・色々と崩壊
・ノロノロ更新
《ガチャッ》
扉を開くと、昼間の外とは対照的な暗い世界が広がる。
広がる。と表現したものの、そこは机に本棚にベット・・・その他が詰め込まれた、決して広いとはいえないただの一室だった。
担いでいた鞄を適当なところに放り投げて網蔵創(あみくらつくる)は机へと直行した。
一台のパソコンが起動され、暗闇にディスプレイの淡い光が浮かぶ。
「さて、どうすっかな………」
創は顎に手を当て、呟き、マウスを弄びながら起動するのを待つ。
そして起動したかと思うと、すぐに手をせわしなく動かし、メールのチェックやゲームのログインなどをしていった。
作業が一通り終わり、創は普段はあまり見せない笑顔で次は何をしようかと思考する。
すると、
《ティロン》
「んあっ?メール?」
普段くることのないソレに若干疑問を持ちながら、スマホの画面を睨む。
「あっ?親父から?」
創は送信者との関係をつぶやきながら感情の籠もらない眼でスマホを操作する。
【創へ。今回の出張も少し長引きそうだ。帰ってきてもそっちにいけるかわからない。一人でつらいだろうががんばってくれ。父。】
創は暫し無言でスマホを睨み、「チッ」と舌打ちをすると。
「一生帰ってくんじゃねぇよ、クソ親父。」
そう吐き捨てた。
その眼は嫌悪、憎しみ、怒り。など先ほどより感情が籠もっていたがどれもお世辞にも綺麗とはいえないものだった。
「はぁ………」
一度溜息をつき、創はパソコンを見る。
楽しげな画面に明るい音楽。
今はどれも創を不快にさせるものだった。
「もういいわ……萎えた、ダリィ。」
(飯は………今日は抜くか。風呂は明日の朝入ろう…………)
そして間もなく創は夢の中に落ちていった。
(つまんねぇ、つまんねぇ……なにか、なにか…こんな日常を紛らわしてくれる……何かが………)
「ん………朝か……。」
創は視界いっぱいに入り込んでくる光を拒みながら、ゆっくりと眼を開ける。
(ん?)
ここで一つの違和感をおぼえた。
(何で俺の部屋に光が………)
創の部屋は本人の希望で窓なしだ。当然電気をつけて寝たわけでもなく、電気をつけるような家族や恋人がいるわけでもない。
「ねむっ・………」
ぼやける意識をたたき起こして身を起こす。
すると、
「は?」
そんな間の抜けた声が創の口からでた。
創の視界には、創の部屋はおろか、建物も道路も人工物は一切無い、自然いっぱいな風景が広がっていた。
「………は?ちょっ、待て待て待て。」
何を待てといっているのか創自身もわからないが、そんなことより、目の前の異常な光景の問題が先決だ。
創は一度周りを見回す。
今いるのは丘のてっぺんですぐ周りには特に何もなく、草原が広がるだけ、遠くには森と湖、山が見える。
所々にはいろいろな動物がのどかに歩いていた。
ただ一つだけ現実味がないことと言えば、そのすべてが正方形のブロックによって構成されている点だろう。
「どこだよ此処………」
答えは期待できないが創が呟く。案の定答えは返ってこない。
次に自分の姿を見る。
昨日寝た姿のままで、制服だった。
ポケットを探ると小銭とスマホが見つかった。
すぐにスマホのマップを起動しようとするが、画面は真っ暗なまま動かない。
そのまま長い沈黙。実際には数秒だったかもしれないが、創は沈黙に耐えきれずに自問自答を声に出して繰り返す。
「いや。昨日寝るときは家にいたよな………?」
「というかまずここどこだよ……。」
そんな風にしているうちに一つの答えにたどり着いた。
「あ、これ夢なのか……。」
考えてみれば単純な話だ。
こんな正方形で作られた現実味のない世界など、現実なはずがない。
すべては夢なのだろう。
そうに違いない。
創はそう思って自分の中で納得した。
(こんな夢見るなんて、最近疲れてんだろうな………)
そして、その場に横になり、襲い来る睡魔に身を任せることにした。
いや、しようとした。のだが
「ちょ、ちょっと……寝、寝ないで下さい!!」
ヤケに高い声が耳に刺さった。
面倒だが仕方なく声の方向を見ると、一人の女子がたっていた。
まったく気配を感じなかったため、少し驚いたが、姿を見てさらに驚いた。
低めの身長に綺麗な赤髪、容姿も文句のつけようがなく、美少女といえるだろう。
そしておまけにアニメに出てきそうな露出の多い服を着用していた。
が、生憎にも創は思春期の少年のクセして異性に全く興味がなかった。
ため、睡眠を妨害されたことに多少不満を感じながら、
「何?てかお前誰?」
ぶっきらぼうにそう言った。
すると彼女は反応されたからなのかとても嬉しそうに、こう言った。
「あぁ、ええとですね!まずは私の世界へようこそ!!網蔵創さん!!」
「………はっ?」
思わず創の口から間抜けな言葉が漏れる。
「は?え?ちょ、今お前なんて……」
創が尋ねると相変わらずうれしそうに、
「ですからようこそ私の世界に!網蔵創さん!!と言ってるのですが……?」
彼女はこう答える。
状況が読み込めず、創は脳内で思考をフル回転させるが、よくよく考えれば答えなどでていたのだった。
創はその答えを口にする。
「あぁ、その……悪いけど、この世界って俺の夢の中だろ?さっきから私の世界私の世界って言ってるけど。」
自分の夢の中を私の世界!だのと言われるのは創にとって少しばかり不愉快だった。
しかし、そんな創の言葉を聞き彼女の反応は
「え?」
こう言ってきょとんとするばかりだった。
数秒の沈黙。
そして、彼女がおそるおそるといった感じで創に尋ねる。
「あの……もしかしてなんですが………この世界をご自身の夢の中だと思ってらっしゃるんですか?」
その問いに創が頷く。
すると、
「あははははっ!!!」
彼女が声を出して笑った。
さすがにこの反応にはムッとして若干怒りの混ざった声で創は彼女に
「何がおかしいんだ?」
そう訊く。
すると、笑いすぎて涙目になりながら彼女はこう返す。
「あなたは、こんなにハッキリしている世界が夢だとおっしゃるんですか?」
彼女の問いに創は押し黙る。
確かに、夢にしてはハッキリしすぎていて、五感もしっかり働いている。
しかし、それだけでこんな世界を現実だとするのはあまりにも暴力的だろう。
立方体だけで形成された世界など聞いたこともない。
創が曖昧な表情をしていると、突然、
「もう、じゃぁこれでどうですかっ!!」
そういって、創を押し倒して馬乗りになった。
見た目と反して意外にも力はあるようだ。
しかしこの状況は、いろいろとよろしくない。
創が平静を装って……いや、装ってなど無いのかもしれないが、つまらなそうに
「………なに?」
そう短く言った。
その反応に心底驚いた様子で、
「えぇぇええ!!??こんな可憐な少女に馬乗りになられた反応がそれって……一、少年としてどうなんです?」
そう可憐な少女に騒がれる。
創は表情で鬱陶しいとハッキリ伝えるが、彼女は無視して、続ける。
「男なら、逆に押し倒すぐらいの勢いで積極て・・・ひゃぁぁあ!!?」
そして話の途中で創に突き飛ばされて甲高い悲鳴を上げた。
「ちょ、なな、何するんですか!?」
頭を押さえながら抗議する彼女に創は精一杯の笑顔で、
「あ?お望み通り押し倒してやっただけだが?」
そう告げた。
それを見て、完全にビビったのか、彼女は
「あ、はいすいません……」
とだけ呟いた。
「と、とにかく!!これで、夢じゃないってことがわかったでしょう?」
少しひきつり気味の笑顔で、目の前の少女が話す。
まぁ、確かに、夢にしてはあり得ないほど意識がしっかりとしている。
しかし、周りの景色からどうにも現実とは思いがたい。
俺は少女の問いに対して、とりあえず
「一応はそういうことでいいよ。」
適当に答えた。
すると少女は満足そうに頷き、説明を始めた。
「とりあえず!この世界は私が創った世界です!後ほど説明しますが訳あって創さんをこちらの世界にお呼びさせていただきました。ここまでで何か質問あります?」
「質問しかねぇよ。」
俺はとりあえず片っ端からわからないことを聞いていくことにした。
「まず、私の創った世界ってのはどういうことだよ?。」
まずはこれだ。先ほどから何度も耳にしているがまるで訳が分からない。
しかし、予想外に軽くとんでもない答えが返ってきた。
「あぁ。私、神様ですから。ちょっとした理由でこの世界を創ったんです。」
ーーん?ーー
「は?今神様…って…………。」
「えぇ、神様ですよ?……といっても、創さんが思ってるような大層なものでもないですよ?多分。」
眉をしかめる俺を無視して少女は続ける。
「ええとですね、創さんのいた世界には、神、と呼ばれる存在が、それこそ無数に、星の数ほど存在しています。もちろんその中には強大な力を持った神もいますが、大半がすぐに死んでしまうようなか弱いものです・・・・・。あぁ、すぐといっても300年程度ですよ?それで、私はどちらでもない、多少は力を持つ個体として生まれてきたのですが……。その………えと、じつは……神様ってやること無いんですよね………」
後半は途切れ途切れになりながらしどろもどろに蚊の鳴くような声で喋っている。
俺はパンクしそうな頭をどうにか押さえつけ
「それで?」
と彼女に続けるように促す。
すると、言いにくそうに、もじもじとしながら
「あの……世界を一つ……作っちゃいました。」
てへっとこぶしを自分の額に軽く当てて言った。
「えっと………………うん、……は?」
続きますよ。
最後まで閲覧感謝です。
彩風と申します!。
今回マイクラものを書かせていただきます。が…
皆さんが思ってるよりマイクラ要素の少ないものになるかもです…。
それでも良ければ。
ぜひぜひ次回もよろしくです。