてくるアラガミ。全員が臨戦態勢を取る中、
「逃げた・・・・?」
アラガミは興味を失ったようにそっぽを向くと、どこかへ行ってしまった。
「何だったんだアレは・・・・」
俺達は困惑しながら、そいつの後ろ姿を見送っていた。
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