バカとテストと監視者   作:汰灘 勇一

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第五話「アタシと蓮と告白」

優子SIDE

 

 あたしは今、Fクラスにいる。幼馴染である川上蓮とその双子の妹である絵美里の様子を見にきたのだが……。

 

「……まさか、秀吉と絵美里が付き合うなんてね……」

 

「てへっ」

 

 本当に予想外だったわ。絵美里が秀吉のことが好きだったのは知っていたが、まさかこんなに早く付き合うとは思わなかった。

 

「……羨ましいです。そんなにストレートに思いを告げられるなんて……」

 

 すると、姫路さんが弁当のおかずをを食べながら、絵美里を見ていた。

 

「どうしたの瑞希ちゃん」

 

「いえ、私も素直に気持ちを伝えられたなら……」

 

「そっか、瑞希ちゃんは吉井君のことが好きだもんね」

 

「ふえっ!?」

 

 絵美里がそう言うと姫路さんは顔を赤く染めた。……分かりやすいわね。

 

「な、何でそのことを?」

 

「いや~だって見ただけで分かるよ。だって私と同じなんだもん」

 

「そうね。ねえ、姫路さん吉井君のどこが好きなの?」

 

「え、ええとやさしくて人のために一生懸命になれるところです。私と明久君は幼なじみなんです」

 

「へ、へ~」

 

 そうなんだ……なんかアタシと少し似てるわね。

 

「そうなんだ! 私と優子ちゃんと同じだね」

 

「そうね。私も蓮とは幼なじみなのよ」

 

「そうなんですか……」

 

「あっ、そういえば、絵美里聞きたいことがあるんだけどいい?」

 

 そこで私はずっと気になっていたことを聞こうとした。

 

「蓮に彼女はいるの?」

 

 そう、アタシが一番気になっていたことは蓮に彼女がいるかどうかだ。いたら嫌だな……。

 

「いないけど、どうしたの?」

 

「そ、そう、よかった……」

 

「そっか、まだ優子ちゃんは蓮のこと好きなんだね」

 

「ぶふっ!」

 

 ほっと胸をなで下ろしたアタシは絵美里の一言に吹き出した。

 

「な、何を言うのよ!」

 

「え~、みんな気がついているよ」

 

「はい」

 

「えっ!?」

 

 絵美里はともかく姫路さんまで知られていたなんて……。

 

「だけど、蓮は結構もてたよ。アメリカにいた頃、告白されてたし」

 

「えっ!?」

 

「でも、蓮は好きな人がいるって断ってたけど」

 

「そうなんだ……」

 

 れ、蓮って好きな人がいたの? どんな人なんだろう……。

 

「え、絵美里ちゃん! 私にどうやったら好きな人と付き合えるのか教えてください!」

 

「あ、あたしにも教えて!」

 

 もう、こうなったらあたしの思いを告げるしかない。だけど、どうすればいいのか分からない。

 

「う~ん特にどうやったらっていうのは無いよ。ただ、素直に思いを伝える。それだけでいいと思うよ」

 

「「で、できません!」」

 

 そう、あたしたちは素直に思いを伝えることができない。だから、こんな風になっているんだ。

 

「二人とも、素直になって告白しないと誰かに取られちゃうよ。それでもいいの?」

 

「うっ……」

 

「わ、私、明久君に告白します!」

 

「あ、アタシも!」

 

 あたしは決意を固めた。

 

「じゃあ、今日中に告白しちゃいなよ。その方が決意が鈍らないから♪」

 

「「ええっ!?」」

 

「ちょっと蓮と話してくるね!」

 

 そう言って、絵美里は蓮のところに行った……。どうしようかな。

 

「どうします木下さん?」

 

「どうもこうも、やるしかないわ! あと、姫路さんアタシは優子って呼んで」

 

「はい! じゃあ、私のことも瑞希って読んでください」

 

「じゃあ、よろしくね瑞希。お互い頑張りましょうね」

 

「はい!」

 

 アタシと姫路さん……いえ、瑞希と握手をした。

 

 絵美里は蓮と、蓮たちの家でお泊りパーティをする話をしていてアタシと代表、愛子、瑞希は参加する。島田さんは……用事があって行けないみたい。

 

「蓮、放課後、校門で待ってて話したいことがあるの」

 

 そのあと、アタシは蓮と待ち合わせの約束をした。

 

「あ、明久君! 放課後お話があるので屋上に来てください!」

 

 見れば、瑞希も顔を真っ赤にして告白の準備をしていた。……頑張れ、瑞希。

 

 

 時が流れて放課後、アタシは校門でずっと蓮を待っていた。だけど、蓮がこない。もうすぐ六時になる。……蓮、帰っちゃったのかな? そうだよね、アタシみたいな女の子なんかと蓮は……。

 

「優子! 悪い、祖母さんと話してたら遅くなっちまった」

 

「蓮、来てくれたんだ……」

 

 アタシは蓮が来てくれただけでもうれしくて涙が出てきた。

 

「当たり前だろ。お前との約束なんだから。それで、話って?」

 

「う、うん……」

 

 アタシは深く深呼吸をして、覚悟を決めた。

 

「蓮、アタシは蓮のことが好き」

 

「えっ?」

 

 蓮はアタシの告白を聞いて驚いていた。

 

「小さい頃からずっと好きだったの。蓮には好きな人がいるって知ってたけど……アタシの気持ちを伝えたかったの」

 

 そう、付き合えなくてもいい。ただ、アタシの気持ちを伝えて自分と決着をつけたかった。

 

「まいったな……」

 

 蓮は困ったように髪の毛を掻きむしっていた。……そうだよね、あたしなんて迷惑だよね。

 

「優子、聞いてくれるか?」

 

「う、うん」

 

「優子、俺もお前のことが好きだ」

 

「っ!」

 

 蓮の告白にあたしは驚いた。蓮がアタシのこと、好き……?

 

「本当は俺から告白しようと思ったんだけどな……」

 

「蓮……アタシでいいの? アタシはガサツで可愛くないよ? それでも……」

 

「そんなことはない!」

 

 すると、蓮は大声を出した。えっ?

 

「優子は可愛いよ。その……とても魅力的な女性だよ。俺は一人の異性としてお前が好きなんだ」

 

「蓮……その、もう一回言うね。蓮、アタシと付き合ってください」

 

「ああ……」

 

 アタシと蓮は抱きしめあい……顔を近づけあい……キスをした。

 

 




はい、久しぶりの投稿です。

今回は蓮と優子が付き合う話を書きました。

話が早すぎるという声があると思いますが、一応、リメイクなので前書いたとおり書いています。
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