・色々と崩壊
・ノロノロ更新
それではごゆっくりどうぞ!
そこに顔を出したブロックは……。
「これ……石炭か……?」
俺が疑問系で呟くと、
「そうです!これが石炭ですよ!」
横でユイが興奮気味に騒ぐ。
石炭鉱石ブロック。
木以上のツルハシで破壊した場合のみ石炭を落とす。
石炭は燃料や松明など色々な用途があり、これもこの《Mine craft》においてはとても重要なアイテムだ。
早速その黒光りする粒が点在するブロックへとツルハシを突き立てた。
数秒後、
《ポンッ》
相変わらず軽い音をたててブロックが跡形もなく消え、代わりに黒い粒が姿を現した。
「これは鉱脈が続いてそうですねぇ……!」
横でユイが嬉々として呟く。
ユイの言う通り、掘ったブロックの側面には同じブロックが張り付くように存在していた。
「じゃ、さっさと掘っちまうか………。」
俺はそのブロックも残らず回収した。
大分広く鉱脈が続いていたのか、掘った後は小さな洞穴のようになっていた。
「さすがにこの量を掘るのは大変だな……、っつうか、お前も掘れよ…見てばっかいないで………。」
俺が不服を漏らすとユイは
「そういえば『掘る』ってなんかいやらしくないd…」
紡ぎかけた言葉を途中で飲み込む。
「どうした?続けろ。」
俺がユイにそう促す。
ユイは額に冷や汗を流しながら
「あ、あの……できればその石剣を降ろしていただければなぁ………なんて……。」
「断る。」
当然のごとく俺がそう告げると、
「あ、はい……ですよね……。スイマセンデシタ。」
ユイは何故か顔を青くさせながら早口にそう言った。
俺が構えていた石の剣を降ろす。
それと共にユイはふぅ……と息をつくと、
「い、いつの間にそんな物騒なもの作ってたんですかぁ……。」
おぞましいものを見るような眼で俺の手元を睨む。
俺は数秒ほど空けて、
「あぁ、あれだよ。備えあれば憂いなしって言うだろ?」
飄々とそう言い放った。
「絶対適当ですよね!?今思いついてますよね!?」
ユイはなんだか必死の形相で抗議するが正直なにが言いたいのか分からない。
「ま、そんなことはどうでもいいんだよ。それより……。」
「そんなこととはなにか!?どうでもいいとはなにか!?」
突っかかってくるユイを無視し、今まで出来るだけ考えないようにしていたソレを口に出す。
「空腹が限界なんだが………。」
「………。」
俺の言葉にユイは押し黙る。
そして直後。
《グゥゥゥゥゥウウ》
盛大にその音は鳴り響いた。
女子ならば他人に聞かれたくない音トップ10に間違いなく入るであろうソレはそんな事実とは裏腹に、これでもかというほどの音量を出した。
やはり意識した瞬間体が反応したということだろうか。
だとしても何て単純な体しているんだろうか、こいつは……。
そんな風に考えていると…
「……。」
いつもなら減らず口の一つでも叩きそうなユイが黙り込んでいるのに気づく。
「おい?どうした……って…んなっ!?」
そこにいたのは涙目で腹部を押さえる一人の少女だった。
見た目はユイだが明らかにユイじゃない。
アレがこんなに女子らしい表情と仕草をするとは思えない。
「聞こえてるんですよぉ!さっきからぁぁ!」
すると目の前の少女がそんな風に叫ぶ。
どうやら思っていたことを口に出してしまっていたらしい。
俺は心の中で静かに『アレにたいして一瞬でも心が動くはずがない』そう言わなかったことに安心した。
「うぁあぁ!創さんのお嫁にいけないぃ……!!」
目の前の少女は一方的にそう叫んだかと思うと洞穴の隅に行き2×2の空間を作ったかと思うと周りを埋め立て、引きこもってしまった。
小さな部屋からはドタバタと何かが暴れまわる音と「ひにゃぁぁぁああああああ」というユイの悲鳴が聞こえてくる。
恐らく部屋の中でのたうち回っているのだろう。
「うわ………面倒っ………。」
俺は舌打ち混じりに呟くと、小さな部屋の前へと移動した。
そして神様の機嫌取りにかかる。
「おい?ユイ?大丈夫か?どうしたんだ?」
「白々しいですよぉ!聞こえたでしょ!」
どうやらさっきの腹の虫を聞かれたことが原因だったらしい。
まぁ、他に何があるんだという話だが……。
「あぁ……何か?アレだ。生理現象だから気にするな…。」
「ほらぁ!やっぱり聞いてたんじゃないですかぁあ!いやぁあ!創さんのお嫁にいけないぃ。」
さっき聞いたと決めつけてた割にはひどい言いようだな……。
「あぁ……じゃぁ、どうすりゃ機嫌直るんだ?」
面倒くさくなってストレートに尋ねる。
そして返ってきた答えは、
「……………じゃぁ、夫婦っぽく私は今日から創さんを『あなた』と呼ぶので創さんは私を『おまえ』と呼んでください。」
「え?厭だ。」
脊髄反射でそう答える。
まぁ、しょうがないか、反射には逆らえまい……。
「…………。」
「…………。」
沈黙が流れる。
「おーい?ユイーー?」
俺が声をかける。しかし返事はない。ただの屍なのだろうか?
「はぁ……。」
俺は気持ちを切り替えるためにため息を一つつくと、
その洞穴を後にした………。
日は沈みかけ、空は綺麗な茜色に染まっている。
きれいだ。
その一言に尽きる。
どうやらまた一日が終わるらしい。
本当にこの世界では時間が流れるのが早い。
早めに慣れないとな……。
洞穴に入り、入り口を木材で塞ぐ。
原木を木材に加工すると何故か4倍の数になる。
理屈ではないのだろう。
深く考えないことにする。
光が射し込まなくなった洞穴に松明で明かりを灯す。
何だか原始人にでもなったような気分だ。
丸石8つを使ってかまどを作る。
この世界では物を作るには、2×2の手元のマス、3×3の作業台のマスの特定の場所に特定のアイテムを置いて組み合わせることによって特定のアイテムをクラフトする必要がある。
まぁ、アイテムの『レシピ』があるということだ。
基本そのレシピは暗記しなくちゃいけないわけで昨日ユイに嫌というほど詰め込まれたせいで正直頭がパンク寸前だ。
まぁ、この手の記憶は苦手ではない。好きにはなれそうにないが……。
慣れない手つきでかまどに石炭と生の牛肉を放る。
ユイに昨日延々と説明されたとはいっても基本あいつの説明は雑である。
初見で道具を扱うというのはそう簡単に上手く行くものではない。
ま、何にせよこれでかまどの仕様はある程度理解した。
あくまで『ある程度』だが。
そんなことを考えているとかまどの火がフッと消える。
どうやら牛肉を8つ焼き終えたようだ。
かまどでは石炭一つにつき8つのアイテムを焼いたり精錬したりする事が出来る。
燃料は効率よく使うように努めよう………。
俺はかまどからステーキを取り出しインベントリへとしまう。
そして……。
「おーい神様ーー。」
棒読みで小部屋に向かって話しかける。
《ガタッ》
小部屋から音がする。
どうやら未だ中にいるようだ。
まぁ、いなかったら大分困るのだが……。
所在を確認できたらあとは………。
俺はツルハシを手に取る。
そして、遠慮容赦なくユイが立てこもっている小部屋を破壊し始めた。
唐突に開いた穴にユイが悲鳴を上げる。
「ひゃぁぁああ!?うっ…まぶし!?え!?え!?なに!?」
「五月蠅ぇよ。」
騒ぐユイに吐き捨てながら尚も壁を削っていく。
あっと言う間にユイを覆っていた壁の1枚は削り取られた。
「ひ、ひどい。私のうぉーるまりやが………。」
「なに寝言言ってんだよ。」
俺は呆れつつ言う。
「もういいんです、お嫁にいけなくなった私は創さんのことを想いながら老後を過ごします。」
頬を膨らませ膝を抱えて完全に拗ねている。
「そうです。もう私なんていらない娘なんです。たこのないたこ焼き同然なんで……………って…えっ!?」
ユイは目の前に突き出されたステーキを前に固まる。
色を持っていなかった眼も急に光を帯びた。
今にも涎が出てきそうに口元がゆるんでいる。
「餓死する前に食っとけよ。」
俺は無愛想に呟くと、ユイに向かってステーキを半分投げる。
ユイは檻に餌を投げ込まれたハイエナのごとくステーキへと飛び込むように身を投げた。
手に取ったステーキを見つめ、はぁはぁと荒い息をしながら………。
「た……たた、食べていいんですか!?」
涎を拭きながら俺に媚びるように尋ねてくる。
「ダメだ……って言いたいところだけど今も言っただろ?餓死する前に食えって……。」
俺が自分の肉をかじりつつ言う。
また引きこもられてしまっては面倒なことこの上ない。
「じゃじゃ、じゃぁ!い…い……いただきますよ!?」
「しつけぇよ……俺が食うぞ?」
「あぁ!食べます食べます!……いや、その後にその欠片をいただけるんでしたら申し分ないですけど……。」
「だぁ!もう……早く食えって。」
「そ!それじゃぁ…………。」
ユイはそう言ったかと思うとすぐに小さい口でステーキにかぶりつく。
そのままものの数秒で1つを完食してしまった。
「ふぅぅぅぅううう。生きかえったぁぁああ。」
「もっと落ち着いて食えよ………。」
俺が呆れて言うがそれを無視して、
「創さんがこれを?」
そう尋ねる。
「ゾンビ共がもってきた……とか言った方がいいか?」
「あぁ…………創さん照れてる~~?」
俺が皮肉るとユイはふざけるように言う。
素直に受け取るということが出来ないのだろうかこいつは……。
「にしてもよくステーキなんて作れましたね…さすが私の創さん飲み込みが早い。」
「あれぐらい出来なくてゲームなんかやれねぇだろ。」
自分の分の肉を食べて一息つきながら俺が言うと、ユイは
「なるほど、創さんはツンデレ属性持ちでしたか……嬉しい誤算ですよこれは……。」
いつものようにうへへと気持ち悪い笑みを浮かべる。
俺は突っ込む気分にもなれずにため息をついた後、外の様子を窺うことにした。
「いやぁ……ツンデレいいですよ……夢がひろがりんぐです!さっすが創さんです!」
………。
その前に食後の運動でも一つ………。
「痛い痛い痛い!!!。テキサスクローバーホールドとかきいてない!ひにゃぁぁああ!?」
俺はユイの断末魔を聴きながら快感に浸る。
「何で清々しい表情してるんですかぁ!!??ドSだぁ、この人ドSだああ!!」
広い広い空に悲鳴を轟かせながら夜は過ぎていった。
続きますよ。
どうも……彩風です。
えぇと……今回、更新が遅くなり誠に申し訳ない………。
次回からは今回のようにならないようにします!
創「この間の空き方は遅くなったっていうよか、停止してたって感じだろ……。」
彩「反省しています………。」
ユ「ありえないですわぁ……。私と創さんのらぶらぶでいずを執筆しないなんてどこか湧いてるんじゃないですか?」
彩「おまえそんな口悪かったっけ?」
ユ「創さんへの接し方と同じにしないでください。このロリコンが。」
彩「うっわ。今のは傷ついた。もう立ち直れない。」
創「お前等元気だな……。」
彩「とりあえず!次回投稿は今回のようなことにはなりません!」
それではまた次回お会いできることを期待しております!
閲覧ありがとうございました!