孤独な少年 作:スカル
プリキュア達が入った部屋は、これまで入ってきた部屋とは全く違った。大きい部屋の中に入ってまず目に入るのは横にずらりと並べられたバイクや車だ。ほとんどが変わったフォルムをしており、その種類は多種多様である。壁や机にはベルトや缶、ミニカーやディスクなどが所狭しと並べられていた。奥には作業台がありコンピューターや工具などが置かれていた。
「うわぁー、ここ何なんだろう?」
「秘密基地みた~い!」
部屋に入ったプリキュア達はそれぞれ探索を始める。
「見て下さい。このバイオリンとても素晴らしいですわ。」
「本当ね、とても見事なバイオリンだわ。」
「バイオリン?見せて見せて!」
プリンセスプリキュアの面々は、奥でバイオリンを見つけていた。その光沢や艶を見て、感嘆の声を上げていた。
「これは、指輪かしら?」
「奇麗な宝石ですね~。」
「のぞみ、絶対に落としちゃだめだからね。」
「大丈夫だって、りんちゃんは心配性だな~。」
Yesプリキュア5の面々は机に置かれている様々な指輪に興味を引かれていた。
「これは、トランプ?」
「変わった絵柄ですわ。」
ドキドキプリキュアの面々は変わった絵柄をしているトランプを見ていた。
『おい!お前ら一体誰だ!』
そんな時、壁に掛けられていたバイオリン型の巣箱の中から蝙蝠に似た体形を持つ小型のモンスターが出てきた。
『君達、何をしているのかね?』
そして、机に置いてあるベルトにも顔が表示され喋り始めた。
「な、何なの?」
「ベルトが喋った?」
突然の事に何人かは動揺しているが、適応能力が驚くほど高いプリキュアは珍しそうに近づいていった。
「こんにちは蝙蝠さん。あたしはキュアハート。貴方の名前は?」
『俺か、俺はキバット族の名門・キバットバット家の三代目キバットバットIII世だ。キバットと呼んでくれ。』
「そうなんだ。よろしくねキバット。」
「私はキュアピーチって言います。喋るベルトさん貴方は何て名前?」
『私はクリム・スタインベルト、通称ベルトさんだ。』
「よろしくベルトさん。」
驚くほどこの環境に順応している。
『それで、結局お前たちは何なんだ。』
キバットが疑うように尋ねる。その質問にプリキュア達はどうしたものかと顔を見合わせる。自分たちの正体は基本的には秘密なのだ。正体を喋っていいものかと悩む。
『やはり侵入者か。よくここまで辿り着けたものだ。』
「いや、私たちは。」
『問答無用だ。シフトカー集合!』
ベルトさんの声に合わせて、シフトカーが動き出した。
『お前らも行けー!』
キバットの声で、ディスクアニマルやゼクター、カンドロイドやゴーストガジェットが一斉に動き出した。
「うわっ!何々?」
「いやああああああああ!虫ーー!」
「タコーー!キャーーー!」
「マーチ、落ち着いて!」
「ベリーも落ち着いて!」
あっという間に部屋は大混乱になった。その時、奥に続く部屋が開き誰かが出てきた。
「何やってんだお前ら?」
それは、この現状を見て呆れている亘だった。