Strike Witches -The Beast of Possibility-   作:金太郎ちゃん

5 / 5
原作には沿いますけど、所々にオリジナルストーリーを設置したいと思います。


第5話 思いの力

第5話 思いの力

 

リーネや宮藤と仲良くなり、2人との距離もだいぶ縮まった前回の出撃から数日、相変わらず訓練訓練の毎日ではあるが、それなりに慣れていき基地にいる皆との会話も増えていった。

訓練以外の時間では特にやることも無く、手持ち無沙汰な俺は宮藤達が夕食を作る手伝いをすることにした。

 

「しかし、宮藤は本当に料理が上手いんだな…この味噌汁なんてすごく俺好みだ。」

 

「えへへ、家に伝わる秘伝の出汁を使ってますからね!」

 

「男の胃袋を押さえられる女は強いからな、宮藤はきっといい奥さんになるよ。」

 

「え!?そんな褒めないでくださいよ!恥ずかしいじゃないですか…」

 

別に可笑しい事は言ってないと思うのだが、なぜ宮藤はあんなに恥ずかしがっているのだろう。

そんな俺と宮藤を眺めていたリーネは思い出したように話を切り出した。

 

「そう言えば2人とも聞いた?カウハバ基地が迷子になった子供の為に出動したんだって!」

 

「へえ!そんな活動もするんだ、すごいね!」

 

「そういう任務は隊員達にとっては意外と息抜きになったりしていいと聞いたことがある、宣伝にもなるし一石二鳥だな。」

 

「んもう陸さん夢がないですよ…でも、たった一人の為に皆が頑張るって言うのがいいんですよね…」

 

「でも、そうやって一人一人を助けられないと、皆を助けるなんて無理だもんね。」

 

「そうだね!」

 

リーネと芳佳のテンションが上がってゆく、配膳をしながらその微笑ましい光景を眺めていると不意に声が聞こえた。

 

「皆を助ける…そんなことは夢物語だ。」

 

振り返るとバルクホルンが陰鬱な表情をしながら料理を持って行こうとする。

 

「ん?どういう事だ?」

 

「すまん…独り言だ…」

 

しばらくして皆が集まり、一緒に食事を食べ始める。

しかし、バルクホルンだけいつもと違い食事に手を付けてなかった。

ルッキーニのおかわりを持って行きながら宮藤もそのことに気付いたのだろう。

 

「あ、あの…お口に合いませんできた?」

 

「おかわりはーやーくー!」

 

バルクホルンがほとんど食べずに食事を終わらせ食堂を後にする、さっき見た時からずっと陰鬱な表情をしており、気になった俺は食事を胃に流しこみバルクホルンを追いかけた。

食堂を後にする際、ルッキーニやペリーヌが何やら叫んでいたが気にせずバルクホルンの後を追いかける。

バルクホルンを追い格納庫にたどり着いた俺は椅子に腰掛け頭を抱え込んでいる彼女を見つけた。

近づくと俺の存在に気付いたのか、彼女がこちらを見上げる。

 

「何だ貴様か…私に何か用か?」

 

「バルクホルン大尉、今日はいつにも増して辛そうな表情をしてますね。」

 

この基地にきてから前の世界のこともあり彼女の事をよく見ていた、いつも深刻な表情をしており少しばかり心配もしていた。

印象は堅苦しい、如何にもな人物だったからそれが普段の彼女なのだと思ってそっとしておいた。

しかし今日の彼女は明らかに変だ、どこか辛い現実を目の当たりにした…そんな感じが彼女からはした。

 

「うるさい、お前には関係ないだろう…私のことは放っておいてくれ…」

 

「そうはいきません、自分もこの基地の人間になったのですから貴方は私の仲間です、仲間がそんな状態なのを放っておくなんてできません。」

 

「お前にどうこう出来る問題じゃない、頼むからこれ以上私に付きまとうな…」

 

頑なに拒絶している彼女となかなかコミュニケーションを取れないでいると、ミーナさんとハルトマン中尉が格納庫に入ってきた。

 

「あら、花時くんバルクホルン大尉に何かようなの?今から彼女とハルトマン中尉の訓練を行うところなのだけれども。」

 

「あっれぇー?陸ってばトゥルーデと一緒にこんなトコロにいてやらしーんだー!」

 

ミーナさんは俺がバルクホルン大尉に何かをしているのかと勘ぐっているのか、少しきつい口調で言い放ってきた。

ハルトマン中尉は茶化そうとしているのか、にやけながら俺の背中に飛び乗ってきた。

初めて名前を呼ばれたがえらくフレンドリーなハルトマン中尉に少しばかり困惑する。

 

「あの、ハルトマン中尉重いです…離れてください。」

 

「だめだよ陸!女の子に対して重いとか言っちゃ!」

 

「こらこら二人ともその辺にしておきなさい。」

 

そんな場面を見たバルクホルン大尉は溜息をついて訓練の準備に取り掛かった。

 

「なんだか今日のトゥルーデ様子が変だよねー」

 

ハルトマン中尉が耳元で話しかけてくる、陽気を装っているが内心はかなり心配している様な気がする。

 

「そうですね、自分が此処に来た時からどこか辛そうな雰囲気が出てましたけど…今日はいつもに増して負のオーラが出てますね。」

 

「まさか陸、トゥルーデに何か良からぬことをしたんじゃないよね?」

 

「そんな事してないですよ、バルクホルン大尉との会話なんてほんと数回で、しかもほとんどが挨拶程度ですよ?」

 

「そっかー…まぁいいや、後全然関係ないことだけど私のことはエーリカって呼んで欲しいな!んじゃ私も訓練行ってこよーっと!」

 

そう言ってハルトマン中尉は俺の背中から飛び降りストライカーの方に駆けて行った。

 

「わかりました、頑張ってきてくださいエーリカ。」

 

エーリカと呼ばれ少しくすぐったいのか、はにかみながらVサインをし、エーリカは空へと飛んでいった。

地上で2人の訓練を観察すると言うミーナさんについて行き、坂本少佐と合流した。

 

「バルクホルンのやつ、のれてないな…」

 

「えぇ、遅れがちね。」

 

「そうですね、訓練の時に別のことを考えているんでしょうか?」

 

「花時にはそう見えるのか?完璧主義のバルクホルンらしくない…次のシフト、外したほうがいいか?」

 

「エースが使えないと少し不安ね。」

 

「そうだな、他が使えるようになったとはいえ、火力が不足する…過労で体でも壊したのか?」

 

「いえ、花時くんが言うように何か気にかかっているみたい。」

 

「ん?」

 

「宮藤さんが来てから…」

 

「宮藤が?」

 

「あぁ、彼女似てますもんね…クリスに…」

 

言ってからはっと気付いた、俺がバルクホルン大尉のプライベートを知っているなんて彼女たちは知らない。

坂本は何やら一人で納得しているようだが、案の定ミーナさんの眉が釣り上がり詰め寄ってくる。

 

「貴方、なぜトゥルーデの妹さんの事を知っているの?彼女が貴方に話すとも思えないんだけど…まさか勝手に彼女の部屋に入って…」

 

ミーナさんの推理がだんだんと俺を犯罪者へと押し出していく。

このままではまずい、弁解しないと…

 

「いえ、今朝格納庫で彼女の独り言を耳にして…その時に妹さんの事も聞こえちゃったんですよ、それで何か悩みがあるのかと思って聞いたときに2人が来たんですよ。」

 

嘘だ、彼女は確かに独り言を言ってはいたが、そんなモノ聞き取れるはずもない。

ミーナさんの表情は険しいが、とりあえずは納得してくれたのだろう…「そう」と言って坂本と基地に入っていった。

2人の訓練が終わり、俺も自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、訓練上がりの2人とばったり出会ってしまった。

バルクホルン大尉の方は奥で掃除をしている宮藤を見ている。

 

「おぉー陸ーいいところに!お菓子ない?お菓子!」

 

「いえ、そんなモノ持ってませんよ。」

 

「えー!お菓子食べたい!お菓子お菓子お菓子ー!」

 

なぜこの少女は俺に対してこんなにフレンドリーなんだろうか?

方やバルクホルン大尉は「先に行く」と言ってどこかへ行ってしまった。

これはチャンスと思いさっきの疑問をエーリカにぶつける。

 

「エーリカ、どうして会って間もない人に対してそんなにフレンドリーに接することができるんだ?」

 

「ん?別に誰でもってわけじゃないよ?」

 

「じゃあなんで俺は?」

 

「ん~…なんて言うかな、陸はトゥルーデの事を心配してくれてるみたいだし、悪いやつじゃないかなーって思って!」

 

「そういうエーリカはバルクホルン大尉の事心配してるようには見えないけど…」

 

「あー!そんな事言っちゃうんだ?これでも結構心配してるんだよ?でもトゥルーデは大きなお世話だ!ってな感じだからなかなかね~」

 

「そうか…」

 

「それとね、やっぱり悩みとかって自分で解決するのが一番いいと思うんだ、どうしても無理で潰れそうになっちゃいそうな時には他の人の力を借りるのもいいと思うけど…」

 

「…エーリカは見た目には合わないぐらい大人だね、感心するよ。」

 

「なに~?惚れちゃった?胸は小さいけど大人な女性なのだよ私は!!」

 

そう言って胸を張る彼女だが、全く意味をなしていなかった。

彼女になら聞いてもいいか…?

 

「なぁエーリカ、バルクホルンの妹さんについて聞いてもいいか?」

 

「あれ?陸なんでクリスの事知ってるの?トゥルーデから聞いたの?」

 

「まぁそんなもんだ、バルクホルン大尉が極度の妹思いって言うのも知っている。」

 

「あぁーそうかも、あれは一種の病気な気がするね。」

 

「そうか…で、クリスはどうしているんだ?まさか…亡くなって??」

 

「亡くなっちゃいないけど…トゥルーデがカールスラントでの撤退戦の際に撃墜したネウロイの破片がクリスに当たっちゃってね…そのせいで昏睡状態になって今も目を覚ましてないんだ…」

 

「そう…か…」

 

「んじゃ私も行くね!またね陸~!」

 

そう言うとエーリカは走って行った。

今の話を聞く限りじゃバルクホルンの事だ、自分の責任にして自暴自棄になっているのかもしれないな…

 

「何とかしてやりたいな…」

 

「何がですの!?」

 

独り言を聞かれたみたいだ、恥ずかしい…そう思いながらも目の前にいるペリーヌを見る、頭が濡れているようだ。

 

「ど、どうかしたのか?ペリーヌ?」

 

「聞いてくださいまし!あんの豆狸が私の頭に床を磨いたモップを乗っけてきたんですのよ!?信じられます!?」

 

そう言いつつ彼女は詰め寄ってくる、まるで俺が起こられているみたいだ。

それになんだか…

 

「臭うからちょっと離れてくれ…」

 

「っあなた!女性に対して失礼ではなくて!?」

 

ペリーヌはすごくお冠のようだ、「ふんっ!」と怒りながら去っていった。

翌日、皆でお茶会を開き、宮藤に紅茶の作法を教えた後、いつもの3人で訓練に励み訓練が終わった夕方頃にミーナさんから皆に給料が払われた。

 

「陸くん、これがあなたの給料よ。」

 

そう言って渡された封筒には相当の金額が入っていた。

 

「こ、こんなにあるんですか…あ、ありがとうございます。」

 

「貴方にとってはここに来て初めての給料だから驚くのも無理は無いわ、ところで何に使うのかちょっと教えてもらえないかしら?」

 

「特に決まってないですね、あえて言うなら美味しい物を食べることぐらいでしょうか。」

 

「それなら安心ね、使い道にあれこれ言うつもりはないけど無駄使いはあまりしないでね、一応国から支給されたお金だから。」

 

「はい、キモに銘じておきます。」

 

その後部屋に戻り、しばらく自主鍛錬をした後寝るためにトイレ行こうと部屋を出たところで、バルクホルン大尉が会議室へ歩いて行くのが見えた。

気になり後を追い会議室に近づくとミーナさんと何か話をしているのが聞こえる。

 

「妹さんの事でも考えていたの?あれはあなたのせいじゃないわ。」

 

「いや、もっと早くネウロイを攻撃することが出来ていたらクリスを巻き込むことはなかったはずだ…」

 

「敵の進行を遅らせて街の人が非難する時間を作ったわ!」

 

「国を守れなかったのは事実だ!」

 

「…それはあなただけじゃないわ。」

 

「すまない…」

 

「そうだ、休暇も溜まってるし、しばらく休みをとったらどうかしら?お見舞いも行ってないでしょ?」

 

「その必要はない、私のこの生命はウィッチーズに捧げたんだ、クリスが知っている姉はあの日死んだ…次の作戦にも必ず出してくれ。」

 

そう言うとバルクホルン大尉は聞き耳を立てている俺のところまで戻ってきた。

もうすぐそこまで来ているので覚悟を決め、彼女と鉢合わせる。

 

「っ!貴様…今の話を聞いていたのか?」

 

「はい」

 

「っく…ここじゃ何だ、ついて来い。」

 

彼女について行き食堂に辿り着いた、何を話せばいいのかわからず気不味い雰囲気が漂う。

 

「単刀直入に言う、さっきの話は忘れろ…聞いた話全部だ。」

 

「…バルクホルン大尉はどうして妹さんのお見舞いに行ってあげないんですか?意識はなくてもまだ生きているんでしょう?」

 

「忘れろと言ったはずだが、聞いていなかったのか?」

 

「聞いていましたが、忘れることはできません。」

 

「…何様のつもりだ?私がクリスの所に行ったところで妹は目を覚まさない!!覚ましたとしても私はあの時妹を守れなかった自分を…」

 

「っそんなの関係ない!!!」

 

彼女のらしくない態度につい声を荒らげてしまった、しばらく無言の空気が過ぎ語りかける。

 

「…それでも、行かないと…妹さんの為にも、そしてバルクホルン…あなたの為にも。」

 

「どういう意味だ?」

 

「今のあなたは自分を捨て駒の様に扱っている!やめるんだ…こんな事を繰り返していたら心が壊れて人間ではなくなってしまう!」

 

「黙れ!クリスは私が落としたネウロイの破片で傷つき今も眠ったままだ!妹の様な人を出さないためにも私はひたすらネウロイを落とし続けなければならない!その為だけに生きて私は今ここにいる!」

 

あまりにも辛そうな彼女の表情に何も言えなくなる。

これ以上話すことも何も無いと言わんばかりにバルクホルン大尉は部屋に戻っていった。

彼女が部屋に戻ってすぐミーナさんが食堂に入ってきた。

 

「花時くん…」

 

「ミーナさん…俺、何も出来ませんでしたよ。」

 

「いえ、私の方こそ何も出来なかったわ…隊長失格ね、こんなのじゃ。」

 

「隊長は立派に仕事をこなしているじゃないですか。」

 

「そう言ってもらえると助かるわ…さぁ、もう時間も時間だし早く部屋に戻って寝てください。」

 

「わかりました。」

 

その後ミーナさんと別れ、部屋に戻って眠った。

そして翌日、新人3人に坂本とバルクホルン大尉を加えた5人での訓練を行うことになった。

 

「さて、今日は2機編隊、通称ロッテの訓練を行う、まずは私とリーネがペアを組み逃げるのでバルクホルンと宮藤がそれを追え、花時は私たちが終わってからやってもらうからな、しばらく時間がかかるから1時間ほどしたらここへ戻ってこい。」

 

「わかりました。」

 

4人が訓練に行き、午後のおやつ用に俺は食堂で揚ジャガイモを作っていた。

揚ジャガイモの匂いに釣られてかエーリカが食堂にやってきた。

 

「わぁー!陸なにそれ!?スライスしたジャガイモ揚げてるの?おいしそー!」

 

「あぁ、エーリカも食べてみるか?少し塩を付けて食べるとおいしいぞ。」

 

一口食べたエーリカは気に入ったのか満面の笑みを浮かべ食べている。

引き続き作っていると今度はシャーリーとルッキーニが食堂へやってきた。

 

「お?花時何作ってんだ?」

 

「揚げジャガイモを作ってるんだよ、二人も食べるか?」

 

「お!んじゃ頂こうかな、ルッキーニも一緒に食うぞ!」

 

「うん、芋食べるー!」

 

作ったジャガイモが次々と無くなっていく、このままじゃ俺の分までなくなるな。

 

「あんまり食べす…」

 

その時、サイレンの音が鳴り響いた。

 

「っ!?ルッキーニおやつは終了だ!格納庫に行くぞ!」

 

「らじゃー!」

 

途端に2人は格納庫に走っていった、一方エーリカは気にせずジャガイモを食べている。

 

「おい、出撃準備しなくていいのか?俺もすぐにあの2人を追いかけるぞ。」

 

「今、訓練に坂本少佐やミーナが行ってるからそっちが撃墜しに行くでしょ、大丈夫大丈夫!」

 

そう言うエーリカ、しかし俺はどこか不安な感じがしていた。

 

「よし、俺も出撃準備をしてくる。」

 

そう言って格納庫に向かった。

格納庫に着き、シャーリーとルッキーニを捜すとテーブルに置いてある無線機の前にいる。

 

「どうしたんだ二人とも?出撃はしないのか?」

 

「あぁ花時、私たちにはミーナ中佐から基地待機が命じられたよ、坂本少佐・ミーナ中佐・ペリーヌにバルクホルン、そして新人2人で迎え撃つんだから人では足りてるだってさ。」

 

「…俺は出撃します。」

 

「どうしてだ?待機命令が出ているのに。」

 

「わかりません、でも何か嫌な予感がするんです。」

 

「でもなぁ、命令されちゃったしな…」

 

シャーリーは考え込んでいる、そうしていると今まで何も話さなかったルッキーニが声を上げた。

 

「いいじゃん行ったらさ!!気になるんでしょ??」

 

「だがなルッキーニ、待機命令が出ているんだぞ?」

 

「シャーリー命令聞かないこと結構あったじゃん!気にしないでいいよ!」

 

「まぁ命令違反なんてこれが初めてじゃないしな、何かあったときはしらばっくれるから気にせず行け花時!」

 

「…ありがとう、行ってくる!」

 

ストライカーを履き、MG42と刀を持ち出撃準備を完了させる。

発進しようとしたときにシャーリ^ーが近づいてくる。

 

「そういえば花時のストライカーって初めて身近で見るな、今度もっと詳しく見せてくれよ!」

 

「わかった、じゃあ行ってくる!」

 

ストライカーに魔力を送りプロペラが高速回転する、今までと違う加速に少しバランスを崩しながらも何とか出撃した。

基地から飛び出した時に、ストライカーの出力に驚いたのだろう、耳に付けているインカムからシャーリーの声がする。

 

「なんだよあの出力!?今までの訓練でそんなスピードでてなかったよな!?今度絶対見せろよ!約束だぞ!!」

 

「あぁ、構わないが俺も今までこんな出力を出せたことがない、俺自身も驚いているんだ。」

 

NTDを発動して以来、このストライカーには驚かされっぱなしだ、通常時でもなぜか出力が上昇するときがある。

あの時宮藤博士から聞いた話では、まだ何か力を隠し持っているということだが、それと関係しているのだろうか。

そんな事を考えていると、戦場に近づいてきたのかインカムからミーナさんの声が聞こえた。

 

「花時くん!?基地からウィッチが発進したと報告があったのだけど貴方なの?!」

 

「はい、何か嫌な予感がして…バルクホルン大尉のこともありますから、バックアップとしてきました。」

 

「これは命令違反なのよ?早く基地に戻りなさい!」

 

「イヤです、もうすぐそこまで来ているんです。」

 

「あなたにはそれ相応の罰則をっ…トゥルーデ!!!!」

 

ミーナさんの声色が突然変わった、バルクホルン大尉に何かあったのか?

 

「花時さん、今すぐ援護に来て下さい!早く、じゃないとトゥルーデが!!」

 

「どうしたんですか、何かあったんですか?」

 

「トゥルーデが落とされたの!宮藤さんとペリーヌさんが救援に向かったのだけど、ネウロイが3人を集中砲火して…早くお願い!」

 

バルクホルン大尉が…落とされた?

ウィッチを守るとか言っていたのにこの様だ。

何も出来ない自分が腹立たしい。

もっと早く、もっと…もっと強く!

 

「俺に力を貸せ!Unicorn!!」

 

プロペラが消え、ストライカーの表面装甲がスライドし、隠れていたサイコフレームが赤い光を放つ、角が描かれている場所が左右に飛び出しストライカーの形が大きく変わる。

 

「待っていろ…ネウロイ!!」

 

プロペラの替りに現れたストライカーの底にあるバーニアから強烈な推進力を得て、今まのでスピードを凌駕する速さで目の前の戦場を目指す。

とてつもない気配に反応したのか、宮藤達を狙いながら坂本やミーナさんと交戦していたネウロイが俺にもビームを放ってくる。

 

「邪魔だ!どけええ!」

 

手にしたMG42でネウロイを撃つ、表面の装甲を吹き飛ばしていくがコアが見つからない。

 

「駄目だ花時!コアはもっと奥のほうにある!表面を剥がすだけじゃダメだ!一点集中しないと勝てないぞ!」

 

「坂本!バルクホルン大尉は無事なのか!?」

 

「無事とは言えないが宮藤が回復魔法で治癒している、それよりこいつを倒すことに専念するんだ!」

 

その時インカムから宮藤達の声が聞こえる。

 

「今治しますから!」

 

「私なんかに構わず、その力を敵に使え…」

 

昨日話した事は無駄だったのか?

この期に及んでもまだそんな事を言っているバルクホルン大尉に怒りを覚える。

 

「バルクホルン!よく聞け!お前の力で1人でも多く守り、救え!そして胸を張ってクリスに会いに行け!それが出来ないなら軍人なんてやめちまえ!!」

 

ネウロイの攻撃をシールドで防ぎながら、今までにないほどの声でインカムから彼女に怒鳴る。

今の声が彼女に聞こえたのかはわからないがバルクホルン大尉がMG42を2丁抱えながら飛翔してくる。

 

「うおおおお!!!」

 

女の子とは思えない咆哮と凄まじい弾幕でネウロイ装甲が吹き飛び、コアが露出する。

 

「吹き飛べー!!」

 

バルクホルンが銃を1つに持ち替えバットのように振り下ろすとネウロイのコアをたたき割った。

コアを失ったネウロイは白い破片となって辺りに飛び散り、バルクホルンはどの中で佇んでいた。

そこにミーナさんが近づきバルクホルン大尉の頬を叩く。

 

「何をやっているの!貴方まで失ったら私達はどうしたらいいの!?故郷も何もかも失ったけど、私たちはチーム…いえ家族でしょ!?この部隊の皆がそうなのよ、あなたの妹のクリスだってきっと元気になるわ、だから皆のためにも死に急いじゃダメ!皆を守れるのは私たちウィッチーズだけなんだから!」

 

「…ミーナ、休みをくれないか?妹の…クリスの見舞いに行きたいんだ。」

 

その後、新人3人とペリーヌで基地に戻るとエーリカにトゥルーデのお礼と抱きしめられ、ペリーヌには文句を言われながらも感謝された。

エーリカは宮藤にも抱きつき、じゃれついていた。

そしてしばらくしてからミーナさんとバルクホルン大尉、坂本が帰ってきて残存したネウロイはいないとの報告を受けたが、俺はどこか変な感覚を覚えていた。

そんな俺にバルクホルン大尉が話しかけてくる。

 

「あ、あのだな花時…あの時はありがとう、色々考えているときにお前の声が頭の中に入ってきてな…」

 

「いえ、大尉が良くなったのならそれでいいですよ、これからは無茶しないでくださいね?」

 

「あぁ…後、そのだな…大尉は別につけなくていい。」

 

「っえ?」

 

「だから!バルクホルンで良いと言っているんだ!」

 

「あっれぇ?トゥルーデが陸に迫ってる!!」

 

「こ、こらハルトマン!いい加減なことを言うな!!」

 

そう言うとバルクホルンはエーリカを追いかけ、格納庫を2人で走り回っている。

捕まえるのを諦めたのか、バルクホルンが近づいてくる。

 

「全く…あいつには困ったものだ。」

 

「あれでも結構心配していたんですよ?」

 

「そうか、私は愚か者だったんだな…」

 

「いえ、気づけたならもう大丈夫ですよ、同じ間違いをしなければいいだけです。」

 

「そうか、ありがとう…」

 

いつの間にか格納庫には全メンバーが集まっており、思い思いに話し合っている。

女の子の空間に居づらい俺は外に出ようとし、1歩を踏み出した瞬間、唐突に頭痛がし頭を押さえる。

その仕草にバルクホルンが心配そうに話しかけてくる。

 

「どうした花時?気分でも…」

 

「何か、違う…っネウロイ?皆!何かが来ます!!!」

 

その直後サイレンが鳴り響く、不安が増大していく…危険な感じがする。

 

「全く、今日のネウロイはやけに必死だな、私が行って一捻りしてくるか。」

 

「っ駄目だ!バルクホルン!皆で挑むんだ、なんでかわからないけど…危険な感じがする!」

 

バルクホルンの言葉に警笛を鳴らす、今からくる敵がなんなのかわからないが、きっと厳しい戦いになるだろう。

頭の中に浮かんできた形は、4つの羽を持つネウロイの姿だった。

 

...to be continued->>>

 

 

 




「坂本美緒だ、今日はなぜこうネウロイが連続でくるんだ…しかも人型?何だあのネウロイは!?」

「次回、ストライクウィッチーズ…<黄昏時の死闘>」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。