幻想と魔導書と伝説と 〜The Magic of Calligraphy〜   作:名状し難いもふもふのような何か

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はいどうも。外伝を書いて数十分。投稿したいという気持ちが溢れ出てしまい投稿してしまいました。これ明日出す予定だったんですけどね…
もう明日の分も出しちゃえ!的な感じで。
こんなに我慢出来ない子だっけ俺…
………出来ない子だわ………
(出した後に修正点を発見いたしましたので少し改変いたしました。申し訳ございません)


〜閑話休題〜 サグナのお買い物編

〜港町カンプ 商店街〜

カンプは港町とあって商船や商人が来ることも多い。この大陸で商業と言われたら港町カンプでやればいいと言われるほどには有名な街であった。

 

その港町の商店街、商人の戦場の真ん中を堂々と歩いている人影(獣影?)は周りの人混みに溶け込みつつ独り言を呟いた。

「さて、買い物とは言ったもののどうしたものか」

サグナである。ルフ達と別れた後、宣言通り買い物に来たようだ。

それでは視点をサグナにしてみよう。

 

〜ナレーション fade out

サグナ fade in〜

 

うーむ。手持ち金が少ないからいろんなものは買えないが、最低限のものはもっておきたい。とりあえずアイテムボックスが欲しいところだ。あれは便利だからな。そういや手持ち金、あるだけもって来たがいくらあるんだろうか。

カパッ

※(1500z)

ふむ、1500zか。まあこれだけあればアイテムボックスと寝具くらいはいけるだろう。

「いらっしゃい!いらっしゃい!なんとなんとこちらのアイテムボックス、特大セール2800z!2800zだよ!買ってかないかい!」

前言撤回。これは無理だ。子供の財政じゃきつい。

「おー、サグナじゃない。こんなところに一人で珍しい」

うるさい、俺は今考え事をしているんだから静かにしてくれ。うーむ、とりあえずリーリエの寝具だけでも…

「おーい、サグナ?聞こえてないのかな。返事してよー」

あーうるさい。今はそれどころじゃないんだ。後にしてくれ。うーん、ルフや俺達が食う分の調理器具も欲しいところだな…どうしたものか

「サグナー、おーい。……いい加減にしないと」

「いい加減にしろようっせえな!」

「ぴぇっ!?」

しまった、つい怒鳴ってしまった。

「すまない、考え事をしていて横からうるさい羽虫が来たかと思ってな。誰かと思えばお前か。シル」

「うぅ…酷いよサグナ…許嫁に向かって…」

「誤解を招く発言はやめろ!?」

周りがザワザワしだす。あぁもうめんどうなことに!

「とりあえずこっちこい!」

シルの手を引っ張って走る。はぁ…なんでだ…。

シル。シルヴィア・リベルディ。俺より一個年下の女の子で俺が好きらしい。

家が結構な商家で普通はこんなところにいるはずがないんだけどな…まあ、いわゆるお嬢様ってやつだ。

「こんな路地裏に連れて来てー、なにをするつもりー?」

ニヤニヤ顏のシルが問いかけてくる。あーうん。そういう展開はないんだ。小説的に。

「別になんもしねぇよ。ていうかなんでお前がここにいるんだ」

「それはこっちが聞きたいよー。あ、もしかして…」

頬を赤めつつ上目遣いでこっちを見てくる。

「私に会いに来「それはない」せめて最後まで言わせてよー!」

全く、そんなことあるわけないだろ。

「まあいいや。それよりサグナ、何か困ってるんじゃないの?」

「ん?あぁ、まあな」

そういやこいつに頼めば、アイテムボックスくらいならくれるんじゃないか?

いやまてよ。よく考えろ俺。これを頼んだら貸し1とか言われて変なこと頼まれるんじゃないか?

それはまずい。過去の経験が物語っている。確実にまずい。

「私でよかったら相談に乗るよ?」

「いやいい。お前は家に帰れ。わかったな?」

「えー!なんでよ!!」

「なんでもなにもお前がつきまとうと面倒が増える!」

シルが涙目になる。あ、これはやばい…

「うぇぇぇぇん!サグナがいぢめるー!」

あー…やっぱりか…あの頃のままだな…

「だぁぁ!わかった!わかったから泣き止め!連れてってやるから!」

「ぐすっ…本当?」

つくづく俺も甘いのかな…シルが泣くとどうしても構ってやらないとって気持ちが湧き出てくる…

「あぁ、だから泣くな。行くぞ」

俺はシルの手を引いて路地裏から出る。はぁ…今日は厄日だ…

 

シルの手を引いて商店街を回る。とにかく、こいつを満足させつつ俺の目的のものを買わなきゃいけないのか。……我ながら出来るか不安になって来た。

「あ、サグナー。あれなにー?」

シルが屋台の一つを指差す。

「あぁ、あれはラムの串焼きだな」

「らむ?」

「ラム肉のことだ。独特な味があってうまいぞ」

以前ルフ達と食ったからな。あいつ、料理上手いからなぁ…

「食べたーい!」

「いや、金がないからまた今度な」

「私が払ったらいいでしょ?」

「なんで俺に食べたいって聞いたのか3文字で教えてくれ」

「食べる!」

「答えになってねぇ!」

確定形じゃねぇか!会話にすらなってねぇ!

「というか、お前この街に住んでるんだろ?ここら辺詳しいんじゃないのか?」

「…うぅん。パパもママもお屋敷から出してくれないもん…」

「なら、なんでここにいるんだ?」

「抜け出してきた。もう家に閉じこもってるのは嫌なのー!」

シルが抱きついてくる。まあ家にずっといろって言われるのは確かに窮屈だな。その点俺は恵まれてるのかもしれねぇな。

「だから、食べよ?」

「どこをどうやったら[だから]に繋がるんだよ!」

ツッコミどころが多すぎる…ルフがいないと追いつかない…。

「むー、そんなに私と食べるのが嫌?」

「いや、そういうわけじゃなくてだな…」

女の子に物を買わせるってなんか抵抗あるじゃん。言わせんな恥ずかしい。

「じゃあ決まり!買ってくるね!」

「あ、おい!」

そういうなりそそくさと歩いていくシル。はぁ…仕方ない。

 

「おじさーん!そのお肉」

「すまんな、おっさん。そのラム肉の串焼き二つもらえないか?」

「……え?」

「おうおう、カップルかい?なら、一つまけといてやるよ!持っていきな!」

気前のいいおっさんだ。気に入った。次来た時は絶対ここに来よう。

「ありがとうおっさん。ほら、シル」

「えっと、いいの?」

「いいのいいの。さっさと食え。冷めるぞ」

「……うん!ありがとうサグナ!」

そういうなり豪快に肉を口に入れるシル。えっと、それ調理したてだから…

「あつぅい!」

「言わんこっちゃない」

そうなるだろうとは予想していた。

「肉は逃げないんだからゆっくり食え、ほら」

背中をさすってやりつつ、おっさんにお金を払う。おっさんは俺らを可愛い物を見る目で見ていた。視線が痛い。

 

〜港町カンプ 自然公園〜

 

結局夕方近くまでシルと一緒に回った。俺自身は特に何かをしてやったつもりはないんだが、シルは満足したようだった。

「ありがとね、サグナ。一緒に回ってくれて」

「ん?あぁ、いいんだよこれくらい。楽しめたか?」

今俺たちは近くにあった自然公園にいる。2人でベンチに腰掛けてる状態だ。

「うん、とっても楽しかった。毎日こんな時間が続けばいいのに……」

少し寂しそうな顔をするシル。

「別に、2度とないわけじゃないだろ?」

「え?」

「俺達はまだこの街にいるつもりだ。それなら、お前の都合さえ合えばいつでも会えるだろう?」

「………!うん!」

そうだ。それでいい。女の悲しんだ顔なんていらない。いつだって笑っていればいい。それを支えてやるのが俺達男の仕事だ。

「じゃあ私、もう帰るね」

そう言って席を立とうとした、その時。

「ここにいたのか、シル!!」

怒鳴り声が響いた。

 

「全く、勝手にいなくなったと思ったら…どれだけみんなに迷惑をかけたと思っている?」

ツカツカと歩み寄ってくるスーツを着た男。なんだ?こいつがシルの親父か?

「うぅ…ごめんなさい…」

「ごめんで済むと思ったら大間違いだ!いいか?お前は家で勉強をして、いいところに嫁いで家のために貢献するんだ!お前を産むのにどれだけの労力が」

「うるっせぇぞ…クソ野郎が!」

気がついたら叫んでいた。正直俺はシルの家庭事情なんてどうでもいい。あぁ、心底どうでもいい。だけどな。一つだけ、ほんの一つだけだが、俺にも許せない物はあるんだ。

「さっきから聞いてりゃなんだ?家のため?みんなのため?てめぇ娘をなんだと思ってやがる!!!」

「なんだね君は!いきなり人に向かって怒鳴り声だなんて」

「うるっせぇぞこの(自主規制)野郎!娘を道具とでも思ってやがるその根性、叩き直さねぇとわかんねぇのか、あぁ!!?」

「うぐっ…」

相手のスーツ男がたじろぐ。男ならもっとシャキッとして自分の意見を言ったらどうなんだ、ああ腹が立つ。

「てめぇらの家庭事情に文句を言うつもりはねぇ。だがな、娘を道具としか見てない親なら、それは親子じゃねぇとはっきり言わせてもらおう!てめぇみたいな親がいたら子供はさぞかし悲しむだろうよ!親からの愛情なんてないんだからな!」

「そんなことは…」

「そんなことはねぇってか!?今お前はシルになんていったかすら覚えてねぇとでも言うのか!シルはなぁ、ここに住んでるのに街のことがわからないほど家で頑張ってたんだよ!それを言うに事欠いて勉強だけしていればいいだと?ふざけんのも大概にしやがれ!」

「……………」

一発殴らないと気が済まないがそこは我慢だ。俺にはあいつを殴る理由がない。

「……………すまない。君の言うことは正しい。もう少し娘と向かい合ってみるよ」

「………けっ、わかりゃいいんだよ。わかりゃ」

一人、シルだけが呆然と俺達を見ていた。

 

あの後、父親は

「シル、今日は遊んでいてもいいからあまり遅くはならないようにね」

と言い残して帰って行った。

と言うわけで俺たちはまだ自然公園のベンチにいる。

「……………」

「……………」

…正直気まずい。そりゃあ、一応シルの親父さんだったわけだしなぁ……。

「………ありがとう」

「あ?」

「私、ずっとお父さんに何も言えなかったの。私が産まれたのも、ずっと家に閉じ込められていたのも、お父さんとお母さんが私を産んでくれて育ててくれたから、それが間違いじゃないって。お父さんもお母さんも悪い人じゃないって」

「……………………」

「でもね、そういうこと考えるの、やめた。お父さんはお父さんでお母さんはお母さん。私は2人の娘で一人の女の子でいいやって。娘として出来ることを精一杯やろうって決めたの」

「……そうか」

「うん。だからね。ありがとうサグナ。サグナがお父さんにああやって言ってくれなかったら、私はまた自分の世界に閉じこもってたかもしれない。だから、ありがとう」

「…あぁ」

正面切って言われるとなんというか、照れくさい。俺は顔を見られたくなくてそっぽを向く。

「あー、照れてる」

「うっせ、照れてない」

「うっそだー、照れてる♪」

「照れてねぇ!」

ムキになってシルの方を振り返ると、満面の笑みでこちらを見ているシルと目が合った。くっ…可愛い…

「んふふー、シルちゃんの魅力に気がついちゃったー?」

「まだちっちゃいな」

「ちょっと!何がちっちゃいの!ねぇ!?」

割と必死になってこっちにしがみついてくる。何をそんなに気にするんだろうか。

「そんなこと気にしなくても俺はお前のこと結構気に入ってるから心配すんな」

「ちょ、えぇ!?」

顔を真っ赤にして照れるシル。とても昼間に許嫁とか街中で言ってたやつと同じやつとは思えない。

「うぅ…せっかく主導権握ったと思ったのにぃ…」

「10年早い」

まだまだ子供だな、と思いつつ空を見上げる。まだ夕方か。ま、いい時間だしそろそろ戻るかな。

「ほら、シル。立て、送ってやる」

「やだー、まだサグナと遊ぶのー」

「リーリエかお前は。ほら、行くぞ」

そうやって立たせようと手を取る。

「ふふっ、隙あり!」

頬に柔らかい感触が走る。…は?

「今はまだほっぺだけど、いつかは唇を奪ってあげるからね!それまで待ってるがいいさ!」

どこぞの小悪党みたいなセリフを残して走っていくシル。あ、こけた。

とりあえず歩いて寄る俺。

「大丈夫か?」

「うぅ…しまらない…」

涙目になりつつも笑みを浮かべるシルは年相応の可愛らしい女の子に見えた。

「家は近いから送るのはいいよ!じゃ、サグナ、また明日ね!」

そう言って走り去るシル。

さて、俺も帰るか…うん?ポケットに何か入ってる。漁ってみると小さな箱と紙だった。紙にはこう書かれていた。

「今日のお礼!」

その箱は旅人の必需品とされる【アイテムボックス】という魔道具だった。

「あいつ…普通に渡してくれればいい物を…」

そういいつつ笑みを浮かべる。たまには、誰かに付き合ってやるのもいいなと思いつつ、俺は家に戻っていった。




あれ?本編より文字数多い????
どうも、異形のもふもふです。最近他小説のヒロインを脳内妄想でイメージしては餌付けというわけのわからない想像が私の頭の中で繰り広げられています。
だって可愛くないですか?
女の子とかがこう、○ッキーとかプリッ○とかサクサクサクサクサクってしてるの想像すると萌えません?
リー「ルフ兄の前でやったら喜ぶかな?」
まずルフ君は餌付けを知っているのだろうか…

では今回はこの辺で。よければ感想よろしくお願いします!
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