作者の伊本です
今週は風邪でずっと寝込んでいて
体調が悪いです
今週から第零章と言っていましたが
先に番外編を投稿したいと思います
時間軸としては
第一章のすぐ後で
夏休みの始まる一週間前です
かなりの短編ですが
ぜひ楽しんでいってください
ミーンミンミン
ミーンミンミン
ムーミンムーミン
暑い、熱い、厚い
気温暑すぎ
みんなのテンション熱すぎ
夏休みの宿題厚すぎ
あつい夏だ・・・
暑さには弱いんだよ
そういえばこの前担任のクマさんから
「あー、大島、お前小説書いてるらしいな
今度の
脚本やってくれ、よろしくー」
とか押し付けられて
しかも我が青陵軍団の軍団長から
「あー俺ら体育部門優勝はほぼ決定だから
文化部門はお前ら頑張って優勝しろよ
そうすりゃ総合優勝決定だから
赤誠の3連覇止めような!」
とかプレッシャー掛けてきやがって・・・
しかも
主役が彼と香坂くんって・・・
どんだけ暇な人の寄せ集めなんだよ
まぁ夏休みまでには後1週間あるし
しかも撮影期間は夏休み中盤からだ
これなら多分できるかな・・・
はぁ・・・優勝させるか・・・
あーだるいだるい
夏は無駄に体力を使わされるところが大嫌いだわ
あ、そういえば次の授業は佐藤先生の数学の時間か
まだ1時間目終わったばかりなのに帰りたいよ
香坂くんと彼が来た
「いくか」
「いくこうか」
「そうだな、いくか」
僕は立ち上がった
・
・
・
あー授業つまらん
聞く気にならんし
そうだ、丁度一週間前のこの時間
彼は第一視聴覚室でなぜそこに存在するのかを解いたのだ
まさか、彼にそんな一面があったなんて知らなかった
そもそもそんな人が自分の周りにいるなんて思わなかった
でも基本的に名探偵って学校の成績も良い人が多いけど
彼は・・・とても残念だ
珍しい名探偵だ
そういえば夏休み前の三者面談の時彼がこんなことを言っていたな
「くまさんが俺のこと
”人間の脳は屋根裏部屋のように人それぞれ最大容量が決まっているんだ
君は無駄な知識で頭を一杯にしているからテストの点数が悪いんだ”
とか言っててムカついた」
とか言っていたな
って、完全にシャーロック・ホームズやん
なめとるなあのくま・・・じゃなくて
確かにそういうところがあるな
多分普通の人が覚えているところを覚えない代わりに
推理に必要な知識を覚えているのだろうな
一体どこで推理に必要な知識なんて覚えたのだろう
そもそも推理の思考回路なんてどこで身につけたのだろう
謎だ・・・
はぁ・・・いろいろ考えてたらだるくなってきた・・・
相変わらず先生の言ってること分からんし
つまらんし・・・暇だ・・・
なにか面白いこと起きないかな・・・
目の前の席は彼だ
真面目に勉強している
声を掛けて良いかな・・・
ま、いっかw
「ねーねー朋くん」
「ん?どうした?」
「あのさ、先生の授業つまらないからさ」
「うん、つまらんな」
「佐藤先生について何か推理してよ!」
「あー・・・それは面白そうだな、やってみよう」
・
・
・
「そうだな、まずは推理の最初の段階、観察から入ろう」
「分かった」
教卓の上で黒板に数式を書いている先生を見る
相変わらず疲れた高齢の先生だ
しかもバーコード・・・
「まずスーツの上着とズボンは違う物の組み合わせだな」
「確かに、色の組み合わせが酷いな」
上がおうど色で下が紺色というありえない組み合わせだ
しかも上が模様付きで下が無地とかありえないな
「スーツのあちこちに犬の毛があるな、
腕や胸にも付いているが、膝より下に多いから
おそらくは小型犬だな」
「なるほど」
流石だな
普通の人なら見逃すような少し量の毛だが彼は見逃さないな
確かに膝から下はかなり多いな
でも普通そんなところ見ないよな・・・
「耳の裏に髭剃りクリームの残りが付いているな
なるほど・・・
口の端にソースの跡があるな
ということは朝起きて歯磨きと髭剃りをして
ご飯食べたらそのまま出勤ってことか」
「すごいなもう朝の過ごし方まで分かっちゃったか」
このままこの先生の日常を丸裸にしてやるぞ・・・彼が
「手の指のあちこちに絆創膏が付いているな
たしかつけ始めたのは球技大会の後からか
ということは、朝ごはんは自分で作っているんだな
もしかしたら夜ご飯も作っているのかもな」
「あ、ほんとだ」
「結婚指輪が傷付いている、傷は最近出来たのものが多いな」
「んー?・・・でもそれがなにか関係あるのか?」
本当に変なところにも気付くな・・・
俺には全く分からんぞ
そもそも結婚指輪の傷なんて推理には関係ないと思うんだけど
「なるほどね、そうか、あの先生何か悩みがあるな
相当深刻な悩みが・・・
お金がないようだな、多分それ自体は悩みではない
そうか・・・最近娘が結婚したか」
「え?悩みがあるとかどうか分かるの?
てかなんで娘が結婚したとか分かるの?」
「人は頭から離れられないほどの感情
幸せ、恐怖、不安、怒り、侮蔑などの
感情があるとき、ちょっとした時に顔に出てしまうんだ
微表情とは、また別かも知れないが
先生の場合、目や眉に不安が見えている」
え?言われてみても分からないぞ
ホントかどうかも分からないけどこの人が言うなら
きっとそうなんだろうな
「そうか、心理学か、すごいな」
「いや、心理学じゃなくて表情分析学だけどね
あ、これは訓練してある程度経験を重ねないと
理解は無理だよ?」
さいですか
「じゃ、じゃあなんで娘が結婚したか分かったの?
顔だけじゃわからないでしょ」
「そうだな、これは今の先生を見ただけでは分からないな
だけど過去の行動と今の情報を組み合わせれば分かる
球技大会はいつだ?」
「5月だね、たしか」
「そう5月、その球技大会の時
先生の担当のクラスは全く活躍していなかった
だが先生はそんなクラスの人達に超ゴキゲンで
アイスを全員に買っていた、だがそのアイスは
一番安いガ◯ガリくんだった
俺らが一年生の頃はなにもなかった
確か先生のクラスは女子のドッチボールが準優勝だったか
総合も準優勝だったな
だけど今年は何も活躍していないのにガ◯ガリくん
何も活躍しなかったからガ◯ガリくんなんじゃないのか
と思っているだろうが
だったら去年同様買わなければいい
つまり、ゴキゲンだがお金はない
ゴキゲンになって、お金が一気に無くなる行事といえば
結婚式だ
確かあの先生には娘が居た
それに5月は一番結婚式が多い月だ
おそらく結婚式があったのは間違いないだろう」
「そ、そうか」
すごいな・・・ついていけないぞ
「よし!じゃあもう十分だな、推理に行こう」
え、今のが推理じゃないのか
そいえば観察とか言ってたな
これが観察か・・・すごいな
彼が手を合わせて親指を顎につけて人差し指を鼻につけて
考え始めた
なるほど、観察している時にはこれはしていない
だが推理になるとこのポーズを取るのか
ということは・・・
前回の事件に当てはめると
8年以上前のものがなぜそこに存在するのか
からが推理ということか・・・
俺達が分からないとか頭を悩ませていた物を解いたのを
彼にとっては観察ということか・・・
こりゃ、本物だな
とか思っていたら彼が口を開いた
「あー・・・そうか」
「え?なんか分かったの?」
「まぁね・・・
あの先生は今奥さんと二人暮らしで
あの先生の悩みは
夫婦間がかなり冷え込んでいるな
そして多分別居する可能性があるな」
え、何を言っているんだ
よ、よくわからないのだが
「なんだ、それ、全く分からないんだけど」
まさかこんなことを聞くことになるなんて思っていなかった
「分かっているよ
ちゃんと説明するから
ほら見ろ、指を
包丁の傷がある
ということは最近手料理を始めた
たしかあの絆創膏は
球技大会が終わってからつけ始めていた
ということは
娘が居た時は先生の奥さんが作っていたが
結婚式が終わり、娘が別居したら
奥さんが作るのをやめたということだ
手料理が苦手ならまずコンビニに行けばいい
だが手料理を作っているのは
奥さんの分も作っているからだ
コンビニなら自分のお金で二人分買わないといけないからな
たしか先生の家族は共働きでどちらも教師をやっていたはずだ
手料理なら奥さんに帰りに素材を買ってもらえる
自分の金を使わずに済むわけだな
つまり夫婦間で力関係の駆け引きがある
それだけじゃない
あの夫婦はどちらも教師
つまりは同じ時間帯に出勤するわけだ
先生が奥さんの分まで手料理を作っていることからも分かるが
朝は一緒に暮らしているようだ
なのに首の裏の髭剃りクリームの後は無視
スーツのダサい組み合わせも無視
スーツに付いた犬の毛も無視
口の端についたソースも無視
ということは奥さんは夫に全く興味ないようだ
まだあるぞ
結婚指輪は傷付いている、最近出来たものだ
結婚指輪はその二人の間を映すと言われている
実際に不幸な結婚の人の指輪を調べると
本当に普通の結婚の人よりも傷が多かった
ということは、近頃夫婦間が冷え切っている事がわかる
この3つから夫婦間が冷え切っていることは間違いない
そしてもう1つ
あの先生の犬の毛だ
つまり犬がいる
腕や胸にも付いていることから分かるが
スーツを着た状態で犬を抱いたってことだ
普通スーツを着ていれば犬の毛を気にしてそんなことはしない
つまり溺愛しているということだ
それだけじゃないぞ
脚には大量に毛がある
つまり犬が引っ付いてきているんだ
ということは犬にもなつかれている
犬の世話をよくやっているんだ
犬の習性として
家族に一人は自分より身分の低い人を作り出すことがある
つまり先生の家にとっては奥さんだ
よくある話だ
家族間が冷えきっている時に犬を飼ったら
その家族の誰かが犬を溺愛すると
だけどそれは本当に末期だ
だが先生にはその徴候がある
間違いなく事実離婚状態だ
娘が結婚したから離婚することは無いだろうが
このままいけば喧嘩が起こり、別居状態になるのかもしれない
俺の推理は以上だ」
「お、おう・・・」
な、納得はしたけど、いや、しちゃったけど
明日から先生にどんな顔して会えばいいんだ
まさかこんなことになるなんて
これは予想していなかったし
てか、どうしてこうなった
あの・・・ほんとに先生ごめんなさい
本当にこんな事を聞くハメになるとは・・・
すいませんでした・・・
もう二度と事件以外で彼に人の推理をさせないことを誓ったとさ・・・
どうでしたか?
番外編 もう二度としないは
次回から
彼の知られざる小学生編です!
第零章 始まりの事件
次回からスタートです!