幻想と魔導書と伝説と 〜The Magic of Calligraphy〜 作:名状し難いもふもふのような何か
2/14 タイトルを変更しました。
「で、母さんの友人ってことは…サグナのお母さんでいいのかな?」
「まあ、そういうことになるな」
とりあえず僕は家にあった麻袋にコンパスと地図、本になったフェイを入れてサグナと道を歩いている。
「あ、お兄ちゃんとルフ兄、どこ行くの?」
この子はサグナの妹、リーリエちゃん。結構気弱でおっとりした感じの子。人見知りが激しくて僕も最近喋ってくれるようになったばかりなんだよね。
「あぁ、もうそろそろ俺もしっかりしなくちゃなと思ってな」
「お兄ちゃんだらしないもんね」
「うっせ!余計なお世話だっ!(擽り執行)」
「ちょっやめっあははははっ」
イチャイチャしてんなぁ……あれ、兄弟だからイチャイチャしてるとは言わないのか。仲良いなぁ…僕も妹か弟が欲しかったよ…
『ルフには私がいるじゃない』
だから僕の心の中を読まないで!プライバシーなんてあったもんじゃないよ!
というわけで僕たち三人(リーリエちゃんも後ろからついて来た)と一冊(?)はアライヴァル家に着いた。
「戻ったぞー、お袋ー」
「あら、随分早かったわね、母さんが恋しくなったのかしら?」
「ちげぇよ!断じてちげぇよ!」
「あらあら、素直じゃないわねぇ」
「あ、どうも、お邪魔してます」
「あら、ルフ君じゃない、いらっしゃい♪ゆっくりしていってね」
この人はサグナのお母さん、本名はわからないけどこの村ではリンさんって呼ばれてる。喋りかたはおっとりしてるけど結構しっかり者で村の中でもお母さんって感じなんだよね。僕の父さんですら頭が上がらないくらい。
「お袋、俺さ。もうそろそろ一人立ちしたいんだ。だから、頼む」
いつの間にか話が進んでたらしくサグナが土下座してる。そこまでしないとダメなのかな……?
「あらあらいいわよー。ただし、ちゃんと家に顔を見せにたまには帰って来なさいね〜」
「この通りだから………え?いいの?」
あ、サグナが珍しく驚いてる。ちょっと面白い。
「あなたも男の子だものね。でも危ないと思ったら絶対に帰って来なさい。わかった?」
「……おう!ありがとうお袋!」
話は纏まったらしい。
「私も行く〜」
「「えっ!?」」
「あらあらうふふ」
ちょっと待って、なんでリーリエちゃんまでついて来るの!?まだ10歳だよね!?
「リーは本当にルフ君とお兄ちゃんが好きなのねぇ」
「うん。どっちも好きー。だからついて行くー」
「いやいや、ちょっと待って!?リーリエちゃん、旅っていうのは危ないものだから!ね?お願いだから家に」
「私も弱くはないよ……?」
「あーやめとけルフ。リーは怒ったりしたら下手すると俺より強くなるから」
「初耳だよ!?」
兄を超える妹ってなんだろうか。
「あ、サグナ。これを持って行きなさい。きっと役に立つわ」
そういってリンさんが奥に消えたと思ったらサグナの身長より少し長い鉄製の槍を持ってきた。
「あなた、毎日槍を練習してたでしょう?これがあればみんなを守れるわ」
「なんでばれてっ!?」
「私を誰だと思ってるのよ、あなたの母さんよ?なんでもお見通しよ。例えばベッドの下にあるエッチな本とか…」
「わぁぁぁぁぁ!ストップ!わかった!母さんがすごいのはわかったからそれ以上はいけない!」
「お年頃だものね。うふふふ♪」
サグナもそんなこと考えてるんだねー。え、僕?そりゃもちろん
「ルフ兄はそんな物持ってないよね………?」
「もちろん!僕は健全な青少年だからね!」
あとで帰ったら燃やしとこう。
さて、どこに行くかだけどまずは持ち物を確認しよう。
ルフ・マレフィカ ♂ (16)
勇者の子孫(?)
鉄の直剣
ショートバックラー
麻袋
・コンパス
・世界地図(サグナが人数分用意してくれた)
・Grimoire of Emerald
サグナ・アライヴァル ♂(16)
槍使い
鉄の槍
皮袋
・砥石
・世界地図
・携帯食料(3日分)
・手斧
リーリエ・アライヴァル ♀(10)
見習いシーフ
ダガー×2
皮袋
・砥石
・水筒
「こんなもんでいいか。とりあえず向かうのは港町、カンプだ」
サグナが世界地図の1箇所を指差す。
「なんで港町なの?」
「ここにお前の母さんの友人がいるらしい。ルーチェさんと言うそうだ」
ゔっ……ルーチェさんってあの人か……正直言っていい思い出と悪い思い出が半々すぎる…
「ルフ兄大丈夫?顔色悪いよ?」
「大丈夫…先のことを考えてただけだから…」
「……?」
リーリエちゃんは可愛いなぁ…
「よし、じゃあ出発するとしますか!」
「「おー!」」
次の目的地はルーチェさんのいる港町カンプ。父さんの目的とこの本の正体を知りたい事で頭がいっぱいだった僕はこの時点で壮大な物語の登場人物になっていたことに気がつかなかった。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。異形のもふもふです。ペースいつもはこんな早くないんですよ、指が勝手に。
友人が読んで面白かったなどの感想が返ってきて涙が出そうになったのはまた別のお話。
それではこの辺で。感想を残していただけると泣いて喜びます。次回もよろしくお願いします!