閃乱カグラ LAST VERSUS ~少女達の道~   作:影山ザウルス

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第6話

「美野里さんは見つかりましたか!?」

 

集まった叢、夜桜、四季に対して声を掛けた雪泉。しかし、その答は現れた3人の他にいつも眩しいくらいの笑顔を振り撒く、一人の少女、一人の仲間の姿が無いことから察しはつく。

 

「雪泉ちんの方は?美野里ちんは戻った?」

 

四季の問いかけに雪泉は首を振った。

叢、夜桜、四季の3人は月閃の外を探し、一人残った雪泉は月閃女学館内に美野里が隠れていないか探していた。しかし、心当たりのある場所は全て探したが、見つからなかった。

 

「あと探していないとすれば、半蔵学園ぐらいでしょうか?」

 

「ならば、我が半蔵に美野里を探しに行ってくる。皆は休んでいてくれ」

 

「いいえ、叢さん達は一度休んでください。半蔵へは私が行って参ります」

 

「むっ……すまん、雪泉」

 

「わしらも休憩したら後を追います」

 

「頼んだよ、雪泉ちん」

 

雪泉は仕掛け扉から飛び出し、半蔵学園へ向かった。何か胸騒ぎがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんじゃと!?そんなバカな!?千年祭の最中はまだ赤子の姿をしておりましたぞ!?」

 

「貴様、神楽様の話が信じられないと言うのか!?」

 

「奈楽。そして、小百合も落ち着け。

甦ったと言っても、完全ではない。今はまだあの空間に留まっている」

 

ほんの僅かな猶予がありつつも、不安要素が残る神楽の口調は緊張感を一切緩めなかった。

 

「"今は"というのはどういう意味でしょう?」

 

「事態は少し混乱している。一体どこから話せばいいものか……」

 

神楽は本当に悩んでいた。それだけ事態が混乱しているということなのだろうか。

 

「まず、心の復活が目前に控えている。これは紛れもなく”ある男”が原因だ。こやつを早急に探しだし、心の完全復活と出現を阻止する必要がある。その者の名は”道元”」

 

「道元ですと!?あやつは学炎祭の最中、焔が…………」

 

小百合の脳裏を思い当たる可能性が過った。学炎祭の最中に、焔紅蓮隊の面々の活躍によって道元は命を落としている。道元は確かに妖魔の力を使って、蛇女をその実験場にしたり、京都で神楽を襲ったりと悪行を重ね、忍離れしているが、紛れもなく忍だった。そんな道元が千年祭の最中に自分達に気付かれずに甦っていた可能性は十分にあった。

 

「奴は心の力を使って、肉体を取り戻し、現世に甦っている。そして、こちら側から心を呼び出そうとしている。そうなる前に道元を止めなくては……それともう1つ……いや、2つか」

 

「2つ?」

 

「神楽様。ここからは自分が」

 

フードを被った少女、奈楽が前に出た。

 

「心の完全復活と出現には鍵が必要になる。自分達は”核”と呼んでいる」

 

「”核”」

 

「その”核”が本体より先行して、道元と共に現世に現れた。しかし、現在”核”が行方不明だ」

 

「その”核”とやらを見つけ出せばいいんじゃな?」

 

「そうだ。そして、もう1つ…………”核”の不在により、道元は代替の”核”を探している。その代替核となり得る条件は純粋なこころを持ち、十分な力を持った忍学生だ」

 

小百合には千年祭に参加させた少女達を思い浮かべた。十分な力を持った忍学生となれば、千年祭に参加した4校のいずれかの生徒で間違いないだろう。問題は純粋なこころを持ったという部分だ。

 

「純粋なこころを持ったというのはどういう意味じゃ?」

 

「つまり、無垢な存在。端的に言えば、”子供っぽい”ということだ」

 

小百合にしてみれば雅緋や忌夢も子供だが、無垢という訳ではないだろう。だが、該当する忍学生は何人か思い当たる。

 

「その代替核になる忍学生の保護を頼みたい」

 

考えたくはないが、聞かずにはいられなかった。

 

「もしも、既に道元に捕まっていた場合、その忍学生はどうするんじゃ?」

 

「そんなこと決まっている」

 

奈楽は冷淡に答えた。それは小百合も予想していた答えだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心の出現阻止のために死んでもらう……」

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