孤独な少年 作:スカル
俺は変身を解除すると、さっきの面々に近づいていく。何人かは、俺に怒られるんじゃないかと少し不安そうな表情をしていた。
「ここら一体には、さっきの奴みたいな変人が多くいる。あんまり無暗に出歩くなよ。とにかく無事でよかった。」
思ったよりも怒らない亘の様子に首を傾げる面々。
「あのっ、勝手に家を出てしまって本当にごめんなさい。悪いのはあたしです。この辺りのを事を知りたくてつい…。」
「別にもう気にしてねえよ。ただし、もう勝手に外を出歩いたりするなよ。」
「はい!」
「あと、買い物して帰るから荷物運び手伝ってくれ。どうせ、道に迷って帰れなかったんだろ。」
ジト目で見るとばつが悪そうな顔をした。
「あはは、すみません。」
俺は近くのスーパーで大量の食品を買い込むと、バイクの後ろに乗せて残りを皆に持ってもらった。帰る道中、それぞれ名前も教えてもらった。黄瀬やよい、と言う少女がさっきからしきりに質問してくる。
「亘さんって本当のヒーロー何ですか。凄いです。」
「ヒーローなんてそんな大それたもんじゃない。」
俺は、少し暗い声で話した。
「さっきのを見ただろ。俺は人を輪廻の輪に戻しちまった、ただの人殺しだよ。」
「そんな事ありません。」
彼女は声を荒げてまくしたてる。
「私たち、あのまま亘さんが来てくれなかったら、きっとひどい目にあってたと思います。」
黄瀬やよいは、あの少年の自分達を見る目が普通じゃないことに気が付いていた。他の面々も同じである。そのせいか、亘が変身して立ち向かってくれた時は本当に嬉しかったのだ。
「私、亘さんに本当に感謝してます。亘さんは決して人殺しなんかじゃありません。」
「わたくしも同じ意見ですわ。」
「あたしもあの子を見ても全然キュンキュン来なかったよ。」
「私も。」
「あたしもかな。」
「私もそう思います。」
その様子を見て少しだけ胸が軽くなるような感じがした。
「ありがとう。」
少しだけ微笑んでお礼を述べた。その笑みを見て、皆顔を真っ赤に染めていたが、亘自身は全く気が付いていない。
「ちょっと、のぞみにはココが居るでしょ。」
「そうなんだけど、あーもーどうしたらいいかわかんないよ。」
「のぞみさん落ち着いて下さい。」
「亜久里ちゃん顔が真っ赤だよ。」
「そう言うマナこそ、トマト見たいです。」
「うぅー。」
何か小声で話しているが、全く聞き取れない。とりあえずは、家に帰るとしよう。
「早くしないと、日が暮れちまうぞ。」
そう言って、先に歩く俺の後を六人が追ってきた。