時は平安時代、後に近畿地方と呼ばれる場所の何処か
其処に小さな山が存在した
その山には力の弱い妖怪たちが暮らしていたが
ある時仲間の起こしてしまった火が原因で山火事となり、妖怪は全滅
妖怪こそいなくなったが、其処に残った妖気は他の生物を近づけなかった
故に―今現在この山には一匹の生物しか居ない
そう、その生物こそが――
現在犬神家の如く地面に突き刺さっている彼である
「あれぇ、暗いなぁ…何故明かりを消すんです?」ジタバタ
彼は足をばたつかせる、腕は動かせないので足をばたつかせる、見るものはいないがシュールな光景だ
しかし、上半身が完全に地面へと刺さっているにも関わらず
窒息せず喋れるのは究極生命体となった証と言えるだろう、決してギャグ補正などではないぞ
「成程、辺りが暗いんじゃなくて俺が地面に刺さってるのか」
彼は一旦落ち着くためにあぐらをかいて休憩する
逆さ釣りの状態なので寧ろ疲れるだろうがあぐらをかいて休憩する
「そうか、俺究極生命体の前にサンタナの仲間なんだから体折りたたんで出られるんじゃね?」
意識を集中させる、肉体を自由自在に操るなど人間では経験した事のない事
まして、体が今までのものと違うのだ、誰だって集中する
バキュゥ グシャァ メキメキメキィ 「超痛いんだけど!!?」
関節を外し、肉体を組み替えた激痛と引き換えに彼の両足は地面に着き
つまり、上半身を釣り上げる形へ変化した
「痛てて…予想以上の痛みだ、コレに慣れなきゃあいかんのか
まっそれは脱出してからにしよう、一本釣りじゃぁぁぁあああ!!!!」
グゥウ 彼の下半身に力が入り(別にそう言う意味じゃあない)
ズバボォ 彼の上半身が地面から抜けた、予想以上にあっさりと
当然と言えば当然、彼の元となったのはカーズ
怪力を持つ吸血鬼を捕食し、エネルギーとして来た生物の頂点なのだから
ゴキュ ゴリュゴリュゥ 彼の体が人間の体つきに戻る
「ぷぅー、なんとか出れた
もう俺二度と地面には突き刺さらねぇぞ」
彼は決意を新たに、突き刺さっていた穴を埋めた
「スゥーーーーッ フンッ!!」 ズバァアン ボトリ
彼は不意に左腕で自分の右腕を切り落とした
「ッ!?ッ!?ッ!!?」バタバタッ
「おぉ~~~れぇ~~~のぉ~~~うぅ~~~でぇ~~~がぁ~~~~っ!!!」
ズルゥウ 激痛に身悶えするが腕はすぐに生えてきた
何故このような事をしているのか?彼は別に被虐主義者じゃあない
痛みに耐える訓練?それもあるがあくまで序で
なんと彼は自分の肉体から生物を生み出そうというのだッ!!
「ぜぇぜぇ…痛覚遮断とか出来ないかなぁ…
ともかく、切り離しに成功したぞっ
俺の右腕!!そうだな…わんちゃんになってみろ!!」
ビキビキィ グ ニ ャ ァ ア ア
腕が大きくなり生物の形を作っていく、そして―
「………………」
「…それ『わんちゃん』ちゃう『ワンチェン』や」「……あっ間違えました」
ゲロ以下の匂いがプンプンする人の下僕が生まれた
「わんっ!!わんわんっ!!」
「さっきの見たからガッカリ感が半端ない」
彼の足元にはさっきまで東洋人の薬師だった子犬がすりついていた
「てか人間にも変身できるんだな」「はい、ご存知無かったのですか?」
子犬の顔が再度ヒゲの長い東洋人になる「気に入ったの?」「…いたく」
「そーれワンチェン取ってこーい!!」
彼はチェーンソウ状になった自分の骨を切り離し 遠くへぶん投げた
どっひゅぅぅぅうううん 究極生命体である彼は
メジャーリーガーなど屁でも無いほどの速度で
且つ槍投げのオリンピック金メダリストなど
カエルの小便かの様な飛距離まで投げてしまった
「畏まりました!!」シュバッ
対するワンチェンも負けていない、大型オオカミもブッ飛ぶような速度で駆け出し
『あっ』という間に山から飛び出してしまった
「ふむ、ワンチェンがここに帰ってくるまで3日と見たっ
それまで俺はこの体で出来ることを確かめるとしよう」
現状出来ることは5つ
・光の流法『輝彩滑刀』
・全細胞から消化液を出して触れた生物を吸収する
・肉体を高速再生させる
・高速再生を応用して一部分または全体が別の生物に変わる変身能力
・身体を切り離して新たに生物を生み出す分離能力
この他に原作だと『波紋呼吸法』も使ってたけど俺は使い方知らないから後回し
それとディオの使ってた『気化冷凍法』もまだ其処まで技術ないから無理
ならある程度技術の必要な輝彩滑刀、変身能力、分離能力の三つを鍛えなければいけないわけだが
俺はその中でも変身能力と分離能力を鍛えたいと思う
当たり前だが応用が効くからだ
戦闘中に身体を組み替えれば相手の間合いを狂わせる事ができるし
忠犬ワンチェンの様な高度な知能を持ち、且つ妖怪並みの戦闘力を兼ね備えた生物を大量に生み出せる
「その為には変身速度を上げて且つ
変身後の身体を上手く扱えないといけなんだよな」
ウニャァリ 彼はタコかイカの触手の様に変身した指を動かす
生物の知識は転生した時に頭の中に入っているため、触手の構造は理解している
が、やはり慣れていない為自由に動かすのは難しいらしい
「骨がなくて筋肉だけで動いてるって変な感じだな
いや、人間も筋肉で動かしてるんだから普通か?」 グニャァリ グニャァリ
次に彼は下半身をダチョウのように変身させる
既に痛覚遮断を習得した彼は変身する際痛みを感じる事はない
つまり時間は僅かに掛かるものの、彼は無尽蔵に変身できる様になったのだ
「しかし、両手の指が触手、下半身がダチョウ…まるで神話生物だな」
「そうだ、恐竜にも変身できるんだっけ?」 グニャグニャグニャァリ
首から上がティラノサウルスになり、いよいよ以て原型が無くなってしまった
「触手は使い道結構あるし使えるようになりたいなぁ
まっ時間はあるんだしゆっくり練習していこうっと」 ズゥ~ グゥウ~
彼は山にあった洞窟の奥で眠りについた
いつか究極の生命体となる夢を見て――
彼が眠りについたのと、都で人面犬の噂が広がったのは同時刻
そしてある城の城壁に輝く骨が突き刺さっていたのを
見張りが発見したのも同時刻である
おひゃん