孤独な少年 作:スカル
俺は、朝食を用意している部屋に全員を案内した。中には、既に食事をしている不思議な生き物が多くいた。
「なぎさ、おそいメポ。」
「何でか分からないけど、ここの食事食べられるミポ。とっても美味しいミポ。」
「このシュークリーム美味しいココ。」
「ピーチはん、ベリーはん、パインはん、パッションはん、このドーナツめちゃくちゃ美味いわ。なぁシフォン?」
「プリプー!」
「このカップケーキ美味しいニャ。」
「エクセレン、見事な紅茶だわ~。」
この生き物達は、彼女たちより早くに目覚めていた。話を聞こうかとも思ったが、お腹が空いている様子だったので、先に朝食にしたのだ。ちなみに、食べたい物の要望は可能な限り引き受けた。朝からどうなんだと思うような甘いお菓子の要望もあったが。
「メップル、もう心配してたんだからね。」
「いいなータルト、私もドーナツ食べたいなー。」
口々に何かを言いながら不思議な生き物に寄って行く。
「朝食は、沢山作ってあるから、好きなものとって食べろよ。」
そういうと、俺は紅茶を入れて一息つく。朝食は和食と洋食どちらも用意しておいた。さすがに、この量を一人で作るのには沢山時間を使ったが、今更だ。
「ええんか、この人信じて。」
「私は大丈夫だと思うよ。悪い人じゃないみたいだし。それにもう、なおちゃんが食べてるよ。」
「美味しー、こんなに美味しい朝食初めて。」
「って、もう食べとるんかい!」
その様子を見て皆笑いながら食事を始めた。俺の作った食事は中々評判が良いらしく、ものの数十分でぺろりと平らげてしまった。特に、緑色の髪をした少女の食べっぷりが凄かった。食べ終わった女の子達と不思議な生き物達をこれまた大きな応接室に通して、彼女たちの話を聞くことにした。
「早速で悪いのですが、ここは一体何処なんでしょうか?」
一番年上だろう、眼鏡をかけた黒い色の髪をした人が質問してきた。
「何処って言ってもな、ここは俺の家だ。あんた達が庭に突然降ってきたから、放っておけずに家に入れただけだ。それより、何でこの家に降ってきたんだ?」
「それは、私たちも気が付いたらここに居たので詳しいことは何も……。」
「経緯は大体分かった。」
俺は、立ち上がり部屋を出ようとする。慌てて、女の子たちが止めてきた。
「ちょ、ちょっと待って下さい。一体何処に…。」
「学校だよ学校。もうすぐ登校時間なんだよ。」
俺は、バンドを外し髪を解く。すると、一気に容姿が根暗で暗い印象に変わった。
「話は帰ってからもう一度聞く。昼食も、冷蔵庫に入れてあるから勝手に食べてくれ。暇なら、地下一階に蔵書室があるから勝手に使ってくれ。それと、外には絶対に出るな、良いか絶対にだぞ。面倒なことになる。」
念を押して言う。その気迫に押されて、彼女たちは思わずうなづいた。
「あぁそれと、地下二階にもなにがあっても入るなよ。それだけだ。」
部屋を出ようとすると、先ほどの人が再び話しかけた。
「それでは、最後に一つだけ。何故貴方は、私たちを助けてくれたのですか。」
その目はとても真剣だった。
「ただ放っておけなかった。それだけだ。」
俺は、そう言って扉を閉めようとするが、今度は背の低い青い髪の少女が呼び止めた。
「ちょと、待ちなさいよ!まだ名前聞いてないんだけど。」
「暗道亘(あんどうわたる)だ。」
そして、今度こそ扉を閉めた。