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さて、
何かすごい手柄を立てればいいのか?例えば、戦で無双するとか・・・無理無理、このヤマトに戦争仕掛ける奴なんてそうそういないだろうし、そもそも俺にはそんなことできん。
そうだ、
じゃあシンプルに「俺は
待てよ?逆はどうだ?
それでその方法だが、俺の知識で今の時代に無いモノを大量に生み出し、それを売り出す、なんてのはどうだ?
今までにないモノが大量に出回れば帝都でも噂になるだろうし、そうすれば
うん。良いな。これが一番簡単で可能性がある方法だろう。
問題は資金と販売方法だな・・・。
なんて考えながら仕事をしていたらあっという間に一日が過ぎていた。
そうして自室に帰ると部屋の真ん中にあの二人組が座っていた。
ファッ!?なんでこの二人がここにいるんだ!?というか何故俺の部屋を知っている!?ストーカー!?
と混乱していると二人は
両者共に作り物のように美しく、一方は肌と角が色白で、円形デザインを取り入れた黒い衣装を着ており、もう一方は肌と角が浅黒く、三角デザインを取り入れた白い衣装を着ていた。
「お迎えにあがりました。」
「聖上が呼んでる。」
え?迎えに来た?それに聖上?聖上って確か
アイエエエエ! ミカド!? ミカドナンデ!?
なんてあまりの混乱に
ようやく混乱から脱した俺は、二人にどういうことかと聞いてみるが聖上にお聞きくださいと言うだけで答えてはくれなかった。
俺は冷静になった頭で考えてみる。
・・・まさか、
だからこの二人を俺に近づけ、俺を監視していた。
そしてタタリの正体に気づいたから呼び出したということか?
アレ?だとしたらヤバくないか?俺もしかしてこのまま消されちゃう?
イヤイヤイヤ、だったら呼び出すなんてまどろっこしいことをしないで殺しているはずだ。
ということは
それは好都合だ。丁度俺も
と考えているうちに開けた森の中に建つ中国風の東屋の前に立っていた。
そして、その中央に置かれたテーブルには車椅子の老人が着いており、その背後には白髪の妙齢の女性・・・ってホノカさん?・・・イヤ、違う。何が違うのかと言われると答えに困るが、何故か彼女が俺の知るホノカさんではないと確信できた。
それよりも今はこの老人・・・
いったいこの爺さんは何者なのか。どうしてホノカさんにそっくりな女性を侍らせているのか。まさか・・・
「どうしたんじゃヒロシ?そんなところに立っていないでこちらに来て座ったらどうじゃ?」
俺が一つの答えに達しようとしたところで
俺は無言でその向かいの席に着くと、単刀直入に彼が何者であるか聞いた。
「ほっほっほっ。せっかちじゃのう。じゃが、もう気づいているのではないか?」
・・・そりゃあな。これ見よがしにホノカさんにそっくりな奴を侍らせてたんじゃ、気づくなという方が無理だ。
兄貴なんだろ?
「やはりお前は頭の回転が早くて助かる。そうじゃ、久しぶりじゃな・・・・・・ホランド。」
いや誰だよ!?
「うん?違ったかの?それじゃあヒューズ・・・いや、村長だったか?それともレオリオ?」
ダメだ、この爺さんボケてやがる。遅すぎたんだ。
「すまんすまん。数百年も生きているとどうにも記憶が曖昧になってな。」
だからといって弟の名前を忘れるなよ・・・って、数百年!?
そこから、俺が眠ってから今に至るまでの話を聞かせられた。
俺が「真人計画」の被検体となり、眠りについてしばらくした頃、人類に謎の奇病が広まったそうだ。
その旧日本から発生した奇病は、ある日突然人の体が溶け出してスライム状になるというもので、どれだけ滅菌しようが、隔離しようが発症し、人類は次々とスライムと化していったそうだ。
そして、チィちゃんとホノカさんも兄貴の目の前でスライムと化してしまった。
その後、スライム化した人類を殲滅するために気象制御衛星アマテラスが兵器として使用された結果、地球環境は壊滅。
兄貴はその混乱の最中あるシェルター・・・現在帝都で聖廟とされている施設まで逃げ延び、そこで俺に施したのと同じ処置や延命処置をして生き延びたそうだ。
そして、スライム化してしまった人間を元に戻す研究を始めるが、孤独に耐えかねて「アイスマン計画」のデータを元に
しばらくは彼らと共に生活するが、
それを目にした兄貴は絶望したらしい。生み出した当初はあれ程無垢だった存在達がたった百年程で人間と同じようになってしまった。そしてあろうことか自分を拘束し技術を奪おうとまでしてきたのだ。
これに兄貴は怒り、人間の技術を使用して
その後はヤマトの
そして、自分の残りの生が短い事を感じ取り、孤独感が強まった事により、チィちゃんとホノカさんの遺伝子データを元にした
あまりの事実に俺は呆然とした。
ある程度は予想していたが、それでもショックである。
チィちゃんとホノカさんがタタリになってしまったことは勿論だが、あまりに過酷で孤独な兄貴の人生に俺は胸が締め付けられる思いがした。
兄貴がやった事。
だが、俺にそれを否定することはできない。数百年の間、たった一人の人間として生きてきた兄貴の孤独を思えば、そんな事を言えるはずがない。
俺だって兄貴と同じ立場ならやっていただろう。
その話が終わって双子・・・白い肌の方がウルゥル、褐色の肌の方がサラァナというらしい、が出してくれた茶を飲んで一息ついた後、兄貴に請われて今度は俺の方の話を始めた。
兄貴はそれを時折相槌を入れながら嬉しそうに聞いてくれた。
しかし、俺が山賊を倒した件では、あのニートがこんなに立派に、という目で見てきてムカついたが。
そうして互いの話も尽きた頃、俺は兄貴にこれからどうするべきか聞いてみた。
すると兄貴は、しばらくの間は今までのように帝都で暮らし、民の生活を知っておくようにと言ってきた。
そしていずれはアンジュ・・・チィちゃんのコピーである
とはいえ、アンジュが帝位を継いだ時にいきなり俺が現れたんじゃ混乱するだろうから、自分が在位中に俺を自身の弟として紹介するそうだ。
正直兄貴の研究については思うところがあるが、とりあえず頷いておいた。
そんな話をしたところで、今日のところはお開きとなった。
すると兄貴は思い出したかのように、ウルゥルとサラァナを世話係として付けると言ってきた。
いや待て!そんなこといきなり言われても困るぞ!?
と言ってみたが、それを聞いた途端ウルゥルとサラァナはこの世の終わりの様な顔をした。
おいやめてくれ、そんな顔で俺を見ないでくれ!?
兄貴はそんな風に慌てる俺を楽しそうに眺めながら、二人が
イヤイヤイヤ!?夜伽とか何言ってんだ!?というかコピーとはいえ、よくホノカさんの結婚を許したな!?・・・オイ!何故顔を背けるんだ兄貴!?そしてなんで顔を赤くしているんですかホノカさん!?え?数百年ぶりの妻の姿に思わずハッスルしてしまった?何やってんだこのジジイ!?!?!ということはこの二人は俺の姪っ子になるだろうが!?そんな娘たちに何させようとしてんだ!?何!?度重なる改造のせいでもはや遺伝子上はかけ離れているし、自分達の時代には三等親まで結婚OKだったから問題ない?というか早く俺の子供、もとい自分の孫を見せろ!?相手はアンジュでもいい!?いっぺん死んどけこのクソジジィーーーーーーーーー!!!!!
なんて最後の最後でグダグダになったが、こうして俺と兄貴の再会は終わった。
これからもなんだかいろいろ苦労が多そうだが、なんとかやっていこう。
差し当たって、ウルゥルとサラァナをどうやって旅籠屋の面々に紹介するかだな。
ウルサラが兄貴の娘というのは捏造です。
またホノカさん(コピー)作製→兄貴ハッスル→ウルサラ誕生→数年後アンジュ(チィちゃんコピー)誕生といった流れです。