やっと書き終わりました!!と言う割には中身が薄いんですけどね。
次の投稿はいつになるやら
「ふぅ、ただいま……かな?」
前回見た時と変わらない懐かしい光景である。まあ、こちらでは5日しか経っていないのでそれも当たり前であるのだけど。
[ここがマスターのお家ですか。……なんだか暗くて陰気くさいところですね。それに狭いですし。]
昔の従順だったころの面影はすっかり消えてしまったよ。昔はもっと可愛げがあったはずなのに。
[む、マスターが何か失礼なことを考えてる気がする。]
「ソンナコトナイヨ。」
120年間溜め続けたデータは伊達ではない。今ではこんな風に読心術まがいのことまで出来るんだよ。何か対策をせねば!!
[まあいいでしょう。そんなことよりもこの部屋から出るのが先ですしね。]
「はいはい。ほなさっさと出よか。」
懐かしの隠し扉である。前の時は重すぎて大変だったなぁ。
――キィ――
「ははっ。」
[何急に笑ってるんですか?気持ち悪いですよ。]
マスターなのにひどい言われ様である。もうちょっと優しさを……。いや、別にいいじゃないか。以前は重くてなかなか動かなかったもんが、今ではすんなり動くんやで。そら、ちょっとぐらい笑いがこぼれてもさぁ。
[へぇ、本棚の裏側にあるんですね。なかなか雰囲気出てるじゃないですか。]
「まあ確かにな。そうは言うてもこの家用意したんはスミスさんやしな。完全にあの人の趣味やろ。」
[おお、隠し扉の割にはちゃんと本が入ってる。これ、絶対重いですよね。]
「せやなぁ。最初入る時は苦労したな。」
[マスター。この部屋ちょっと埃っぽくないですか?]
「まあ5日もほったらかしやったしな。埃ぐらい溜まるやろ。けど、掃除はせなあかんな。」
[マスター頑張れー。主に私の快適な暮らしのために。]
「はいはい。」
このデバイスは何様のつもりなのか。まあ、これも120年間で確立された、一種のコミュニケーションとでも思っとこう。
「さて、ここは影分身使ってさっさと終わらそか。忍法・影分身の術」
――ボフッ――
この印を結ぶのも慣れたものやな。今じゃ一瞬で終わるしな。一般人からすれば、今何かした?てなもんだ。
「よし。それじゃあ3人は下掃除。残り二人は2階のこの部屋ともういっこの部屋な。俺は隠し部屋の掃除してくるわ。」
「了解。」
[相変わらずこの忍術ってやつもずるいですよね。先ず魔力反応とか出ませんし。]
「まあ、使っとるもんが魔力やのうてチャクラやさかいな。管理局とかに感知されへんっちゅう点では便利やよな。」
[まあ、そのほとんどが危なくて、使いどころがないような気もしますが。]
「それは俺の力量次第かな。っと、無駄話してんと、さっさと掃除しよか。」
[きりきり働きやがれですぅ!!]
「……1年間メンテなしな。」
[そ、それだけはご勘弁を!!]
そう言いあいながらも、二人は笑っていた。いや、デバイスには表情がないので、雰囲気から感じ取るしかないのだが、きっと笑っているのだろう。なぜなら、主である空也が笑っているのだから。
数十分後、掃除を手早く済ませ、影分身を消して昼食――と言っても冷凍食品のパスタやねんけど――の用意をし。それを食べて片付け、歯を磨き、顔も洗って外出用の服にも着替えた。そして今は、家からさほど離れていないところを散歩している最中である。
『マスター、わざわざ出歩かなくてもサーチャー使えばいいじゃないですかー。寒い……。』
『こういうのは自分で見て回るのがええんや。それに、近場のスーパーも見て回らんとあかんしな。節約は1日にしてならずや。』
主婦たちの激戦区、大阪で培われた節約術。その真髄を見せてやろうではないか!!ふははははは!!
『マスター、笑顔がキモいです。』
『最近、うちのデバイスが反抗期な件について……。』
お、俺の豆腐メンタルではこの暴言に耐えきれない!!く、確かにイケメンではないけどもな!!別にブサメンでもないわ!!フツメンや!!
『何言ってるんですか。元からこんな感じですよ?』
『ンなわけあるか!最初は俺のボケにも困惑するような可愛い奴だったのに……たった1話分で何が起きたんだ!』
『はいはい、そういう発言は控えましょうね。』
『くっ、冷たくあしらわれた。』
『たまに思いますけど、マスターってMですよね……。』
『違うぞ!断じて違う!!』
俺はMやない。絶対にや!!……ホントダヨ?ウソジャナイヨ?
『さて、散策再開するぞー!!』
『逃げましたね。ヘタレです。』
「よし、先ずは近くのスーパーに行こか。」
逃げる?何の事かよく分からへんなー?まったく、家のデバイスは何を言ってるんだか……。
『フィニス、案内よろしく。』
『はいはい、しょうがないですね。マスター、行きますよ。』
『はいはいっと。』
「今、スーパー5歳児空也君による。スーパーへの旅が、始まったのであった。つづく……。」
「どうしてこうなった……。(小声」
フィニスの案内の元、近くのスーパーを順調に巡ること3軒。今来とる店が最後だったりすんねんな。こういうものは遠い方から行くと決めとるさかい、今居るスーパーは家から一番近い。徒歩5分と言ったところかな?
前2軒のリサーチは済んどるし、この3軒目もすんなりと終わる、かに思えた。せやけどそうは問屋がおろさんかった。現実とはまさに非情である。
目の前にいるのは少女。松葉杖をつきながらこちらを見ている少女。茶色い髪をした、何処となく狸を彷彿させるような少女。その名も八神はやて(仮)。
オーマイガットトゥギャザーである。いや、自分でも何言ってんのか意味わからんけど。
よし、一度冷静になろう。今俺がいるのはお菓子売り場。右手にはチョコボール。後ろには通路。前にはやたらとこちらを凝視している八神はやて(仮)。
よし、まったくもって意味が分からん。なんで俺は凝視されてるんや!!ええい、そこの豆狸!!ちらちらと俺の右手を見るんやない!!……右手?右手には、チョコボール。期間限定発売の抹茶ミルク味のチョコボール。イメージキャラクターであるチョロちゃん(ぎりぎりセーフ)も、いつもとは違って緑色である。因みにこの鳥モドキ。ジェットストリームアタックと言う必殺技を持ってるらしい。……踏み台にするのか?いや、白い悪魔(注:魔砲少女ではない。)は出てこないはずだし、問題は無い。
まあ、右手をちらちら見る、と言うことはこのチョコボールに原因があるんやろう。
さて、このチョコボール。先ほど言ったように期間限定の抹茶ミルク味である。そういえば、前2軒に行ったときにはどちらでも売り切れていたような。つまり人気があるということやね。そして、この店に関しては俺が持っとるのがラストワン。つまり、このチョコボールさえ渡してしまえばこの場は乗り過ごせる!!
「はやてちゃん。お目当ての物はあったの?」
はい、ここで母親らしき人が召喚されちゃいました!!しかも“はやて”だってさ。これ、決まりじゃね?よし、ここはさっさと渡して退散すべし。
「あの、もしかしてこれが欲しかったりします?」
「……コクリ。」
八神はやて(仮)は無言でうなずいた。そしてその後ろには少し困ったような顔の母親?よし、渡せば終わり。終わりだ。
「そしたら、はいどうぞ。」
「え?」
「やる。これが欲しかったんやろ?」
「せやけど、これ最後の一個やし……。」
おい、八神はやて(仮)よ。遠慮してるような言い方はしとるけど、目が輝いてますよー。期待でいっぱいいっぱいになってますよー。
「別にええよ。次の機会にでも買うから。」
「えっと、ありがとう。」
ふぅ、やっと受け取りよった。よし、後はさっさと撤退するべ。
「あの、私、八神はやて言います。」
はい、決定。この子は八神はやて!!原作主人公ズのひとりであります。さっさと撤退するであります!!
「そうか。ほんなら俺はもう帰るさかい。達者でな。」
さらば、八神君。君のことは忘れない。忘れようもないんやけどな。
「あの!」
「はい?」
「自己紹介しました。」
「うん。したね。」
え、まさかこの子。名乗ってほしくば先ずは自分から!!を実践しようとしてるわけやないよな?
「せやから!……自己紹介、してください。」
Oh、まさかまさかのそのまさかだったネ。おいちゃん、びっくりネ。
「えっと、した方がええん?」
「……。」
八神はやての無言のプレッシャー!!いや、どっちかと言うと黒いまなざし?なんだか逃げれない気が……。仕方ない。ここは覚悟を決めよう!
「えっと、俺は山本空也。」
「山本……空也……。」
「よかったなぁ、はやてちゃん。ああ、私はこの子の母親です。お菓子、譲ってくれてありがとうな。それでね、ちょっと聞きたいんやけど。」
嫌です。帰りたいんです。家に帰ってゴロゴロしたいんじゃぁ……。
「もしかして、君のお家ってここから近かったりするんかな?」
「なんでそんなこと聞くんですか……?」
あやしい。ひじょーに怪しいぞ。怪しいにおいがプンプンするぜ!!
「ああ、別に変な事しようってわけやないんよ。ただ、お礼にちょっと家に寄って行かないかってだけの話。」
「……遠慮させていただきます。」
わーい、面倒事が加速しそうな雰囲気だぁ。早く逃げないとぉ!!
「では、俺はこれで。」
よし、さっさと消えよう。趣味の時間をつぶすわけにはいかないでござるよ!!
――ガシィ!!――
「あ、あの!」
ナニガオコッタ?オレノミギテガツカマレテ、ヒキトメラレテイル?タッタ5サイノショウジョニ?ソンナバカナ……。
『へっへーん。その疑問には私がお答えいたしましょう。実はですね。マスターの能力制限を強くしちゃいました!』
『ちょっとちみー。何やってくれちゃってんのさ。そんなことしたら逃げれないじゃん!!』
『ふっふっふ。こんな面白そうなイベ……じゃなかった。マスターに異世界初の友達が出来るようにお手伝いしてあげてるんじゃないですか。』
『今絶対面白そうとか言った!!』
『まあまあ、そんなことは気にしなくても。ほら、美少女とお友達になれるチャンスですよ。』
『おいおい、この世界にはもう一人転生者が居るんやで、しかもめんどくさそうなのが。絡まれるのは御免でござる!!』
『ほら、最悪の場合、相手の記憶消すとか、催眠をかけるとかでどうとでもなりますよ。』
『うちのデバイスが黒い件について。』
「あの……。」
「ん?何や?」
「あの、ちょっと家でお話でけへんかなぁって……。」
「美味しいお菓子もあるわよ。」
『うわぁ、なんか誘拐犯のセリフみたいですね。まあ、流石にお菓子でつられるような人はいないと思いますけど。』
「ぜひ行かせてください!」
『マスター……チョロすぎやしませんかね?』
チョロい?何の事だか。べ、別にお菓子につられていくわけじゃないんだからね!寂しそうな女の子の話し相手になってあげるだけだもんね!!
……うん、見た目がまだ子供だから許されるけど、正直キモいわ。18にもなる男が“もんね”って……。
「ふふふっ、それじゃあお会計済ませてくるからちょっと待っててくれるかな。」
「はい。」
どうせ行くなら遠慮はしないぜ!!待ってろよ、美味いお菓子!!
「さて、着いたわよ。ここが私たちの家よ。」
『十数分後、お菓子につられた空也は、のこのこと八神家へと付いてきた。これから先に待ち受けている物も知らずに……。』
『ええい、その解説やめい!!縁起でもない。』
たく、うちのデバイスの性格ちょっと悪ないか?誰に似たんだか。(ブーメラン
「さあ、上がってちょうだい。」
「お邪魔します。」
「いらっしゃい。」
八神母、八神はやて、俺の順番で中に入ってく。どうやら家の中は手すりが取り付けられとるようで、八神はやては玄関に松葉杖を置いて、手すりにつかまりながら歩いていく。この時期では、まだそれほど麻痺も進行しとらんようやな。
まあ、この際そんなことは置いといて。今問題なんは美味しいお菓子が何かっちゅうことやな。折角来たのにハズレなんてことじゃ困るんだよねぇ、おじさん。
『マスター。普段美少女がすごしてる部屋ですよ!ほら、いつもみたい目一杯息吸わないと!』
『おいフィニス。お前さんは、如何しても俺を変態に仕立て上げたいみたいやな。』
『仕立て上げるなんて、そんな人聞きの悪いこと言わないで下さいよ。私は純粋にマスターのことを応援しようと思ってですね。』
どうやらうちのデバイスはもう末期のようである。……帰ったらフォーマットしようかな。
「はぁ……。」
「さて、それで?」
あれよあれよと言う間にリビングに連れてこられ、八神はやてと正面から向かい合う羽目に。まあ、そんなことを今更ぐちぐち言っても仕方ないので、八神はやて氏ご所望の“ちょっとお話し”を進めるべくこちらから切り出す。
「ん?」
「ん?やあらへんて。お話ししたいとか言ってたん自分やろうに。」
「せやったなぁ。ほんならあらためて自己紹介や。私は八神はやて、5歳。」
「山本空也、5歳。」
「ホンマに?同い年やったんやなぁ。年上かと思てたわ。」
「そうか。」
「ほんなら家族は?兄弟はいてる?」
「家は俺と歳の離れた兄貴だけや。」
「はい、お待たせー。ミルクティーとシュークリームでーす。」
「わぁ、これ美味しそうやなぁ。」
まさかこのシュークリーム。翠屋のか?だとしたらアタリやけど……。
「あの、このシュークリムって……?」
「これね、ここからじゃちょっと遠いんだけど、駅前に翠屋って店があるの。そこの一押しらしいわよ。確か1年ぐらい前にオープンしたんだけどね。」
「そうですか。」
うん、あたりだな。これだけでも来たかいがあるってもんや。……いや、食べてみんことにはまだ分からんか。
「いただきます。」
「はい、どうぞ。」
ふむふむはんはんなるほどね。うん、美味いな。普通に美味い。が、再現は出来そうやな。よし、今度買に行って研究することにしよ。
「どう?気に入ってくれた?」
「はい、美味しいです。」
「それはよかった。それでね、ちょっとお願いがあるんだけど。」
「なんですか?」
「私ね、ちょっと用事を思い出したから、それが終わるまで、はやてちゃんの相手しててくれる?そんなに時間はかからないと思うから。」
「まあ、それくらいやったらええですけど。」
「ありがとう。それじゃあはやてちゃんも、いい子にしててね。」
「うん、分っとるよ。」
――ガチャ……バタン――
「ふぅ……。」
ああ、静かにまったりと、美味いもん食べて寛ぐいうのはええもんやなぁ。
「なぁなぁ。」
「あん?どうした狸っ子」
「狸っ子って、もしかして私のこと言うてんのか?」
「お前さん以外に誰がいるよ。それとも何か、豆狸の方がよかったか?」
「あのな、私には“はやて”っちゅう可愛い、とは言えんかもしれへんけど、ちゃんとした名前があんねや。」
「そうか。」
「いや、“そうか”やあらへんて。ちゃんと名前で呼んでーな。」
「ええー。」
女子の名前を呼ぶなんて無理でござる。彼女いない歴18年をなめるなよ!!因みに言うと“ちゃん”付けする派です。
「せや、お兄ちゃんって呼んだるからさ。」
「ごめん、意味わからん。」
何それ。“お兄ちゃん”って呼ぶことが万人受けすると思うなよ!!……前世では妹がいたから呼ばれ慣れとるけどな。そう言えば、あいつ元気にしてっかな?何か、玉の輿してだらだら過ごすんじゃぁ!!とか言ってたけど。
「んー。せやったら“兄やん”って呼ぶのはどうやろ?……兄やん、意外と合うかも。」
「先ずは兄から離れろよ。」
「ええー。でもほら、同い年には思われへんし。私な、前からお兄ちゃんかお姉ちゃんが欲しいと思っててん。」
知らねーよそんな事。なにこの子。自由奔放なんですね!!
「えへへへへー、兄やん。」
「…………。」
ふむ、妹というのも意外といいかもしれんな。………はっ、だめだめ。こんなことじゃ自由気ままな暮らしが遠ざかって行く!!
「あ、兄やん。今もしかしてちょっとええかも、とか思ってたやろ。」
「ノーコメントで。」
なんだよ。俺の周りには読心術の使い手が集まるようにでもなってるのか!?
「あははははは、兄やんは誤魔化すの下手やなぁ。」
「いや、だから俺はお前さんの兄貴でもなんでもないっちゅうねん。」
「ああー、兄やんまだ名前で呼んでくれへん。そや。私の事名前で呼んでくれるんやったら、“兄やん”って呼ぶのもやめるかも。」
「条件変更で。」
「却下や。」
俺の提案はものすごくいい笑顔で否決されてしまったようで。俺の今までの人生――とは言ってもまだ18年ほどしか生きとらんねんけど――の中での経験からすると、このタイプの人間は、自分の意見を曲げるのが大嫌ったりする。要は自分から折れることがあんまりないんよな。……俺は折れるタイプの人間です。
「はぁ、それやったら“はやてちゃん”でええか?」
「別にちゃん付けせんでもええのに。」
「気にするな。癖みたいなもんや。」
「まあええか。それじゃあよろしくな。“兄やん”。」
「ちょっと待てはやてちゃん。何故に未だに“兄やん”のままなんや。」
「え?だってちゃんと言ったやろ。止める“かも”って。それにちゃん付けやし。」
「ホントのところは?」
「私が兄やんって呼びたいから(キリッ。」
拝啓、名も知らぬこの世界のお父様とお母様。異世界生活6日目にして、どうやら妹が出来たようです。
「はぁ……。」
どうも、あとがきです。
原作に入るまでに、相当時間がかかりそうです。当分はただただ日常ばかりかと思います。が、頑張って書いていきたいと思います。