〝GOD EATER〟 世界が嫌いな少女   作:煌酒ロード

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お久しぶりです長らく待たせて申し訳ありませんでした!
今回若干原作を崩しておりますのでご注意ください


私の友達

あのミッションから1週間。

特にシエルとは仲直りした訳でもなく、かと言って避けているわけでもない。向こうはどうか知らないが。

1週間の間で私はラケル博士に昔のシエルの事を聞いた。いや聞かされた。訓練と称した拷問。そんな事をシエルはやっていたらしい。

それから極東支部のアリサ・イリーニチナ・アミエーラという人にも出会った。昔の知り合いに似てるとか言われたが他人の空似だろう。

それからシエルに謝罪された。ジュリウスに相談に行った時に、ついでに私の事もいろいろ聞いたらしい。余計な事を・・・。友達になってくれますかとも言われたがそれは断った。私には必要ないから。

更にフライアは極東支部に向かう事になっていた。グレムは難色を示していたが、神機兵運用のデータ採取が必要とのラケルの言葉により折れた。

そして今、何故か私はジュリウスとシエルと共にグレムの部屋に来ていた

 

「ブラッド隊長ジュリウス・ヴィスコンティ、以下二名。入ります」

 

「ラケル博士から聞いていると思うが・・・、神機兵の無人運用テスト、及びその護衛をしてほしい。詳しくは・・・、あー、クジョウ君」

 

「は、はい。えー、お二人は確かラケル博士とレア博士の元で・・・」

 

「はい、我々は両博士に育てて頂きました。ですので、神機兵の運用テストで搭乗した事もあります」

 

「ならば話は早い。要するに神機兵が戦う様子を観察しつつ、いざという時は守っていただきたいのです」

 

「露払いをしろ。という事ですか」

 

尋ねるわけでもなく断定するようにジュリウスが言う。それに、当然だというふうに頷くグレム。

 

「今回の主役はあくまで神機兵だという事を忘れるな。あとは現場で話を詰めてくれ、俺も何かと忙しいのでな」

 

それだけ言って後ろを向くグレム。クジョウ博士とジュリウスは何かを話、私達は退出した。

その後ジュリウスから通達されたミッション内容は、神機兵がアラガミと一対一で戦うための露払いというものだった。

 

「そこまでしないと戦えないの?あの神機兵(オモチャ)は」

 

私は素直な感想を呟く。それに対して

 

「現在は試験稼働中との事ですから」

 

淡々と返すフランさん。ただまあ確かに試験稼働中の兵器にイキナリ万全に動いて見せろと言ったって無理な話だ。それは分かっているのだが。

 

「そろそろ出発時間です。準備をお願い致します」

 

私の思考はフランさんのその言葉によって中断される。

なんでもいいが問題なく動いてくれさえすればいい。その幻想は儚く打ち砕かられた。

ミッション出動後。エリアの手前と奥にコンゴウが一体ずつ。神機兵αが奥。βが手前で、αにシエル。βに私がついて護衛。ナナ、ロミオ、ギルさんで周囲の索敵、及び掃討をするという流れになった。ある程度までは予定通りに行き、神機兵βはコンゴウを危なげも無く撃破した、が

 

「神機兵α、背部に大きな損傷。フライア、判断願います」

 

シエルからの通信。クジョウ博士の憎々しげな声と同時に、フランさんが神機兵の起動を停止。神機兵の護衛に入ろうとしたが、そこでジュリウスから、

 

「まて、帰還の途中に赤い雲を見かけた!あれは恐らく・・・」

 

「・・・赤乱雲!?」

 

そんなやりとりの間にギルさんが目視で赤乱雲を確認。輸送部隊の救援は不可能との判断。

 

「ブラッド各員。防護服を着用し、シエルの救援に迎え!戦闘の際に防護服が破損する可能性がある。可能な限りアラガミとの戦闘を「待て!勝手な命令を出すな!」ッ!?」

 

ジュリウスの指示の途中で飛び込んでくる怒声。

 

「グレム局長・・・ッ!」

 

「神機兵が最優先だろ。おい、アラガミに傷つけられないように守り続けろ」

 

「馬鹿な!赤い雨の中では戦い用がない!」

 

「俺がここの最高責任者だいいから命令を守れ!神機兵を守れ!」

 

「人名軽視も甚だしいッ!あの雨の恐ろしさは貴方だって知っているはずだ!」

 

激しい言い争い。それに水をかけたのは

 

「隊長・・・、隊長の命令には従えません」

 

別方向からの通信。シエルによる・・・命令拒否。

 

「不十分な装備での救援は赤い雨による二次被害を高確率で招きます。よって、上官であるグレム局長の命令を優先し、各部隊その場で待機すべきだと考えます」

 

全員が絶句する。しかし覚悟を決めているのかシエルの声色は硬い。

 

「・・・更新された任務を、遂行します」

 

通信が切られる。ジュリウスが呼びかけるが応答しない。グレムは躾が行き届いてあると感心していた。

私はナナが持っていた防護服をひったくり、駆け出す。シエルの元へ。目の前で救える命を。今度こそ救うために。

 

「あの〜隊長」

 

「どうした?ナナ」

 

「神咲ちゃんがね・・・防護服持っていっちゃった」

 

「何ッ!?」

 

私は走る。目の前に停止した神機兵と、シエル。

 

「どけェェェェェェ!」

 

目の前のシユウをバスターソードで殴り飛ばし、立ち塞がるヤクシャを顔面から叩き割る。

たどり着いた。シエルの元へ。

 

「神咲・・・さん・・・」

 

「間に合った・・・、持ってきたよ、防護服」

 

私は赤い雨でグチャグチャで、笑っているのかどうかもわからない顔をシエルに向ける。

シエルが防護服を着るのを見届け、奥に引っ込むように言う。

 

「間に合ったんだ・・・今度こそ・・・、今更・・・失ってたまるか!」

 

初めて私と友達になろうと言ってくれた。見識を改めて私と普通に接してくれた。私を嫌悪しないでくれた。

 

もう十分だ。

 

私がこの子を助ける理由には。

 

十分すぎるほど足りている。

 

だから

 

 

「今度は・・・私が救う番だね・・・」

 

目の前に押し寄せる大軍。増援はなし。それでも不思議と負ける気はしない。赤い雨のせいかもしれないし違うのかもしれない。でもなんだっていい。

 

私の友達(シエル)に手ェ出そうってんなら・・・、私を殺してからにしな!」

 

咆哮と共に、私は戦う。




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