第1話 元の世界と今いる世界
その世界に住む人々は生まれながらにして理屈では説明がつかないような不思議な現象を自らの意思で引き起こす事ができた。
人々はその現象を魔法と呼んでいた。
使うことのできる魔法は個人によって違った
風を意のままに操ることのできる魔法
描いた絵に実体を持たせることができる魔法
どんな病気も完治させることができる魔法
この他にも便利な魔法があり人々は魔法を使い、とても裕福な生活をしていた。
ある時、この世界に生きる一人の少年が夢を見た、暗い世界で自分と同じくらいの年の女の子が泣いている夢。
少年は少女に泣いている理由を聞いた。
少女の話によると、どうやら少女は重い病気にかかっており、少女以外の家族もその病気で死んでしまったらしい、そして少女自身もいつ死んでしまうか分からないそうだ。
少年は、少女を助けてあげたいと思った。自分と同じくらいの歳の少女が泣いているのを見て黙って見ているだけなんて耐えられなかった。
それに、少年には少女を助ける為の力があった、少年が使える魔法、それは怪我や病気を治すことができる治癒の魔法だ。
この一見とても便利に見える魔法だが、少年はこの魔法が嫌いだった、この魔法を持って生まれたせいで今まで辛い思いを何度もしてきた、だがこの魔法を使えば助けられる命が今、目の前にある。
不意に少女が倒れた。
少年が少女に駆け寄ろうとするが
見えない壁にぶつかり少年の行く手を塞いだ。
少年はその壁を叩くが、鈍い音が響くだけだった。
だが少年は諦めずに、何回も何回も必死に叩く。
少年は何故自分がこんなに必死になっているのか分からない。
これは夢だと思っていた。
だが少年はこれを夢と思うことができなかった。
いったい何回叩いたのだろう。
手はうっすらと赤くなり少し腫れている気がする。
けれど少年は諦めずに叩き続ける。
そして遂にその時はきた、少年の行く手を塞いでいた壁が音をたて崩れ落ちる。
だが、それと同時に少年の意識もここで途絶えた。
……………………………………………………………
どこからか子供たちがはしゃいでいる声が聞こえる。
(うるさいなぁ…)
僕は眠い目をこすりながら起き上がろうとした、だがここでおかしなことに気づいた。
今、自分は硬い物の上にいる、ベットがこんなに硬いはずがない。
(ベットから落ちたのか…)
やれやれと思いながら僕は起き上がる、目を開けてゆっくりあたりを見渡すと僕はまたおかしなことに気づく。
「ここは…どこ?」
見覚えのない公園の少し古くなったベンチの上で僕は自分の身に起きたことが理解できずにいた。
ここはいったいどこなんだ?
(昨日は確か、疲れてて家に帰ってすぐ寝ちゃったんだよな…?)
昨日の自分の行動を思い出してみるが
何故自分がこんな公園にいるのか分からなかった。
不意にさっきまで見ていた夢を思い出した
暗い中、寂しそうに泣いている少女。
(彼女は一体誰だったんだろう?)
あんなに現実味のある夢を見たのは初めてだった。
(まさか、あの夢が関係してるのかな?)
僕はそう思ったが、すぐに
(そんなはずはないか)
と考え、ここで寝ていた理由をまた考え始めた。
少し考えたが謎は深まるばかりだった。
とりあえず自分が今持っているものを確認してみた
財布とケータイがポケットに入っていたが
ケータイは充電が切れていて、財布に入ってたお金も心もとない。
(どうしよう…ここがどこだか分からないから家に帰るすべがない…)
僕はケータイの充電を忘れていたことをひどく後悔した。
(しょうがない交番を探そう…)
僕は交番を探すために公園の出口を探した、あらためて公園を見てみると、ボール遊びをしている子供、ベンチに座っているおじいさん、犬の散歩をしているおばさんなど、いろんな人がいた。
(お、あったあった)
出口を見つけて僕はそこに向かって歩き出した、公園から出ると丁度道路を挟んだ向かい側に交番を見つけることができた。あいにく赤信号だったので信号待ちをしていると、ボールが道路に転がっていった、そしてその後を追いかけるように子供も道路に飛び出した、いや、飛び出してしまった、当然車側の信号は青、車は容赦なく子供に向かって進んでいく。
「あぶない!」
そう言うより早く僕の体は動いていた、子供のもとに走り手を掴んだ。
だが僕はまだ中学生だ、自分の力だけで子供1人を無理やり引っ張ることは難しい、だから僕は体を捻って、僕と子供の位置を入れ替えるように子供を歩道の方へ投げた、もちろん後のことなど考えていない、すぐ体に強い衝撃が走った、その衝撃で自分が宙に浮いたと感じたところで僕の意識はなくなった。
おはこんばんちは!
紅海兎というものです。
この小説を見てくださり本当にありがとうございます!
小説を読む側ではなく、自分が小説を書きたいという思いで書いてみた自分の初小説です。
まだ文章は拙く、大変読みにくいものになるかもしれませんが、どうかあったかい目で見守ってください。
更新は1週間以内で続けていく予定です。