中央にソファーが対面で二つ、片方の後ろに機械が置かれた机と椅子がある大きな広間
其処にソファーに座った一人の男と机で機械を弄る羽の生えた某ねーちゃんの如きトンガリヘアの少女
男の前に小さな白い饅頭が座っていた、否置かれていた
「そこ改める必要ねーからっ!!」
「ふぇ?ひょっとして声に出してました?」カタカタ
「少女っておま…自分の歳考えろよ」「うるさいですよ神様」カタカタ
私は永遠の17歳である←ここ重要
先ほど私に話しかけた白い饅頭は元人間、訳あって死亡しこの場に連れてこられました
そして私に対して暴言を吐いた男は神、何の悪夢だと思われるかもしれないが
この世界の最高神である
他の天使たちは側近である私に羨望と憧れの眼差しを向けるが
出来る事なら代わって欲しい、その位横暴でいい加減な男だ
「神様ェ…あんた全然尊敬されてないな」
「他の天使は配属されて一日でノイローゼになるからな、まだマシな方だよ」
「この癖なかなか治らないものですね、で話は進みましたか?」
実はこの饅頭、この男が書類ミスをやらかして誤殺されてしまった
所謂テンプレートな饅頭である
現世に未練はあるにはあったらしいが夢と希望を追い求める愉快な性格なようで特に問題はないそうだ
「だから饅頭じゃねぇつってんだろ
ドゥーユゥーアンダァースタンドゥゥゥウウウ!!?」
「落ち着けって、あんまり怒ると大福から赤福になつき度進化するぞ?」
「結局アンタも饅頭扱いしてんじゃねぇか!!」
殺されたことには怒らないのに何故饅頭扱いはタブーなのだろうか?
それとも彼の世界では饅頭とは最大の侮辱なのだろうか?
今後気をつけなければならない
「饅頭饅頭言ってないで今気をつけろ、と言うかお前がやらなくても
『大いなる意志』が勝手にナレーション入れてくれるから要らないぞ」
そうですか、じゃあ『大いなる意志』さん、後は任せました
おや、もう休憩終わりですか? やれやれ、ここの方々は『大いなる意志』使いが荒いですね
無駄トークも尽き、いよいよもって彼らは本題へ突入する
彼らは死んで魂とかした彼の今後、輪廻転生についての話をしているのである
通常ならば人は死した時、人ではなく同じ世界の空気や石と言った物質へ転生する
物質として長きに渡り存在することで人の記憶を浄化して行き
存在が消滅すれば次は植物その次に動物、そして最後に人間へと戻る
しかし、この魂は違う、神の干渉によって消された魂なのだ
神の触れてしまった魂はその魂が変質してしまい、
その変質は長い年月を経ずに戻る事はない
歪んでしまったピースがはまらないように、
変質した魂はそのまま同じ世界に転生できず
変質した魂と同じ形状を持った世界にしか転生できない
「流石『大いなる意志』は格が違った」「脱線しないで早く進めてください」
「ちぇーっ、まぁそんな訳で」
「ああうん、要は俺の形がぴったり当て嵌る世界に転生するんだろ?」
「半分正解、今からお前の形に合う並行世界を創るから
その世界が『どんな世界』でお前が『どんな存在』が良いか教えてくれ」
「は、発想の大きさで負けた…」「俺は何処の神砂嵐だ」
「神様は『ありとあらゆるものを創造する程度の能力』を持っています
どんなに無茶な世界と設定でもご希望に添いますよ」
「たまにそこのトンガリが設定ミスやらかすけどな」
「貴方がヘマをやらかさなければ無かったミスですよ?」
天使と神の間に稲妻が走る、それにしてもこの神全く尊敬されていない
「でもさぁ、神様転生の度に一々並行世界を創り出すとかって大丈夫なのか?」
「何がだ?」「いや、世界の圧迫とかさ」
「それは心配ありませんよ、
並行世界の創造なんて誰でも想像出来る事なんですから
生物の想像できる範疇にある程、世界という概念は小さいものではありません」
「ま、そんな良くわからん理論は置いといて、だ
願いを言ってみろ、どんな願いでも叶えてしんぜよう」
一応捕捉しておくが、神様は人型で別に七つの玉を集める大冒険をしなくても
願いを叶えてくれます
「そうだね、じゃあ東方projectの世界で
ジョジョのカーズ様みたいな究極生命体として転生させてくれ」
「月へ行こうとして考えるのをやめるんですね分かります」
「行かないしやめないから」
「またジョジョですか?最近多いですね」
「究極生命体か、不死身だし強いっちゃぁ強いが東方勢相手にするとなると
火力不足じゃないか? ああでも妖怪に変身すれば十分強いか」
「そんなロマンの無い事しないよ、
変身できるのは俺の居た世界に存在していた生物だけって設定にしてくれ」
「それだとゾウリムシから神まで変身出来ますが構いませんね?」
「構うよ!?えってか俺の世界にも神様って居たんだ」
「居る居る一杯居る、イエスにブッダにアマテラスにドナルドその他諸々」
「ドナルドは教祖だろJK
そうじゃあなくて、俺の常識の範囲でお願いします
具体的にはなんとか類なんとか目とかで分類出来る生物限定で」
「恐竜も含みますか?」
「それ含むと7部の『SBR』に足を突っ込みそうなんだよなぁ…
でも恐竜にも変身してみたいしなぁ…うーん」
「取り敢えず入れとけ、嫌なら変身しなきゃいい話だろ」
「それもそうか…含んどいてください」「了承しました」カタカタ
「そうそう」「爽っ!」「あのアイス美味しいよな」「はいはいステマ乙」
「時代はどの位にするんだ?
前にえーりん先生と同世代が良いとか言ってた奴も居たけどあんまりおすすめしないぜ?」
「何で?」
「一緒に月へ行くならまだしも地上に残ったらまた天地創造からやり直しだからな
人間からすりゃ殆ど永遠とも感じられる長い時間、
そうだな大体4~50億年くらいか?」
「―――予想以上の長さに驚きを隠せない俺ガイル」「待ちガイルなう」
「前に其処へ行った転生者は余りに暇過ぎて
感謝の正拳突きがちょっと概念の壁を超えましたからね」
「あぁ、あの突きは俺でも2日間仕事が出来ないレベルだぜ…」
「普段からサボり気味じゃないですか」
「えーりん先生が凄い長生きって事は理解した、じゃあ平安時代位に飛ばしてくれ
あっ、少しの間体を動かす訓練したいから、
人も妖怪も住んでいない静かな山奥にでも飛ばしてくれると助かる」
「はい…設定完了しました、容姿に付いてのご要望があれば承りますよ?」
「カーズ様を前世の俺と同年代位まで幼くした感じで「無理です」
何故に?「イメージできません」把握」
「別に変身出来るんだから後で好きなように弄れば良いじゃねぇか」
「次にお前は『それもそうか』という…」「それもそうか…ハッ」
「しかしこの天使ノリノリである」
多数脱線があったが、何やかんやで彼の転生先は決まり、後は転生を待つのみとなった
「何やかんやって何さ?」「何やかんやって今さ!!」
「訳が分からないですよ」カタカタ
タンッ キーボードを打つ音が終わる、それは彼が転生する事を意味した
彼の身体が徐々に透明になって行く、
これは魂の消失ではなく転生―新たな体に魂が引かれて行っているのだ
「おおぅふ、ただでさえ小さいのに更に半透明になってしまわれた」
「おめでとう、これでお前は今日から饅頭じゃなくて半霊だ」
「最初から饅頭じゃあねぇよ、あっでもみょんの半霊なら
ちょっとなってみたいかも…」
「お巡りさんコイツです」「お巡りさん今作業中です」
ウィンウィンウィンガガガーッ
「この人お巡りさんなの?」「階級的にはお巡りさんみたいなもんだな」
スゥー…彼の魂が更に薄れていく
「あれ―声が―遅れて―聞こえるよ―?」
「お前もしぶといな、普通はこの辺りで意識を失ってる筈なんだが」
「しぶとさと生き汚さだけが俺の取り柄だ」
「普通に会話してやがる、意識があると転生できないんだけど」
「何か慣れちゃったせいで全然気絶できないぜ☆」
「魂を吸い取られる感覚に慣れるなよ!?」
「試してガッテン、トオル先生から借りパクしたこのハンマーでぶっ叩いて
意識を吹っ飛ばしましょう」
バチバチバチバチッッッッ!!!!!! ゴロゴロゴロ……
ハンマーの表面に雷雲が集まり始める
「えっちょっ何その視覚エフェクトが怖いハンマー…?
ショック療法ってレベルじゃねぇーぞ!!」
「大丈夫ですよ!!痛いのは一瞬だけですから」「死ねって意味ですか!?」
「狙うは一撃必殺!!雷帝の鎚よ――巨人を焦がす神の雷よ!!!!
今こそその力顕現せよ!!!!!」
「圧倒的殺人予告!?助けてゴッデス!!」
ポンッ 薄くなった彼の上に優しく暖かい手が乗せられる、
神は余りに大きく、偉大で―
「十八番(エクスカリバー)じゃないだけマシだと思えっ☆」
「ミョルニル!!!!!!ハンマァァァアアアアアアア!!!!!!!!!」
非情な現実を叩きつけた グシャッ!! ドゴォォォォォォオオオオオオオオン!!!!!!!
ピチューン!!!!!!!
神様と天使によって祝福された転生の儀式
それは後に究極生命体として人々に畏怖される存在となる
そんな彼に雷と言うトラウマを植え付けて終わりを迎えたのだった―――
おひゃん