孤独な少年 作:スカル
通学路を歩きながら、これからの事を考える。彼女達は俺の感では、この世界の住人ではないと思う。だが、元の世界に返してあげられるかどうか、全く分からない。俺が持っている特典の力をフルに使うことになるかもしれない。どうして、ここまで彼女たちの事を考えているか分からないが、どうやら俺は自分で思っていたよりもおせっかいな性格なのかもしれない。
『いいのか、お前にとって何一つ利点は無いのだぞ。それに、面倒なあいつらがまた関わってくるかもしれないのだぞ。』
「そんな事、分かってるよドラゴン。」
俺は、自分の中のウィザードラゴンに話しかける。
「だから外に出ないように忠告しておいたんだよ。あいつらも、家の中までは入ってこないからな。」
『フッ、あいつらがその忠告を守ればいいがな。』
「不吉な事言うなよ。」
俺は傍から見れば独り言を呟いてる様にしか見えない状態で自分が通う学校、ミョウジョウ学園に辿り着いた。この学校は基本全寮制だが、近くから通っている生徒もいる。俺は、そんな生徒の一人だ。近くには他の学校も在るのだが、ある理由でこちらの学校にした。俺が居るのは10年赤組だ。教室に入ると、席に座り顔を伏せて眠りだす。昨夜、徹夜である事に没頭していたのでほとんど寝ていない。彼女たちの朝食も作らなければいけなかったので、いつもより余計眠たくなっている。幸いにも、このクラスの担任は俺が眠っていても何も言わない。良い先生である。本来なら注意されるのだろうが、俺はテストや模試の学年成績が常にトップなので特に何も言われない。おかげで、殆どの生徒に嫌われているようだが。目が覚めると、既に昼休みでほとんどの生徒が居なかった。俺は、プチメロンパンとプチアンパンを購買で買うと屋上に向かった。ここに生徒は一部例外を除きほとんど来ないので、静かに過ごすことが出来る俺のお気に入りの場所である。寝ころびながらパンを頬張る。
「あっ、今日も居るんですねー。」
言ってる傍から、その例外がきた。彼女は、一ノ瀬晴。ここ最近、俺がここで食事をしている時に何かと話しかけてくる天真爛漫と言った言葉が似合う女の子である。彼女とは、このプチメロンパンとプチアンパンの事を教えてからの仲だ。最初に名前を教えてしまった事をとても後悔している。
「このプチメロンパンと、プチアンパン教えてもらったとおり美味しいです。」
横に並んで話しかけてくる。俺が何も言わなくても、ただただ話しかけてくる。
「あっ、そうだ。晴のクラスもうじきクラスメイトが揃うんですよ。」
彼女は少し前に転校してきたばかりなので、まだクラスメイトが全員揃っていないのである。全て、彼女が話した内容であるが。
「晴、一杯友達をつくりたいです。亘君と友達になれたみたいに。」
そう言って、立ち上がる。
「それでは、晴は用事があるのでこれで失礼します。」
立ち上がった時何かが落ちた。彼女は気が付いていないようだ。
「ちょっと待て、何か落としたぞ。」
俺はその落とし物を拾うと、彼女に近づく。それは、一枚の白鳥を模したモンスターのカードだった。
「あっ、すみません。良かった、これとっても大事な物なんです。小さい頃に、もらった物で晴のお守りなんです。有難うございます。」
彼女は礼を言うと、校舎の中に入っていった。
「まさか、彼女が……。」
俺は持ち歩いているカードケースの中から一枚のカードを取り出した。それは赤い龍の姿をしたモンスターのカードだった。そのカードを見て、俺は小さい頃ミラーモンスターが気に入った13人の少女にそれぞれカードを渡したことを思い出す。そんな俺を見守るように校舎のガラスから赤い龍、ドラグレッダーが覗いていた。
『グガァァァーー!』