孤独な少年 作:スカル
まだ朝早い公園で、掛け声と手拍子が聞こえる。踊っているのは桃園 ラブ、蒼乃 美希、山吹 祈里、東 せつなの四人である。その近くでは、暗道亘がその様子を眺めている。
「一、二、三、四、五、六、七、八。」
踊る彼女達は、中々上手い。それもそのはず、彼女達は元いた世界ではダンスユニットクローバーとしても活躍しているのである。ここ最近は、東 せつながラビリンスをしあわせな世界にするために帰郷していたためダンスの特訓は中々できていなかったが、この機会に練習を再開したのである。
「ふー、ちょっと休憩。」
桃園 ラブは座っている亘の傍へとやって来る。
「亘さんどうでした私たちのダンス。」
「とても上手かったよ。だが、久しぶりに特訓を始めたんだったらあまり無理をしない方がいいぞ。無理に踊ったら、怪我で暫く動けなくなることもあるんだからな。」
適切な指示に、彼女達は感心する。まるで彼自身がダンスに精通しているみたいだ。
「もしかして、亘さんダンスをやってたんですか?」
「少し教わっただけなんだけどな。」
「良かったら少し見せてくれませんか?」
「私も見てみたいです。」
「あたしも見てみたいわ。」
「私も見せてもらいたいです。」
残りの三人も彼女の意見に同意した。
「じゃあ、少しだけな。」
俺は、端末を取り出し音楽を掛ける。曲は〈JUST LIVE MORE〉だ。
歌に合わせてステップを踏み、バク転や激しいブレイクダンスのような動きもする。少しと言ったが、俺は全力で踊った。曲が終わり最後のポーズを決めると、彼女達は拍手をしながらこちらにやってきた。
「凄いですよ亘さん。物凄く上手でした。」
「凄いんですね亘さんって。」
「悔しいけど、亘さんって完璧だわ。」
「一体誰にダンスを教わったんですか?」
「それはちょっと言えないな。」
ダンスを教えてくれたのは、”葛葉 紘汰”である。トレーニングルームで仮面ライダーは戦闘以外の色々なことを俺に教えてくれた。ダンスはその一つである。
「そんじゃあそろそろ、帰りますか。」
「そうですね、私達もこれからの練習頑張ります。」
だが、こんな早朝からトラブルはやって来る。朝霧の中から、大きな怪物がこちらにのっしのっしと歩いて来た。体は筋肉質な男の物だったが、頭はカラスだった。
「クウェーーー!朝からこんな御馳走に在りつけるとは俺もついてるな。」
「その逆だぞ俺は思うぞ。」
俺は彼女達を背に守りながら懐から戦極ドライバーを取り出し腰に装着した。
「変身!」
『オレンジ!』
俺は仮面ライダー鎧武に変身すると、相手に向かって飛び掛かった。