優子side
アタシは制服に着替えてリビングに行った。そこにはラップでくるんである朝ごはんがあった。
「秀吉、お母さんは?」
「ああ、母上はもう仕事に行ったぞ」
「ふ~ん」
毎日のことだからあまり驚かないけどね。アタシはささっと朝ごはんを食べた。
「姉上、今日、蓮たちがいなくなった三年前の出来事が夢で出てきたのじゃ」
「偶然ね、アタシも見たわ」
もう、あれから三年も経つんだ。長いようで短いような……。
「あの時、ワシは何か絵美里と何か約束した気がするのじゃが、覚えておらんのじゃ。姉上は覚えておるか?」
……こいつ、絵美里との約束を忘れたんだ。絵美里が知ったら悲しむわね。
「そんなこと自分で思い出しなさい」
「そ、そんな~」
「幼馴染との約束くらい覚えておきなさい。アタシは覚えてるわよ」
「それは蓮は姉上の初恋の―――――――――あ、姉上、ワシの腕はそっちにまがらなっ!」
余計なことを言いかけた秀吉を折檻しておいた。
「早く復活しなさいよ。じゃないと、遅刻するわよ」
アタシは秀吉を放っておいて、ある場所に行くため、普段より早く家を出た。
だから、あたし達は家の電話が鳴っていたことに気がつかなかった。
家から歩くこと五分、アタシは蓮と別れた公園に来た。今日は蓮がいなくなってからちょうど三年たった。もしかしたら、蓮に会えるかもしれない。そう思ってきたけど、蓮はいなかった。
「バカよねアタシ、こんなことを期待して」
あきらめて学校に行こうとしたその時、
ドンッ。
「きゃっ!」
「うわっ!」
誰かとぶつかってこけてしまった。
「ご、ごめん。ちょっと考えごとしてて―――――――優子?」
名前を呼ばれて顔をあげると……。
「う、嘘」
そこには金髪のちょっとかっこいい、アタシの相手がいた。それは―――――――
「蓮……」
幼馴染の蓮がいた。
蓮side
「……久しぶりだなこの街も。元気にしてるかな優子」
俺は川上蓮。親の仕事の都合でアメリカに行ってたんだけど、幼馴染との約束を守るために、双子の妹の絵美里と戻ってきた。
絵美里は先に学校に行っている。俺は取りあえず、優子の家に電話をしたけど、出なかった。携帯に連絡を入れようと思ったけど、番号知らないからな。まあ、だめもとであそこに行くか。
そう思った俺は公園に行くことにした。絵美里に『ちゃんと、優子ちゃんに告白するのよ』って言われたけど、あえて無視した。
公園に行ったのは良かった。だけど、そこに優子がいるとは限らない。まあ、学校で会えるから問題ないんだけどな。
そう考えて歩いていたら、誰かとぶつかってこけてしまった。あわてて俺はその子を起こそうとして起き上がって、顔を見て驚いた。何故なら優子だったからだ。
「蓮……」
俺も驚いていたけど、優子も驚いていた。さてと、何て言い訳するかな。
優子side
呆然としているアタシを蓮は優しく、抱きしめてくれた。
「蓮、蓮なの?」
「ああ、久しぶり。元気にしてたか」
「ど、どうしてここに?」
「どうしてって……前に約束しただろ? 三年たったら帰ってくるって」
アタシは言葉を失った。覚えててくれたんだ。……だったら。
「――――――――しなさいよ」
「優子?」
「だったら連絡ぐらいしなさいよ、バカ蓮!!」
思わず、蓮の胸を連打してしまった。あたしがどんだけ心配したと思ってるのよ!
「痛てて、落ち着け、それには訳がある! ってかさっきお前の家に電話したぞ。誰も出なかったけど」
「な、ならアタシの携帯に……」
「いや、お前の番号、知らないし」
「……そうだったわね」
アタシとしたことが。だけど……。
「蓮……」
「どうした、優子?」
「もう、どこにも行かないで。ずっと、アタシのそばにいて」
「……ああ、ずっと優子のそばにいるよ。どこにも行かない」
アタシは蓮を強く抱きしめた。会えた、やっと蓮に会えた。もう、離さない。絶対に。
やっと再会した、優子と蓮。次回からFクラスのメンバーが登場します。
幻夢はハイスクールD×Dを更新した後に書きます!